1. 概要
泉澤仁(いずみさわ じん、1991年12月17日 - )は、千葉県浦安市出身のプロサッカー選手。身長は165 cm、体重は63 kg、血液型はA型で、利き足は右足である。ポジションは主にミッドフィールダーとフォワードを務める。現在はJリーグのFC岐阜に所属している。少年時代からサッカーを始め、阪南大学在籍時にはユニバーシアード日本代表として銅メダル獲得に貢献。その後、大宮アルディージャでプロキャリアを開始し、ガンバ大阪、東京ヴェルディ、ポーランドのポゴニ・シュチェチン、横浜F・マリノス、ヴァンフォーレ甲府を経て、2025年よりFC岐阜に完全移籍した。
2. 来歴
2.1. プロ入り前
2.1.1. 出生と初期キャリア
泉澤仁は1991年12月17日に千葉県浦安市で生まれた。幼少期よりサッカーを始め、塩焼わんぱくFC、FCトリム、松戸FC(松戸選抜)、市川FC(市川選抜)に所属した。中学時代は柏レイソルU-15でプレー。中学校卒業時にはU-18への昇格も可能であったが、より個人の能力を発揮できる環境を求めてアルビレックス新潟ユースへ移籍した。開志学園高等学校に在籍しながら、アルビレックス新潟ユースでプレーを続けた。
2.1.2. 大学時代
アルビレックス新潟のトップチーム昇格は叶わず、2010年に阪南大学へ進学した。大学3年次には、関西学生サッカーリーグ1部と総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの2冠を達成し、リーグ戦では年間最優秀選手賞を受賞するなど、関西地方で最も優れた若手選手の一人として評価された。全日本大学選抜にも選出され、2013年7月にロシアのカザンで開催された第27回夏季ユニバーシアードではユニバーシアード日本代表として出場。初戦のトルコ戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍を見せるなど、チームの銅メダル獲得に貢献した。同年7月には、大宮アルディージャにJFA・Jリーグ特別指定選手として登録された。
2.2. プロ入り後
2.2.1. 大宮アルディージャ時代(2014-2016)
複数のクラブからのオファーを競合した末、泉澤は2014年に大宮アルディージャへ入団した。2014年にクラブがJ2に降格した後、新監督の渋谷洋樹は彼により多くの出場機会を与えた。プロ2年目にはサイドハーフの主力選手として定着し、大宮のJ1昇格とJ2リーグ優勝に貢献した。2016年にはJ1に昇格し、マテウスと共に両サイドからチームを支えた。背番号の39番は、「3+9=12」となり、「12番目の選手」を意味するサポーターへの感謝を表している。
2.2.2. ガンバ大阪時代(2017-2018)
2017年、泉澤はガンバ大阪に完全移籍した。同年4月11日、AFCチャンピオンズリーグ第4節の江蘇蘇寧戦で移籍後初の先発出場を果たした。4月21日には、J1リーグ第8節の古巣・大宮アルディージャ戦で移籍後初得点を記録した。ガンバ大阪では2017年シーズン、J1リーグで21試合に出場し2得点、カップ戦では3試合で2得点を挙げた。
2.2.3. 東京ヴェルディへの期限付き移籍(2018)
2018年6月、泉澤はJ2リーグの東京ヴェルディへ期限付き移籍した。同年8月11日、J2リーグ第28節のモンテディオ山形戦で移籍後初得点を決めた。東京ヴェルディではリーグ戦17試合に出場し3得点を記録した。
2.2.4. ポゴニ・シュチェチン時代(2019)
2019年1月、泉澤はポーランドのクラブ、ポゴニ・シュチェチンへ完全移籍し、初の海外挑戦となった。移籍後すぐにデビュー戦で初得点を記録したが、その後は出場機会に恵まれず、同年5月にシーズン終了を待たずに退団した。
2.2.5. 横浜F・マリノス時代(2019)
ポゴニ・シュチェチンを退団後、泉澤は2019年6月18日に横浜F・マリノスへ完全移籍した。しかし、この期間中の公式戦出場は天皇杯の1試合に留まった。
2.2.6. ヴァンフォーレ甲府時代(2020-2021)
2019年12月29日、泉澤はヴァンフォーレ甲府への期限付き移籍が発表された。2020年8月2日、J2リーグ第9節のレノファ山口FC戦で移籍後初得点を決めた。同年12月28日には、横浜F・マリノスからヴァンフォーレ甲府へ完全移籍することが発表された。甲府では2020年にリーグ戦28試合に出場し3得点、2021年には26試合で10得点と主力として活躍した。
2.2.7. 大宮アルディージャ復帰(2022-2024)
2021年12月25日、泉澤は大宮アルディージャへの完全移籍が発表され、6年ぶりに古巣への復帰を果たした。復帰後の2022年にはJ2リーグ16試合で1得点、2023年には38試合で3得点、2024年にはJ3リーグ7試合で1得点を記録した。
2.2.8. FC岐阜時代(2025-)
2024年12月26日、泉澤はFC岐阜への完全移籍が発表された。
3. 所属クラブ
- 塩焼わんぱくFC
- FCトリム
- 松戸FC
- 市川FC
- 柏レイソルU-15
- 2007年 - 2009年 アルビレックス新潟ユース (開志学園高等学校)
- 2010年 - 2013年 阪南大学
- 2013年7月 - 同年12月 大宮アルディージャ (特別指定選手)
- 2014年 - 2016年 大宮アルディージャ
- 2017年 - 2018年 ガンバ大阪
- 2018年6月 - 同年12月 東京ヴェルディ (期限付き移籍)
- 2019年1月 - 同年5月 ポゴニ・シュチェチン
- 2019年6月 - 2020年 横浜F・マリノス
- 2020年 ヴァンフォーレ甲府 (期限付き移籍)
- 2021年 ヴァンフォーレ甲府
- 2022年 - 2024年 大宮アルディージャ
- 2025年 - FC岐阜
4. 個人成績
4.1. クラブ成績
クラブ成績 | リーグ | カップ戦 | リーグカップ | 国際大会 | 合計 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | 背番号 | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | アジア | 合計 | ||||||||
2011 | 阪南大 | 11 | - | - | - | 1 | 0 | 1 | 0 | ||||
2014 | 大宮 | 39 | J1 | 16 | 0 | 4 | 0 | 3 | 0 | - | 23 | 0 | |
2015 | 39 | J2 | 41 | 7 | 3 | 2 | - | - | 44 | 9 | |||
2016 | 39 | J1 | 30 | 3 | 4 | 3 | 7 | 0 | - | 41 | 6 | ||
2017 | G大阪 | 39 | J1 | 21 | 2 | 3 | 2 | 4 | 2 | 6 | 0 | 34 | 6 |
2018 | 39 | J1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | - | 6 | 0 | ||
東京V | 6 | J2 | 17 | 3 | 0 | 0 | - | - | 17 | 3 | |||
ポーランド | リーグ | カップ戦 | リーグカップ | 国際大会 | 合計 | ||||||||
2018-19 | ポゴニ・シュチェチン | 39 | EKS | 1 | 1 | - | - | - | 1 | 1 | |||
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | アジア | 合計 | ||||||||
2019 | 横浜FM | 49 | J1 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | - | 1 | 0 | ||
2020 | 甲府 | 11 | J2 | 28 | 3 | - | - | - | 28 | 3 | |||
2021 | 39 | J2 | 26 | 10 | - | 0 | 0 | - | 26 | 10 | |||
2022 | 大宮 | 39 | J2 | 16 | 1 | - | 2 | 0 | - | 18 | 1 | ||
2023 | 39 | J2 | 38 | 3 | - | 1 | 0 | - | 39 | 3 | |||
2024 | 39 | J3 | 7 | 1 | 1 | 0 | 2 | 1 | - | 10 | 2 | ||
2025 | 岐阜 | 39 | J3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | |
J1通算 | 70 | 5 | 18 | 2 | 11 | 5 | 6 | 0 | 105 | 12 | |||
J2通算 | 166 | 27 | 3 | 2 | 6 | 2 | - | 175 | 31 | ||||
J3通算 | 7 | 1 | 1 | 0 | 2 | 1 | - | 10 | 2 | ||||
ポーランド通算 | 1 | 1 | - | - | - | 1 | 1 | ||||||
総通算 | 244 | 34 | 22 | 4 | 19 | 8 | 6 | 0 | 291 | 46 |
; リザーブチーム成績
クラブ成績 | リーグ | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 合計 | ||||
2018 | G大23 | J3 | 8 | 2 | 8 | 2 |
キャリア通算 | 8 | 2 | 8 | 2 |
4.2. その他の公式戦
- 2024年 埼玉県サッカー選手権大会 1試合0得点
4.3. 国際大会成績
大会 | クラブ | 背番号 | 出場 | 得点 |
---|---|---|---|---|
2017 | G大阪 | 39 | 5 | 0 |
通算 | 5 | 0 |
; その他の国際大会
- 2017年 AFCチャンピオンズリーグ・プレーオフ 1試合0得点
4.4. 出場歴
- Jリーグ初出場 - 2014年3月2日 J1リーグ第1節 vs 横浜F・マリノス(日産スタジアム)
- Jリーグ初得点 - 2015年5月3日 J2リーグ第11節 vs 愛媛FC(NACK5スタジアム大宮)
- エクストラクラサ初出場・初得点 - 2019年4月3日 第28節 vs レフ・ポズナン(ENEAスタディオン)
5. タイトル
5.1. クラブ
; 阪南大学
- 関西学生サッカーリーグ1部:2回(2010年、2012年)
- 関西学生サッカー選手権大会:1回(2011年)
- 大阪サッカー選手権大会:1回(2011年)
- 総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント:1回(2012年)
; 大宮アルディージャ
- J2リーグ:1回(2015年)
- J3リーグ:1回(2024年)
- 埼玉県サッカー選手権大会:1回(2024年)
; 横浜F・マリノス
- J1リーグ:1回(2019年)
5.2. 個人
- 関西学生サッカーリーグ1部 新人賞(2010年)
- 関西学生サッカーリーグ1部 年間最優秀選手賞(2012年)
- 関西学生サッカーリーグ1部 優秀選手賞(2012年)
- 関西学生サッカーリーグ1部 関西学生サッカー特別賞(2013年)
- デンソーカップチャレンジサッカー 最優秀選手(2011年)
- デンソーカップチャレンジサッカー ベストイレブン(2011年)
6. 代表歴
- ユニバーシアード日本代表
- 第27回夏季ユニバーシアード(カザン、銅メダル獲得)
7. 人物
2018年3月9日、フリーアナウンサーの山田真以との結婚を発表した。2020年5月1日には、第1子となる長女が誕生した。
8. プレースタイルと特徴
泉澤仁は、主にミッドフィールダーとフォワードを務める。右利きであり、攻撃的なポジションでその能力を発揮する。特に、大宮アルディージャ時代にはマテウスとの両サイドでの連携がチームを支えた。背番号の「39」は、「3」と「9」を足すと「12」となり、サッカーにおいて「12番目の選手」がサポーターを意味することに由来している。