1. Overview
田代真一(たしろ まさかず日本語、1988年6月26日 - )は、東京都目黒区出身のプロサッカー選手である。ポジションはディフェンダー。現在はJリーグのSC相模原に所属している。身長は182 cm、体重は72 kgで、利き足は右足である。ニックネームは「マサ」。
田代は幼少期から横浜F・マリノスの下部組織で育成され、その後プロキャリアをスタートさせた。横浜F・マリノス、FC町田ゼルビア(期限付き移籍)、ジェフユナイテッド市原・千葉、モンテディオ山形、V・ファーレン長崎、横浜FC(期限付き移籍および完全移籍)、大宮アルディージャ、いわてグルージャ盛岡といった複数のクラブでプレーし、各クラブで重要な役割を担ってきた。そのプレースタイルは1対1の守備能力や冷静な読みからのパスカットに優れるセンターバックとして知られている。本記事では、彼のプロサッカー選手としてのキャリア、統計、代表歴、そして私生活について詳細に記述する。
2. Early Life and Youth Career
田代真一は1988年6月26日に東京都目黒区で生まれた。幼少期よりサッカーを始め、1998年には横浜フリューゲルスのジュニアチームである横浜フリューゲルスジュニアに所属した。1999年には横浜フリューゲルスの吸収に伴い、横浜F・マリノスの下部組織へと移籍し、1999年から2000年まで横浜F・マリノスプライマリー菅田で、2001年から2003年まで横浜F・マリノスジュニアユースで、そして2004年から2006年まで横浜F・マリノスユースに所属した。ユース時代は東海大学付属高輪台高等学校に通いながらサッカーの技術を磨いた。
2006年には、U-18サッカー日本代表に選出され、さらにはU-19日本代表としても活動した。この時期の同期選手には、遠藤康、乾貴士、倉田秋、長沢駿といった後のJリーグで活躍する選手たちがいた。2006年末には、ユースから横浜F・マリノスのトップチームへの昇格が発表され、同期の長谷川アーリアジャスールと共にプロとしてのキャリアをスタートさせることになった。
3. Professional Career
田代真一のプロサッカー選手としてのキャリアは、彼の粘り強い守備とチームへの献身によって築かれてきた。ここでは、彼が所属したクラブの変遷、キャリアにおける主要な出来事、そして彼のプレースタイルについて詳述する。
3.1. Club History
田代真一は、これまで以下のプロクラブに所属し、そのキャリアを形成してきた。
- 2007年 - 2013年:横浜F・マリノス
- 2011年 - 2012年:→FC町田ゼルビア(期限付き移籍)
- 2014年 - 2015年:ジェフユナイテッド市原・千葉
- 2016年:モンテディオ山形
- 2017年 - 2018年:V・ファーレン長崎
- 2018年7月 - 同年12月:→横浜FC(期限付き移籍)
- 2019年 - 2021年:横浜FC
- 2021年7月 - 同年12月:→FC町田ゼルビア(期限付き移籍)
- 2022年:大宮アルディージャ
- 2023年:いわてグルージャ盛岡
- 2024年 - :SC相模原
3.2. Major Career Milestones and Episodes
横浜F・マリノスのトップチームに昇格した当初は、なかなか出場機会を得ることができず、結果を残すことに苦戦した。
2011年には、当時JFLに所属していたFC町田ゼルビアへ期限付き移籍。この年、町田はJ2への昇格を果たし、田代もチームの重要な一員として貢献した。2012年には町田との期限付き移籍期間を延長し、J2でのプレーを続けたが、チームはJFLへの降格が決定した。しかし、シーズン終了後にはJ2の有望若手選手に送られる「J2 Exiting22」に選出され、その実力が評価された。
2013年には、横浜F・マリノスへ期限付き移籍から復帰した。このシーズン、国内リーグ戦、リーグカップ、天皇杯への公式戦出場はなかったものの、同年7月23日に行われたイングランドの強豪マンチェスター・ユナイテッドFCとの親善試合には先発出場し、国際的な舞台を経験した。
2014年1月6日にはジェフユナイテッド市原・千葉へ完全移籍。このクラブでは、天皇杯でプロキャリア初のゴールを記録した。2015シーズンには背番号を15から3に変更して臨み、リーグ戦では第14節のツエーゲン金沢戦で移籍後初先発出場を果たした。しかし、シーズン終了後に契約満了により退団することとなった。
2016年からはモンテディオ山形に加入。同年7月20日、古巣であるジェフユナイテッド市原・千葉戦でJリーグでの初得点を記録した。このシーズンを通して、リーグ戦30試合に出場し、1得点を挙げる活躍を見せた。
2017年にはV・ファーレン長崎に加入し、チームの副キャプテンに就任。リーダーシップを発揮した。
2018年7月には横浜FCへ期限付き移籍し、シーズン終了後には完全移籍で加入。加入時、「僕自身、小学4年生の頃にお世話になったクラブが横浜フリューゲルスジュニアでした。この歴史あるクラブに、こうして戻って来られた事を嬉しく思います。」とコメントし、幼少期のルーツへの特別な感情を語った。横浜FCでは副主将も務め、チームの中心選手として活躍した。2020年12月19日、本拠地三ツ沢公園球技場で行われた横浜F・マリノスとの「横浜ダービー」では、試合前の円陣で「普通の1試合じゃないよ、ダービーだよ。このチームでやっている以上マリノスには絶対に負けちゃいけないよ」と熱い檄を飛ばし、自身も得点を挙げる活躍を見せた。この試合の勝利は、横浜FCにとって13年ぶりのダービー勝利となり、歴史的な貢献を果たした。その後、FC町田ゼルビアへの再移籍の際にも、「幼い頃から慣れ親しんだ三ツ沢で、プロとして試合をし、ゴールを決めて、そして昇格する事も出来ました。本当に僕自身、最高の思い出が詰まった3年間となりました。」とチームへの深い愛情を語り、多くのサポーターに愛される存在であったことがうかがえる。
2021年7月、FC町田ゼルビアに9年ぶりに期限付きで復帰した。
2022年には大宮アルディージャに完全移籍したが、同年10月31日に契約満了が発表された。
2023年1月11日、いわてグルージャ盛岡へ完全移籍で加入。
2024年からはSC相模原に加入し、新たな挑戦を続けている。
3.3. Playing Style
田代真一は、センターバックを主戦場とするディフェンダーである。彼のプレースタイルの最大の特徴は、対人守備における「1対1の強さ」と「粘り強いマンマーク」である。相手の攻撃を徹底的に潰すことに長けており、特に局面でのボール奪取能力に定評がある。また、単なるフィジカルの強さだけでなく、冷静な状況判断と的確な読みから繰り出されるパスカットにも優れており、相手の攻撃の芽を摘むインテリジェンスも兼ね備えている。これらの特徴により、守備の要としてチームに安定感をもたらす選手である。
4. Career Statistics
田代真一のプロサッカーキャリアにおける詳細な試合出場および得点記録を、各クラブおよび大会ごとに統計的に提供する。
4.1. Club Statistics
2025年2月14日更新時点での、彼のプロサッカーキャリアにおけるクラブ別公式戦出場記録と得点数は以下の通りである。
クラブ成績 | リーグ戦 | カップ戦 (天皇杯) | リーグカップ戦 (Jリーグカップ) | 総通算 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | 背番号 | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |||||
日本 | リーグ | 天皇杯 | リーグカップ | 総通算 | ||||||||||||
2007 | 横浜FM | 23 | J1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||||
2008 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||||
2009 | 5 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 10 | 0 | ||||||||
2010 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | ||||||||
2011 | 町田 | 5 | JFL | 32 | 1 | 2 | 0 | - | 34 | 1 | ||||||
2012 | J2 | 34 | 0 | 3 | 0 | - | 37 | 0 | ||||||||
2013 | 横浜FM | 23 | J1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||||
2014 | 千葉 | 15 | J2 | 3 | 0 | 4 | 1 | - | 7 | 1 | ||||||
2015 | 3 | 12 | 0 | 2 | 0 | - | 14 | 0 | ||||||||
2016 | 山形 | 2 | 30 | 1 | 3 | 0 | - | 33 | 1 | |||||||
2017 | 長崎 | 31 | 0 | 0 | 0 | - | 31 | 0 | ||||||||
2018 | J1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | 5 | 0 | |||||||
横浜FC | 5 | J2 | 16 | 3 | 0 | 0 | - | 16 | 3 | |||||||
2019 | 33 | 3 | 0 | 0 | - | 33 | 3 | |||||||||
2020 | J1 | 20 | 3 | 1 | 0 | - | 21 | 3 | ||||||||
2021 | 10 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 13 | 1 | ||||||||
町田 | 35 | J2 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | |||||||
2022 | 大宮 | 8 | 15 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 16 | 1 | ||||||
2023 | 岩手 | 5 | J3 | 32 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 32 | 1 | |||||
2024 | 相模原 | 55 | 18 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 18 | 0 | ||||||
2025 | 5 | |||||||||||||||
総通算(J1リーグ) | 35 | 4 | 12 | 0 | 3 | 0 | 50 | 4 | ||||||||
総通算(J2リーグ) | 174 | 8 | - | 13 | 1 | 187 | 9 | |||||||||
総通算(J3リーグ) | 50 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 1 | ||||||||
総通算(JFL) | 32 | 1 | - | 2 | 0 | 34 | 1 | |||||||||
総通算(合計) | 291 | 14 | 12 | 0 | 18 | 1 | 321 | 15 |
4.2. Milestone Matches and Goals
田代真一のプロキャリアにおける特筆すべき記録達成試合や初得点日は以下の通りである。
- 2009年5月20日 - プロ初出場(ヤマザキナビスコカップ) - vs サンフレッチェ広島(日産スタジアム)
- 2009年9月27日 - Jリーグ初出場(J1第27節) - vs 浦和レッズ(埼玉スタジアム2002)
- 2016年7月20日 - Jリーグ初得点(J2第24節) - vs ジェフユナイテッド千葉(NDソフトスタジアム山形)
その他の公式戦出場として、2018年にはJ1参入プレーオフに1試合出場し、0得点であった。
5. National Team Career
田代真一は、日本の年代別代表チームで活動した経験を持つ。2006年にはU-18サッカー日本代表に選出され、国際的な舞台での経験を積んだ。同年にはさらに上のカテゴリーであるU-19サッカー日本代表にも選ばれ、将来を嘱望される選手の一人として期待された。これらの代表活動を通じて、国際試合の経験を積み、自身のサッカー選手としての幅を広げた。
6. Individual Honors
田代真一が選手生活を通じて獲得した個人賞や栄誉ある記録は以下の通りである。
- 2012年 - J2 Exiting22
7. Personal Life
田代真一は、2013年6月に第一子となる男児の誕生を発表している。公にされている私生活の側面は多くないが、この出来事は彼の人生における重要な節目の一つである。