1. 生涯と経歴
角田誠は京都府宇治市で生まれ、7歳でサッカーを始めた。宇治巨椋ボンバーズから京都パープルサンガのユースに進み、J2最年少出場記録でプロデビューを果たした。
1.1. 生い立ちと幼少期
角田誠は1983年7月10日に京都府宇治市で生まれた。身長は180 cm、体重は78 kgで、利き足は右足である。愛称は「カク」。7歳でサッカーを始め、幼少期からサッカーに親しんだ。
1.2. ユースキャリア
宇治市内のクラブチームである宇治巨椋ボンバーズ(西小倉小学校)でサッカーを学んだ後、京都パープルサンガのジュニアユース(西小倉中学校)に入団し、そのままユースチーム(京都翔英高校)まで進んだ。ユース時代の2001年には、当時のJ2の最年少出場記録となる17歳10ヶ月13日でプロデビューを果たした。
2. 選手としてのキャリア
角田誠は、プロサッカー選手として複数のJリーグクラブで活躍し、ディフェンダーやミッドフィールダーとしてチームに貢献した。
2.1. 京都パープルサンガ / 京都サンガFC
2001年にユースチームからJ2リーグの京都パープルサンガ(後の京都サンガF.C.)に加入し、同年5月にプロデビューした。チームは2001年シーズン終了後にJ1へ昇格した。2002年からは3バックの左サイドバックとしてレギュラーに定着し、チームはリーグ戦でクラブ史上最高となる5位の成績を収め、クラブ史上初の主要タイトルとなる天皇杯優勝に貢献した。しかし、2003年シーズンにはチームは最下位となり、J2に降格した。
2006年5月には、J1に復帰していた古巣の京都パープルサンガに期限付き移籍で復帰した。ここでは主に右サイドバックとしてプレーしたが、チームは再び最下位となりJ2に降格した。
2007年に一度名古屋グランパスエイトに戻ったが、同年3月に京都サンガFCへ完全移籍で再加入した。この期間はセンターバックとしてレギュラーを務め、チームは2007年シーズンにJ2で3位となり、J1昇格を果たした。2008年シーズン以降はJ1でレギュラーポジションを失うこともあったが、ディフェンダーや守備的ミッドフィールダーとして多くの試合に出場した。しかし、2010年シーズンにチームは17位に終わり、再びJ2へ降格した。
2.2. 名古屋グランパスエイト
2004年にJ1の名古屋グランパスエイトへ完全移籍した。ここではディフェンダーだけでなく、守備的ミッドフィールダーや右サイドミッドフィールダーとしても多くの試合でプレーした。2006年に京都への期限付き移籍を経験し、2007年に名古屋に一度復帰したが、開幕直前の2月28日に再度京都からのオファーを受け、完全移籍で京都へ戻った。
2.3. ベガルタ仙台
2011年に京都のJ2降格を機に、ベガルタ仙台へ完全移籍した。仙台側からは「ボランチとして獲得したい」というオファーがあったことを後に明かしており、入団後はそのオファー通りボランチとしてプレーした。2011年シーズンは開幕直後に東日本大震災が発生したにもかかわらず、レギュラーの守備的ミッドフィールダーとして活躍し、チームはクラブ史上最高となる4位の成績を収めた。2012年シーズンには2位となり、AFCチャンピオンズリーグへの出場権を獲得した。2011年と2012年の2度、Jリーグ優秀選手賞に選出された。2013年には共同主将の一人に起用され、2014年には単独で主将を務めた。チーム成績は2013年以降低迷したが、2014年まで守備的ミッドフィールダーとして多くの試合に出場した。
2.4. 川崎フロンターレ
2014年12月19日、川崎フロンターレへ完全移籍することが発表された。移籍金を支払っての獲得であり、ディフェンスリーダーとしての活躍が期待され、開幕戦から出場を続けたが、5月に行われた14節での大敗以降は出場機会を失った。
2.5. 清水エスパルス
2015年8月1日、清水エスパルスへ期限付き移籍することが発表され、シーズン終了後に完全移籍に移行した。センターバックとして多くの試合でプレーしたが、チームは2015年シーズン終了時にクラブ史上初のJ2降格を経験した。2016年シーズンにはJ2で2位となり、1年でJ1へ復帰した。2017年3月18日の鹿島アントラーズ戦では相手選手に対する挑発行為を行い、クラブからリーグ戦1試合出場自粛および罰金処分を科された。2018年シーズンはリーグ戦5試合、ルヴァンカップ5試合の出場にとどまり、同年12月10日に清水との契約満了が発表された。
2.6. V・ファーレン長崎
2018年12月19日、2019年シーズンからJ2に降格したV・ファーレン長崎への加入が発表された。2020年12月21日、契約満了に伴い長崎を退団することが発表された。
2.7. ポルベニル飛鳥
2021年2月2日、関西サッカーリーグ1部のポルベニル飛鳥へ選手兼任コーチとして加入した。同年12月14日に退団および現役引退を発表した。
3. 代表歴
角田誠は、日本の世代別代表チームに選出された経験を持つ。
2002年にはU-19日本代表に選ばれた。
2003年11月には2003 FIFAワールドユース選手権に参加するU-20日本代表に選出され、この大会では3バックの左サイドバックとして4試合に出場した。
また、2003年にはU-22日本代表としてアテネオリンピック予選にも参加したが、最終メンバーからは落選した。2004年にはU-23日本代表にも選出されている。
4. 指導者としてのキャリア
選手引退後、角田誠は指導者の道に進み、コーチを経て監督としてチームを率いている。
4.1. コーチ歴
2021年にポルベニル飛鳥で選手兼任コーチとして指導者キャリアをスタートさせた。
2022年1月5日にはベガルタ仙台のアシスタントコーチに就任した。その後、2023年から同年7月まではアカデミーコーチ、2023年7月から2024年1月まではジュニアユースコーチ、2024年2月から同年7月までは再びアカデミーコーチを務めた。
4.2. 監督歴
2024年7月31日、JFLに所属するレイラック滋賀FCの監督に就任した。
5. 個人成績
角田誠のクラブおよび代表チームでの通算出場記録と得点記録は以下の通りである。
クラブ成績 | リーグ戦 | カップ戦 | リーグカップ | 国際大会 | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | AFC | 合計 | |||||||
2001 | 京都パープルサンガ | J.League Div 2 | 8 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | - | 9 | 0 | |
2002 | J.League Div 1 | 22 | 0 | 5 | 0 | 5 | 0 | - | 32 | 0 | ||
2003 | 25 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | - | 28 | 0 | |||
合計 | 55 | 0 | 6 | 0 | 8 | 0 | - | 69 | 0 | |||
2004 | 名古屋グランパスエイト | J.League Div 1 | 22 | 4 | 1 | 1 | 6 | 0 | - | 29 | 5 | |
2005 | 22 | 1 | 1 | 0 | 3 | 1 | - | 26 | 2 | |||
2006 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 4 | 0 | |||
合計 | 47 | 5 | 2 | 1 | 10 | 1 | - | 59 | 7 | |||
2006 | 京都パープルサンガ | J.League Div 1 | 18 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | - | 20 | 1 | |
合計 | 18 | 1 | 1 | 0 | - | - | 20 | 1 | ||||
2007 | 名古屋グランパスエイト | J.League Div 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | |
合計 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | |||
2007 | 京都サンガFC | J.League Div 2 | 41 | 0 | 1 | 0 | - | - | 42 | 0 | ||
2008 | J.League Div 1 | 24 | 1 | 2 | 0 | 3 | 0 | - | 29 | 1 | ||
2009 | 29 | 0 | 2 | 0 | 4 | 1 | - | 35 | 1 | |||
2010 | 24 | 4 | 1 | 1 | 6 | 0 | - | 31 | 5 | |||
合計 | 118 | 5 | 13 | 1 | 6 | 1 | - | 137 | 7 | |||
2011 | ベガルタ仙台 | J.League Div 1 | 29 | 2 | 1 | 0 | 4 | 1 | - | 34 | 3 | |
2012 | 28 | 0 | 1 | 0 | 6 | 1 | - | 35 | 1 | |||
2013 | 26 | 5 | 4 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | 34 | 5 | ||
2014 | 23 | 1 | 1 | 0 | 4 | 0 | - | 28 | 1 | |||
合計 | 106 | 8 | 15 | 2 | 7 | 0 | 3 | 0 | 131 | 10 | ||
2015 | 川崎フロンターレ | J1 | 14 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | - | 17 | 0 | |
合計 | 14 | 0 | 0 | 0 | - | - | 17 | 0 | ||||
2015 | 清水エスパルス | J1 | 12 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 12 | 0 | |
2016 | J2 | 23 | 1 | 1 | 0 | - | - | 24 | 1 | |||
2017 | J1 | 19 | 1 | 2 | 1 | 2 | 0 | - | 23 | 2 | ||
2018 | 5 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | - | 10 | 0 | |||
合計 | 59 | 2 | 7 | 0 | 3 | 1 | - | 69 | 3 | |||
2019 | V・ファーレン長崎 | J2 | 29 | 1 | 1 | 0 | - | 30 | 1 | |||
2020 | 25 | 1 | 0 | 0 | - | 25 | 1 | |||||
合計 | 54 | 2 | 1 | 0 | - | 55 | 2 | |||||
2021 | ポルベニル飛鳥 | 関西1部 | 4 | 0 | 1 | 0 | - | 5 | 0 | |||
合計 | 4 | 0 | 1 | 0 | - | 5 | 0 | |||||
キャリア通算 | 475 | 23 | 27 | 3 | 57 | 4 | 3 | 0 | 562 | 30 |
5.1. その他の公式戦
- 2003年 スーパーカップ 1試合0得点
- 2007年 J1・J2入れ替え戦 2試合0得点
6. 受賞歴
- Jリーグ優秀選手賞(2011年、2012年)
7. 監督成績
角田誠の監督としての成績は以下の通りである。
年度 | 所属 | クラブ | リーグ戦 | カップ戦 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 敗 | ルヴァンカップ | 天皇杯 | |||
2024 | JFL | 滋賀 | 3位 | 26 | 13 | 8 | 2 | 3 | - | - |