1. Overview
温炳勲は、大韓民国出身の元サッカー選手であり、現在はサッカー指導者として活動している。選手としては、日本の大分トリニータU-18でキャリアをスタートさせ、その後崇実大学校を経て、浦項スティーラースでプロデビューを果たした。Kリーグでは全北現代モータース、大邱FCに所属し、特に大邱FC時代にはKリーグ八百長事件に巻き込まれるも、控訴審で無罪が確定した。韓国でのキャリアを終えた後、日本の四国サッカーリーグに所属する高知ユナイテッドSCでプレーし、選手生活を終えた。引退後は指導者の道に進み、古巣である大分トリニータの育成組織でコーチを務めた後、現在はJ2リーグの愛媛FCのコーチを務めている。
2. Player Career
温炳勲のプロサッカー選手としてのキャリアは、韓国と日本の両国にまたがり、様々なクラブで経験を積んだ。
2.1. Youth Career
温炳勲は、2001年に当時のJリーグ・大分トリニータU-18の監督を務めていた元韓国代表の皇甫官にスカウトされ、来日して大分U-18に入団した。ここでは1学年下に梅崎司や西川周作がおり、特に梅崎とは共に自主練習を行うなど親交が深かった。2003年の途中には韓国に戻り、中東高等学校を経て崇実大学校で選手としてのキャリアを続けた。崇実大学校からは、2006年の新人ドラフトで浦項スティーラースに入団した。また、2005年にはU-20韓国代表にも選出され、水原カップ国際ユースサッカー大会にも出場し、合計7試合に出場した。
2.2. Professional Career
温炳勲は、プロ選手として韓国のKリーグおよびナショナルリーグ、日本の地域リーグでプレーした。
2.2.1. Pohang Steelers
2006年にKリーグの浦項スティーラースに入団した。しかし、ここでは出場機会に恵まれず、2年間でリーグカップに2試合出場するにとどまった。一方で、2軍リーグではMVPを獲得するなど、潜在能力の高さを示した。
2.2.2. Jeonbuk Hyundai Motors
2008年シーズンを前に、全北現代モータースへ移籍した。移籍前のプレシーズンではハットトリックを記録するなど好調な滑り出しを見せた。しかし、ここでもレギュラーとしての地位を確立するには至らず、2年間でKリーグ6試合に出場し1得点を記録した。選抜や交代で出場する際には良いパフォーマンスを見せることもあった。
2.2.3. Daegu FC
2010年シーズンに向けて、全北現代モータースから大邱FCへ、馮瀟霆との現金トレードで移籍した。2010年3月6日の浦項スティーラース戦で大邱FCでのリーグ初出場を果たし、同時に初ゴールも記録した。2010シーズンにはリーグ戦で23試合に出場し、レギュラーとして活躍した。しかし、2011年7月に発生したKリーグ八百長事件に巻き込まれ、クラブから放出された。この件は、当時チームメイトであった張南石の虚偽の証言による冤罪であったことが控訴審で明らかになり、温炳勲は無罪判決を受けて釈放された。これを受け、2013年に大邱FCと再び契約を結び、チームに復帰した。しかし、同年7月の移籍市場で再びチームから放出されることとなった。
2.2.4. Gimhae City FC
大邱FCを再び放出された後、金海市庁FCに入団し、Nリーグでプレーした。ここでは2013年から2015年までの間に4試合に出場した。
2.2.5. Kochi United SC
2016年、四国サッカーリーグに所属する高知ユナイテッドSCに加入し、日本での選手キャリアを再開した。高知ユナイテッドSCでは2016年から2018年までプレーし、リーグ戦31試合に出場して12得点を記録した。2018年シーズン終了後、契約満了により高知ユナイテッドSCを退団し、選手としてのキャリアを終えた。
2.3. International Career
温炳勲は、2005年にU-20韓国代表に選出され、国際舞台での経験も積んだ。この代表チームでは合計7試合に出場し、水原カップ国際ユースサッカー大会にも参加した。
3. Coaching Career
選手引退後、温炳勲はサッカー指導者としての道を歩み始めた。
3.1. Oita Trinita Youth Coach
2019年より、選手としてキャリアをスタートさせた古巣である大分トリニータの育成組織でコーチに就任した。
- 2019年: U-18コーチ
- 2020年 - 2021年: U-15宇佐コーチ(U-14担当)
- 2022年: U-18コーチ
- 2023年: U-15監督
3.2. Ehime FC Coach
2024年からは、J2リーグに所属する愛媛FCのコーチを務めている。
4. Personal Statistics
温炳勲のプロキャリアにおけるリーグおよびカップ戦の出場記録は以下の通りである。
クラブパフォーマンス | リーグ | カップ | リーグカップ | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
韓国 | Kリーグ / Kクラシック | KFAカップ | Kリーグカップ | 合計 | |||||||
2006 | 浦項 | Kリーグ / Kクラシック | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | |
2007 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | |||
2008 | 全北現代 | 6 | 1 | 2 | 0 | 3 | 1 | 11 | 2 | ||
2009 | 2 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | |||
2010 | 大邱 | 23 | 1 | 0 | 0 | 5 | 3 | 28 | 4 | ||
2011 | 8 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0 | 14 | 0 | |||
2013 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | |||
韓国 | ナショナルリーグ | - | - | 合計 | |||||||
2013 | 金海市庁 | ナショナルリーグ | 4 | 0 | - | - | 4 | 0 | |||
2014 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | |||||
2015 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | |||||
日本 | 四国サッカーリーグ | 天皇杯予選 | - | 合計 | |||||||
2016 | 高知U | 四国 | 8 | 3 | 1 | 0 | - | 9 | 3 | ||
2017 | 10 | 7 | 1 | 0 | - | 11 | 7 | ||||
2018 | 13 | 2 | 1 | 0 | - | 14 | 2 | ||||
総通算 | 76 | 14 | 8 | 0 | 16 | 4 | 100 | 18 |
5. Titles and Achievements
温炳勲が選手として獲得した主なタイトルと個人賞は以下の通りである。
5.1. Club
- 大分トリニータU-18
- 天皇杯大分県予選: 1回 (2002年)
- 全北現代モータース
- Kリーグ1: 1回 (2009年)
- 高知ユナイテッドSC
- 四国サッカーリーグ: 2回 (2017年、2018年)
5.2. Individual
- RリーグMVP (2006年)