アメリカ合衆国の小説家ゴシップガールヤングアダルト文学ドイツ系

セシリー・フォン・ジーゲザー

セシリー・フォン・ジーゲザーは、『ゴシップガール』シリーズの作者として知られるアメリカ合衆国の小説家で、ニューヨークのティーンエイジャーの生活を描き、その作品はベストセラーとなりメディア化された。

1. 初期の生い立ちと教育

セシリー・フォン・ジーゲザーはニューヨーク市にドイツ貴族の家系として生まれ、幼少期にはバレリーナを夢見ていた。彼女はコネチカット州からマンハッタンのナイチンゲール・バムフォード・スクールに通学し、後にコルビー大学に進学したが、アリゾナ大学でのクリエイティブ・ライティングの学習は中退した。

1.1. 出生と家族背景

セシリー・フォン・ジーゲザーはニューヨーク市で、ドイツ貴族の家系に生まれた。彼女の父親はBowne & Co.のCEO兼会長であるフランツ・アルブレヒト・フォン・ジーゲザー、母親は2番目の妻であるオリビア・ジェームズである。彼女には作家のピーター・フォン・ジーゲザーという異母兄弟がいる。

1.2. 子供時代の夢と初期の経験

彼女の子供時代の夢はバレリーナになることであった。3歳でバレエのレッスンを始め、8歳でスクール・オブ・アメリカン・バレエのオーディションを受けたが、不合格となった。10代の頃は、毎朝6時にコネチカット州からマンハッタンまで通学し、ナイチンゲール・バムフォード・スクールに通っていた。この学校は後に彼女の作品『ゴシップガール』に登場するコンスタンス・ビラード女学校のモデルとなった。

1.3. 学歴

ナイチンゲール・バムフォード・スクールを卒業後、コルビー大学に進学した。その後、ブダペストの地方ラジオ局で1年間働いた。アメリカに帰国後はアリゾナ大学でクリエイティブ・ライティングを学んだが、すぐに中退している。

2. キャリア

ニューヨークのブック・パッケージング会社での勤務中に『ゴシップガール』シリーズの着想を得て執筆を開始し、同シリーズはベストセラーとなる成功を収めた。その後、『ゴシップガール』はテレビドラマやグラフィックノベルとしてもメディア化されている。

2.1. 着想と執筆の開始

ニューヨーク市でブック・パッケージング会社アロイ・エンターテインメントに勤務していた際、富裕層のティーンエイジャーのライフスタイルを描く『ゴシップガール』シリーズの着想を得て、執筆を開始した。

2.2. 『ゴシップガール』シリーズの成功

『ゴシップガール』シリーズは2002年に『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーリストのトップに躍り出た。2005年には、スピンオフ小説シリーズ『ザ・イット・ガール』も同リストにランクインしている。作中に登場するコンスタンス・ビラード女学校は、ジーゲザー自身の母校であるナイチンゲール・バムフォード・スクールを誇張してモデルとしている。

2.3. メディア化

彼女の代表作である『ゴシップガール』はテレビドラマ化され、さらに日本と韓国の共同プロジェクトによってグラフィックノベルシリーズも展開された。

2.3.1. テレビドラマ

『ゴシップガール』は、2007年にThe CWによってテレビドラマ化された。原作小説のファンからは、プロットや登場人物の性格が原作から逸脱しているとの批判があったものの、ジーゲザー自身は主要なプロットの骨子は自身の構想に忠実であり、「少なくとも舞台がニューヨーク市であること」に満足していると述べている。

視聴者数について見ると、シーズン1の第1話では365万人の視聴者を記録したが、第2話では約100万人以上減少して255万人となった。その後のエピソードでも視聴者数は増減を繰り返し、最も多かったのは最終回の300万人、最も少なかったのは第11回の180万人であった。2011年5月16日に放送されたシーズン4の最終回には、ジーゲザー自身がカメオ出演している。

2.3.2. グラフィックノベルシリーズ

2009年12月、日本の出版社エン・プレスは、韓国のアーティストペク・ヘギョンとの共同で、『ゴシップガール』シリーズのグラフィックノベル化を発表した。このグラフィックノベルは原作小説の翻案ではなく、同じ登場人物たちによるオリジナルの物語が展開される。2010年1月号から同社のアンソロジーマガジン『Yen Plus』で連載が開始された。

3. 作品リスト

セシリー・フォン・ジーゲザーの小説作品は、『ゴシップガール』シリーズを中心に、スピンオフやその他の単独作品に分類される。これらの作品は、特にティーンエイジャーのライフスタイルを描写したことで知られている。

3.1. 『ゴシップガール』シリーズ

セシリー・フォン・ジーゲザーの代表作である『ゴシップガール』原作小説シリーズの一覧。一部の巻はゴーストライターによって執筆された。

#邦題原題アメリカ刊行年月日本刊行年月訳者出版社備考
1ゴシップガールGossip Girl英語2002年4月2003年3月鹿田昌美ソニー・マガジンズ
2ゴシップガール 2 恋するセレブ篇You Know You Love Me英語2002年9月2003年9月
3ゴシップガール 3 セレブなバカンス篇All I Want Is Everything英語2003年5月2004年3月
4ゴシップガール 4 バレンタインにそわそわ篇Because I'm Worth It英語2003年10月2006年3月
5ゴシップガール 5 いつも誰かに恋してる篇I Like It Like That英語2004年5月2006年6月
6ゴシップガール 6 もうすぐ春がやってくる篇You're the One That I Want英語2004年10月2007年1月
7ゴシップガール 7 卒業だなんて信じられない篇Nobody Does It Better英語2005年5月2007年6月ヴィレッジブックス
8ゴシップガール 8 今夜もパーティは終わらない篇Nothing Can Keep Us Together英語2005年10月2007年8月
9ゴシップガール 9 はじめてのお仕事にパニック篇Only in Your Dreams英語2006年5月2008年4月ゴーストライター執筆
10ゴシップガール 10 愛してるっていいたくて！篇Would I Lie To You?英語2006年10月2008年8月ゴーストライター執筆
11ゴシップガール 11 「私のこと、好きだよね！」篇Don't You Forget About Me英語2007年5月2008年12月ゴーストライター執筆
12I Will Always Love You英語2009年11月ゴーストライター執筆
PREQUELゴシップガール セリーナとブレアの物語It Had To Be You英語2007年10月2009年6月鹿田昌美ヴィレッジブックスシリーズの前日譚
SPIN-OFFPsycho Killer英語2011年10月シリーズのスピンオフ

3.2. 『ザ・イット・ガール』シリーズ

『ゴシップガール』のスピンオフとして刊行されたシリーズ。このシリーズは、セシリー・フォン・ジーゲザーの提案の元、ゴーストライターが執筆している。

  • The It Girl英語 (2005年)
  • Notorious英語 (2006年)
  • Reckless英語 (2006年)
  • Unforgettable英語 (2007年)
  • Lucky英語 (2007年)
  • Tempted英語 (2008年)
  • Infamous英語 (2008年)
  • Adored英語 (2009年)
  • Devious英語 (2009年)
  • Classic英語 (2010年)

3.3. 『ゴシップガール：カーライルズ』シリーズ

『ゴシップガール』の別のスピンオフシリーズ。このシリーズはアナベル・ヴェストリが執筆しているが、表紙や背表紙にはセシリー・フォン・ジーゲザーの名前が記載されている。

  • Gossip Girl: The Carlyles英語 (2008年)
  • You Just Can't Get Enough英語 (2008年)
  • Take A Chance on Me英語 (2009年)
  • Love the One You're With英語 (2009年)

3.4. その他の作品

  • Cum Laude英語 (2010年6月) - 2011年にClass英語と改題されて再出版された。
  • Cobble Hill英語 (2020年)

4. プライベート

セシリー・フォン・ジーゲザーはリチャード・グリッグスと結婚しており、二人の子供と共にブルックリン区に居住している。

4.1. 結婚と子供

彼女はリチャード・グリッグスと結婚しており、ジャッド財団のCOOを務める彼との間に、アグネス・ベル・フォン・ジーゲザー・グリッグスとオスカー・フォン・ジーゲザー・グリッグスの2人の子供がいる。

4.2. 居住地

彼女は夫と子供と共にブルックリン区のコロンビア・ストリート・ウォーターフロント・ディストリクトに居住している。また、2匹のネコを飼っている。