1. 概要
金子翔太(金子 翔太かねこ しょうた日本語、1995年5月2日 - )は、栃木県日光市出身のプロサッカー選手。主なポジションはフォワードおよびミッドフィールダーで、現在はJ2リーグの藤枝MYFCに所属している。JFAアカデミー福島で育成年代を過ごした後、清水エスパルスでプロキャリアをスタート。清水ではJ1通算20,000号ゴールや自身初のリーグ戦二桁得点を記録し、中心選手として活躍した。その後、ジュビロ磐田への期限付き移籍を経て完全移籍し、チームのJ1昇格とJ2降格を経験。2025年からは藤枝MYFCでプレーしている。
2. 幼少期とユース経歴
金子翔太は、JFAアカデミー福島での育成期間を通じてサッカーの才能を磨き、プロサッカー選手としての基礎を築いた。
2.1. 出生と背景
金子翔太は1995年5月2日に栃木県日光市で生まれた。幼少期には「今市第三カルナヴァル」というチームでプレーしていた。
q=日光市|position=left
2.2. ユースクラブでの活動
2008年、JFAアカデミー福島に3期生として入校した。当初は福島県双葉郡広野町にあるJヴィレッジを拠点としていたが、2011年3月の東日本大震災により福島第一原子力発電所事故が発生し、Jヴィレッジが事故対応拠点として使用されることになったため、JFAアカデミー福島の活動拠点は静岡県御殿場市に移転した。
q=御殿場市|position=right
金子は2012年に高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグ東北1部で20得点を挙げ、得点王を獲得した。この活躍はチームの優勝に貢献し、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグへの昇格の原動力となった。2013年6月には、清水エスパルスに「特別指定選手」として選手登録されたが、この期間中に公式戦出場はなかった。
3. プロクラブ経歴
金子翔太は、清水エスパルスでプロとしてのキャリアをスタートさせ、その後にジュビロ磐田、藤枝MYFCと渡り歩き、各クラブで重要な役割を果たしてきた。
3.1. 清水エスパルスおよび期限付き移籍期間
2014年より、金子は清水エスパルスに正式に入団した。同年2月には、J3リーグに参戦するJリーグ・アンダー22選抜にも選手登録され、J3リーグで18試合に出場し3得点を記録した。2015年8月には栃木SCへ育成型期限付き移籍し、J2リーグで5試合に出場して1得点を挙げた。2015年末に栃木SCでの期限付き移籍期間が満了し、2016年より清水エスパルスに復帰した。
清水復帰後、2016年シーズン序盤は出場機会に恵まれなかったが、6月上旬にチームの中心選手である大前元紀が負傷により長期離脱した際に、鄭大世との2トップを形成して出場機会を掴んだ。同年11月20日に行われたJ2第42節の徳島ヴォルティス戦では、途中出場から決勝ゴールを奪い、チームのJ1自動昇格に大きく貢献した。
q=IAIスタジアム日本平|position=left
2017年4月21日、J1第8節の川崎フロンターレ戦(等々力陸上競技場)で、J1通算20,000号ゴールという記念すべき得点を決めた。
q=等々力陸上競技場|position=right
2018年シーズンからは主にサイドハーフとして出場することが多くなった。同年3月18日のJ1第4節、ベガルタ仙台戦では3試合連続得点を達成し、同時に清水エスパルスのJ1ホーム通算650号ゴールも記録した。8月29日、台風の影響で延期となっていたJ1第18節の横浜F・マリノス戦では、1得点1アシストを記録。このシーズン、金子はミッドフィールダーとしての起用が主であったにもかかわらず、リーグトップの9得点5アシストを記録し、その攻撃的貢献度を示した。12月1日に行われたJ1最終節のV・ファーレン長崎戦では、前半43分に石毛秀樹の得点をアシストして同点弾を演出し、後半17分にはドウグラスのアシストを受けて再び同点ゴールを挙げた。この得点により、金子自身初のリーグ戦二桁得点(10得点)を達成した。このシーズン、清水エスパルスは金子翔太、北川航也、ドウグラスの3選手がそれぞれリーグ戦で二桁得点を達成し、これは1998年以来20年ぶりの快挙であった。また、チームも2013年以来となる一桁順位でリーグ戦を終えることとなった。
3.2. ジュビロ磐田
2021年7月14日、金子はJ2リーグのジュビロ磐田へ期限付き移籍した。同年9月4日の松本山雅FC戦で、移籍後初ゴールを記録した。チームはJ1昇格を果たし、シーズン終了後にはジュビロ磐田への完全移籍が発表された。
2022シーズンは、J1リーグでの戦いとなり、金子は途中出場が多いながらも、7月30日の湘南ベルマーレ戦からスタメン出場が増加した。9月17日のセレッソ大阪戦と10月8日の鹿島アントラーズ戦では2試合連続ゴールを決めるなど活躍を見せたが、チームは1年でJ2リーグへの降格が決まった。
2023シーズンは、J2リーグでチームの中心選手としてリーグ戦29試合に出場し6得点を記録。チームの1年でのJ1リーグ再昇格に大きく貢献した。
2024シーズンは再びJ1リーグでプレーしたが、出場機会が減少した。リーグ中断期間中には、オフを返上して高地トレーニングに励むなど、コンディション維持と向上に努めた。シーズン中にはスタメンで出場する時期もあったものの、チーム全体の調子は上がらず、最終的には1年でのJ2リーグ降格が決定。シーズン終了後、金子はそのキャリアを通じて貢献したジュビロ磐田との契約満了により退団することが発表された。
3.3. 藤枝MYFC
ジュビロ磐田を退団後、金子翔太は2025年シーズンからJ2リーグの藤枝MYFCに加入した。
4. 国家代表経歴
金子翔太は、ユース年代において一貫して日本代表の各カテゴリーに選出され、国際大会での経験を積んだ。
- U-16日本代表
- U-17日本代表
- U-18日本代表
- AFC U-19選手権2014予選
- U-19日本代表
- 2014 AFF U-19ユース選手権
5. 個人成績
金子翔太のプロキャリアにおける各クラブおよび国家代表でのリーグ戦、カップ戦、リーグカップ戦、その他の公式戦における出場試合数と得点数を以下にまとめる。
クラブ成績 | リーグ | カップ戦 | リーグカップ | 総計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | 総計 | |||||||
2014 | 清水 | J1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 5 | 0 | |
2015 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | |||
栃木 | J2 | 5 | 1 | 1 | 0 | - | 6 | 1 | |||
2016 | 清水 | J2 | 22 | 4 | 4 | 2 | - | 26 | 6 | ||
2017 | J1 | 26 | 4 | 3 | 0 | 4 | 1 | 33 | 5 | ||
2018 | 34 | 10 | 2 | 0 | 0 | 0 | 36 | 10 | |||
2019 | 33 | 1 | 1 | 0 | 4 | 0 | 38 | 1 | |||
2020 | 30 | 5 | 1 | 0 | - | 31 | 5 | ||||
2021 | 5 | 0 | 7 | 1 | 1 | 0 | 13 | 1 | |||
磐田 | J2 | 17 | 1 | - | - | 17 | 1 | ||||
2022 | J1 | 23 | 3 | 6 | 1 | 3 | 0 | 32 | 4 | ||
2023 | J2 | 29 | 6 | 4 | 1 | 0 | 0 | 33 | 7 | ||
2024 | J1 | 14 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 16 | 1 | ||
2025 | 藤枝 | J2 | |||||||||
J1 通算 | 172 | 24 | 26 | 3 | 15 | 0 | 213 | 27 | |||
J2 通算 | 73 | 12 | 4 | 1 | 5 | 2 | 82 | 15 | |||
総通算 | 245 | 36 | 30 | 4 | 20 | 2 | 295 | 42 |
その他の公式戦 | リーグ | 総計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
日本 | リーグ | 総計 | |||||
2014 | J-22 | J3 | 9 | 2 | 9 | 2 | |
2015 | 9 | 1 | 9 | 1 | |||
J3 通算 | 18 | 3 | 18 | 3 | |||
総通算 | 18 | 3 | 18 | 3 |
- 公式戦初出場 - 2014年3月19日 ナビスコ杯予選リーグ第1節 対ベガルタ仙台(IAIスタジアム日本平)
- Jリーグ初出場・初得点 - 2014年3月30日 J3第4節 対ブラウブリッツ秋田(秋田市八橋運動公園球技場)
6. 主要な達成と記録
金子翔太は、ユース年代からプロに至るまで、個人およびチームとして数々のタイトルや特筆すべき記録を達成している。
6.1. クラブおよび国家代表タイトル
- JFAアカデミー福島U15
- U-15福島県サッカーリーグ (2008年)
- 東北U-15みちのくリーグ南東北 (2009年)
- JFAアカデミー福島U18
- 高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグ東北2部 (2011年)
- 高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグ東北1部 (2012年)
- ジュビロ磐田
- J2リーグ(2021年)
- U-19日本代表
- 2014 AFF U-19ユース選手権 (2014年)
6.2. 個人受賞および記録
- 高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグ東北1部 得点王 (2012年)
- 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグイースト 得点王 (2013年)
- J1通算20,000号ゴール - 2017年4月21日 J1第8節 対川崎フロンターレ(等々力陸上競技場)
- 清水エスパルスJ1ホーム通算650号ゴール - 2018年3月18日 J1第4節 対ベガルタ仙台(IAIスタジアム日本平)
7. 人物
金子翔太は、2017年4月に結婚している。2018年7月には第一子となる長男が誕生し、さらに2021年11月18日には第二子となる長女が誕生した。