1. 概要
保坂一成は、1983年に東京都府中市で生まれた日本の元プロサッカー選手である。主にミッドフィールダーとして活躍し、プロキャリアを通じてヴァンフォーレ甲府、ファジアーノ岡山、東京ユナイテッドFCに所属した。特にヴァンフォーレ甲府では2度にわたる在籍期間があり、チームの昇格やJ1リーグでの戦いに貢献した。2003年にはユニバーシアード日本代表として出場し、チームの優勝に貢献するなど、国際舞台での経験も持つ。2020年に現役引退し、その後はサッカー指導者として活動している。
2. 生涯
保坂一成の生涯は、幼少期からのサッカーへの情熱と、プロ選手としての長きにわたるキャリアによって特徴づけられる。
2.1. 幼少期と教育
保坂一成は1983年3月24日に東京都府中市で生まれた。小学1年生の時に地元の府ロクサッカー少年団に入団し、サッカーを始めた。この少年団には、後に日本を代表するサッカー選手となる澤穂希や中村憲剛が先輩として、また村上佑介が後輩として在籍していた。
ユース年代では、ヴェルディジュニアユース(府中市立府中第五中学校在籍時)に1995年から1997年まで所属。その後、1998年から2000年まで東京ヴェルディユース(東京都立府中東高等学校在籍時)でプレーした。ユース在籍中の2000年には、ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ1969)の2種登録選手としてトップチームに登録された経験も持つ。高校卒業後、2001年から2004年まで東京学芸大学に進学し、大学サッカーで活躍した。
3. 経歴
保坂一成は、プロサッカー選手として16年間のキャリアを築き、複数のクラブでプレーした。
3.1. プロデビューと初期の活動
東京学芸大学を卒業後、2005年にヴァンフォーレ甲府へ入団し、プロキャリアをスタートさせた。同年3月5日のJ2リーグ開幕戦、対コンサドーレ札幌戦(小瀬)で途中出場し、Jリーグデビューを果たした。
プロ初ゴールは、2006年12月2日のJ1リーグ第34節、対アビスパ福岡戦(博多球)で記録した。
3.2. 主要所属クラブ
保坂はプロキャリアにおいて、ヴァンフォーレ甲府、ファジアーノ岡山、東京ユナイテッドFCの3つの主要クラブに所属した。
3.2.1. ヴァンフォーレ甲府
保坂はヴァンフォーレ甲府に2度の期間にわたって在籍した。最初の在籍は2005年から2008年までである。2007年のJ1リーグ第5節ヴィッセル神戸戦では、チームの連敗を止める決勝ゴールを挙げた。また、第7節の柏レイソル戦では、1-2とリードを許す状況からわずか2分間で2得点を挙げ、チームを逆転勝利に導くなど、この時期の活躍は目覚ましいものがあった。しかし、その後はレギュラーに定着することができず、2008年シーズン終了後に戦力外通告を受け、甲府を退団した。
2010年、保坂は古巣であるヴァンフォーレ甲府に復帰し、2度目の在籍期間が始まった。この期間は2017年まで続き、チームのJ1昇格やJ1での残留争いに貢献した。しかし、2017年シーズン終了後、契約満了により再び甲府を退団することとなった。
3.2.2. ファジアーノ岡山
ヴァンフォーレ甲府を一度退団した後、保坂は2009年にファジアーノ岡山へ移籍した。岡山では主力選手として起用され、多くの試合に出場したが、在籍は1年のみで、2010年にはヴァンフォーレ甲府へ復帰した。
3.2.3. 東京ユナイテッドFC
2018年、保坂は東京ユナイテッドFCへ移籍し、選手キャリアの終盤を過ごした。東京ユナイテッドFCでは関東サッカーリーグ1部に所属し、2020年までプレーを続けた。2020年12月30日に現役引退が発表され、16年間のプロサッカー選手としてのキャリアに幕を閉じた。
3.3. 代表歴
保坂一成は、日本代表として国際大会に出場した経験を持つ。2003年にはユニバーシアード(大邱大会)の日本代表に選出され、全試合に出場してチームの優勝に貢献した。また、U-23代表としてカタール国際大会にも出場している。
3.4. 個人成績
保坂一成のプロキャリアにおける個人成績は以下の通りである。
クラブパフォーマンス | リーグ | カップ | リーグカップ | 合計 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | 合計 | ||||||
2005 | 甲府 | J2 | 1 | 0 | 0 | 0 | - | 1 | 0 | |
2006 | J1 | 8 | 1 | 4 | 0 | 1 | 0 | 13 | 1 | |
2007 | 6 | 3 | 5 | 0 | 1 | 0 | 12 | 3 | ||
2008 | J2 | 11 | 0 | 1 | 0 | - | 12 | 0 | ||
2009 | 岡山 | J2 | 44 | 3 | 0 | 0 | - | 44 | 3 | |
2010 | 甲府 | J2 | 25 | 0 | 1 | 0 | - | 26 | 0 | |
2011 | J1 | 8 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 10 | 0 | |
2012 | J2 | 24 | 1 | 0 | 0 | - | 24 | 1 | ||
2013 | J1 | 22 | 1 | 2 | 0 | 4 | 0 | 28 | 1 | |
2014 | 8 | 1 | 2 | 0 | 2 | 0 | 12 | 1 | ||
2015 | 8 | 1 | 5 | 0 | 2 | 1 | 15 | 2 | ||
2016 | 21 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 22 | 1 | ||
2017 | 1 | 0 | 6 | 1 | 1 | 0 | 8 | 1 | ||
2018 | 東京U | 関東1部 | 15 | 0 | - | - | 15 | 0 | ||
2019 | 9 | 0 | - | - | 9 | 0 | ||||
2020 | 3 | 0 | - | - | 3 | 0 | ||||
総通算 | 214 | 12 | 28 | 1 | 12 | 1 | 254 | 14 |

- Jリーグ初出場: 2005年3月5日 J2 第1節 対コンサドーレ札幌戦(小瀬)
- Jリーグ初得点: 2006年12月2日 J1 第34節 対アビスパ福岡戦(博多球)
4. 指導者経歴
保坂一成は現役引退後、サッカー指導者の道を歩んでいる。2021年からは古巣であるヴァンフォーレ甲府のU-15コーチを務めている。
5. 個人タイトル・表彰
- 2003年 ユニバーシアード日本代表
6. 外部リンク
- [https://data.j-league.or.jp/SFIX04/?player_id=50625 Jリーグ選手名鑑]
- [https://tokyo-musashino-united-fc.com/news/club-2020-773 東京ユナイテッドFCによる引退発表]
- [https://soccer-db.net/player/index.php?pl=14095&la=e Soccer D.B.による個人成績]