1. 人物
石川大徳は、身長170 cm、体重65 kgで、右足を利き足とする選手である。自らのことを「○○のエクスプレス」(○○には所属クラブ名が入る)と称するほどの快足と、豊富な運動量を武器とする。左右どちらのサイドもこなせるアウトサイドのスペシャリストとして知られている。元サンフレッチェ広島の強化部でスカウトを担当していた足立修は、2009年度の大学サッカー界で「No.1サイドバック」と評した。
2. 来歴
石川大徳のサッカーキャリアは、幼少期からプロ引退、そして引退後の転身に至るまで、着実にステップを踏んできた。
2.1. 生い立ちとユースキャリア
石川は幼少期からサッカーを始め、学生時代にはその才能を開花させた。
2.1.1. 幼少期と初期教育
石川は4歳か5歳からフレンドリーSCでサッカーを始めた。小学校高学年からはDFとしてプレーするようになった。中学3年生の時には、兄の石川高大が通っていた縁でFC東京U-18の練習に参加した経験を持つ。
2.1.2. 高校・大学キャリア
2003年、石川は流通経済大学付属柏高校に入学した。同期には後にプロサッカー選手となる林彰洋、千明聖典、長谷川悠らがいる。高校1年生の時にサイドバックにコンバートされた。本田裕一郎監督の指導を受け、3年生の時には全国高校サッカー選手権大会に同校が初出場するのに貢献した。
高校卒業後は一度サッカーを辞めるつもりでいたが、流通経済大学の中野雄二監督からスカウトされ、その考えを改めた。2006年に流通経済大学に入学し、ここでも林彰洋、千明聖典、宇賀神友弥、金久保順、船山貴之といった後にプロで活躍する選手たちと同期となった。大学1年生の時からJFLの試合に出場し、経験を積んだ。大学3年生の2008年には全日本大学選抜に選出され、同年に特別指定選手として水戸ホーリーホックに登録され、J2の試合に1試合出場した。大学4年生の時には2009年の天皇杯でガンバ大阪と対戦し、その活躍を見せた。この頃から、川崎フロンターレ、ロアッソ熊本、水戸、そしてサンフレッチェ広島といった複数のJリーグクラブによる激しい争奪戦が繰り広げられた。
2.2. クラブキャリア
大学卒業後、石川はプロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせ、複数のクラブでプレーした。
2.2.1. プロデビューと初期
2010年、石川はサンフレッチェ広島とプロ契約を結んだ。同期入団選手には大﨑淳矢がいる。加入当初はミハエル・ミキッチの控えとして、リーグカップ戦や天皇杯などの公式戦で出場機会を重ねた。2012年11月24日、広島ビッグアーチで行われたJ1リーグ第33節のセレッソ大阪戦で、プロ公式戦での初ゴールを記録した。この試合は広島のJ1リーグ初優勝を決める重要な一戦であった。翌2013年シーズン序盤には、ミキッチやファン・ソッコの負傷により右アウトサイドとして出場機会を増やしたが、自身も負傷したことで出場機会が減少した。
2.2.2. 主要なクラブでの在籍
2013年8月、出場機会を求めてベガルタ仙台へ期限付き移籍した。2014年も移籍期間を延長して仙台に残留し、引き続きチームに貢献した。
2015年には大分トリニータへ期限付き移籍したが、リーグ戦で2試合の出場にとどまり、合計プレー時間はわずか22分であった。同年6月10日、再び水戸ホーリーホックへの期限付き移籍が発表された。これは2008年に特別指定選手として在籍して以来、7年ぶりの水戸でのプレーとなった。移籍元はサンフレッチェ広島のままであり、6月16日から水戸に加入し、登録ウィンドーの関係上、7月10日以降から試合に出場可能となった。
2.2.3. 引退と転身
2016年1月、石川はザスパクサツ群馬へ完全移籍した。しかし、同年限りでプロサッカー選手としてのキャリアを引退することを決断した。引退後は、サッカー界での経験を生かし、代理人業に転身した。
3. 個人成績
3.1. クラブ成績
石川大徳のクラブにおける国内リーグ戦、カップ戦の成績は以下の通りである。
クラブパフォーマンス | リーグ | カップ | リーグカップ | その他 | 合計 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | その他1 | 合計 | |||||||
2006 | 流通経済大学 | JFL | 20 | 0 | 0 | 0 | - | - | 20 | 0 | ||
2007 | 17 | 0 | 0 | 0 | - | - | 17 | 0 | ||||
2008 | 17 | 1 | 0 | 0 | - | - | 17 | 1 | ||||
水戸ホーリーホック | J2リーグ | 1 | 0 | 0 | 0 | - | - | 1 | 0 | |||
2009 | 流通経済大学 | JFL | 10 | 1 | 2 | 0 | - | - | 12 | 1 | ||
2010 | サンフレッチェ広島 | J1リーグ | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 | 0 |
2011 | 11 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | - | 14 | 0 | |||
2012 | 20 | 1 | 1 | 0 | 6 | 0 | 1 | 0 | 28 | 1 | ||
2013 | 3 | 0 | - | 0 | 0 | 5 | 0 | 8 | 0 | |||
ベガルタ仙台 | 8 | 1 | 1 | 0 | - | - | 9 | 1 | ||||
2014 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 3 | 0 | |||
2015 | 大分トリニータ | J2リーグ | 2 | 0 | - | - | 2 | 0 | ||||
水戸ホーリーホック | 14 | 0 | 2 | 0 | - | - | 16 | 0 | ||||
2016 | ザスパクサツ群馬 | J2リーグ | 14 | 0 | 2 | 0 | - | - | 16 | 0 | ||
SC相模原 | J3リーグ | 5 | 0 | - | - | 5 | 0 | |||||
総通算 | 81 | 2 | 10 | 0 | 9 | 0 | 8 | 0 | 108 | 2 |
1XEROX SUPER CUPおよびFIFAクラブワールドカップを含む。
- リーグ戦初出場:2008年8月17日 J2リーグ第31節 対 セレッソ大阪戦(長居スタジアム)
- 85分に倉本崇史に代わり途中出場。
- プロ公式戦初出場:2010年4月13日 AFCチャンピオンズリーグ2010グループリーグ第5節 対 山東魯能泰山戦(山東省体育中心体育場)
- 72分に山岸智に代わり途中出場。
- プロ公式戦初得点:2012年11月24日 J1リーグ第33節 対 セレッソ大阪戦(広島ビッグアーチ)
- 先発出場、50分にゴールを決め、71分にファン・ソッコと途中交代。
4. タイトル
4.1. クラブタイトル
石川大徳が所属クラブで獲得した主なタイトルは以下の通りである。
- サンフレッチェ広島
- J1リーグ:2回(2012年、2013年)
- ゼロックススーパーカップ:1回(2013年)
サンフレッチェ広島在籍時の石川大徳
5. 代表歴
石川大徳は、年代別や大学選抜チームでの代表経験を持つ。
- 2008年:全日本大学選抜
6. 外部リンク
- [https://ameblo.jp/no0106ri/ 公式ブログ]
- [https://twitter.com/no20ri 石川大徳 公式X(旧Twitter)]