1. 概要
阿部サダヲ(あべ サダヲ日本語、本名:阿部 隆史あべ たかし日本語)は、千葉県松戸市出身の日本の俳優、歌手である。1970年4月23日に生まれ、大人計画に所属している。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、後にテレビドラマや映画へと活動の幅を広げ、その演技力が高く評価されてきた。また、ロックバンド「グループ魂」では「破壊」名義でボーカルを務めるなど、音楽活動も積極的に行っている。特にテレビドラマ『医龍-Team Medical Dragon-』シリーズでの荒瀬門次役や、映画『舞妓Haaaan!!!』での主演で広く知られるようになった。
2. 生い立ちと学生時代
阿部サダヲは1970年4月23日に千葉県松戸市で生まれた。幼少期は非常に内気で、小学校低学年の頃は授業中に先生から指名されると泣いてしまうような子供だったという。しかし、巨人の原辰徳に憧れて野球を始めると、その性格は一変する。小学校から高校まで野球部に所属し、中学では二塁手、高校では三塁手を務めた。足が速く、盗塁を得意としていたことから、野球部時代は「カッコマン」というあだ名で呼ばれるほどの目立ちたがり屋になった。本気でプロ野球選手を目指していたが、同じ千葉県内の高校球児で後にプロ野球選手となる石毛博史のプレーを見て、その実力差を痛感しプロの夢を諦めた。後に石毛本人に会った際、「市立銚子」時代のサインが欲しいと頼み、石毛が初めて高校名でサインをしたというエピソードがある。学生時代にはバンドでドラムを叩いていた経験もある。
高校卒業後、当初は地元のパチンコ店への就職を考えていたが、担任教師に止められた。その後、秋葉原のラオックスでファクシミリ売り場に勤務したが、仕事が嫌でたまらなくなり、約1年半で退職を促される形で店を去った。その後しばらくの間はトラック運転手など、いくつかの職を転々とする日々を送った。
3. 芸能界入りと所属
芸能界に入るきっかけは、友人からの勧めや、小学校の同級生の母親から「30歳くらいになったらいい役者になるよ」と言われた言葉が心に残り続けたことだった。職を転々としていた時期に「一度やってみてもいいかな」と思い立ち、松尾スズキが主宰する劇団「大人計画」のオーディションを受けた。この際、阿部は短髪を白髪に染め、軍服を着用するという非常に奇抜な格好でオーディションに臨み、松尾スズキを大いに驚かせたという。芸能界入りを姉に伝えた際には、鉛筆削りを投げつけられたという逸話もある。
1992年、舞台『冬の皮』で俳優としてデビュー。同年には、病気で降板した温水洋一の代役として、入団からわずか半年足らずで日本テレビのドラマ『演歌なアイツは夜ごと不条理な夢を見る』に出演し、テレビドラマデビューも果たした。入団当初は舞台に遅刻することがあり、松尾スズキに殴られたこともあったが、それでも劇団をクビになることはなかった。
4. 音楽活動
阿部サダヲは1995年、自身が所属する大人計画の俳優たちと共にロックバンド「グループ魂」を結成した。このバンドでは「破壊」という芸名でボーカルを務めている。グループ魂はコメディロックを特徴とし、そのユニークなパフォーマンスと楽曲で人気を博した。2005年には、彼らの楽曲「君にジュースを買ってあげる♥」で『第56回NHK紅白歌合戦』に出場し、その存在感を全国に示した。
5. 俳優活動
阿部サダヲは、舞台で培った高い演技力で評価を確立し、その後テレビドラマ、映画と活動の場を広げ、幅広いジャンルで活躍する俳優として知られている。特に宮藤官九郎脚本の作品には常連として出演しており、その独特な世界観の中で多様な役柄を演じ分けている。
5.1. テレビドラマ
阿部サダヲは数多くのテレビドラマに出演し、幅広い役柄を演じてきた。
- 『演歌なアイツは夜ごと不条理な夢を見る』(1992年、日本テレビ) - 司 役
- 連続テレビ小説『かりん』(1993年、NHK総合) - 演劇部部長 役
- 『踊る大捜査線』第9話(1997年、フジテレビ) - 佐伯五郎 役
- 『ソムリエ』(1998年、関西テレビ/フジテレビ) - 小西栄作 役
- 大河ドラマ『元禄繚乱』(1999年、NHK総合) - 真田信就 役
- 『池袋ウエストゲートパーク』(2000年、TBS) - 浜口巡査 役
- 『Summer Snow』第6話(2000年、TBS)
- 『木更津キャッツアイ』(2002年、TBS) - 猫田カヲル 役
- 連続テレビ小説『こころ』(2003年、NHK総合) - 中島銀 役
- 『ぼくの魔法使い』(2003年、日本テレビ) - 田辺まもる 役
- 『タイガー&ドラゴン』(2005年、TBS) - 林屋亭どん太(谷中竜平) 役
- 『アンフェア』(2006年、関西テレビ/フジテレビ) - 小久保祐二 役
- 『医龍 -Team Medical Dragon-』(2006年、フジテレビ) - 荒瀬門次 役(シリーズを通して出演)
- 『誰よりもママを愛す』(2006年、TBS) - ピンコ(山田一郎) 役
- 『ファースト・キス』(2007年、フジテレビ) - 二階堂勝 役
- 『世にも奇妙な物語 秋の特別編 (2007年)『カウントダウン』(2007年、フジテレビ) - 主演・本多惣太郎 役
- 『不毛地帯』(2009年、フジテレビ) - 田原秀雄 役
- 『離婚同居』(2010年、NHK総合) - 主演・小中大 役
- 『マルモのおきて』(2011年、フジテレビ) - 主演・高木護 役
- 大河ドラマ『平清盛』(2012年、NHK総合) - 信西 役
- 『心がポキッとね』(2015年、フジテレビ) - 主演・小島春太 役
- 『経世済民の男』第2部『小林一三 ~夢とそろばん~』(2015年、NHK大阪放送局/NHK総合) - 主演・小林一三 役
- 『世にも奇妙な物語 25周年記念!秋の2週連続SP 映画監督編『バツ』(2015年、フジテレビ) - 主演・初野元秀 役
- 『狙撃』(2016年、テレビ朝日) - 貴島彰 役
- 『下剋上受験』(2017年、TBS) - 主演・桜井信一 役
- 大河ドラマ『おんな城主 直虎』(2017年、NHK総合) - 徳川家康 役
- 『anone』(2018年、日本テレビ) - 持本舵 役
- 大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019年、NHK総合) - 主演・田畑政治 役(中村勘九郎(6代目)とW主演)
- 『Living』(2020年、NHK総合) - 作家 役
- 『スイッチ』(2020年、テレビ朝日) - 駒月直 役
- 『恋する母たち』(2020年、TBS) - 今昔亭丸太郎 役
- 『俺の家の話』第6話(2021年、TBS) - たかっし 役
- 『空白を満たしなさい』(2022年、NHK総合) - 佐伯 役
- 『大河ドラマが生まれた日』(2023年、NHK総合) - 楠田欽治 役
- 『不適切にもほどがある!』(2024年、TBS) - 主演・小川市郎 役
- 『広重ぶるう』(2024年、NHK BSプレミアム4K) - 主演・歌川広重 役
- 『しあわせな結婚』(2025年7月〈予定〉、テレビ朝日) - 主演・原田幸太郎 役
- 連続テレビ小説『あんぱん』(2025年放送予定、NHK総合) - 屋村草吉 役
5.2. 映画
阿部サダヲは映画においても、その個性的な演技で多くの作品に貢献している。
- 『愛の新世界』(1994年) - おさむ(男性劇団員たち) 役
- 『女虐/NAKED BLOOD』(1995年) - 呉永児 役
- 『トキワ荘の青春』(1996年) - 藤本弘 役
- 『ワンダフルライフ』(1999年) - 渡辺一朗(青春時代) 役
- 『うずまき』(2000年) - 山口満 役
- 『下妻物語』(2004年) - 一角獣の龍二、産婦人科医 役
- 『北の零年』(2005年) - 中野又十郎 役
- 『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005年) - 金々 役
- 『妖怪大戦争』(2005年) - 川太郎 役
- 『子ぎつねヘレン』(2006年) - 警官 役
- 『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』(2006年) - 猫田カヲル 役
- 『アンフェア the movie』(2007年) - 小久保祐二 役
- 『ユメ十夜』(2007年) - 第六夜 わたし 役
- 『舞妓Haaaan!!!』(2007年) - 主演・鬼塚公彦 役(初主演作)
- 『パコと魔法の絵本』(2008年) - 堀米 役
- 『ヤッターマン』(2009年) - 海江田博士 役
- 『なくもんか』(2009年) - 主演・下井草祐太 役
- 『大奥』(2010年) - 杉下 役
- 『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』(2011年) - 本木末吉 役
- 『Friends もののけ島のナキ』(2011年) - ゴーヤもののけ・ゴーヤン 役(声優)
- 『莫逆家族-バクギャクファミーリア-』(2012年) - 横田あつし 役
- 『夢売るふたり』(2012年) - 主演・市澤貫也 役(松たか子とのダブル主演)
- 『奇跡のリンゴ』(2013年) - 主演・木村秋則 役
- 『謝罪の王様』(2013年) - 主演・黒島譲 役
- 『ヌイグルマーZ』(2014年) - ブースケ 役(声の出演)
- 『寄生獣・寄生獣 完結編』(2014年・2015年) - ミギー 役(声の出演およびパフォーマンス・キャプチャー)
- 『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(2015年) - 天野与三郎 役
- 『殿、利息でござる!』(2016年) - 主演・穀田屋十三郎 役
- 『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年) - 主演・佐野陣治 役(蒼井優とのダブル主演)
- 『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(2018年) - 主演・シン 役
- 『決算!忠臣蔵』(2019年) - 浅野内匠頭 役
- 『MOTHER マザー』(2020年) - 川田遼 役
- 『死刑にいたる病』(2022年) - 主演・榛村大和 役
- 『アイ・アム まきもと』(2022年) - 主演・牧本壮 役
- 『シャイロックの子供たち』(2023年) - 主演・西木雅博 役
- 『リボルバー・リリー』(2023年) - 山本五十六 役
- 『ラストマイル』(2024年) - 八木竜平 役
- 『十一人の賊軍』(2024年) - 溝口内匠 役
- 『はたらく細胞』(2024年) - 漆崎茂 役
5.3. 舞台
阿部サダヲは大人計画の看板俳優として、数多くの舞台作品に出演し、その演技力が高く評価されている。
- 『冬の皮』(1992年) - 奴 役
- 『インスタントジャパニーズ』(1992年) - 園川 役
- 『殴られても好き』(1992年) - キミヒコ 役
- 『SEX KINGDOM』(1993年) - ニエダ 役
- 『その男カルマ』(1993年) - ユイナダ・シンジ 役
- 『ゲームの達人』(1993年) - 絵師屋 役
- 『愛の罰 ~生まれつきならしかたない~』(1994年、1997年再演) - 珍保太 / 甘佐古学 役
- 『嘘は罪 ~もてない奴らが来る前に~』(1994年) - 三郎 役
- 『ネクスト・ミステリー』(1994年)
- 『口から花のさく女』(1994年) - 阿部君 役
- 『COUNT DOWN』(1995年) - 徳丸マモル 役
- 『グループ魂 アッパーカットツアー』(1995年)
- 『イツワ夫人 ~一度でいいから許して下さい~』(1995年) - マスター 役
- 『熊沢パンキース』(1995年) - オギノ 役
- 『ちょん切りたい』(1995年) - ナハヒコ 役
- 『下北ビートニクス』(1996年) - 野田キンヤ 役
- 『ファンキー! ~宇宙は見える所までしかない』(1996年) - コウフク 役
- 『ウーマンリブ Vol.1「ナオミの夢」』(1996年) - シマントガワ 役
- 『ウーマンリブ Vol.2「ずぶぬれの女」』(1997年) - カリモト、トク 役
- 『生きてるし死んでるし』(1997年) - タカシさん 役
- 『ローリングストーン』(1998年)
- 『Heaven's Sign』(1998年) - 足し頭 役
- 『日本総合悲劇協会「ふくすけ」』(1998年) - フクスケ(スガマナツオ) 役
- 『母を逃がす』(1999年、2010年再演) - 雄介 役
- 『ウーマンリブ Vol.4「ウーマンリブ発射!」』(1999年) - ドモン 役
- 『キレイ ~神様と待ち合わせした女~』(2000年、2005年、2019年再演) - ハリコナ(少年時代) / マジシャン 役
- 『ウーマンリブ Vol.5「グレープフルーツちょうだい」』(2000年) - 元子役 役
- 『人間風車』(2000年) - サム 役
- 『スズキビリーバーズ「マシーン日記」』(2001年) - ミチオ 役
- 『ウーマンリブ Vol.6「キラークイーン666」』(2001年) - 仲吉ショウジ 役
- 『天保十二年のシェイクスピア』(2002年) - きじるしの王次 役
- 『春子ブックセンター』(2002年) - ブック 役
- 『ニンゲン御破産』(2003年、2018年再演) - 灰次 / 加瀬実之介 役
- 『ウーマンリブ Vol.7「熊沢パンキース03」』(2003年) - 金子 役
- 『レッツゴー!忍法帖』(2003年) - 猿飛のサダ 役
- 『透明人間の蒸気』(2004年) - 透トオル 役
- 『ウーマンリブ Vol.8「剣轟天vs港カヲル~ドラゴンロック!女たちよ、俺を愛してきれいになあれ~」』(2004年) -日替わりゲスト
- 『イケニエの人』(2004年) - ビリー 役
- 『ウーマンリブ Vol.9「七人の恋人」』(2005年) - オレンジの恋人 役
- 『まとまったお金の唄』(2006年) - ヒカル 役
- 『朧の森に棲む鬼』(2006年) - キンタ 役
- 『ドブの輝き』(2007年) - 検事 役
- 『キャバレー』(2007年) - MC 役
- 『座頭市』(2007年) - 神撥の八 役
- 『女教師は二度抱かれた』(2008年) - 滝川栗乃介 役
- 大パルコ人 メカロックオペラ R2C2 ~サイボーグなのでバンド辞めます!~(2009年) - パルコム田村 役
- あべ一座 旗揚げ公演 あべ上がりの夜空に(2009年)
- 『シダの群れ』(2010年) - 森本 役
- 『ウェルカム・ニッポン』(2012年)
- シアターコクーン・オンレパートリー+大人計画2012「ふくすけ」(2012年) - フクスケ役
- 『八犬伝』(2013年) - 犬塚信乃 役
- 大人の新感線「ラストフラワーズ」(2014年) - 勝場軍一郎 / 勝場軍二郎 役
- ウーマンリブvol.13「七年ぶりの恋人」(2015年)
- NODA・MAP第16回公演「逆鱗」(2016年) - サキモリ・オモウ 役
- ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン(2016年) - 永野 役
- 劇団☆新感線「髑髏城の七人」 Season鳥(2017年) - 捨之介 役
- フリムンシスターズ(2020年) - ヒデヨシ 役
- 劇団☆新感線41周年春興行 Yellow⚡新感線『月影花之丞大逆転』(2021年) - 東影郎 役
- NODA・MAP番外公演「THE BEE」(2021年) - [井戸]役
- COCOON PRODUCTION 2022「ツダマンの世界」(2022年)
- 日本総合悲劇協会vol.7「ドライブイン カリフォルニア」(2022年) - アキヲ 役
- ウーマンリブ Vol.15「もうがまんできない」(2023年)
- COCOON PRODUCTION 2024「ふくすけ 2024 -歌舞伎町黙示録-」(2024年) - 主演 - 警備員コオロギ 役
5.4. その他の活動
俳優業や音楽活動以外にも、阿部サダヲは多岐にわたる分野で活躍している。
- テレビ番組**
- 『第56回NHK紅白歌合戦』(2005年、NHK) - 「グループ魂」の"破壊"(ボーカル)として出場。
- 劇場の灯を消すな!Bunkamuraシアターコクーン編 松尾スズキプレゼンツ アクリル演劇祭(2020年、WOWOWライブ)
- 大人計画ウーマンリブvol.14「もうがまんできない2020無観客版」(2020年、WOWOWライブ)
- バラエティ番組**
- 『笑う犬の太陽』(フジテレビ)
- 『音効さん』(1993年秋 - 1994年春、フジテレビ) - レギュラー出演。
- 『世界ウルルン滞在記』(2006年12月、毎日放送) - 「コマ撮りマジック!チェコの人形アニメに ...阿部サダヲが出会った」に出演。
- ラジオ番組**
- 『FMシアター』(NHK-FM)
- 「月より帰る」(1995年9月9日)
- 「スタジアムにて」(2000年2月26日)
- 「喜劇が生まれた日」(2003年12月6日)
- 『青春アドベンチャー 不思議屋博物館』(2001年7月16日 - 8月3日、NHK-FM)
- 『岡田惠和 今宵、ロックバーで~ドラマな人々の音楽談義~』第149回(2015年3月28日、NHK-FM)
- 『FMシアター』(NHK-FM)
- CM**
- ネスレ・ミロ(大人計画所属以前)
- ベネッセコーポレーション 『たまごクラブ・ひよこクラブ・こっこクラブ』CM(1998年~2002年)
- 野菜の戦士CM(2002年)
- メ~テレCM(2003年)
- 日本民間放送連盟『コマーさる君』(2005年 - 2006年、声のみの出演)
- 大和証券グループ本社CM(2007年)
- 湖池屋『マヨポテト』CM(2007年)、『ポテトチップス』CM(2008年 - )
- NHK教育テレビ『わたしのきもち』キモッチ(声のみの出演)
- アサヒ飲料・富士山のバナジウム天然水CM(2009年)
- 参天製薬・サンテ40iCM(2010年 - )
- NTTドコモ・フルハイビジョンケータイCM(2010年)
- 花王クイックルワイパーCM(2011年)
- キリンビール『キリンフリー』(2013年)、『のどごし生』(2016年)
- アサヒビール『アクアゼロ』(2014年)
- 日清食品『日清ラ王』「新・食べたい男」シリーズ(2017年)
- 味の素冷凍食品『やわらか若鶏から揚げ ボリュームパック』(2020年 - )、『水餃子』(2020年)
- 関西電力 ゼロカーボンビジョン2050(2021年 - )
- イーデザイン損害保険(2024年 - )
- 味の素『鍋キューブ』(2024年)
- その他**
- 2013年9月25日、自身の主演映画『謝罪の王様』の公開記念イベントで、観客と共に3つのギネス世界記録に挑戦し、全て認定された。認定された記録は「最も長い人間タオルチェーン(1061人)」「ペアになって一斉にお辞儀をした最大数(1022人)」「紙製の王冠をかぶった最も多くの人数(1047人)」である。
6. 芸名の由来
阿部サダヲの芸名は、彼の本名が「阿部」であることから、阿部定事件の「阿部定を」が候補として挙がり、その「定を」をカタカナ表記にした「サダヲ」が採用された。大人計画の主宰である松尾スズキからは、当初の彼の顔色の悪さから「お前の名前、死体写真な」と言われたというエピソードがある。2024年にTBSのテレビドラマ『不適切にもほどがある!』に主演して話題になった際、あるベテランテレビマンからこの芸名が「最も"不適切"」であると評されたこともある。
7. 受賞歴
阿部サダヲは、その演技力と活動に対して数々の賞を受賞している。
- 2007年度**
- 第45回ゴールデン・アロー賞 演劇賞
- 第31回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞(『舞妓Haaaan!!!』)
- 2017年度**
- 第60回ブルーリボン賞 主演男優賞(『彼女がその名を知らない鳥たち』)
- 2021年度**
- 第29回読売演劇大賞 男優賞(NODA・MAP番外公演「THE BEE」)
- 2022年度**
- 第46回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞(『死刑にいたる病』)
- 2023年度**
- 第47回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞(『シャイロックの子供たち』)
- 2024年度**
- 第119回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 主演男優賞(『不適切にもほどがある!』)
- 第50回放送文化基金賞 演技賞(『不適切にもほどがある!』)
8. 私生活・人物像
阿部サダヲは既婚者であり、1男1女の父である。血液型はA型、身長は164 cmである。息子は2001年頃に生まれたことを公表している。グループ魂のメンバーである小園竜一とは高校時代の同級生であり、卒業後には共に暮らしていた時期もある。私生活では、大の読売ジャイアンツファンとして知られている。好きな食べ物には、よだれ鶏、たぬきにぎり、アジフライ、せんじがら(せんじ肉)、広尾のカレーなどを挙げている。また、ニッポン放送のポッドキャスト番組『オールナイトニッポンPODCAST アンガールズのジャンピン』の熱心なリスナーであり、彼の娘が番組に送ったメールが採用された経験もあるという。
9. 評価
阿部サダヲは、その多才な演技力と個性的なキャラクターで、日本のエンターテインメント界において確固たる地位を築いている。特に舞台で培った表現力は高く評価されており、テレビドラマや映画においても、コミカルな役からシリアスな役まで幅広く演じ分け、観客を魅了してきた。彼のキャリアは、テレビドラマ『医龍-Team Medical Dragon-』シリーズでの人気獲得や、映画『舞妓Haaaan!!!』での初主演を機に、さらに飛躍した。また、バンド「グループ魂」のボーカル「破壊」としての活動も、彼のアーティストとしての多様性を示すものとして高く評価されている。