1. 来歴
福井理人のサッカー選手としての成長過程とキャリア形成を時系列で解説する。
1.1. ユース・アマチュア時代
幼少期はウンビーゴFC(倉吉市立河北小学校)でサッカーを始め、その後は2001年から2003年までFCカミノ(倉吉市立河北中学校)に所属した。高校時代は2004年から2006年まで鳥取中央育英高校でプレーし、大学は2007年から2010年まで日本文理大学に進学し、サッカーを続けた。
1.2. ガイナーレ鳥取
日本文理大学を卒業後、2011年にJ2リーグのガイナーレ鳥取に入団し、プロキャリアをスタートさせた。2011年3月6日に行われたJ2第1節の徳島ヴォルティス戦でプロ初出場を果たし、同年10月30日のJ2第33節カターレ富山戦でプロ初得点を記録した。2012年シーズン終了後、契約満了に伴い退団した。
1.3. ホーム・ユナイテッド
2013年1月、シンガポールのSリーグに所属するホーム・ユナイテッドに自由契約で移籍した。しかし、リーグ戦で13試合に出場するも無得点に終わり、同年7月にはクラブを退団した。
1.4. FKスティエスカ・ニクシッチ
2013年7月26日、モンテネグロ・プルヴァ・リーガのFKスティエスカ・ニクシッチに自由契約で加入した。同年8月10日のモルナル戦でデビューし、この試合で得点を挙げ、チームの2-0の勝利に貢献した。特に印象的なプレーとして、FKムラドスト戦で約70 mのロングシュートを決め、これが決勝点となりチームの勝利に貢献した。福井はクラブで重要な役割を果たし、2013-14シーズンにはリーグ優勝を経験した。
1.5. KFティラナ
2015年7月16日、アルバニア・スーペルリーガのKFティラナに自由契約で移籍し、1年契約を締結した。福井はアルバニアのクラブと契約した最初の日本人選手となった。同年7月22日に行われたマケドニアでのプレシーズンマッチ(ムラドスト・ツァレフ・ドヴォル戦)では、途中出場ながら2得点を挙げ、2-1での勝利に貢献した。そして、同年8月23日の2015-16シーズン開幕戦であるテルブニ・プカ戦では、ギルマン・リカの同点ゴールをアシストし、68分には決勝点を挙げてチームを2-1の逆転勝利に導いた。
1.6. KFスカンデルベウ・コルチャ
2016年6月21日、KFティラナとの契約延長に至らなかった福井は、同じくアルバニア・スーペルリーガに所属するKFスカンデルベウ・コルチャと2年契約を結んだ。しかし、所属クラブのKFスカンデルベウ・コルチャが八百長疑惑によりヨーロッパの大会から出場停止処分を受けたため、福井は一時的に移籍することになった。
1.6.1. FKクケシ (期限付き移籍)
2016年7月10日、KFスカンデルベウ・コルチャの八百長問題による出場停止処分を受け、福井はチームメイトのリリドン・ラティフィやサビエン・リラジと共に、ヨーロッパリーグ予選に出場するためFKクケシに期限付き移籍した。
同年7月14日に行われたUEFAヨーロッパリーグ予選2回戦のFKアウストリア・ウィーンとの1stレグでは82分間プレーしたが、チームは0-1で敗れた。続く7月21日の2ndレグでは61分間プレーしたが、チームは1-4で敗れ、合計スコア1-5で大会から敗退した。

FKクケシの敗退後、福井はKFスカンデルベウ・コルチャに復帰した。同年8月25日に行われた2016 アルバニア・スーパーカップでは、FKクケシ相手に一時同点となるヘディングゴールを挙げたが、チームは1-3で敗れた。9月7日のリーグ開幕戦ではフラムルタリ・ヴロラ戦にフル出場し、チームは2-1で勝利した。しかし、11月以降は先発出場機会を失い、1月までわずか94分の出場に留まった。新監督から残留を説得されたものの、シーズンの後半戦で出場したのはリーグ戦わずか2試合であった。
1.7. KSカムザ
KFスカンデルベウ・コルチャでの不本意なシーズンを終えた後、2017年8月3日に昇格したばかりのKSカムザに自由契約で加入した。しかし、ビザの問題を抱えていたため、アンタルヤで行われたチームの冬季トレーニングキャンプには参加できず、代わりにカストリオティ・クルヤでトレーニングを行い、1試合の親善試合に出場した。
2017-18シーズン、福井はKSカムザで最も起用された選手の一人であり、リーグ戦33試合に出場したが無得点に終わった。チームは最終節でアルバニア・スーペルリーガへの残留を決めた。当初、夏にはクラブを退団する意向を示し、クラブが給与を適切に支払っていないと主張していた。しかし、同年8月31日にはクラブに戻り、2018-19シーズンの契約を締結した。
2018-19シーズンの最初の試合となる9月15日のカストリオティ・クルヤ戦で、彼はシーズン初ゴールを記録し、チームの2-0の勝利に貢献した。
2. 個人成績
クラブ | シーズン | リーグ | カップ | 大陸大会 | 合計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ディビジョン | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | ||
ガイナーレ鳥取 | 2011 | J2リーグ | 11 | 3 | 1 | 0 | - | 12 | 3 | |
2012 | 27 | 2 | 0 | 0 | - | 27 | 2 | |||
通算 | 38 | 5 | 1 | 0 | - | 39 | 5 | |||
ホーム・ユナイテッド | 2013 | Sリーグ | 13 | 0 | 1 | 0 | - | 14 | 0 | |
FKスティエスカ・ニクシッチ | 2013-14 | モンテネグロ・プルヴァ・リーガ | 30 | 7 | 0 | 0 | - | 30 | 7 | |
2014-15 | 30 | 5 | 4 | 0 | 2 | 0 | 36 | 5 | ||
2015-16 | - | - | 2 | 1 | 2 | 1 | ||||
通算 | 60 | 12 | 4 | 0 | 4 | 1 | 68 | 13 | ||
KFティラナ | 2015-16 | アルバニア・スーペルリーガ | 34 | 2 | 3 | 2 | - | 37 | 4 | |
KFスカンデルベウ・コルチャ | 2016-17 | アルバニア・スーペルリーガ | 14 | 0 | 4 | 1 | 0 | 0 | 18 | 1 |
FKクケシ (期限付き移籍) | 2016-17 | アルバニア・スーペルリーガ | - | - | 2 | 0 | 2 | 0 | ||
KSカムザ | 2017-18 | アルバニア・スーペルリーガ | 33 | 0 | 2 | 0 | - | 35 | 0 | |
2018-19 | 1 | 1 | 1 | 0 | - | 2 | 1 | |||
通算 | 34 | 1 | 3 | 0 | - | 37 | 1 | |||
キャリア通算 | 193 | 20 | 16 | 3 | 6 | 1 | 216 | 24 |
- 公式戦初出場 - 2011年3月6日 - J2第1節・徳島ヴォルティス戦 (徳島県鳴門総合運動公園陸上競技場)
- 公式戦初得点 - 2011年10月30日 - J2第33節・カターレ富山戦(富山県総合運動公園陸上競技場)
3. 獲得タイトル
福井理人が選手キャリアを通じて獲得した主要なタイトルは以下の通りである。
- モンテネグロ・プルヴァ・リーガ: 2013-14シーズン(FKスティエスカ・ニクシッチ)
4. 逸話・評価
福井理人に関連する特徴的なエピソードや、彼のキャリアにおける特定の評価、および発生した論争について記述する。
4.1. 愛称「バキ」
福井理人の愛称である「バキ」は、ガイナーレ鳥取時代にチームメイトだった岡野雅行によって命名された。その理由は、福井の上半身の肉体を見た岡野が、漫画『グラップラー刃牙』の主人公である範馬刃牙を連想したためである。
4.2. 論争と批判
KSカムザ在籍時には、いくつかの論争に巻き込まれた。2018年1月の冬季トレーニングキャンプでは、ビザの問題によりチームに合流できず、アンタルヤでの合宿に参加できなかった。代わりにカストリオティ・クルヤでトレーニングを行い、1試合の親善試合に出場した。
また、2018年夏にはクラブから給与が未払いであると主張し、一時的にクラブを離れる意向を示していた。しかし、最終的には同年8月31日に契約を再締結し、チームに復帰した。