1. 概要
荒川恵理子選手は、東京都練馬区出身の女子サッカー選手であり、フォワードとして多岐にわたるキャリアを築いてきました。彼女は、日テレ・ベレーザやちふれASエルフェン埼玉など複数のクラブで活躍し、かつてはサッカー日本女子代表(なでしこジャパン)の一員としても貢献しました。
荒川選手のキャリアは、度重なる困難を克服する不屈の精神に特徴づけられます。特に、若い頃に経験した左肩の脱臼癖や右足の開放骨折といった大怪我を乗り越え、トップレベルで長くプレーし続けたその姿勢は、多くの人々に感動を与えました。彼女は、2004年アテネオリンピックのアジア地区予選で強豪北朝鮮から、本戦ではスウェーデンから重要なゴールを奪うなど、国際舞台でもその存在感を示しました。
また、荒川選手はかつてスーパーマーケット西友でレジ打ちのアルバイトをしながらサッカーを続けていたことで、「L・リーグ選手のもうひとつの顔」として大きな話題を呼びました。この経験は、当時の女子サッカー界が直面していた経済的な課題を浮き彫りにし、女子スポーツへの理解と支援の必要性を社会に問いかけるきっかけとなりました。彼女のこうしたピッチ外での活動は、単なる一選手の物語に留まらず、女子サッカーの地位向上と社会的な認知度向上に寄与した先駆的な事例として評価されています。
本記事では、荒川恵理子選手の生い立ちから現在に至るまでの詳細な来歴、輝かしい個人成績、彼女の愛される人柄やピッチ外での活動が社会に与えた影響、そして獲得した数々のタイトルと栄誉について、包括的に記述します。
2. 来歴
荒川恵理子選手は、その長いキャリアにおいて、怪我やクラブ移籍など様々な困難を乗り越えながら、常にサッカーへの情熱を燃やし続けてきました。
2.1. 初期キャリアと学歴
荒川恵理子選手は1979年10月30日に東京都練馬区で生まれました。2人の兄がサッカーをしていた影響を受け、幼い頃からサッカーを始めました。中学生になると、当時強豪として知られていた読売メニーナ(現 日テレ・東京ヴェルディメニーナ)に入団し、その才能を磨きました。
その後、文華女子高等学校に進学し、高校3年時の1997年にトップチームである読売ベレーザ(現 日テレ・ベレーザ)へ昇格を果たしました。若くしてプロの道に進んだ荒川選手ですが、キャリアの初期には左肩の脱臼癖や右足の開放骨折といった大怪我を経験しました。しかし、彼女はこれらの困難を不屈の精神で克服し、選手としての基盤を築き上げました。
2.2. クラブでの経歴と移籍
荒川選手は、プロキャリアの大部分を日本のトップリーグで過ごし、国内外の様々なクラブを渡り歩きました。
1997年に読売西友ベレーザ(後に読売ベレーザ、NTVベレーザ、日テレ・ベレーザへと改称)に加入し、フォワードとしてチームの攻撃を牽引しました。特に、2003年と2004年には日本女子サッカーリーグのベストイレブンに選出されるなど、その高い得点能力と貢献度が評価されました。
2008年9月、翌年から開幕するアメリカのトップリーグであるWomen's Professional Soccer(WPS)のドラフトで、FC Gold Prideから指名を受けました。2009年2月13日に正式な移籍が発表され、新天地での挑戦が始まりました。FC Gold Prideでのデビュー戦では、Boston Breakers相手にクラブ史上初となるゴールを決め、2-1の勝利に貢献しました。このシーズン、彼女は19試合に出場し1得点を記録しました。しかし、2009年8月にはWPSシーズン終了に伴い、かつての所属クラブである日テレ・ベレーザに復帰しました。
2010年には浦和レッズレディースへ移籍し、3シーズンプレーしました。2013年1月にはASエルフェン狭山FC(現 ちふれASエルフェン埼玉)へ移籍し、再び主要な得点源として活躍しました。
その後も、2015年には日テレ・ベレーザに6年ぶりに復帰し、2試合に出場。2016年には再度ASエルフェン埼玉へ、2017年には日体大FIELDS横浜へと移籍を重ねました。
2018年からは、三度目となるちふれASエルフェン埼玉に復帰し、現在も同クラブでプレーを続けています。彼女の豊富な経験とリーダーシップは、チームにとって不可欠な存在となっています。国内リーグ戦の通算成績は、2024年5月25日時点で313試合出場、130得点を記録しています。
3. 個人成績
荒川恵理子選手のプロサッカー選手としての公式戦における詳細な成績を以下に示します。
3.1. クラブでの成績
荒川選手の国内リーグ、カップ戦、および国際大会におけるクラブチームでの出場試合数と得点数を年度別にまとめます。
チーム | シーズン | 背番号 | リーグ | リーグカップ | 皇后杯 | 総計 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | ||||||||
読売西友ベレーザ / 読売ベレーザ / NTVベレーザ / 日テレ・ベレーザ | 1997 | 19 | L・リーグ | 6 | 1 | - | - | - | - | 6 | 1 | ||||
1998 | L・リーグ | 16 | 4 | - | - | - | - | 16 | 4 | ||||||
1999 | L・リーグ | 11 | 4 | 11 | 4 | ||||||||||
2000 | 12 | L・リーグ | 2 | 2 | - | - | 2 | 2 | |||||||
2001 | L・リーグ | 1 | 0 | - | - | 1 | 0 | ||||||||
2002 | 11 | L・リーグ | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | |||||||
2003 | L・リーグ | 21 | 18 | - | - | 21 | 18 | ||||||||
2004 | L・リーグ1部 | 14 | 8 | - | - | 14 | 8 | ||||||||
2005 | L・リーグ1部 | 12 | 6 | - | - | 5 | 5 | 17 | 11 | ||||||
2006 | なでしこ Div.1 | 14 | 6 | - | - | 3 | 1 | 17 | 7 | ||||||
2007 | なでしこ Div.1 | 17 | 8 | 0 | 0 | 4 | 1 | 21 | 9 | ||||||
2008 | なでしこ Div.1 | 16 | 11 | - | - | 3 | 2 | 19 | 13 | ||||||
2009 | ゴールド・プライド | 30 | WPS | 19 | 1 | - | - | - | - | 19 | 1 | ||||
2009 | 日テレ・ベレーザ | 30 | なでしこ Div.1 | 4 | 1 | - | - | 4 | 0 | 8 | 1 | ||||
浦和レッズ・レディース | 2010 | 28 | なでしこ | 12 | 10 | 4 | 0 | 4 | 1 | 20 | 11 | ||||
2011 | なでしこ | 2 | 0 | - | - | 2 | 1 | 4 | 1 | ||||||
2012 | なでしこ | 17 | 5 | 4 | 2 | 2 | 0 | 23 | 7 | ||||||
ASエルフェン狭山FC / ASエルフェン埼玉 | 2013 | 19 | チャレンジ | 20 | 23 | - | - | 3 | 1 | 23 | 24 | ||||
2014 | なでしこ | 20 | 7 | - | - | 1 | 1 | 21 | 8 | ||||||
2015 | 日テレ・ベレーザ | なでしこ1部 | 2 | 0 | - | - | 2 | 0 | 4 | 0 | |||||
2016 | ASエルフェン埼玉 | なでしこ2部 | 14 | 4 | 8 | 3 | 0 | 0 | 22 | 7 | |||||
2017 | 日体大FIELDS横浜 | 9 | なでしこ2部 | 12 | 4 | 7 | 3 | 2 | 0 | 21 | 7 | ||||
ちふれASエルフェン埼玉 | 2018 | 26 | なでしこ2部 | 18 | 5 | 8 | 3 | 1 | 0 | 27 | 8 | ||||
2019 | 18 | なでしこ2部 | 7 | 0 | 3 | 0 | 4 | 1 | 14 | 1 | |||||
2020 | なでしこ2部 | 13 | 2 | - | - | 0 | 0 | 13 | 2 | ||||||
2021-22 | 11 | WE | 6 | 0 | - | - | 0 | 0 | 6 | 0 | |||||
2022-23 | 9 | WE | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | |||||
2023-24 | WE | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | ||||||
2024-25 | WE | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||||
総通算 (1部) | 210 | 91 | 8 | 2 | 30 | 11 | 248 | 104 | |||||||
総通算 (2部) | 84 | 38 | 26 | 9 | 10 | 2 | 120 | 49 | |||||||
総通算 (WPS) | 19 | 1 | - | - | - | - | 19 | 1 | |||||||
総通算 | 313 | 130 | 34 | 11 | 40 | 13 | 387 | 154 |
- 日本女子サッカーリーグ通算200試合出場達成:2014年6月7日 - なでしこリーグ レギュラーシリーズ 第8節 岡山湯郷Belle戦(NACK5スタジアム大宮)
- WEリーグ初出場:2021年9月12日 - 第1節 サンフレッチェ広島レジーナ戦(熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
3.2. 代表での成績
荒川選手は、2000年から2011年まで日本女子代表(なでしこジャパン)として活躍し、国際Aマッチ72試合に出場して20得点を記録しました。
3.2.1. 年度別出場記録
日本女子代表での年度ごとの出場試合数と得点を一覧で示します。
日本代表 | ||
---|---|---|
年 | 出場 | ゴール |
2000 | 2 | 0 |
2001 | 0 | 0 |
2002 | 0 | 0 |
2003 | 13 | 5 |
2004 | 10 | 5 |
2005 | 0 | 0 |
2006 | 14 | 3 |
2007 | 15 | 4 |
2008 | 14 | 3 |
2009 | 1 | 0 |
2010 | 0 | 0 |
2011 | 3 | 0 |
合計 | 72 | 20 |
3.2.2. 主な出場大会
荒川選手が参加した主要な国際大会は以下の通りです。
- 2003年 - 第4回FIFA女子ワールドカップ
- 2004年 - アテネオリンピック
- 2005年 - 東アジア女子サッカー大会2005
- 2006年 - 第15回アジア競技大会 準優勝
- 2007年 - 第5回FIFA女子ワールドカップ
- 2008年 - 東アジアサッカー選手権2008 優勝
- 2008年 - 2008 AFC女子アジアカップ 3位
- 2008年 - 北京オリンピック 4位
3.2.3. 試合詳細
日本女子代表としての各試合の出場記録を詳細に記述します。
# | 開催日 | 開催都市 | スタジアム | 対戦国 | 結果 | 監督 | 大会 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2000年06月10日 | ニューキャッスル | カナダ | ●1-5 | 池田司信 | パンパシフィックカップ | ||
2 | 2000年12月17日 | フェニックス | アメリカ合衆国 | △1-1 | 日米フレンドリーマッチ | |||
3 | 2003年03月19日 | バンコク | タイ | ○9-0 | 上田栄治 | 国際親善試合 | ||
4 | 2003年06月09日 | バンコク | フィリピン | ○15-0 | アジア選手権 | |||
5 | 2003年06月11日 | バンコク | グアム | ○7-0 | アジア選手権 | |||
6 | 2003年06月13日 | バンコク | ミャンマー | ○7-0 | アジア選手権 | |||
7 | 2003年06月15日 | バンコク | チャイニーズタイペイ | ○5-0 | アジア選手権 | |||
8 | 2003年06月19日 | バンコク | 朝鮮民主主義人民共和国 | ●0-3 | アジア選手権 | |||
9 | 2003年06月21日 | バンコク | 韓国 | ●0-1 | アジア選手権 | |||
10 | 2003年07月12日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | メキシコ | ○2-0 | ワールドカップ予選 | ||
11 | 2003年07月22日 | 宮城県 | 仙台スタジアム | 韓国 | ○5-0 | 日韓豪3ヶ国対抗国際大会 | ||
12 | 2003年07月27日 | 宮城県 | 仙台スタジアム | オーストラリア | △0-0 | 日韓豪3ヶ国対抗国際大会 | ||
13 | 2003年09月21日 | コロンバス | アルゼンチン | ○6-0 | ワールドカップ | |||
14 | 2003年09月25日 | コロンバス | ドイツ | ●0-3 | ワールドカップ | |||
15 | 2003年09月27日 | フォックスボロ | カナダ | ●1-3 | ワールドカップ | |||
16 | 2004年04月18日 | 東京都 | 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 | ベトナム | ○7-0 | オリンピック予選 | ||
17 | 2004年04月24日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | 朝鮮民主主義人民共和国 | ○3-0 | オリンピック予選 | ||
18 | 2004年04月26日 | 広島県 | 広島広域公園陸上競技場 | 中国 | ●0-1 | オリンピック予選 | ||
19 | 2004年06月06日 | ルイビル | アメリカ合衆国 | △1-1 | 国際親善試合 | |||
20 | 2004年07月30日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | カナダ | ○3-0 | 国際親善試合 | ||
21 | 2004年08月06日 | ザイスト | オランダ | ○2-0 | 国際親善試合 | |||
22 | 2004年08月11日 | ボロス | スウェーデン | ○1-0 | オリンピック | |||
23 | 2004年08月14日 | アテネ | ナイジェリア | ●0-1 | オリンピック | |||
24 | 2004年08月20日 | テッサロニキ | アメリカ合衆国 | ●1-2 | オリンピック | |||
25 | 2004年12月18日 | 東京都 | 国立西が丘サッカー場 | チャイニーズタイペイ | ○11-0 | 大橋浩司 | 国際親善試合 | |
26 | 2006年02月18日 | 静岡県 | 静岡県小笠山総合運動公園スタジアム | ロシア | ○2-0 | 国際親善試合 | ||
27 | 2006年03月10日 | マニョーネ | スコットランド | ○4-0 | 国際親善試合 | |||
28 | 2006年03月12日 | ヴェナフロ | イタリア | ●0-1 | 国際親善試合 | |||
29 | 2006年05月07日 | 熊本県 | 熊本県民総合運動公園陸上競技場 | アメリカ合衆国 | ●1-3 | 国際親善試合 | ||
30 | 2006年05月09日 | 大阪府 | 長居陸上競技場 | アメリカ合衆国 | ●0-1 | 国際親善試合 | ||
31 | 2006年07月19日 | アデレード | ベトナム | ○5-0 | アジアカップ | |||
32 | 2006年07月30日 | アデレード | 朝鮮民主主義人民共和国 | ●2-3 | アジアカップ | |||
33 | 2006年11月19日 | 千葉県 | フクダ電子アリーナ | オーストラリア | ○1-0 | 国際親善試合 | ||
34 | 2006年11月23日 | カールスルーエ | ドイツ | ●3-6 | 国際親善試合 | |||
35 | 2006年11月30日 | ドーハ | ヨルダン | ○13-0 | アジア大会 | |||
36 | 2006年12月04日 | ドーハ | タイ | ○4-0 | アジア大会 | |||
37 | 2006年12月07日 | ドーハ | 中国 | ○1-0 | アジア大会 | |||
38 | 2006年12月10日 | ドーハ | 韓国 | ○3-1 | アジア大会 | |||
39 | 2006年12月13日 | ドーハ | 朝鮮民主主義人民共和国 | △0-0(PK2-4) | アジア大会 | |||
40 | 2007年02月09日 | ニコシア | ノルウェー | ○1-0 | 国際親善試合 | |||
41 | 2007年02月12日 | ラルナカ | スウェーデン | △2-2 | 国際親善試合 | |||
42 | 2007年03月10日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | メキシコ | ○2-0 | ワールドカップ予選 | ||
43 | 2007年03月17日 | トルーカ | メキシコ | ●1-2 | ワールドカップ予選 | |||
44 | 2007年04月07日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | ベトナム | ○2-0 | オリンピック予選 | ||
45 | 2007年04月15日 | バンコク | タイ | ○4-0 | オリンピック予選 | |||
46 | 2007年06月03日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | 韓国 | ○6-1 | オリンピック予選 | ||
47 | 2007年06月10日 | 富川 | 韓国 | △2-2 | オリンピック予選 | |||
48 | 2007年07月28日 | サンノゼ | アメリカ合衆国 | ●1-4 | 国際親善試合 | |||
49 | 2007年08月04日 | ハイフォン | ベトナム | ○8-0 | オリンピック予選 | |||
50 | 2007年08月30日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | カナダ | △0-0 | 国際親善試合 | ||
51 | 2007年09月02日 | 千葉県 | フクダ電子アリーナ | ブラジル | ○2-1 | 国際親善試合 | ||
52 | 2007年09月11日 | 上海 | イングランド | △2-2 | ワールドカップ | |||
53 | 2007年09月14日 | 上海 | アルゼンチン | ○1-0 | ワールドカップ | |||
54 | 2007年09月17日 | 杭州 | ドイツ | ●0-2 | ワールドカップ | |||
55 | 2008年02月18日 | 重慶 | 朝鮮民主主義人民共和国 | ○3-2 | 佐々木則夫 | 東アジア選手権 | ||
56 | 2008年02月21日 | 重慶 | 韓国 | ○2-1 | 東アジア選手権 | |||
57 | 2008年02月24日 | 重慶 | 中国 | ○3-0 | 東アジア選手権 | |||
58 | 2008年05月29日 | ホーチミン | 韓国 | ●1-3 | アジアカップ | |||
59 | 2008年05月31日 | ホーチミン | チャイニーズタイペイ | ○11-0 | アジアカップ | |||
60 | 2008年06月02日 | ホーチミン | オーストラリア | ○3-1 | アジアカップ | |||
61 | 2008年06月05日 | ホーチミン | 中国 | ●1-3 | アジアカップ | |||
62 | 2008年06月08日 | ホーチミン | オーストラリア | ○3-0 | アジアカップ | |||
63 | 2008年07月29日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | アルゼンチン | ○2-0 | キリンチャレンジカップ | ||
64 | 2008年08月06日 | 秦皇島 | ニュージーランド | △2-2 | オリンピック | |||
65 | 2008年08月09日 | 秦皇島 | アメリカ合衆国 | ●0-1 | オリンピック | |||
66 | 2008年08月15日 | 秦皇島 | 中国 | ○2-0 | オリンピック | |||
67 | 2008年08月18日 | 北京 | アメリカ合衆国 | ●2-4 | オリンピック | |||
68 | 2008年08月21日 | 北京 | ドイツ | ●0-2 | オリンピック | |||
69 | 2009年11月14日 | 埼玉県 | さいたま市駒場スタジアム | ニュージーランド | ○2-1 | 国際親善試合 | ||
70 | 2011年3月2日 | ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ | 市営スタジアム | アメリカ合衆国 | ● 1-2 | アルガルヴェ・カップ2011 | ||
71 | 2011年3月4日 | ラゴス | 市営スタジアム | フィンランド | ○ 5-0 | |||
72 | 2011年3月9日 | パルシャル | ベラ・ヴィスタ市営スタジアム | スウェーデン | ○ 2-1 |
3.2.4. ゴール詳細
日本女子代表として記録した各ゴールの詳細情報を示します。
# | 開催日 | 開催都市 | スタジアム | 対戦国 | 結果 | 監督 | 大会 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2003年3月19日 | バンコク | タイ | ○ 9-0 | 上田栄治 | 国際親善試合 | ||
2 | 2003年6月9日 | バンコク | フィリピン | ○ 15-0 | 2003 AFC女子選手権 | |||
3 | 2003年6月11日 | グアム | ○ 7-0 | |||||
4 | 2003年7月22日 | 宮城県 | 仙台スタジアム | 韓国 | ○ 5-0 | 日・韓・豪3ヶ国対抗国際女子サッカー大会 | ||
5 | ||||||||
6 | 2004年4月24日 | 東京都 | 朝鮮民主主義人民共和国 | ○ 3-0 | 2004年アテネオリンピック・アジア予選 | |||
7 | 2004年6月6日 | ルイビル | アメリカ合衆国 | △ 1-1 | 国際親善試合 | |||
8 | 2004年8月11日 | ボロス | スウェーデン | ○ 1-0 | 2004年アテネオリンピック | |||
9 | 2004年12月18日 | 東京都 | 国立西が丘サッカー場 | チャイニーズタイペイ | ○ 11-0 | 大橋浩司 | 国際親善試合 | |
10 | ||||||||
11 | 2006年3月10日 | マニョーネ | スコットランド | ○ 4-0 | 国際親善試合 | |||
12 | 2006年11月30日 | ドーハ | アル・アラビ・スタジアム | ヨルダン | ○ 13-0 | 2006年アジア競技大会 | ||
13 | 2006年12月4日 | アル・ガッラーファ・スタジアム | タイ | ○ 4-0 | ||||
14 | 2007年2月12日 | ラルナカ | GSZ スタジアム | スウェーデン | △ 2-2 | 国際親善試合 | ||
15 | 2007年3月17日 | トルーカ | メキシコ | ● 1-2 | 2007 FIFA女子ワールドカップ・予選 (大陸間プレーオフ) | |||
16 | 2007年4月15日 | バンコク | ロイヤル・タイ・アーミー・スタジアム | タイ | ○ 4-0 | 2008年北京オリンピック・アジア予選 | ||
17 | 2007年6月3日 | 東京都 | 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場 | 韓国 | ○ 6-1 | |||
18 | 2008年2月21日 | 重慶 | 永川体育中心 | 韓国 | ○ 2-1 | 佐々木則夫 | 東アジアサッカー選手権2008 | |
19 | 2008年5月31日 | ホーチミン | トンニャット・スタジアム | チャイニーズタイペイ | ○ 11-0 | 2008 AFC女子アジアカップ | ||
20 | 2008年8月18日 | 北京 | 北京工人体育場 | アメリカ合衆国 | ● 2-4 | 2008年北京オリンピック |
4. 人物
荒川恵理子選手は、ピッチ上でのパフォーマンスだけでなく、その親しみやすい人柄やピッチ外での活動によっても多くのファンから愛されています。
4.1. ニックネームと人柄
荒川選手のニックネームは「ガンちゃん」が有名です。これは、彼女の実家が営んでいたラーメン店の店名「元祖札幌や」に由来しています。他にも「ガンさん」や「えりちゃん」といった愛称で呼ばれることがあります。
彼女は、独特なヘアスタイルから、かつて中澤佑二選手と並んで「ボンバー」と呼ばれることもありました。ピッチ内外で明るく、ひたむきな姿勢は、チームメイトやファンから高く評価されています。特に、過去に重傷を負いながらも復帰を遂げた経験は、彼女の強靭な精神力とサッカーへの深い愛情を示しています。
4.2. ピッチ外での活動と社会的影響
荒川選手は、プロサッカー選手として活動しながらも、当時としては異例のスーパーマーケット西友でレジ打ちのアルバイトを経験していました。この事実は、当時のL・リーグ選手の「もうひとつの顔」としてメディアで大きく取り上げられ、女子サッカー界が抱える経済的な課題や、選手たちが置かれている厳しい環境について、社会に広く認知されるきっかけとなりました。
彼女のこの経験は、女子スポーツ選手の職業としての確立の難しさや、競技を続けるための並々ならぬ努力を象徴するものであり、多くの人々に共感と支援を呼び起こしました。2005年の元旦には、西友の折込広告に晴れ着姿で登場し、同社のイメージキャラクターとして起用されました。これは、彼女が持つ親しみやすい魅力と、女子サッカーへの関心を高める上で果たした役割の大きさを示しています。
荒川選手のピッチ外での活動は、女子サッカーの社会的地位向上に貢献し、彼女の生き方は「スポーツ選手としての生活と仕事の両立」というテーマで、NHKのドキュメンタリー番組「ドキュメントスポーツ大陸『北京で咲け なでしこたち サッカー女子日本代表』」(2007年7月7日放送)でも紹介されました。彼女の物語は、多くの人々に勇気と希望を与え、女子スポーツの未来を考える上で重要な示唆を与えています。

5. タイトルと栄誉
荒川恵理子選手がキャリアを通じて獲得した個人およびチームの主要なタイトルと栄誉をまとめます。
5.1. クラブタイトル
- 読売西友ベレーザ / 読売ベレーザ / NTVベレーザ / 日テレ・ベレーザ
- 日本女子サッカーリーグ: 7回 (2000年、2001年、2002年、2005年、2006年、2007年、2008年)
- L・リーグカップ: 1回 (1999年)
- なでしこリーグカップ: 1回 (2007年)
- 全日本女子サッカー選手権大会: 6回 (1998年、2000年、2004年、2005年、2007年、2008年)
5.2. 代表タイトル
- 日本女子代表
- 東アジアサッカー選手権: 1回 (2008年)
5.3. 個人タイトル
- 日本女子サッカーリーグ ベストイレブン: 3回 (2003年、2004年、2010年)
6. メディア出演
荒川恵理子選手が出演した主なテレビ番組やその他のメディア活動について記述します。
- さんま&EXILEの世界に一つだけの歌 第4弾(テレビ朝日系、2010年4月9日)
- ドキュメントスポーツ大陸「北京で咲け なでしこたち サッカー女子日本代表」(NHK、2007年7月7日放送)
7. 関連項目
- 女子サッカー
- 日本女子サッカーリーグ
- サッカー日本女子代表
- ちふれASエルフェン埼玉
- 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
- 浦和レッズ・レディース
- 日本体育大学女子サッカー部