1. Overview
朴柱成は、2003年に水原三星ブルーウィングスでプロとしてのキャリアをスタートさせ、韓国国内のKリーグで活躍した。兵役期間を経て、日本のJリーグに挑戦し、ベガルタ仙台でチームのJ1昇格に大きく貢献した。その後は中国サッカー・スーパーリーグの貴州人和足球倶楽部や、再び韓国国内の複数のクラブでプレーした。韓国代表としての出場経験も持ち、2018年に現役を引退。引退後は東国大学校サッカー部のコーチを務めるなど、指導者としての道を歩んでいる。
2. Childhood and Education
朴柱成の幼少期と、その後のサッカー選手としての基礎を築いた教育過程について説明する。
2.1. Birth and Upbringing
朴柱成は1984年2月20日に慶尚南道鎮海市(現・昌原市)で生まれた。
2.2. Education
彼は鎮海徳山小学校、巨済中学校、馬山工業高等学校を卒業し、光雲大学校に進学した。馬山工業高等学校では2000年から2002年までユースクラブに所属し、サッカーの技術を磨いた。
3. Playing Career
朴柱成のプロサッカー選手としての活動は、韓国、日本、中国のリーグにわたる。
3.1. Professional Debut and Early Career
2003年、朴柱成は馬山工業高等学校から水原三星ブルーウィングスに入団し、プロサッカー選手としてデビューした。同年はKリーグで11試合に出場した。2004年にはハウゼンカップを含む7試合に出場するにとどまった。
2005年から2年間は兵役のため光州尚武フェニックス(現・金泉尚武FC)に在籍し、2005年にはリーグ戦3試合、2006年には15試合に出場した。2006年11月17日に兵役を終えて水原三星ブルーウィングスに復帰し、同年11月25日のKリーグプレーオフ、城南一和天馬戦に出場した。しかし、その後3年間はハウゼンカップを含む7試合の出場に留まった。
3.2. Activities in Japanese League
2009年、朴柱成はJリーグのベガルタ仙台へ完全移籍した。移籍初年度にはJ2リーグで34試合に出場し2得点を記録し、チームのJ1昇格に大きく貢献した。
特に2009年11月21日にユアテックスタジアム仙台で行われたJ2リーグ第49節のセレッソ大阪戦では、自身が「一番避けたい物の一つ」と語るヘディングで、後半ロスタイムのラストプレーで決勝ゴールを決め、チームを勝利に導いた。
2010年から2012年まで、彼は左サイドバックのレギュラーとして仙台のJ1リーグ上位進出に貢献した。2012年12月6日、契約満了が発表され、仙台を退団した。彼は外国籍選手としてクラブ史上最長タイの4シーズン在籍し、リーグ戦通算出場試合数153はクラブの外国籍選手歴代1位の記録であった。
3.3. Activities in Chinese League and Return to Domestic League
2013年1月、朴柱成は慶南FCに加入し、国内リーグに復帰した。2014年シーズンにはチームの主将を務めた。
2014年12月15日、彼は中国サッカー・スーパーリーグの貴州人和足球倶楽部への移籍が発表された。2015年にプレーしたが、チームの降格を阻止することはできず、1年で慶南FCに復帰した。
2016年から再び慶南FCでプレーした後、2017年6月には、チームメイトの全相勲とともにトレードでKリーグチャレンジの大田シチズンに移籍した。2018年に現役を引退した。
3.4. Playing Style and Notable Incidents
朴柱成は主にディフェンダーの左サイドバックとしてプレーしたが、ミッドフィールダーとしても起用された。身長は185 cm、体重は78 kgで、利き足は左足であった。
2010年8月7日、横浜F・マリノスとのホームゲームに先発出場した際、前半36分に突然ピッチ上で倒れ、途中交代する出来事があった。これは熱中症によるもので、当時の気温は30 °Cに迫り、湿度は70%で風がない非常に蒸し暑いコンディションが原因とされた。試合後、手倉森誠監督からは「独身の朴が日常生活でいかに栄養に気を配っていないかがわかった。もっとキムチを食べたらいいのに」「プロが熱中症なんてJリーグ始まって以来だろ。情けない。繰り返すようならプロ失格だ」と苦言を呈された。この一件を機に、朴柱成は生活習慣の改善に取り組み、当時悩まされていた不眠症を克服した。
4. National Team Career
朴柱成は大韓民国の世代別代表およびA代表としてプレーした。
2002年から2003年にかけてU-20韓国代表に選出され、18試合に出場し、2003 FIFAワールドユース選手権にも参加した。また、2003年にはU-23韓国代表として1試合に出場している。
韓国A代表としては、2003年から2006年にかけて2試合に出場した。A代表デビューは2003年4月16日、韓国ソウル特別市で行われた日本代表との親善試合で、90分に朴忠均と交代する形で出場した。
2006年7月には負傷した梁相珉の代わりに代表チームに合流したが、自身も足首の負傷により離脱した。同年10月には負傷した張學英の代わりに再び代表に招集され、10月8日のガーナ代表との親善試合に出場したが、その試合中に負傷し途中離脱した。
5. Coaching Career
2018年に現役を引退した後、朴柱成は東国大学校サッカー部のコーチに就任し、指導者としての道を歩み始めた。
6. Personal Life and Anecdotes
朴柱成の選手生活以外での人柄や興味深いエピソードがいくつか知られている。
6.1. Nickname
彼は似た声と受け口(出っ歯の反対)のために、人気アニメ「スマーフ」の悪役キャラクターである「가가멜ガガメル韓国語」というニックネームがつけられた。
6.2. Other Anecdotes
好物はコーラである。日本のJ2リーグ時代には、ファンから「頑張ってください」「足、大丈夫?」「90分出ろ」といった言葉をよくかけられていた。来日4年目には、記者と日本語で問題なくやり取りできるようになっていたなど、高い日本語能力を身につけていた。
7. Statistics
朴柱成のクラブキャリアにおける公式戦出場および得点記録は以下の通りである。
クラブ | シーズン | リーグ | カップ | リーグカップ | その他 | 合計 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ディビジョン | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | ||
水原三星ブルーウィングス | 2003 | Kリーグ | 11 | 0 | 0 | 0 | - | - | 11 | 0 | ||
2004 | 6 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 7 | 0 | |||
2006 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 1 | 0 | |||
2007 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | - | 6 | 0 | |||
2008 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 1 | 0 | |||
合計 | 22 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | - | 26 | 0 | |||
光州尚武フェニックス (兵役) | 2005 | Kリーグ | 3 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | - | 4 | 1 | |
2006 | 15 | 0 | 1 | 0 | 10 | 0 | - | 26 | 0 | |||
合計 | 18 | 0 | 2 | 1 | 10 | 0 | - | 30 | 1 | |||
ベガルタ仙台 | 2009 | J2リーグ | 34 | 2 | 3 | 0 | - | - | 37 | 2 | ||
2010 | J1リーグ | 29 | 0 | 1 | 0 | 8 | 1 | - | 38 | 1 | ||
2011 | 27 | 0 | 1 | 0 | 3 | 0 | - | 31 | 0 | |||
2012 | 23 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | - | 25 | 0 | |||
合計 | 113 | 2 | 5 | 0 | 13 | 1 | - | 131 | 3 | |||
慶南FC | 2013 | Kリーグクラシック | 17 | 0 | 2 | 0 | - | - | 19 | 0 | ||
2014 | 35 | 1 | 0 | 0 | - | 1 | 0 | 36 | 1 | |||
合計 | 52 | 1 | 2 | 0 | - | 1 | 0 | 55 | 1 | |||
貴州人和 | 2015 | 中国サッカー・スーパーリーグ | 26 | 0 | 0 | 0 | - | - | 26 | 0 | ||
慶南FC | 2016 | Kリーグチャレンジ | 8 | 0 | 1 | 0 | - | - | 9 | 0 | ||
2017 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | - | 1 | 0 | ||||
合計 | 8 | 0 | 2 | 0 | - | - | 10 | 0 | ||||
大田シチズン | 2017 | Kリーグチャレンジ | 8 | 0 | - | - | - | 9 | 0 | |||
2018 | Kリーグ2 | 0 | 0 | - | - | - | 0 | 0 | ||||
合計 | 8 | 0 | - | - | - | 8 | 0 | |||||
キャリア合計 | 247 | 3 | 12 | 1 | 27 | 1 | 1 | 0 | 287 | 5 |
8. Awards
朴柱成が所属クラブで獲得した主なタイトルは以下の通りである。
8.1. Club Awards
- 水原三星ブルーウィングス
- Kリーグ優勝:2回(2004年、2008年)
- Kリーグ準優勝:1回(2006年)
- 韓国FAカップ準優勝:1回(2006年)
- 韓国リーグカップ優勝:1回(2008年)
- ベガルタ仙台
- J2リーグ優勝:1回(2009年) - J1昇格に貢献。