1. 概要
滝澤邦彦は、1978年に東京都府中市で生まれた日本の元プロサッカー選手である。主にMFとしてプレーし、左サイドを得意とした。名古屋グランパスエイトでプロキャリアをスタートさせ、その後ヴィッセル神戸、ジェフユナイテッド千葉、横浜FC、東京ヴェルディといった日本のクラブで活躍した。特に横浜FCではJ1リーグ昇格に大きく貢献し、チームのアシスト王にも輝いた。キャリアの後半にはタイのクラブでもプレーし、2016年に現役を引退した。引退後は、古巣である名古屋グランパスエイトのスクールコーチを務めている。
2. 個人情報
滝澤邦彦に関する基本的な個人情報と選手としてのプロフィールを記述する。
2.1. 出生と出身地
滝澤邦彦は1978年4月20日に東京都府中市で生まれた。
2.2. 基本情報
選手としての基本的なプロフィールは以下の通りである。
- 身長: 176 cm
- 体重: 64 kg
- 利き足: 左足
- 愛称: タッキー
- ポジション: MF(左サイドハーフ、左ウイングバック)
3. 選手経歴
滝澤邦彦のプロサッカー選手としてのキャリア全体を、ユース時代から引退までの歩みを追って詳細に記述する。
3.1. ユース経歴
滝澤邦彦のサッカー選手としてのキャリアは、府中市立府中第七中学校で始まった。
その後、武南高等学校に進学し、1994年から1996年まで同校のサッカー部で活動した。
3.2. プロクラブ経歴
滝澤邦彦のプロキャリアは、日本のJ1リーグクラブである名古屋グランパスエイトでスタートし、その後複数のクラブを渡り歩き、キャリアの終盤にはタイのクラブでもプレーした。
3.2.1. 名古屋グランパスエイト
高校卒業後の1997年、J1リーグの名古屋グランパスエイトに加入し、プロとしての第一歩を踏み出した。しかし、1999年までは出場機会に恵まれなかった。2000年からは左MFとして多くの試合に出場するようになり、2003年にはレギュラー選手としての地位を確立した。名古屋在籍時の2003年には、当時のズデンコ・ベルデニック監督から彼のドリブルについて「レアル・マドリードでも通用する」と高く評価された。しかし、2004年には出場機会が減少し、同年8月に名古屋グランパスエイトを退団した。
3.2.2. ヴィッセル神戸
2004年8月、名古屋グランパスエイトからの期限付き移籍でヴィッセル神戸に加入した。ここでは2試合に出場した。
3.2.3. ジェフユナイテッド千葉
2005年にはジェフユナイテッド千葉に移籍した。しかし、ここでも出場機会は少なく、シーズン終了後の2005年末にクラブを退団した。ジェフユナイテッド千葉では5試合に出場した。
3.2.4. 横浜FC
2006年6月、J2リーグの横浜FCに加入した。彼はチームの試合のリズムを変える際にスーパーサブとして重用され、横浜FCのJ1昇格に大きく貢献した。横浜FCは2006年にJ2リーグで優勝し、J1への昇格を果たした。2007年には、初のJ1を戦うチームの中で左MFとしてレギュラーでプレーし、チームのアシスト王となった。しかし、クラブは同シーズンを最下位で終え、1年でJ2に降格した。2008年シーズン終了後、横浜FCから戦力外通告を受けた。
3.2.5. 東京ヴェルディ
2009年、東京ヴェルディに完全移籍した。シーズン序盤は主力として起用されたものの、次第に出場機会が減少し、再び戦力外通告を受けた。
3.2.6. タイでのプレー
2010年、活躍の場をタイに移し、タイ・プレミアリーグのバンコク・グラスFC(現:BGパトゥム・ユナイテッドFC)で2010年から2011年までプレーした。
2012年にはリージョナルリーグ・ディヴィジョン2のランシットFCに期限付き移籍した。
2013年にはタイ・ディヴィジョン1リーグのアユタヤFCに移籍した。
2014年にはかつて在籍していたランシット・ユニバーシティFCと契約し、2015年までプレーした。2016年に現役を引退した。
3.3. プレースタイルと特徴
滝澤邦彦は左サイドを得意とするMFであった。彼のドリブル技術は高く評価されており、名古屋グランパスエイト在籍時の2003年には、当時の監督であったズデンコ・ベルデニックから「レアル・マドリードでも通用する」と評された。
横浜FCでは、試合の流れを変えるスーパーサブとして重要な役割を担い、チームのJ1リーグ昇格に大きく貢献した。J1昇格後の2007年シーズンには、チームのアシスト王となるなど、攻撃面での貢献も大きかった。
3.4. クラブ通算成績
| クラブ成績 | リーグ | カップ | リーグカップ | 合計 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
| 日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | 合計 | |||||||
| 1997 | 名古屋 | J | 9 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 11 | 0 | |
| 1998 | 1 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 4 | 1 | |||
| 1999 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
| 2000 | J1 | 16 | 1 | 5 | 2 | 2 | 0 | 23 | 3 | ||
| 2001 | 16 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 19 | 0 | |||
| 2002 | 29 | 0 | 6 | 2 | 3 | 0 | 38 | 2 | |||
| 2003 | 28 | 1 | 6 | 0 | 2 | 0 | 36 | 1 | |||
| 2004 | 8 | 0 | 2 | 0 | - | 10 | 0 | ||||
| 神戸 | J1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | ||
| 2005 | 千葉 | J1 | 5 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0 | |
| 2006 | 横浜FC | J2 | 21 | 2 | - | 1 | 0 | 22 | 2 | ||
| 2007 | J1 | 31 | 0 | 6 | 0 | 2 | 2 | 39 | 2 | ||
| 2008 | J2 | 39 | 0 | - | 2 | 0 | 41 | 0 | |||
| 2009 | 東京V | J2 | 35 | 2 | - | 0 | 0 | 35 | 2 | ||
| タイ | リーグ | カップ | リーグカップ | 合計 | |||||||
| 2010 | バンコクG | プレミア | 23 | 1 | 5 | 0 | 1 | 0 | 29 | 1 | |
| 2011 | 22 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 26 | 0 | |||
| 2012 | |||||||||||
| ランシット | Div2バンコク | ||||||||||
| 総通算 | 285 | 7 | 42 | 5 | 17 | 2 | 346 | 14 | |||
3.5. 国際試合
滝澤邦彦は、クラブチームの一員として国際的な大会にも出場している。
- 2000-2001シーズン: アジアカップウィナーズカップに4試合出場し、得点はなかった。
4. 引退後の活動
2016年にプロサッカー選手としてのキャリアを引退した後、滝澤邦彦は自身の古巣である名古屋グランパスエイトのスクールコーチに就任し、後進の指導にあたっている。