1. 幼少期とユースキャリア
豊嶋邑作のサッカーのルーツは、幼少期のコスタリカでの経験と、帰国後に加入した柏レイソルユースアカデミーでの徹底した育成期間にある。
1.1. 幼少期とサッカーへの入門
豊嶋邑作は1991年7月6日に茨城県つくばみらい市で生まれた。4歳から7歳までの幼少期をコスタリカで過ごし、この地でサッカーと出会った。コスタリカではデポルティーボ・メトロポリターナに入団し、本格的にサッカーを始めた。帰国後、彼は地元のサッカー少年団に加わり、その後、柏レイソルジュニアユースのセレクションに合格し入団した。ジュニアユース入団初年度には「レガフトロ」で得点王とMVPを獲得するなど、早くからその才能を開花させた。同年にはナショナルトレセンにも選出されている。
1.2. ユースクラブと年代別日本代表
豊嶋邑作は、柏レイソルU-12(つくばみらい市立谷原小学校)、柏レイソルU-15(つくばみらい市立谷和原中学校)、柏レイソルU-18(千葉県立東葛飾中学校・高等学校)と、2002年から2009年まで一貫して柏レイソルユースアカデミーで育成された。
ユース年代では日本代表としても活躍した。2005年にはU-14サッカー日本代表に選出され、原口元気、高木俊幸、田口泰士、風間宏希、扇原貴宏、大﨑淳矢、阿部巧といった後のJリーガーや海外でプレーする選手たちと共に韓国親善試合に出場した。中学最後の年にはメニコンカップに出場し、茨田陽生、原口元気、宇佐美貴史、高木俊幸らと共にプレーした。ユース昇格後、高校2年時にはレギュラーに定着し、1学年上の酒井宏樹、工藤壮人、指宿洋史らと共にチームを牽引した。
2. プロフェッショナルクラブ経歴
豊嶋邑作は、日本国外のクラブから国内のクラブまで、多岐にわたるリーグでの経験を積んだ。そのキャリアは、様々な環境への適応力と挑戦の連続であった。
2.1. 海外リーグでの活動
豊嶋邑作は2011年10月に、ベルギー2部のクラブであるCercle Sportif ViséCSヴィゼフランス語へ加入し、約半年間所属した。しかし、契約条件やタイミングの問題により、最終的な再契約には至らなかった。
その後、彼は活動の場を東欧へと移した。2012年7月にはモルドバ1部のФК Олимпия БельцыFCオリンピアロシア語と契約し、15試合に出場して2得点を記録した。翌2013年8月にはラトビア1部のFutbola klubs JūrmalaFCユールマララトビア語へ移籍し、14試合に出場したものの得点はなかった。
2014年にはモンテネグロ1部のFudbalski klub LovćenFKロヴチェンモンテネグロ語へ移籍したが、2013-14シーズン中にはリーグ戦での出場機会は得られなかった。続く2014-15シーズンには、同じモンテネグロ1部のFudbalski klub BeraneFKベラネモンテネグロ語へ期限付き移籍し、ここでは22試合に出場して2得点を挙げている。
2.2. 日本リーグ復帰後の活動
海外でのキャリアを積んだ後、豊嶋邑作は2015年9月に日本に帰国し、J3リーグのいわてグルージャ盛岡に加入した。2015シーズンにはリーグ戦1試合に出場したが、2016シーズンは出場機会がなかった。
2017年からは栃木シティFC(当時の名称は栃木ウーヴァFC)へ完全移籍。2017シーズンはJFLで1試合に出場した。2018年1月にはクラブとプロ契約を締結したが、2018シーズンは関東サッカーリーグ1部での出場はなかった。同年12月に栃木シティFCを退団した。
2019年には房総ローヴァーズ木更津FCに入団し、同クラブで2020年までプレーした。
3. プレースタイルとポジション
豊嶋邑作の主要なポジションはミッドフィールダー、特にサイドハーフである。彼の身長は170 cm、体重は66 kgであり、利き足は左足で、その左足からのパスやシュートが特徴であった。サイドハーフとして、攻撃時にはサイドからの突破やクロス、守備時には積極的なプレスでチームに貢献した。
4. クラブ統計
以下に、豊嶋邑作がプロフェッショナルキャリアで所属したクラブでのリーグ戦およびカップ戦の出場記録を示す。海外クラブでの記録は全てが網羅されているわけではないが、確認できる範囲のデータと、日本国内リーグでの詳細な記録をまとめた。
クラブ成績 | リーグ | カップ | 合計 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
日本 | |||||||||
2015 | 盛岡 | J3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | |
2016 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
2017 | 栃木U | JFL | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | |
2018 | 関東1部 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | |||
総通算 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 |
- 海外クラブのリーグ戦記録:**
- 2012-2013年: ФК Олимпия БельцыFCオリンピアロシア語 (モルドバ1部) - 15試合出場、2得点
- 2013年: Futbola klubs JūrmalaFCユールマララトビア語 (ラトビア1部) - 14試合出場、0得点
- 2014-2015年: Fudbalski klub BeraneFKベラネモンテネグロ語 (モンテネグロ1部) - 22試合出場、2得点
5. 引退とその後
豊嶋邑作は、2021年1月26日に所属していた房総ローヴァーズ木更津FCを退団したことが発表された。これを最後に、プロサッカー選手としての公的な活動は確認されていない。引退後の彼の具体的な活動や今後の展望については、現時点で広く知られている情報はない。