1. Overview
高橋駿太(たかはし しゅんた日本語)は、富山県射水市出身の日本の元プロサッカー選手である。現役時代は主にフォワードとしてプレーし、モンテディオ山形、栃木ウーヴァFC、FC琉球、AC長野パルセイロ、ザスパクサツ群馬、そして地元クラブであるカターレ富山で長きにわたり活躍した。特にJFL時代には得点王を獲得するなど、その高い得点能力を評価された。怪我や所属チームのJ2からJ3への降格といった困難に直面しながらも、粘り強いプレイスタイルと、それぞれのチームへの献身的な貢献を貫き、2023年に現役を引退した。
2. 経歴
高橋駿太は、幼少期からサッカーを始め、プロサッカー選手として様々なクラブで経験を積んだ。彼のキャリアは、地方リーグからJリーグへとステップアップし、その中で重要な得点源として活躍した時期、怪我による困難を乗り越えた時期を経て、地元富山のクラブで引退を迎えるまでの道のりである。
2.1. 幼少期からプロ入りまで
高橋駿太のサッカー選手としてのキャリアは、彼の故郷である富山県から始まった。
2.1.1. 出生と背景
高橋駿太は1989年2月9日に富山県射水市で生まれた。幼少期には射水市立塚原小学校在学中に海王FCに、射水市立新湊南部中学校在学中にはFCひがしにそれぞれ所属し、サッカーの基礎を学んだ。
2.1.2. ユース時代
富山第一高等学校に進学した高橋は、2004年から2006年まで同校のサッカー部に所属した。この期間中、彼は3年連続で全国高等学校サッカー選手権大会に出場するなど、高校サッカー界で頭角を現した。
2.1.3. U-17日本代表
高校生であった2007年には、U-17日本代表に選出され、国際舞台での経験も積んだ。
2.2. プロクラブ時代
高橋駿太は、2007年にモンテディオ山形でプロキャリアをスタートさせて以来、様々なクラブでフォワードとしてプレーし、それぞれのチームで重要な役割を担った。
2.2.1. モンテディオ山形
2007年、高橋はJ2リーグのモンテディオ山形に入団し、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた。ディフェンスラインの裏へ飛び出すプレーを得意とし、当時のフォワード不足に悩んでいた山形にとって期待の新人であった。しかし、豊田陽平や長谷川悠といった他のフォワード陣とのポジション争いに割って入ることができず、2008年シーズン終了後に出場機会のないまま戦力外通告を受けた。在籍2年間でのベンチ入りはわずか1試合のみであった。
2.2.2. 栃木ウーヴァFC
2009年、高橋は当時関東リーグ1部に所属していた日立栃木ウーヴァSC(現栃木シティFC)へ完全移籍した。彼は主力選手としてチームを牽引し、JFL昇格に大きく貢献した。JFLでプレーした最初の年となる2010年シーズンには、チーム最多となる13得点を記録し、リーグ得点ランキングでも5位タイにランクインした。特に、後期第11節から第16節にかけて6試合連続ゴールを挙げるなど、印象的な活躍を見せ、栃木ウーヴァFCのJFL残留に貢献した。後期第16節のソニー仙台FC戦では、トップチームでの自身初のハットトリックを達成した。
2.2.3. FC琉球
2011年シーズンには、FC琉球へ完全移籍した。2012年には、キャリアハイとなる20得点を記録し、Y.S.C.C.の辻正男と共にJFL得点王を獲得した。2013年シーズンには、JFLの新記録となる開幕から8試合連続ゴールを達成するなど、その得点能力は引き続きチームを支えた。
2.2.4. AC長野パルセイロ
2013年11月29日、高橋はJ3リーグのAC長野パルセイロへの完全移籍が発表された。2014年3月9日に行われたJ3第1節の福島ユナイテッドFC戦でJリーグ初出場および初得点を記録した。しかし、2014年と2015年の2年間は、それぞれ3得点に終わるなど、JFL時代のような得点数を残すことはできなかった。
2.2.5. ザスパクサツ群馬
2015年シーズン終了後、高橋はプロサッカー選手としてのキャリアに終止符を打つことも覚悟していた。どのクラブからもオファーがない状況で、家業のペンキ屋を継ぐために実家に戻る準備をしていた数日前に、J2のザスパクサツ群馬からオファーが届いた。2016年1月6日に群馬への完全移籍が発表された。移籍1年目となる2016年シーズンには、リーグ戦全試合に出場し、Jリーグでは自身初の2桁得点となる11ゴールを挙げた。しかし、2017年シーズンにはチームが低迷し、彼自身も1得点に終わり、チームはJ3への降格を経験した。
2.2.6. カターレ富山
2018年12月、高橋は自身の地元である富山県のクラブ、カターレ富山への完全移籍が発表された。2019年シーズンには5得点を挙げ、チーム内で大谷駿斗、平松宗、佐々木陽次に次ぐ4位の得点数を記録した。しかし、2020年2月4日、トレーニング中に左膝前十字靭帯損傷および内側半月板損傷という重傷を負い、全治8ヶ月と診断された。シーズン最終戦での復帰を目指しリハビリを続けたものの、メンバー入りは叶わず、2020年シーズンは公式戦出場なしに終わった。2021年シーズンには、開幕戦からベンチ入りし、3月28日のJ3第3節で後半途中出場により公式戦に復帰を果たした。続く第4節では復帰後初ゴールを決めるなど、怪我からの力強い復活を見せた。
2.3. 現役引退
2023年10月3日、高橋は2023年シーズンをもってプロサッカー選手としての現役を引退することを正式に発表した。長きにわたるキャリアに幕を下ろした。
3. 所属クラブ
高橋駿太は、幼少期からプロキャリアを通じて以下のクラブに所属した。
- 海王FC(射水市立塚原小学校)
- FCひがし(射水市立新湊南部中学校)
- 2004年 - 2006年 富山第一高等学校
- 2007年 - 2008年 モンテディオ山形
- 2009年 - 2010年 日立栃木ウーヴァSC / 栃木ウーヴァFC
- 2011年 - 2013年 FC琉球
- 2014年 - 2015年 AC長野パルセイロ
- 2016年 - 2018年 ザスパクサツ群馬
- 2019年 - 2023年 カターレ富山
4. 個人成績
高橋駿太のプロキャリア全体における個人成績は以下の通りである。
| シーズン | クラブ | 背番号 | リーグ | リーグ戦出場 | リーグ戦得点 | カップ戦出場 | カップ戦得点 | 天皇杯出場 | 天皇杯得点 | 総出場 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2007 | 山形 | 25 | J2 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 2008 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||
| 2009 | 日立栃木/栃木U | 11 | 関東1部 | 14 | 7 | - | - | 14 | 7 | ||
| 2010 | JFL | 33 | 13 | - | 1 | 0 | 34 | 13 | |||
| 2011 | 琉球 | 33 | 14 | - | 1 | 0 | 34 | 14 | |||
| 2012 | 28 | 20 | - | 1 | 0 | 29 | 20 | ||||
| 2013 | 10 | 34 | 13 | - | 2 | 0 | 36 | 13 | |||
| 2014 | 長野 | 9 | J3 | 22 | 3 | - | 2 | 0 | 24 | 3 | |
| 2015 | 23 | 3 | - | 2 | 0 | 25 | 3 | ||||
| 2016 | 群馬 | 13 | J2 | 42 | 11 | - | 1 | 0 | 43 | 12 | |
| 2017 | 7 | 36 | 1 | - | 1 | 0 | 37 | 1 | |||
| 2018 | J3 | 30 | 7 | - | 2 | 0 | 32 | 7 | |||
| 2019 | 富山 | 8 | 24 | 5 | - | 0 | 0 | 24 | 5 | ||
| 2020 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | |||||
| 2021 | 25 | 4 | - | 2 | 1 | 27 | 5 | ||||
| 2022 | 33 | 2 | - | 2 | 1 | 35 | 3 | ||||
| 2023 | 39 | 37 | 8 | - | 3 | 1 | 40 | 9 | |||
| リーグ別通算 | リーグ戦出場 | リーグ戦得点 | カップ戦出場 | カップ戦得点 | 天皇杯出場 | 天皇杯得点 | 総出場 | 総得点 | |||
| J2 | 78 | 12 | - | 2 | 0 | 80 | 12 | ||||
| J3 | 194 | 32 | - | 13 | 3 | 207 | 35 | ||||
| JFL | 128 | 60 | - | 5 | 0 | 133 | 60 | ||||
| 関東1部 | 14 | 7 | - | - | 14 | 7 | |||||
| 総通算 | 414 | 111 | - | 20 | 3 | 434 | 114 | ||||
- Jリーグ初出場・初得点: 2014年3月9日 J3第1節 福島ユナイテッドFC戦(味フィ西)
その他の公式戦
- 2014年 J2・J3入れ替え戦 1試合0得点
5. タイトル・代表歴
高橋駿太は、そのキャリアを通じて以下のタイトルおよび代表歴を記録している。
- 2007年 U-17日本代表
- 2012年 日本フットボールリーグ得点王