1. 概要
RENA(レーナ、本名:久保田 玲奈(くぼた れな))は、日本の総合格闘家、シュートボクサー、そしてキックボクサーである。大阪府大阪市此花区出身で、現在はシュートボクシング/シーザージムに所属している。RIZIN女子スーパーアトム級を主戦場とし、そのキャリアは立ち技格闘技から総合格闘技へと多岐にわたる。
シュートボクシングでは、女子トーナメント「Girls S-cup」で通算4度の優勝を果たし、「絶対女王」と称されるほどの圧倒的な強さを誇った。また、初代シュートボクシング世界女子フライ級王者、初代RISE QUEEN王者にも輝いている。
2015年12月に総合格闘技に転向してからは、RIZINで世界トップクラスの選手たちと対戦し、MMA(総合格闘技)キャリアを築いた。海外メディアのSHERDOGでは2018年から約5年間、世界女子アトム級ランキングでトップ10入りを維持し、最高位は世界ランキング5位(2019年)、またFight Matrixでも最高位世界ランキング9位(2022年)を記録するなど、世界的な評価を獲得している。
2. 初期キャリアと背景
RENAは幼少期に格闘技と出会い、アマチュアでの経験を経てキックボクシングおよびシュートボクシングでプロデビューを果たし、キャリア初期から注目を集めた。
2.1. 幼少期と格闘技への入門
久保田 玲奈は1991年6月29日に大阪府大阪市に4姉妹の末っ子として生まれた。幼少期は、不良だった姉たちをどうにかして倒す方法はないかと考え、小学6年生の頃に、SB日本スーパーフェザー級王者であった及川知浩が主宰する及川道場に入門し、グローブ空手の大会で経験を積んだ。
2.2. キックボクシング及びシュートボクシングデビュー
RENAのプロデビュー戦は、2007年7月1日に女子キックボクシングイベント「J-GIRLS」の「New Heroine Coming!」新宿FACE大会で、『クボチューン・レーナM15』のリングネームで行われた。この試合ではフライ級ニューヒロイントーナメント準決勝で古谷あさみに判定負けを喫した。同年11月4日には「World Queen Tournament」で☆MIKA☆に判定勝ちを収めている。
2007年12月23日、シュートボクシングでのデビュー戦を「SHOOT BOXING 2007 無双 其の伍」にて岡加奈子を判定で破り勝利を飾った。この試合から「RENA(レーナ)」に改名。続く「Road to S-Cup」シリーズでも2連勝を記録した。2008年2月3日には関友紀子との対戦で右ハイキックにより左目の負傷を誘発し、ドクターストップによるTKO勝利を収めた。
2008年6月1日、「club DEEP 富山 野蛮人祭り7」で総合格闘家のMIKUとキックボクシングルールで対戦し、1-0の引き分け。キックルールとはいえ、現役DEEP女子ライト級女王と引き分けたことで、彼女が一躍注目を集めるきっかけとなった。しかし、同年11月24日の「SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S-cup 2008」でのMIKUとの再戦では、MIKUがシュートボクシングのルールを研究した結果、0-3の判定で完敗を喫した。
2009年3月20日、K-1初参戦となった「K-1 AWARD & MAX KOREA 2009」では、韓国のムエタイキックボクサー、イム・スジョンと対戦し、延長ラウンドで1-2の判定負け。この試合は「日韓美女対決」として大きな注目を集めた。RENAにとってはこの試合がK-1での唯一の出場となった。
その後、2009年7月11日の「JEWELS 4th RING」にてシュートボクシングマッチでトモコSPに判定勝ちを収めた。
3. キックボクシング及びシュートボクシング経歴
RENAは「Girls S-cup」での圧倒的な連覇により「絶対女王」としての地位を確立し、シュートボクシング女子フライ級王座を獲得するなど、数々の特筆すべき試合で立ち技格闘技界を牽引した。
3.1. Girls S-cup連覇
RENAは、シュートボクシングの女子トーナメント「Girls S-cup」において、複数回の優勝記録を誇る。
- 2009年Girls S-cup優勝
わずか18歳だった2009年8月23日の「2009 Shoot Boxing Girls S-Cup」で初出場にして優勝を飾った。トーナメントでは、1回戦で吉田正子に判定勝ち、準決勝で石岡沙織にTKO勝ち(タオル投入)、そして決勝でV一に判定勝ちを収め、初代Girls S-cupの女王に輝いた。
- 2010年Girls S-cup優勝
2010年8月29日、「2010 Shoot Boxing Girls S-Cup」に出場し、2連覇を達成した。1回戦では、かつて延期となっていた渡辺久江と対戦。RENAのスピードとアグレッシブさに渡辺は驚かされ、RENAは左膝蹴りで渡辺を悶絶させTKO勝利を収めた。続く準決勝ではアメリカの総合格闘家ケイト・マルチネスに判定勝ち、決勝で高橋藍に2度の延長ラウンドの末、判定勝ちを収め、2度目のGirls S-cup優勝を果たした。この高橋との激闘により、RENAは眼窩骨折を負った。
- 2012年Girls S-cup優勝
眼窩骨折からの復帰後、2012年8月25日に「2012 Shoot Boxing Girls S-cup」に参戦し、3度目の優勝を飾った。この大会では、4月に手術した右足の指に埋め込まれたボルトが別の指に刺さり、再手術が必要な状況での強行出場であったにもかかわらず、1回戦でキム・タウンセンド、準決勝でハム・ソヒ、そして決勝でV.V Meiにそれぞれ判定勝ちを収め、Girls S-cup世界トーナメント2連覇(通算3度目の優勝)を達成した。
- 2014年Girls S-cup優勝
2014年8月2日、「2014 Shoot Boxing Girls S-cup」に参戦し、トーナメント4度目の優勝を成し遂げた。1回戦でシモーネ・ドーメレン(オランダ)、準決勝でクリスティーナ・ジャルジェビック(オーストラリア)にそれぞれ判定勝ち。決勝ではティーチャー・ローンリェン・ギーラーコーラート(タイ)を2ラウンドKOで破り、圧倒的な強さでGirls S-cupの栄冠を手にした。
RENAはこれらの連覇により、女子立ち技格闘技界における「絶対女王」としての地位を確立した。
3.2. シュートボクシング女子フライ級王座
2015年8月21日、「SHOOT BOXING Girls S-cup 2015」にて行われた初代シュートボクシング女子世界フライ級王座決定戦で、カネ・チョー.カンピロム(タイ)と対戦。RENAは膝蹴りの連打で相手を圧倒し、3ラウンド1分58秒TKO勝ちを収め、初代SB世界女子フライ級王座を獲得した。
このタイトルは、2016年7月7日の「SHOOT BOXING Girls S-cup 2016」でクラウディア・パウィカ(ポーランド)との防衛戦で初防衛に成功。RENAは左膝蹴りの連打で相手を追い込み、3ラウンド1分42秒に相手コーナーからのタオル投入によるTKO勝利を収めた。
3.3. その他の主要キックボクシング及びシュートボクシング試合
Girls S-cupやタイトル戦以外にも、RENAは数々の注目すべきキックボクシング及びシュートボクシングの試合に出場している。
- 2010年3月19日、JEWELS 7th RINGでハム・ソヒとシュートボクシングルールのエキシビションマッチを行った。
- 2011年4月23日、「SHOOT BOXING 2011 Act 2」での韓国のキム・スンヨン戦は、東日本大震災の影響で相手が来日を拒否したため、急遽18歳の新鋭神村エリカとのエキシビションマッチに変更された。この試合はヘッドギアやレガースなしの「実戦に近い形式」で行われ、ブランクの影響かRENAは神村の左フックでダウンを喫するなど、厳しい内容となった。
- 2011年6月5日、「SHOOT BOXING 2011 Act 3」にて、13年ぶりに復活したSB日本レディース王座決定戦で高橋藍と再戦したが、0-3の判定で完敗し王座戴冠はならなかった。RENAは後にこの試合を「キレたら負けるとこの時に知った。冷静さを失えば全てがダメになるなって」と振り返っている。
- 2011年9月10日、「SHOOT BOXING 2011 Act 4」でBellatorの総合格闘家ジェシカ・ペネと対戦。延長ラウンドでシュートポイントを奪われ、0-2の多数判定で敗れるという大きな番狂わせを喫した。
- 2011年11月23日、東京・浅草のシーザージムでの1ヶ月の長期合宿を経て、RISE 85にて初代RISE QUEEN決定戦で神村エリカと再戦。膝の靭帯が伸びた万全ではない状態ながら、激闘の末に判定3-0で勝利し、初代RISE QUEEN王座を獲得した。なお、RENAはこのRISE QUEEN王座を2013年7月23日に返上している。
- 2013年4月20日、「SHOOT BOXING 2013 Act 2」で台湾のトウ・ペイリンを3ラウンド1分12秒KOで破った(スタンディングチョークスリーパー)。
- 2013年8月3日、「2013 Shoot Boxing Girls S-cup 日本トーナメント」のワンマッチでロレーナ・クライン(オランダ)に延長ラウンドの末、判定勝ちを収めた。
- 2013年11月16日、「SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT GROUND ZERO TOKYO 2013」でメイリー・ウォン・ポーマス(タイ)に判定勝ち。
- 2013年12月23日、「SHOOT BOXING 2013 及川知浩引退イベント~完全相伝~」で韓国のイ・ジウェンを1ラウンドTKOで破った。
- 2014年4月18日、「SHOOT BOXING 2014 Act 2」でイム・ソヒ(韓国)を1ラウンド2分50秒KOで破った(フロントチョークスリーパー)。
- 2014年11月30日、「2014 Shoot Boxing World S-cup」でイシス・バービック(オランダ)に判定勝ち。
- 2015年2月11日、「NO KICK, NO LIFE 2015」でエリー・エクストゥム(スウェーデン)を2ラウンドTKOで破った。
- 2016年4月17日、RIZIN初戦となった「RIZIN.1」でシンディ・アルベス(ブラジル)に判定勝ちを収めている。
- 2016年11月11日、「SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S-cup 2016」でキンバリー・ノヴァス(ブラジル)に判定勝ち。
- 2017年7月7日、「SHOOT BOXING Girls S-cup 2017」でイリアーナ・ヴァレンティーノ(イタリア)に判定勝ちを収めている。
4. 総合格闘技 (MMA) 経歴
RENAはRIZINでのMMAデビュー後、スーパーアトム級グランプリでの活躍や数々の強豪との対戦を通じてMMAキャリアを積み重ね、女子格闘技の顔としてその発展に大きく貢献した。
4.1. MMAデビューとRIZIN初期活動
RENAは2015年10月にRIZINと契約し、総合格闘技ルールでの参戦を発表した。当初は関節技への恐怖から「絶対無理!」と断っていたものの、新たな挑戦への意欲や女子格闘技の注目度向上への貢献を考え、最終的にMMAへの挑戦を決意した。
RIZINデビューを控えた2015年11月20日には、練習中に左手中指と薬指の付け根を骨膜損傷する怪我を負い、12月1日に予定されていた「GROUND ZERO TOKYO 2015」を欠場。大晦日のRIZINにも万全ではない状態での出場となった。
2015年12月31日、「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 さいたま3DAYS IZAの舞」で総合格闘技デビュー戦を行い、同じくデビュー戦となるイリアーナ・ヴァレンティーノ(イタリア)と対戦。1ラウンドは打撃で押される展開となったが、2ラウンドに跳びつき腕ひしぎ十字固めを決め、勝利を飾った。この試合はフジテレビ地上波で2度放送され、RIZINの注目度と相まって、それまでアルバイトをしなければ生活できなかったRENAの人生を大きく変えるきっかけとなった。
2016年9月25日、「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 開幕戦」で、レスリング世界選手権3度優勝の山本美憂と対戦。1ラウンド4分50秒、ニンジャチョーク(RIZIN公式記録はアームトライアングルチョーク)で一本勝ちを収めた。
2016年12月31日、「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント FINAL ROUND」でハンナ・タイソン(ポーランド)と対戦。3ラウンドに左の三日月蹴りでKO勝ちを収め、その強さを見せつけた。
2017年4月16日、「RIZIN 2017 in YOKOHAMA -SAKURA-」でドーラ・ペリエシュ(ハンガリー)と対戦。開始早々に寝技に持ち込まれ腕ひしぎ十字固めを極めかけられるも、これを振りほどき立ち上がると、三日月蹴りからの左ボディフックで逆転KO勝ちを収めた。
4.2. RIZIN女子スーパーアトム級グランプリ2017
RENAは、2017年8月8日に開催が発表されたRIZIN女子スーパーアトム級(-49 kg)グランプリへの参戦を表明した。
- 1回戦
2017年10月15日の「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 1st ROUND -秋の陣-」グランプリ1回戦で元King of the Cageアトム級王者アンディ・ウィン(米国)と対戦した。ウィンが前日計量で体重オーバーし、ファイトマネーの一部がRENAに譲渡される形で試合は行われた。RENAは立ち上がりからボディへの攻撃を集中させ、1ラウンド3分23秒、左ボディブローでウィンをダウンさせ、KO勝利を収め準決勝に進出した。
- 準決勝
2017年12月31日、「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND」グランプリ準決勝でアイリーン・リベラ(スペイン)と対戦。コーナーを使ってリベラの引き込みを防ぎ、カウンターの左フックで相手をぐらつかせると、右フックで追撃し、1ラウンド4分38秒TKO勝利を収めた。
- 決勝
同日、決勝戦で浅倉カンナと対戦。序盤は浅倉のタックルを切ることに成功したものの、1ラウンド後半にテイクダウンを奪われバックに回られると、不用意に両手をリング上に付いて四つん這いになったところにチョークスリーパーをセットされた。RENAはタップをせずに抵抗し続けたが、そのまま絞め落とされ、1ラウンド4分33秒で一本負けを喫した。これによりRENAはトーナメント準優勝となり、MMAキャリア初の黒星を喫し、約6年間にわたる25連勝の記録がストップした。試合後、RENAは「チョークが来ることは分かっていたけど体の反応と対応が遅れてしまった。油断してしまい甘かった。でも出し切ったので、これで負けたのは仕方ないと思っています。優勝は出来なかったけど、総合の経験が数年でここまでよくやったなと胸を張って言えると思う」と語った。このグランプリでの準優勝は海外メディアからも高く評価され、SHERDOG女子アトム級世界ランキング7位にランクインした。
4.3. グランプリ以降の活動と挑戦
グランプリ以降もRENAはRIZINを主戦場とし、女子格闘技のトップ戦線で戦い続けた。
- 浅倉カンナとの再戦と休養、そして復帰
2018年5月6日、「RIZIN.10」で行われた浅倉カンナ対メリッサ・カラジャニスの試合終了後、RENAはリングに上がり、同年7月29日の「RIZIN.11」で浅倉との再戦を要求した。しかし、その再戦では0-3の判定負けを喫し、浅倉に連敗することとなった。試合後、RENAは「今は少し格闘技から離れたい。1回普通の女性に戻りたいと思う。少しだけ離れていろいろリフレッシュしたい」と語り、休養期間に入ることを示唆したが、同年11月1日に自身のブログを更新し「自分がまだ選手としてやり切っていないことに改めて気が付きました。私はまたRENAとして格闘技のリングに戻ります」と復帰を宣言した。
- 計量失敗とサマンサ・ジャン・フランソワ戦
2018年12月31日の「RIZIN.14」でサマンサ・ジャン=フランソワとの復帰戦が予定されていたが、試合前日の計量で体重調整中に倒れ、病院に搬送された。過度の貧血と脱水症状と診断され、RENAは試合への出場を最後まで希望したものの、RIZIN運営が安全面を考慮して試合を許可せず、欠場となった。対戦相手のサマンサにはRIZINから補償金が支払われた。この試合は2019年4月21日の「RIZIN.15」で改めて組まれ、RENAが判定勝ちを収めた。この勝利の1ヶ月後、RENAはSHERDOG女子アトム級世界ランキング5位となった。
- Bellator参戦とリンジー・ヴァンザント戦
2019年6月14日、アメリカのメジャー団体「Bellator 222」でリンジー・ヴァンザントと対戦。1ラウンドにチョークスリーパーで一本負けを喫した。
- ショーナ・ラム戦の代替とリベンジマッチ
2019年10月12日の「RIZIN.19」ではショーナ・ラムとの対戦が予定されていたが、ラムが試合1週間前に脳震盪で欠場。急遽、バックアップファイターとして待機していたアレキサンドラ・アルヴァーレとの対戦となり、RENAが左右のフック連打で1ラウンドわずか20秒でKO勝利を収めた。同年12月31日、「RIZIN.20」でリンジー・ヴァンザントとの再戦が組まれ、3ラウンドにマウントポジションからのパウンド連打で相手コーナーからのタオル投入を誘い、TKO勝ちを収めリベンジを果たした。この勝利にRENAはリング上で涙を流し、感情を爆発させた。
- ストロー級転向、引退示唆、そして山本美憂との再戦
2020年9月27日、「RIZIN.24」で元DEEP JEWELSストロー級暫定王者富松恵美と53.0kg契約のストロー級で対戦し、判定勝ちを収めた。試合後のマイクで、あと2、3試合での現役引退を表明したが、その後この表明は撤回されている。
2021年11月20日、「RIZIN.32」で山本美憂と50kg契約で5年ぶりに再戦。2ラウンドに山本のタックルにカウンターの右膝蹴りを合わせ、追撃のパウンドでTKO勝ちを収めた。
- パク・シウ戦とグランプリからの離脱
2021年12月31日、「RIZIN.33」でアトム級世界ランキング2位のパク・シウと50kg契約で対戦したが、僅差ながら0-3の判定負けを喫した。
2022年7月31日、「RIZIN.37」のスーパーアトム級ワールドグランプリ1回戦でIMMAF世界大会2019ストロー級優勝者のアナスタシア・スヴェッキスカと対戦し、1ラウンドにダウンを奪うなどして3-0の判定勝ちを収め準決勝に進出した。しかし、この試合中に左眼窩内側壁を骨折し全治2ヶ月と診断されたため、2022年9月25日の「RIZIN.38」で行われる準決勝を棄権。代替でアナスタシアが準決勝に進出した。
- クレア・ロペス戦と今後の活動
2023年4月29日、「RIZIN LANDMARK 5」でクレア・ロペスと51kg契約で対戦。試合後半は優勢な展開だったものの、3ラウンドの試合終了間際に膝十字固めで逆転一本負けを喫した。この試合でRENAは「右膝外側側副靱帯の部分断裂、右足の親指・人差し指・中指の基節骨骨折」という重傷を負った。
2024年3月23日、「RIZIN LANDMARK 9」で元ROAD FCアトム級王者シン・ユリと対戦し、接戦を制し3-0の判定勝ちを収めた。同年7月28日、「超RIZIN.3」でケイト・ロータスと対戦し、スタンドパンチ連打で2RTKO勝ちを収めた。
4.4. キャリア転換における心境と影響
RENAのキャリアにおけるキックボクシングから総合格闘技への転向は、彼女自身の内面的な葛藤と、女子格闘技界全体の注目度向上という大きな影響を伴うものだった。当初、MMAの関節技への恐怖から転向を躊躇していたが、新しい挑戦を求める自身の気持ちと、女子格闘技がより多くの注目を集めるきっかけになればという思いから、最終的にMMAへの挑戦を決意した。
RIZINでのMMAデビュー戦で鮮烈な勝利を飾り、その試合が地上波で繰り返し放送されたことは、彼女の知名度を飛躍的に高め、経済的な安定をもたらした。彼女の「ツヨカワ女王」というイメージは、多くのファンを魅了し、女子格闘技が単なるニッチなジャンルではなく、広く大衆に受け入れられるエンターテイメントとして認知される上で重要な役割を果たした。
MMA転向後、怪我や計量失敗といった困難にも直面したが、その都度克服し、トップ戦線で戦い続ける姿勢は、多くの人々に勇気を与えた。特に、山本美憂や浅倉カンナといったトップ選手との対戦は、日本の女子MMAのレベルと人気を牽引する原動力となり、RENA自身も女子格闘技界全体の「顔」として、その発展に大きく貢献している。
5. 人物及びメディア出演
RENAは「ツヨカワ女王」として確立した大衆的イメージと圧倒的なメディア露出により、女子格闘技界の発展に大きく貢献し、社会的な影響力を持った。
5.1. メディア及び放送活動
RENAは、その「ツヨカワ」なキャラクターと試合での圧倒的なパフォーマンスにより、多岐にわたるメディアに出演し、高い知名度を獲得している。
テレビ番組では、TBSの「炎の体育会TV」に複数回出演し、特に2011年1月11日放送回では男性芸人たちとのエキシビションマッチが瞬間最高視聴率16.8%を記録し、翌日にはGoogle Japanの検索キーワードで2位となるなど、大きな反響を呼んだ。その他、「ひみつの嵐ちゃん!」、「GET SPORTS」、「もてもてナインティナイン」、「SASUKE」、「中居正広のミになる図書館」、「Going!Sports&News」、「痛快!明石家電視台」、「ナカイの窓」、「今夜くらべてみました」、「1Hセンス」、「女の体当たりサーチ番組 なぜ?そこ?」、「有吉くんの正直さんぽ」、「踊る!さんま御殿!!」、「VS嵐」、「オールスター感謝祭」、「有吉ゼミ」、「世界まる見え!テレビ特捜部」、「帰れまサンデー」、「スポーツジャングル」、「プレミアの巣窟」、「笑×演」、「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」、「キスマイレージ」、「7つの海を楽しもう!世界さまぁ~リゾート」、「マヨなか笑人」、「KUNOICHI」、「『ぷっ』すま」、「戦え!スポーツ内閣」、「PON!」、「千原ジュニアのヘベレケ」、「ザ!世界仰天ニュース」、「ヒルナンデス!」、「快傑えみちゃんねる」、「サンバリュ かいしんのいちげき ~自分で選ぶ自分の一番~」、「水曜日のダウンタウン」、「ダウンタウンDX」、「トコトン掘り下げ隊!生き物にサンキュー!!」、「ネプリーグ」、「ちょっとザワつくイメージ調査 もしかしてズレてる?」、「新どうぶつ奇想天外!」、「満天☆青空レストラン」、「パンサーの「競輪、はじめました。」」、「潜在能力テスト」、「浅草ベビ9」、「ホンマでっか!?TV」、「イッテンモノ!」、「村上信五とスポーツの神様たち」、「ガリゲル」、「うわっ!ダマされた大賞」、「The Gift」、「もしもツアーズ」、「アナザースカイ」、「人気芸能人にイタズラ!仰天ハプニング150連発!」、「有吉反省会」、「さまスポ」、「私の働き方~乃木坂46のダブルワーク体験!~」、「ポケモンの家あつまる?」、「ジャンクSPORTS」、「芸能界特技王決定戦 TEPPEN 2018秋の陣」、「博多華丸のもらい酒みなと旅 2」、「戦闘中~大江戸決戦! 忍の乱~」など、数多くの人気番組に出演。RIZINの試合中継にも多数登場している。
雑誌では、「MEN'S NON-NO」、「GQ JAPAN」、「ELLE girl」、「smart」、「SPUR」、「MORE」、「HB Humming Birds」、「UOMO」、「Number Do」、「NYLON JAPAN」、「PEACE COMBAT」、「週刊プレイボーイ」、「FRIDAY」、「週刊ヤングジャンプ」、「Tarzan」といった様々なジャンルの媒体に登場し、ファッション誌にも頻繁に掲載されている。
ラジオ番組では、「SEASONS」、「ラジ★ゴン」、「GOLD RUSH」、「ごごラジ!」、「イマ旬!サタデーナイト」、「TOYOTA Athlete Beat」などに出演し、幅広い層にその存在を知らしめた。
5.2. 大衆的イメージと社会的影響
RENAは「ツヨカワ女王」としての大衆的なイメージを確立し、女子格闘技界に大きな影響を与えた。その華やかなルックスと、試合で見せる圧倒的な強さ、そして感情豊かな一面は、多くのファンを惹きつけ、女子格闘技のメディア露出と人気を飛躍的に向上させた。
彼女がRIZINという大舞台で総合格闘技に挑戦したことは、それまでニッチな存在であった女子格闘技を、一般大衆に広く認知させるきっかけとなった。また、自身の怪我や体重管理の問題、連敗などの困難に直面しながらも、それを乗り越えて再起を図る姿は、多くの人々に勇気を与えた。特に、山本美憂や浅倉カンナといったトップ選手との対戦は、日本の女子MMAのレベルと人気を牽引する原動力となり、RENA自身も女子格闘技界全体の「顔」として、その発展に大きく貢献している。
6. 獲得タイトルと表彰
RENAはシュートボクシングのGirls S-cupを複数回制覇し、初代RISE QUEEN王者や初代SB世界女子フライ級王座となるなど、そのキャリアで数々のタイトルと個人表彰を獲得している。
6.1. チャンピオンシップ
- Girls S-cupトーナメント 優勝(2009年、2010年、2012年、2014年)
- 初代RISE QUEEN王座
- 初代SB世界女子フライ級王座
- 2017年 RIZIN女子スーパーアトム級(49 kg)グランプリ 準優勝
6.2. 個人表彰
- 2009年 JEWELS 特別賞
- eFight.jp 月間MVP(2011年11月、2015年12月、2021年11月)
7. 試合記録
RENAのプロフェッショナルな試合記録は、総合格闘技とキックボクシング/シュートボクシングの双方で輝かしい戦績を示しており、数々の勝利と重要な対戦を経験してきた。
7.1. 総合格闘技試合記録
勝敗 | 記録 | 対戦相手 | 勝利方法 | 大会名 | 開催年月日 | ラウンド | 時間 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
勝 | 15-5 | ケイト・ロータス | TKO(スタンドパンチ連打) | 超RIZIN.3 | 2024年7月28日 | 2 | 4:18 | さいたま市、日本 | |
勝 | 14-5 | シン・ユリ | 判定(3-0) | RIZIN LANDMARK 9 | 2024年3月23日 | 3 | 5:00 | 神戸市、日本 | |
負 | 13-5 | クレア・ロペス | サブミッション(膝十字固め) | RIZIN LANDMARK 5 | 2023年4月29日 | 3 | 4:21 | 東京都、日本 | キャッチウェイト(51 kg (112 lb))契約。 |
勝 | 13-4 | アナスタシア・スヴェッキスカ | 判定(3-0) | RIZIN.37 | 2022年7月31日 | 3 | 5:00 | さいたま市、日本 | 2022 RIZIN女子スーパーアトム級グランプリ1回戦。怪我によりトーナメントから辞退。 |
負 | 12-4 | パク・シウ | 判定(0-3) | RIZIN.33 | 2021年12月31日 | 3 | 5:00 | さいたま市、日本 | |
勝 | 12-3 | 山本美憂 | TKO(右膝蹴り→パウンド) | RIZIN.32 | 2021年11月20日 | 2 | 3:35 | 沖縄県、日本 | スーパーアトム級復帰。 |
勝 | 11-3 | 富松恵美 | 判定(3-0) | RIZIN.24 | 2020年9月27日 | 3 | 5:00 | さいたま市、日本 | ストロー級デビュー。 |
勝 | 10-3 | リンジー・ヴァンザント | TKO(コーナーストップ) | RIZIN.20 | 2019年12月31日 | 3 | 4:42 | さいたま市、日本 | キャッチウェイト(51 kg (112 lb))契約。 |
勝 | 9-3 | アレキサンドラ・アルヴァーレ | KO(スタンドパンチ) | RIZIN.19 | 2019年10月12日 | 1 | 0:20 | 大阪市、日本 | キャッチウェイト(51 kg (112 lb))契約。 |
負 | 8-3 | リンジー・ヴァンザント | テクニカルサブミッション(チョークスリーパー) | Bellator 222 | 2019年6月14日 | 1 | 4:04 | ニューヨーク市、アメリカ合衆国 | キャッチウェイト(51 kg (112 lb))契約。 |
勝 | 8-2 | サマンサ・ジャン=フランソワ | 判定(3-0) | RIZIN.15 | 2019年4月21日 | 3 | 5:00 | 横浜市、日本 | キャッチウェイト(51 kg (112 lb))契約。 |
負 | 7-2 | 浅倉カンナ | 判定(0-3) | RIZIN.11 | 2018年7月29日 | 3 | 5:00 | さいたま市、日本 | |
勝 | 7-1 | エレイン・リアル | 判定(3-0) | SHOOT BOXING Girls S-Cup 2018 | 2018年7月6日 | 3 | 5:00 | 東京都、日本 | キャッチウェイト(51 kg (112 lb))契約。 |
負 | 6-1 | 浅倉カンナ | テクニカルサブミッション(チョークスリーパー) | RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND | 2017年12月31日 | 1 | 4:33 | さいたま市、日本 | 2017 RIZIN女子スーパーアトム級グランプリ決勝。 |
勝 | 6-0 | アイリーン・リベラ | TKO(パンチ) | RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 Final ROUND | 2017年12月31日 | 1 | 4:38 | さいたま市、日本 | 2017 RIZIN女子スーパーアトム級グランプリ準決勝。 |
勝 | 5-0 | アンディ・ウィン | TKO(ボディブロー) | RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 1st ROUND -秋の陣- | 2017年10月15日 | 1 | 3:23 | 福岡市、日本 | 2017 RIZIN女子スーパーアトム級グランプリ1回戦。 |
勝 | 4-0 | ドーラ・ペリエシュ | TKO(ボディブロー) | RIZIN 2017 in YOKOHAMA -SAKURA- | 2017年4月16日 | 1 | 2:48 | 横浜市、日本 | |
勝 | 3-0 | ハンナ・タイソン | TKO(ボディキック) | RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント FINAL ROUND | 2016年12月31日 | 3 | 2:47 | さいたま市、日本 | |
勝 | 2-0 | 山本美憂 | サブミッション(ニンジャチョーク) | RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 開幕戦 | 2016年9月25日 | 1 | 4:50 | さいたま市、日本 | スーパーアトム級デビュー。 |
勝 | 1-0 | イリアーナ・ヴァレンティーノ | サブミッション(フライングアームバー) | RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2015 さいたま3DAYS | 2015年12月31日 | 2 | 3:31 | さいたま市、日本 | キャッチウェイト(51 kg (112 lb))契約。 |
7.2. キックボクシング及びシュートボクシング試合記録
勝敗 | 記録 | 対戦相手 | 勝利方法 | 大会名 | 開催年月日 | ラウンド | 時間 | 場所 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
勝 | 35-5-1 | イリアーナ・ヴァレンティーノ | 判定(3-0) | SHOOT BOXING Girls S-Cup 2017 | 2017年7月7日 | 3 | 3:00 | 東京都、日本 | |
勝 | 34-5-1 | キンバリー・ノヴァス | 判定(3-0) | SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S-Cup 2016 | 2016年11月11日 | 3 | 3:00 | 東京都、日本 | |
勝 | 33-5-1 | クラウディア・パウィカ | TKO(コーナーストップ) | SHOOT BOXING Girls S-cup 2016 | 2016年7月7日 | 3 | 1:42 | 東京都、日本 | SB世界女子フライ級タイトル防衛。 |
勝 | 32-5-1 | シンディ・アルベス | 判定(3-0) | RIZIN.1 | 2016年4月17日 | 3 | 3:00 | 名古屋市、日本 | |
勝 | 31-5-1 | カネ・チョー.カンピロム | TKO(パンチ) | SHOOT BOXING Girls S-cup 2015 | 2015年8月21日 | 3 | 1:58 | 東京都、日本 | 初代SB世界女子フライ級王座獲得。 |
勝 | 30-5-1 | エリー・エクストゥム | TKO(パンチ) | NO KICK, NO LIFE 2015 | 2015年2月11日 | 2 | 2:31 | 東京都、日本 | |
勝 | 29-5-1 | イシス・バービック | 判定(2-0) | 2014 Shoot Boxing World S-Cup | 2014年11月30日 | 3 | 3:00 | 東京都、日本 | |
勝 | 28-5-1 | ティーチャー・ローンリェン・ギーラーコーラート | KO(パンチ) | 2014 Shoot Boxing Girls S-Cup, 決勝 | 2014年8月2日 | 2 | 1:15 | 渋谷区、日本 | 2014 Girls S-cup優勝。 |
勝 | 27-5-1 | クリスティーナ・ジャルジェビック | 判定(3-0) | 2014 Shoot Boxing Girls S-cup, 準決勝 | 2014年8月2日 | 3 | 2:00 | 渋谷区、日本 | |
勝 | 26-5-1 | シモーネ・ドーメレン | 判定(3-0) | 2014 Shoot Boxing Girls S-cup, 1回戦 | 2014年8月2日 | 3 | 2:00 | 渋谷区、日本 | |
勝 | 25-5-1 | イム・ソヒ | KO(スタンディングギロチンチョーク) | SHOOT BOXING 2014 act.2 | 2014年4月18日 | 1 | 2:50 | 江東区、日本 | |
勝 | 24-5-1 | イ・ジウェン | TKO(パンチ) | SHOOT BOXING 2013 及川知浩引退イベント | 2013年12月23日 | 1 | 2:40 | 江東区、日本 | |
勝 | 23-5-1 | メイリー・ウォン・ポーマス | 判定(3-0) | SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT GROUND ZERO TOKYO 2013 | 2013年11月16日 | 3 | 3:00 | 墨田区、日本 | |
勝 | 22-5-1 | ロレーナ・クライン | 判定(2-0) | 2013 Shoot Boxing Girls S-cup | 2013年8月3日 | 4(延長1) | 3:00 | 渋谷区、日本 | |
勝 | 21-5-1 | トウ・ペイリン | KO(スタンディングリアネイキッドチョーク) | SHOOT BOXING 2013 act.2 | 2013年4月20日 | 3 | 1:12 | 江東区、日本 | |
勝 | 20-5-1 | V.V Mei | 判定(3-0) | 2012 Shoot Boxing Girls S-cup, 決勝 | 2012年8月25日 | 3 | 2:00 | 渋谷区、日本 | 2012 Girls S-cup優勝。 |
勝 | 19-5-1 | ハム・ソヒ | 判定(3-0) | 2012 Shoot Boxing Girls S-cup, 準決勝 | 2012年8月25日 | 4(延長1) | 2:00 | 渋谷区、日本 | |
勝 | 18-5-1 | キム・タウンセンド | 判定(3-0) | 2012 Shoot Boxing Girls S-cup, 1回戦 | 2012年8月25日 | 3 | 2:00 | 渋谷区、日本 | |
勝 | 17-5-1 | 神村エリカ | 判定(3-0) | RISE 85 | 2011年11月23日 | 5 | 3:00 | 文京区、日本 | 初代RISE QUEEN王座獲得。 |
負 | 16-5-1 | ジェシカ・ペネ | 判定(0-2) | SHOOT BOXING 2011 act.4 | 2011年9月10日 | 5(延長2) | 3:00 | 江東区、日本 | |
勝 | 16-4-1 | サーサ・ソーアリー | KO(ボディパンチ) | 2011 Shoot Boxing Girls S-cup | 2011年8月19日 | 2 | 2:10 | 渋谷区、日本 | |
負 | 15-4-1 | 高橋藍 | 判定(0-3) | SHOOT BOXING 2011 act.3 | 2011年6月5日 | 5 | 3:00 | 江東区、日本 | SB日本レディース王座決定戦。 |
勝 | 15-3-1 | 高橋藍 | 判定(3-0) | 2010 Shoot Boxing Girls S-cup, 決勝 | 2010年8月29日 | 5(延長2) | 2:00 | 千代田区、日本 | 2010 Girls S-cup優勝。 |
勝 | 14-3-1 | ケイト・マルチネス | 判定(3-0) | 2010 Shoot Boxing Girls S-cup, 準決勝 | 2010年8月29日 | 3 | 2:00 | 千代田区、日本 | |
勝 | 13-3-1 | 渡辺久江 | TKO(膝蹴り) | 2010 Shoot Boxing Girls S-cup, 1回戦 | 2010年8月29日 | 2 | 1:50 | 千代田区、日本 | |
勝 | 12-3-1 | ☆MIKA☆ | 判定(3-0) | SHOOT BOXING 25th Anniversary Series: Ishin 3rd | 2010年6月6日 | 3 | 2:00 | 江東区、日本 | |
勝 | 11-3-1 | クリスティーナ・ジャルジェビック | 判定(3-0) | SHOOT BOXING 25th Anniversary Series: Kaimakusen | 2010年2月13日 | 3 | 2:00 | 江東区、日本 | |
勝 | 10-3-1 | 藤野恵実 | TKO(ドクターストップ:鼻骨骨折) | SHOOT BOXING 2009 - Bushido 5th | 2009年11月18日 | 2 | 2:00 | 江東区、日本 | |
勝 | 9-3-1 | V一 | 判定(3-0) | 2009 Shoot Boxing Girls S-cup, 決勝 | 2009年8月23日 | 3 | 2:00 | 江東区、日本 | 2009 Girls S-cup優勝。 |
勝 | 8-3-1 | 石岡沙織 | TKO(タオル投入) | 2009 Shoot Boxing Girls S-cup, 準決勝 | 2009年8月23日 | 3 | 0:20 | 江東区、日本 | |
勝 | 7-3-1 | 吉田正子 | 判定(3-0) | 2009 Shoot Boxing Girls S-cup, 1回戦 | 2009年8月23日 | 3 | 2:00 | 江東区、日本 | |
勝 | 6-3-1 | トモコSP | 判定(3-0) | JEWELS 4th RING | 2009年7月11日 | 3 | 3:00 | 江東区、日本 | シュートボクシングルール。 |
負 | 5-3-1 | イム・スジョン | 判定(1-2) | K-1 AWARD & MAX Korea 2009 | 2009年3月20日 | 4(延長1) | 2:00 | ソウル、韓国 | スーパーファイト。 |
負 | 5-2-1 | MIKU | 判定(0-3) | SHOOT BOXING WORLD TOURNAMENT S-cup 2008 | 2008年11月24日 | 3 | 2:00 | さいたま市、日本 | |
勝 | 5-1-1 | 富田美里 | 判定(3-0) | SHOOT BOXING 2008: Road to S-Cup 4th | 2008年7月21日 | 4(延長1) | 2:00 | 文京区、日本 | |
分 | 4-1-1 | MIKU | 引き分け(1-0) | ClubDEEP Toyama Barbarian Festival 7 | 2008年6月1日 | 2 | 3:00 | 富山市、日本 | DEEPキックルール。 |
勝 | 4-1-0 | 奥村ユカ | 判定(3-0) | SHOOT BOXING 2008: Road to S-Cup 2nd | 2008年4月4日 | 3 | 2:00 | 文京区、日本 | |
勝 | 3-1-0 | 関友紀子 | TKO(ドクターストップ) | SHOOT BOXING 2008: Road to S-Cup 1st | 2008年2月3日 | 2 | 1:49 | 文京区、日本 | |
勝 | 2-1-0 | 岡加奈子 | 判定(2-0) | SHOOT BOXING 2007: Mu-So 5th | 2007年12月23日 | 3 | 2:00 | 大阪市、日本 | |
勝 | 1-1-0 | ☆MIKA☆ | 判定(3-0) | J-GIRLS - World Queen Tournament | 2007年11月4日 | 3 | 2:00 | 江東区、日本 | |
負 | 0-1-0 | 古谷あさみ | 判定(1-2) | J-GIRLS - New Heroine Coming!, 準決勝 | 2007年7月1日 | 3 | 2:00 | 新宿区、日本 | フライ級ニューヒロイントーナメント準決勝。 |
8. 評価と論争
RENAのキャリアは「絶対女王」としての強さや女子格闘技牽引役としての功績が高く評価される一方で、重要な敗北や怪我、体重管理の課題にも直面してきた。
8.1. 肯定的評価と功績
RENAは、その卓越した格闘能力とカリスマ性によって、女子格闘技界において多大な功績を挙げている。
- 「絶対女王」としての強さ
シュートボクシングのGirls S-cupで複数回の優勝を果たし、その圧倒的な強さから「絶対女王」と評される。立ち技での技術、特にボディへの攻撃や投げ技は高く評価され、数々のKO勝利を収めてきた。
- 女子格闘技の牽引役
キックボクシングから総合格闘技へと転向し、RIZINという大舞台で活躍したことで、日本の女子格闘技の知名度と人気を飛躍的に向上させた。MMAデビュー戦での鮮烈な勝利や、山本美憂、浅倉カンナといったトップ選手との名勝負は、多くの新規ファンを獲得し、女子格闘技をメジャーなエンターテイメントとして定着させる上で極めて重要な役割を果たした。彼女の試合はテレビで高視聴率を記録し、一般層にも格闘技の魅力を伝えることに成功した。
- 世界的な評価とランキング
総合格闘家としては、米国のMMAメディアサイトSHERDOGの世界女子アトム級ランキングで長期間トップ10入りを果たし、最高位は5位に達するなど、その実力は国際的にも高く評価されている。これは、彼女が日本国内だけでなく、世界のトップレベルで戦える選手であることを証明している。
- 「ツヨカワ」イメージと社会的影響
「ツヨカワ」(強くて可愛い)というキャラクターは、格闘技ファン以外にも広く受け入れられ、女性アスリートとしての新たなイメージを確立した。メディアへの積極的な露出は、女子格闘家が持つ多様な魅力を伝え、社会における女性アスリートの認知度向上に貢献した。
8.2. 批判と課題
RENAのキャリアは輝かしい功績に彩られている一方で、いくつかの批判や課題にも直面してきた。
- 主要な敗北
キャリア初期のK-1でのイム・スジョン戦、高橋藍とのSB日本レディース王座決定戦での完敗、ジェシカ・ペネへの判定負けなど、重要な局面での敗北も経験している。特に総合格闘技に転向してからは、RIZIN女子スーパーアトム級グランプリ決勝での浅倉カンナへの一本負け、再戦での判定負け、Bellatorでのリンジー・ヴァンザントへの一本負け、そしてパク・シウやクレア・ロペスといった選手への敗北は、彼女の課題を示すものとなった。
- 怪我と欠場
キャリアを通じて、左手人差し指の亀裂骨折や眼窩内側壁骨折、右膝外側側副靱帯の部分断裂、足の指の骨折など、度重なる怪我に見舞われている。これにより、試合が延期や中止となることもあり、特に2022年のRIZINスーパーアトム級グランプリ準決勝を眼窩骨折で棄権したことは、ファンに大きな失望を与えた。
- 計量失敗と体重管理
2018年末のRIZIN.14でのサマンサ・ジャン=フランソワ戦では、試合前日の計量で体重調整に失敗し、貧血と脱水症状で倒れて欠場を余儀なくされた。これはプロ格闘家としての責任に関わる問題として、一部から批判を受けた。この経験は彼女にとって大きな教訓となった。
これらの課題はRENAのキャリアにおいて困難な側面であったが、彼女はそれを乗り越え、自己進化を続けてきた。彼女の戦績は、成功と挫折の両面から成り立っており、その全てが彼女の格闘家としての深みを形作っている。