1. 概要
清水優心(しみず ゆうし、1996年5月22日生)は、山口県大島郡東和町(現:周防大島町)出身のプロ野球選手(捕手)。右投右打。北海道日本ハムファイターズに所属している。
2. 生い立ちと背景
清水優心は幼少期から野球に親しみ、高校時代には甲子園出場も経験した。
2.1. 幼少期と学生時代
清水は城山小学校2年生の時に「東和スポーツ少年団」でソフトボールを始め、当時から捕手としてプレーしていた。東和中学校時代は「岩国ボーイズ」に所属し、野球を続けた。
九州国際大学付属高校に進学後は、1年生の春からレギュラーとして活躍し、2年生の秋には主将に任命された。3年生時の夏の甲子園では、4番・捕手として先発出場し、4打数2安打1打点の成績を残したが、チームは1回戦で東海大四高校(現:東海大札幌高校)に1-6で敗れた。高校通算では35本塁打を記録した。同学年には、チームメイトとして古澤勝吾やアドゥワ大がいた。
3. 選手経歴
清水優心はプロ入り後、北海道日本ハムファイターズの捕手として経験を積み、重要な場面での活躍を見せている。
3.1. プロ入りとドラフト
2014年10月23日に行われたプロ野球ドラフト会議において、北海道日本ハムファイターズから2位指名を受けた。契約金は推定6000.00 万 JPY、年俸は推定600.00 万 JPYで合意し、入団。背番号は10に決定した。同じく高校時代のチームメイトであった古澤勝吾も、同年のドラフトで福岡ソフトバンクホークスから3位指名を受け、プロ入りした。
3.2. 北海道日本ハムファイターズでの経歴
プロ入り後の清水優心の日本ハムファイターズでの年度ごとの主な成績と出来事を記述する。
3.2.1. 2015年
2015年4月28日、「侍ジャパン大学日本代表 対 NPB選抜」のNPB選抜メンバーに、チームメイトの石川直也、淺間大基とともに選出された。6月29日に行われたこの試合では、「9番・捕手」として先発出場したが、3打席連続三振を喫した。10月1日に出場選手登録され、同日の対千葉ロッテマリーンズ戦(札幌ドーム)において「8番・捕手」でプロ初先発・初出場を果たし、初打席は三塁ゴロに終わった。二軍では、チームの捕手の中で最多となる77試合に出場した。
3.2.2. 2016年
2016年7月14日に行われたフレッシュオールスターゲームでイースタン・リーグの選抜メンバーに選ばれ、「9番・捕手」で先発出場し、3打数2安打1打点の活躍を見せた。9月30日の対千葉ロッテマリーンズ戦ではプロ初安打を記録し、さらに2打席連続安打も達成した。この年はクライマックスシリーズと日本シリーズのメンバー入りを果たし、日本シリーズ初出場を経験した。オフの11月16日には、推定年俸640.00 万 JPY(30.00 万 JPYアップ)で契約更改を行った。
3.2.3. 2017年
2017年4月13日、対福岡ソフトバンクホークス戦(札幌ドーム)でプロ初打点を記録。10月3日、対オリックス・バファローズ戦(札幌ドーム)でプロ初本塁打となる左越えソロを放った。
3.2.4. 2018年
この年は86試合に出場し、打率.215、7本塁打、21打点を記録した。
3.2.5. 2019年
2019年1月23日、腰椎椎間板ヘルニアおよび嚢腫の手術(PED法)を受けた。復帰まで約3カ月の見込みとされた。このシーズンは98試合に出場し、打率.259、5本塁打、24打点を記録した。
3.2.6. 2020年
2020年は69試合に出場し、打率.193、3本塁打、16打点を記録した。
3.2.7. 2021年
2021年は100試合に出場。10月13日の埼玉西武ライオンズ戦で十亀剣から自身2本目となる満塁本塁打を放った。この本塁打はシーズン4号目であった。
3.2.8. 2022年
2022年8月11日の西武戦で松本航からサヨナラヒットを放ち、チームの勝利に貢献した。このシーズンは30試合に出場し、打率.194を記録した。
3.2.9. 2023年
2023年は開幕一軍入りを果たしたが、出場は32試合にとどまった。オフの11月30日には、推定年俸2700.00 万 JPY(200.00 万 JPY減)で契約更改を行った。10月2日、対オリックス・バファローズ戦(京セラドーム大阪)でプロ初盗塁を記録した(投手:山本由伸、捕手:若月健矢)。
3.2.10. 2024年
2024年5月までイースタン・リーグで37試合に出場し、打率.321、2本塁打、13打点と打撃が好調であった。打率のほか、出塁率(.424)、長打率(.464)、OPS(.889)のいずれもリーグトップを記録し、5月31日に今季初めて一軍に昇格した。清水の昇格により、一軍の捕手登録選手が異例の5人体制(清水のほか、田宮裕涼、伏見寅威、一塁中心のアリエル・マルティネス、三塁中心の郡司裕也)となった。
4. 選手としての特徴
清水優心は、捕手としての高い守備能力とパンチ力のある打撃を兼ね備えている。
捕手としての送球タイムは、高校生時に本塁から二塁まで最速1.78 sを記録する強肩の持ち主である。遠投は115 mを誇る。打撃面では、パンチ力のある打撃が魅力とされている。また、二軍では一塁手や三塁手としても出場経験があり、ユーティリティ性も持ち合わせている。
後輩思いな一面もあり、自分より年下の選手には積極的に助言を与えることで知られている。例えば、2018年シーズンの終盤には、当時プロ1年目だった清宮幸太郎に対し、「若い頃はちょっとしたことで誤解されることもある。特にお前は試合に出るチャンスをもらっているんだから生活態度や行動には気をつけないといけない」と諭すような助言を送った。
5. 人物
清水優心は、育った故郷への強い思い入れを持つ人物である。
中学生まで過ごした周防大島での思い出を振り返り、「当時は島に信号は2つか3つしかなかった。実家から最寄りのコンビニまで5 kmありました。お爺ちゃん、お婆ちゃんが多くて、みんな優しい。あの島で育たなかったら、どこかで道を外してプロ野球選手になれてない」と語っており、故郷が自身の人間形成に大きな影響を与えたことを示唆している。
2024年のシーズン終了後には結婚を発表した。妻はプロゴルファーの吉本ひかるの姉である。
6. 記録
清水優心のプロ野球における年度別成績と主な記録は以下の通りである。
6.1. 打撃成績
年 度 | 球 団 | 試 合 | 打 席 | 打 数 | 得 点 | 安 打 | 2 塁 打 | 3 塁 打 | 本 塁 打 | 塁 打 | 打 点 | 盗 塁 | 盗 塁 死 | 犠 打 | 犠 飛 | 四 球 | 敬 遠 | 死 球 | 三 振 | 併 殺 打 | 打 率 | 出 塁 率 | 長 打 率 | O P S |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2015 | 日本ハム | 1 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .000 | .000 | .000 | .000 |
2016 | 5 | 8 | 8 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | .250 | .250 | .250 | .500 | |
2017 | 61 | 120 | 111 | 7 | 22 | 4 | 0 | 1 | 29 | 10 | 0 | 0 | 3 | 1 | 5 | 0 | 0 | 35 | 4 | .198 | .231 | .261 | .492 | |
2018 | 86 | 242 | 200 | 25 | 43 | 7 | 0 | 7 | 71 | 21 | 0 | 1 | 20 | 1 | 18 | 0 | 3 | 51 | 4 | .215 | .288 | .355 | .643 | |
2019 | 98 | 246 | 216 | 17 | 56 | 8 | 0 | 5 | 79 | 24 | 0 | 1 | 9 | 1 | 19 | 0 | 1 | 51 | 6 | .259 | .321 | .366 | .686 | |
2020 | 69 | 157 | 135 | 13 | 26 | 7 | 0 | 3 | 42 | 16 | 0 | 0 | 12 | 2 | 7 | 0 | 1 | 37 | 5 | .193 | .234 | .311 | .546 | |
2021 | 100 | 256 | 214 | 19 | 44 | 6 | 0 | 4 | 62 | 18 | 0 | 0 | 11 | 3 | 28 | 0 | 0 | 60 | 3 | .206 | .294 | .290 | .584 | |
2022 | 30 | 67 | 62 | 2 | 12 | 1 | 0 | 0 | 13 | 3 | 0 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 15 | 1 | .194 | .219 | .210 | .428 | |
2023 | 32 | 60 | 50 | 3 | 13 | 1 | 0 | 0 | 14 | 5 | 1 | 0 | 6 | 0 | 4 | 0 | 0 | 13 | 1 | .260 | .315 | .280 | .595 | |
2024 | 12 | 15 | 14 | 1 | 2 | 1 | 0 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | .143 | .143 | .214 | .357 | |
通算:10年 | 494 | 1173 | 1012 | 87 | 220 | 35 | 0 | 20 | 315 | 98 | 1 | 3 | 65 | 8 | 82 | 0 | 6 | 270 | 24 | .217 | .278 | .311 | .589 |
- 2024年度シーズン終了時
6.2. 守備成績
年 度 | 球 団 | 捕手 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | 捕 逸 | 企 図 数 | 許 盗 塁 | 盗 塁 刺 | 阻 止 率 | ||
2015 | 日本ハム | 1 | 10 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- |
2016 | 5 | 9 | 3 | 0 | 1 | 1.000 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | |
2017 | 61 | 254 | 26 | 5 | 0 | .982 | 0 | 35 | 32 | 3 | .086 | |
2018 | 83 | 460 | 56 | 3 | 5 | .994 | 0 | 58 | 44 | 14 | .241 | |
2019 | 95 | 491 | 56 | 7 | 2 | .987 | 3 | 55 | 36 | 19 | .345 | |
2020 | 69 | 386 | 41 | 8 | 3 | .994 | 7 | 70 | 56 | 14 | .200 | |
2021 | 98 | 566 | 69 | 2 | 6 | .997 | 4 | 79 | 63 | 16 | .203 | |
2022 | 26 | 147 | 12 | 2 | 2 | .988 | 0 | 16 | 12 | 4 | .250 | |
2023 | 31 | 131 | 8 | 3 | 1 | .979 | 2 | 18 | 16 | 2 | .111 | |
2024 | 6 | 16 | 6 | 0 | 1 | 1.000 | 0 | 4 | 2 | 2 | .500 | |
通算 | 475 | 2470 | 277 | 30 | 21 | .989 | 16 | 335 | 261 | 74 | .221 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最多
6.3. 主な記録
6.3.1. 初記録
- 初出場・初先発出場:2015年10月1日、対千葉ロッテマリーンズ23回戦(札幌ドーム)、8番・捕手で先発出場
- 初打席:同上、3回裏に涌井秀章から三塁ゴロ
- 初安打:2016年9月30日、対千葉ロッテマリーンズ25回戦(札幌ドーム)、4回裏にチェン・グァンユウから左前安打
- 初打点:2017年4月13日、対福岡ソフトバンクホークス3回戦(札幌ドーム)、2回裏にリック・バンデンハークから左前適時打
- 初本塁打:2017年10月3日、対オリックス・バファローズ24回戦(札幌ドーム)、5回裏に松葉貴大から左越ソロ
- 初盗塁:2023年10月2日、対オリックス・バファローズ25回戦(京セラドーム大阪)、2回表に二盗(投手:山本由伸、捕手:若月健矢)
6.3.2. 背番号
- 10(2015年 - )