1. Biography and Career
アイラミツキの音楽キャリアは、2007年のデビューから始まり、数多くのシングルやアルバムのリリース、ライブ活動、そして特徴的なコラボレーションを経て、2013年の活動休止、その後の復帰、そして2018年からの事実上の活動休止に至るまで、いくつかの重要な転換点を迎えてきた。
1.1. Debut and Early Career (2007-2008)
アイラミツキは、2007年に開催された大規模オーディションで6325人の応募者の中からグランプリを受賞し、音楽業界にその名を刻んだ。デビュー当時のキャッチフレーズは「未来で生まれたテクノポップアイコン」であり、彼女自身もPerfumeのブレイクに続く「テクノポップ第二世代」を標榜した。
同年8月8日、大西輝門プロデュースのもと、シングル『カラフル・トーキョーサウンズ・NO.9』でFARM RECORDSよりインディーズデビューを果たした。この楽曲は、映画『トランスフォーマー』(スティーヴン・スピルバーグプロデュース、マイケル・ベイ監督)の日本公式コラボレーション企画である「トランスフォーマーカフェ」のタイアップソングに起用され、映画試写会でも披露された。同時期には、全国30箇所を巡るクラブ・ライブツアーにも参加し、精力的な活動を展開した。
2008年1月には、中国北京のライブハウスで初の海外公演を行い、活動の幅を広げた。同年3月5日には、シングル『チャイナ・ディスコティカ』でメジャーデビューを果たした。この楽曲は、2008年の北京オリンピックに向けて中国に捧げられた楽曲であり、中国のナイトクラブでのライブパフォーマンスを通じてプロモーションが行われた。5月7日には、タワーレコード限定で2,000枚限定シングル『Darling Wondering Staring / STAR FRUITS SURF RIDER』をリリース。
9月3日には、1stアルバム『COPY』をリリース。このアルバムは12トラックと16トラックの2つのバージョンで展開され、収録曲の一部に違いがあった。タワーレコード購入者には「Yakenohara Megamix」が、HMV購入者には「L0ne1yBoy L0ne1yGirl」がボーナストラックとして付与された。アルバム収録曲の「Galaxy Boy」は、テレビ愛知の番組『Bonita!Bonita!!』のエンディングテーマや、「夢の車クラブ薬師寺モータース」のプロモーションに起用された。このアルバムはオリコンデイリーチャートで最高31位、週間チャートで最高48位を記録し、3,163枚を売り上げた。10月29日には、2ndシングル『ロボットハニー』をリリース。この作品からジャケットやPVで素顔を公開し、プロモーション戦略に変化が見られた。同曲はテレビ東京系全国ネットワークの『ロボつく』エンディングテーマ、スカパー!のプロモーション番組『スカ☆パラ』のオープニング・エンディングテーマとしても使用され、コナミの音楽ゲーム『jubeat ripples』にも収録された。
1.2. Activity Expansion Period (2009-2011)
2009年1月21日、3rdシングル『サヨナラ TECHNOPOLiS』をリリース。この楽曲のプロモーションとして、月面の土地を購入したことでも話題を呼んだ。また、HMV限定シングル『Valentine STEP』も同時リリースされた。同年1月29日には、NHK総合『MUSIC JAPAN』で地上波テレビに初出演し、『サヨナラ TECHNOPOLiS』を披露した。3月19日には、LIQUIDROOM ebisuで無料招待制ライブ「mixi×Aira Mitsuki スペシャルLiVE」を実施。この模様は、同年5月20日発売のLive DVD『Aira Mitsuki Special LiVE "090319" in LIQUIDROOM』に収録されている。
5月20日には、4thシングル『BARBiE BARBiE』とLive DVD『Aira Mitsuki Special LiVE "090319" in LIQUIDROOM』を同時リリース。『BARBiE BARBiE』はスワンズマンションのテレビCMに起用された。5月29日には、日本テレビ系『音楽戦士 MUSIC FIGHTER』の「新入戦士」コーナーに出演し、『BARBiE BARBiE』を披露した。6月17日には、学研『大人の科学マガジン』とのコラボレーションによるヴィレッジヴァンガード限定CD『Airaの科学 CD』をリリース。この作品にはテルミン奏者の竹内正実も参加している。
7月22日、2ndアルバム『PLASTIC』をリリース。このアルバムには、AYUSE KOZUE、Shigeo(SBK/the samos)、□□□がゲストボーカルとして参加し、初回限定盤に付属する特典CDには80kidzや斉藤祐樹(HiGE)を含む計8組のアーティストによるリミックス音源が収録された。これに伴い、初の東名阪ツアーも開催された。11月2日には、オフィシャルファンクラブ「I LOVE」が発足した。
2010年6月1日より、江崎グリコ「Tokyo graffiti×グリコビジョン渋谷コラボCM」がグリコビジョン渋谷にて放映された。6月2日には、ミニアルバム『6 FORCE』をリリース。この作品では、新進インストバンドSawagiがゲストプロデューサーとして迎えられた。8月7日には、「SUMMER SONIC 2010」大阪会場のDANCE STAGEに出演し、プロデューサーのTerukadoと共にDJセットによるライブを披露した。8月13日には、株式会社ポイントとMyspaceのコラボプロジェクト「point presents enjoy? 100music」のUstream番組のオープニングで、ワンマンライブがUstreamで生配信された。
11月17日、3rdアルバム『???(スリークエスチョン)』を新レーベルD-TOPIA UNIVERSEよりリリース。HAN JAE HO,KIM SEUNG SOO,AN JUN SUNGが楽曲提供を行い、環ROYとのアーティストコラボレーションも実現した。また、小沢健二の楽曲「愛し愛されて生きるのさ」をカバーしている。アルバム発売に伴い、タワーレコード限定店舗企画「はてなショップクローリング」や、6都市を巡るライブツアー「Aira Mitsuki LiVE TOUR 2011 『???』」が開催された。
2011年4月20日には、DVD+CD『Aira Mitsuki LiVE TOUR 2011 「???」 in LIQUIDROOM』をリリース。これは、6都市ツアーのファイナル公演の映像と新曲が収録された2枚組仕様であった。12月7日には、Saori@destinyとのコラボレーションアルバム『×~PARK OF THE SAFARI』をリリースした。
1.3. Hiatus and Return (2013-2015)
2013年8月21日、D-topiaからのラストアルバムとなる『I'll Be Back』をリリースした。そして、同年9月29日のワンマンライブをもって、Aira Mitsukiとしての音楽活動を休止した。これに伴い、公式ファンクラブ「I LOVE」も閉会された。
2015年には、レーベルから独立し、音楽活動に復帰した。当初は「AIRA」名義で活動を再開したが、新曲「LIGHTSAVER」のリリースに際して「アイラミツキ」名義を使用することに決定した。同年9月21日、サウンドプロデューサーにアイズマック(NUXX)を迎え、復帰作第一弾となるデジタル配信シングル「LIGHTSAVER -Single-」をリリース。カップリングには「I'LL AGAIN..」が収録され、iTunes Store、Amazon Music、Google Play Musicなどでダウンロード販売された。
1.4. Recent Activities and Current Status (2016-Present)
活動復帰後も、アイラミツキはデジタル音源のリリースを継続した。2016年3月23日にはデジタルシングル「Days」を、同年4月13日にはデジタルシングル「Detective A」をリリースした。2017年11月12日には、5thアルバム『Pyramidal』をリリースしている。
2018年9月12日には、「東京に静寂を」のゲストボーカルとして、「Playlist(feat.アイラミツキ)」をデジタル配信リリースした。しかし、これ以降、彼女のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の更新がストップし、事実上の活動休止状態となっている。2021年4月頃には、「Playlist 2021(feat.アイラミツキ)」がイベント会場や通販で販売された。
2. Musical Style and Influences
アイラミツキの音楽スタイルは、しばしば中田ヤスタカがプロデュースするCapsuleやPerfumeと比較される。彼女自身も中田ヤスタカの作品のファンであることを公言しており、音楽的な影響を受けたアーティストとして、ピチカート・ファイヴ、カヒミ・カリィ、YUKI、Justice、コーネリアス、ダフト・パンクなどを挙げている。また、コーネリアス、小沢健二、カヒミ・カリィ、元気ロケッツ、カスケーダ、レニー・クラヴィッツ、そしてレーベルメイトのSaori@destinyの楽曲をカバーしてきた経験もある。
彼女の楽曲は、SFやポップカルチャーをテーマとすることが多く、アンビエントなサウンドエフェクトや、ボコーダーやシンセサイザーの多用が特徴である。歌詞は、宇宙、ロボット、テクノロジーといった概念を探求する傾向がある。「Galaxy Boy」は宇宙をテーマに「プロトタイプな銀河の少年」について書かれている一方、「サヨナラ TECHNOPOLiS」とそのB面では、人間の無感動、地球温暖化といった社会問題に触れ、月への移住を提案している。
アイラミツキは、さまざまなジャンルを実験的に取り入れている。1stアルバム『COPY』の多くの楽曲はダンス・ミュージック色が強かったが、「Valentine Step」には強いラテンの影響が見られ、「サヨナラ TECHNOPOLiS」は「エレクトロ meets ビッグビート」として売り出された。また、数曲のバラードや、レニー・クラヴィッツの「Rock and Roll Is Dead」のヘビーなテクノカバーもレコーディングしている。彼女の音楽において一貫しているのは、ボーカルフィルターやシンセサイザーの使用である。
彼女のミュージックビデオでは、アニメーションやCGが効果的に使われ、流行を意識した衣装が特徴的である。彼女自身がポケットモンスターなどのビデオゲームのファンであることを公言しており、SFやテクノロジーからインスピレーションを得ているとインタビューで語っている。また、「サヨナラ TECHNOPOLiS」のリリースに際して、実際に月の土地を購入したというエピソードもある。
EP『Airaの科学 CD』に収録されている「Science Music」と「戦場のメリークリスマス」の2曲には、竹内正実が演奏するテルミンがフィーチャーされている。このCDには、カヒミ・カリィの「Mike Alway's Diary」のカバーや、I Am Robot and Proudによるリミックス、そしてテルミンなしの「Science Music」と「戦場のメリークリスマス」のバージョンも収録されている。
アイラミツキは主にボーカリストであるが、キャリアを通して、ライブパフォーマンスではドラム、様々なシンセサイザー、ドラムマシン、サンプラーなどの楽器を取り入れてきた。
3. Discography
アイラミツキがこれまでにリリースしたスタジオアルバム、ミニアルバム、シングル、そしてその他の作品を以下に一覧で示す。
3.1. Singles
3.1.1. Regular Singles
枚 | 発売日 | タイトル | 規格品番 | オリコン | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Aira Mitsuki 名義 | |||||
1st | 2007年8月8日 | 『カラフル・トーキョーサウンズ・NO.9』 | FARM-0097 | 122位 | |
2nd | 2008年3月5日 | 『チャイナ・ディスコティカ』 | VUCD-35001 | 103位 | |
3rd | 2008年10月29日 | 『ロボットハニー』 | VUCD-35003 | 43位 | |
4th | 2009年1月21日 | 『サヨナラ TECHNOPOLiS』 | VUCD-35004 | 27位 | |
5th | 2009年5月20日 | 『BARBiE BARBiE』 | VUCD-35005 | 51位 | |
アイラミツキ 名義 | |||||
6th | 2015年10月24日 | 『LIGHTSAVER』 | AMTK-0001 | 圏外 | |
7th | 2015年11月7日 | 『Animo!』 | DJTS-0003 | 圏外 |
3.1.2. Digital Singles
発売日 | タイトル | 備考 |
---|---|---|
Aira Mitsuki 名義 | ||
2008年10月29日 | 『Knee-high Girl (ニーハイガール)』 | |
2009年7月1日 | 『Bad Trip (feat. Terukado)』 | |
2009年11月4日 | 『Plastic Live From Tokyo』 | |
2010年4月21日 | 『Heat My Love』 | |
2010年5月5日 | 『Level 5』 | |
2010年10月13日 | 『Aishi Aisarete Ikiru no Sa』 | |
2010年10月20日 | 『Why Two?』 | |
アイラミツキ 名義 | ||
2015年9月21日 | 『LIGHTSAVER』 | カップリングは「I'LL AGAIN..」 |
2015年10月28日 | 『Animo!』 | |
2016年3月23日 | 『Days』 | |
2016年4月13日 | 『Detective A』 | |
2018年9月12日 | 『Playlist』 | 「東京に静寂を feat. アイラミツキ」名義でリリース |
3.1.3. Limited/Special Release Singles
発売日 | タイトル | 規格品番 | オリコン | 備考 |
---|---|---|---|---|
Aira Mitsuki 名義 | ||||
2007年 | 『Heavenly Star』 | - | - | 会場限定販売CD-R盤 |
2007年 | 『Everytime We Touch』 | - | - | 会場限定販売CD-R盤 |
2008年5月7日 | 『Darling Wondering Staring / STAR FRUITS SURF RIDER』 | DTJR-8021 | 114位 | タワーレコード限定販売 |
2008年 | 『L0ne1yBoy L0ne1yGirl』 | - | - | 会場限定販売CD-R盤(HMVでのアルバム購入特典) |
2008年 | 『MEGAMIX CD』 | - | - | 会場限定販売CD-R盤(タワーレコードでのアルバム購入特典「Yakenohara Megamix」の可能性あり) |
2009年1月21日 | 『Valentine STEP』 | DTJR-09011 | 63位 | HMV限定販売 |
2009年6月17日 | 『Airaの科学CD』 | DTJR-09061 | 圏外 | ヴィレッジヴァンガード限定販売 |
2010年1月31日 | 『Out edit. vol.1』 | - | - | 会場限定販売CD-R盤(ローソン限定販売) |
2011年4月20日 | 『Hound Dog (featuring Terukado)』 | - | - | 『Aira Mitsuki LiVE TOUR 2011 「???」in LIQUIDROOM』DVD+CDに付属 |
3.2. Albums
3.2.1. Studio Albums
枚 | 発売日 | タイトル | 規格品番 | オリコン | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
初回限定盤 | 通常盤 | |||||
Aira Mitsuki 名義 | ||||||
1st | 2008年9月3日 | 『COPY』 | VUCD-60001 | VUCD-60002 | 48位 | 5,010枚販売 |
2nd | 2009年7月22日 | 『PLASTIC』 | VUZD-1 (CD+DVD) VUZD-2 (2CD) | VUCD-60005 | 33位 | 4,195枚販売 |
3rd | 2010年11月17日 | 『???』 | POCS-9201 | POCS-1201 | 45位 | 2,758枚販売 |
4th | 2013年8月21日 | 『I'LL BE BACK』 | POCS-1208 | 134位 | ||
アイラミツキ 名義 | ||||||
5th | 2017年11月12日 | 『Pyramidal』 | AMTK-0002 | 圏外 |
3.2.2. Mini-Albums
枚 | 発売日 | タイトル | 規格品番 | オリコン | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
初回限定盤 | 通常盤 | |||||
Aira Mitsuki 名義 | ||||||
1st | 2010年6月2日 | 『6 FORCE』 | VUCD-60007 | VUCD-60008 | 34位 | 3,391枚販売 |
3.2.3. Collaboration Albums
枚 | 発売日 | タイトル | アーティスト | 規格品番 | オリコン |
---|---|---|---|---|---|
1st | 2011年12月7日 | 『× PARK OF THE SAFARI』 | Aira Mitsuki × Saori@destiny | POCS-1203 | 210位 |
3.3. Video Works
枚 | 発売日 | タイトル | 販売形態 | 規格品番 | オリコン |
---|---|---|---|---|---|
Aira Mitsuki 名義 | |||||
1st | 2009年5月20日 | 『Aira Mitsuki Special Live "090319" in LIQUIDROOM』 | DVD | VUBD-101 | 70位 |
2nd | 2011年4月20日 | 『Aira Mitsuki LiVE TOUR 2011 「???」 in LIQUIDROOM』 | DVD+CD | POBD-60389 | 163位 |
3.4. Analog Records
枚 | 発売日 | タイトル | 規格品番 |
---|---|---|---|
Aira Mitsuki 名義 | |||
1st | 2009年10月18日 | 『Aira Mitsuki "5" mix』 | DTJR-09102 |
3.5. Compilations and Other Appearances
- 『MEGA TRANCE08』(2007年8月8日)
- 「カラフル・トーキョーサウンズ・NO.9 (DJ U☆HEY? & RED CLAVIA Remix)」収録
- 『Teardrop』(2008年12月17日)
- 「戦場のメリークリスマス」、「MIKE ALWAYS DIARY」収録
- 『for Winter Music Lovers ~ TECHNOPOP Xmas』(2009年11月11日)
- 「戦場のメリークリスマス」収録
- 『SUN/東京に静寂を』(2021年4月頃イベント会場、通販で販売)
- 「Playlist 2021(feat.アイラミツキ)」収録