1. 初期キャリア
ヨルゲンセンのサッカー選手としてのキャリアは、グラントフテンIFで始まった。その後、スコウルネIFを経てアカデミスク・ボルドクラブに加入し、ブレンビーIFでU-15選手として半年間過ごした期間を除いて、9年間を同クラブで過ごした。
1.1. ユースキャリア
ヨルゲンセンは、スコウルネIF、アカデミスク・ボルドクラブ、ブレンビーIFのユースチームでプレーし、プロ入りに向けた育成を受けた。
1.2. アカデミスク・ボルドクラブ
2009年、ヨルゲンセンはアカデミスク・ボルドクラブのトップチームに昇格し、プロとしてのキャリアをスタートさせた。同クラブでは、公式戦で合計32試合に出場し、8得点を記録した。
2. クラブキャリア
ヨルゲンセンは、デンマーク、ドイツ、オランダ、トルコの複数のクラブでプレーし、それぞれのクラブで異なる経験を積んだ。
2.1. バイエル・レバークーゼン
2010年7月、ヨルゲンセンはドイツのバイエル・レバークーゼンに移籍し、5年契約を結んだ。移籍直後のプレシーズンキャンプでは、最初の45分間の出場で4得点を挙げるなど、印象的な活躍を見せた。同年8月29日に行われたボルシア・メンヒェングラートバッハ戦(3-6で敗戦)で、63分に途中出場し、ブンデスリーガデビューを果たした。しかし、レバークーゼンでは公式戦10試合に出場したが、得点を挙げることはできなかった。
2.2. 1. FCカイザースラウテルン(ローン)
2012年1月、ヨルゲンセンはバイエル・レバークーゼンから同じくブンデスリーガの1.FCカイザースラウテルンへローン移籍した。しかし、ここでも出場機会は限られ、リーグ戦5試合に出場したが、得点は記録できず、ドイツでの挑戦は成功を収めることができなかった。
2.3. FCコペンハーゲン(第1期)
2012年7月、ヨルゲンセンは母国デンマークに戻り、FCコペンハーゲンに1年間のローン移籍で加入した。同年9月には、クラブが買い取りオプションを行使し、2016年までの完全移籍契約を締結した。FCコペンハーゲンでの最初の期間は、彼のキャリアにおける転機となった。計4シーズンにわたって活躍し、公式戦137試合に出場して51得点23アシストを記録した。特に2015-16シーズンにはデンマーク・スーペルリーガの最優秀選手に選出された。この期間に、チームは2012-13シーズンと2015-16シーズンにデンマーク・スーペルリーガで優勝し、2014-15シーズンと2015-16シーズンにはデンマーク・カップも制覇した。
2.4. フェイエノールト
2016年夏、ヨルゲンセンはオランダのフェイエノールトへ移籍し、5年契約を結んだ。移籍金は推定350.00 万 EURと報じられた。背番号は9番を着用した。プレシーズンでミシェル・クラーメルからレギュラーの座を奪うと、シーズン序盤から精力的なハードワークとポストプレーで高い評価を得た。また、ヨン・グイデッティやグラツィアーノ・ペッレといったフェイエノールトの歴代ストライカーに劣らないペースで得点を量産した。
控えめな性格から前任者たちのようなカルト的な人気は得られなかったものの、2016年12月11日のAZアルクマールとのアウェーゲームでは1ゴール2アシストを記録し、フットボール・インターナショナル誌の週間最優秀選手に選ばれた。同誌からは「ロッテルダムで求められる不屈さを備えた、典型的なフェイエノールトのスピッツ(9番)」と賞賛された。ウィンターストップ以降はゴール数が減少傾向にあったが、2017年3月12日のAZ戦では3得点2アシストとチームの全得点に絡む活躍を見せ、自身初のハットトリックを達成した。これにより再びフットボール・インターナショナル誌の週間最優秀選手に選ばれ、大きな賞賛を浴びた。この時点で、彼はゴール数とアシスト数の両方で二桁を記録し、フェイエノールトの選手としては11年前のディルク・カイト以来の快挙となった。
4月2日のアヤックス・アムステルダムとのアウェーゲームでは12分で負傷交代したが、4月16日のFCユトレヒト戦で復帰。4月23日のフィテッセ戦では2得点を挙げ、再びフットボール・インターナショナル誌の週間最優秀選手に選ばれた。最終的に、2016-17シーズンのエールディヴィジではリーグ最多の21得点を挙げ、リーグ2位の11アシストを記録するなど、リーグで最も多くのゴールに絡んだ選手となり、フェイエノールトの1999年以来となるリーグ優勝に大きく貢献した。この活躍により、フットボール・インターナショナル誌の年間最優秀選手(採点平均6.73)を受賞し、De TelegraafとVVCVが主催するフットボーラー・ファン・ヘット・ヤールでも4位にランクインするなど、高い評価を受けた。
2018年4月22日、KNVBカップ決勝のAZアルクマール戦では先制点を挙げ、チームの3-0での勝利とタイトル獲得に貢献した。また、ヨハン・クライフ・スハールでは2017年と2018年に優勝している。2019年6月14日には、フェイエノールトとの契約を2022年まで延長することで原則合意に達したと発表された。フェイエノールトでは合計114試合に出場し、46得点を記録した。
2.5. カスムパシャSK
フェイエノールトとの契約を終了した後、ヨルゲンセンはトルコのスュペル・リグに所属するカスムパシャSKへ移籍した。カスムパシャでは15試合に出場し、2得点を挙げた。
2.6. FCコペンハーゲン(復帰)
2022年1月31日、ヨルゲンセンはカスムパシャSKとの契約を解除した後、古巣のFCコペンハーゲンに復帰し、シーズン終了までの契約を結んだ。しかし、この復帰期間は期待外れに終わり、9試合の出場でわずか1得点に留まった。契約満了に伴い、2022年6月にFCコペンハーゲンを退団した。
3. 代表キャリア
ヨルゲンセンはデンマークの各年代別代表チームでプレーした後、A代表に選出され、主要な国際大会にも出場した。
3.1. ユース代表
ヨルゲンセンはデンマークのU-18、U-19、U-20、U-21代表チームでプレーした。
- U-18代表:4試合出場、1得点(2009年)
- U-19代表:12試合出場、6得点(2009年 - 2010年)
- U-20代表:1試合出場、0得点(2011年)
- U-21代表:10試合出場、1得点(2010年 - 2012年)
2011年6月14日に行われたUEFA U-21欧州選手権2011のベラルーシ戦では、決勝ゴールを挙げた。
3.2. A代表
2010年10月4日、ヨルゲンセンはUEFA EURO 2012予選のポルトガル戦とキプロス戦に向けてデンマークA代表に初招集されたが、出場機会はなかった。2011年11月11日のスウェーデンとの親善試合でA代表デビューを果たした。2015年11月14日、UEFA EURO 2016予選プレーオフのスウェーデン戦で代表初得点を記録した。この試合は1-2で敗れたものの、ヨルゲンセンのゴールはデンマークにとって重要なアウェーゴールとなった。
2018年6月には、ロシアで開催された2018 FIFAワールドカップのデンマーク代表メンバーに選出された。デンマーク代表としては、通算41試合に出場し、9得点を記録している。
4. プレースタイルと評価
ヨルゲンセンは、古典的な「9番」タイプのストライカーではなく、ゴール前で待ち構えるだけの選手ではないと評価されている。デンマークでは主に2トップの一角としてプレーし、時には左サイドでも効果的な動きを見せた。長身ながらも足元の技術に優れ、広範囲に動いて自らドリブル突破を狙ったり、チームメイトとの連携からチャンスを作り出すことも可能だった。また、ペナルティーエリア外からの正確なミドルシュートも得意としていた。
ヴィレム・ファン・ハネヘムは2017年3月、「彼は常によく考えてゴールを狙っている。ゴールキーパーの位置、自分の位置、マークに付いている相手の位置、全てを視界に捉えてアクションを起こしているのが素晴らしいと思う」と、その戦術眼と状況判断能力を賞賛している。
5. 人物・逸話
ヨルゲンセンは自身が「少し高所恐怖症」であることを認めている。フェイエノールトの新加入選手がプレシーズンのオープンダッハでヘリコプターに乗る際、当初から不安な様子を見せていた。当日、無事にヘリコプターから降りた後、「同乗していたジュスティン・バイローにほとんどしがみつく勢いだった。運良く生き延びたよ」とコメントし、その恐怖心をユーモラスに語った。
6. キャリア統計
6.1. クラブ別成績
クラブ | シーズン | リーグ | 国内カップ | 大陸大会 | その他 | 合計 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ディビジョン | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | ||
アカデミスク・ボルドクラブ | 2008-09 | デンマーク・ファーストディビジョン | 8 | 0 | 0 | 0 | - | - | 8 | 0 | ||
2009-10 | デンマーク・ファーストディビジョン | 23 | 7 | 1 | 1 | - | - | 24 | 8 | |||
合計 | 31 | 7 | 1 | 1 | - | - | 32 | 8 | ||||
バイエル・レバークーゼン | 2010-11 | ブンデスリーガ | 9 | 0 | 1 | 0 | 8 | 0 | - | 18 | 0 | |
2011-12 | ブンデスリーガ | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 2 | 0 | ||
合計 | 10 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0 | - | 20 | 0 | |||
1.FCカイザースラウテルン (ローン) | 2011-12 | ブンデスリーガ | 5 | 0 | 0 | 0 | - | - | 5 | 0 | ||
FCコペンハーゲン | 2012-13 | デンマーク・スーペルリーガ | 27 | 11 | 1 | 0 | 8 | 1 | - | 36 | 12 | |
2013-14 | デンマーク・スーペルリーガ | 16 | 7 | 2 | 0 | 6 | 1 | - | 24 | 8 | ||
2014-15 | デンマーク・スーペルリーガ | 25 | 10 | 4 | 0 | 8 | 2 | - | 37 | 12 | ||
2015-16 | デンマーク・スーペルリーガ | 31 | 15 | 5 | 2 | 4 | 2 | - | 40 | 19 | ||
合計 | 99 | 43 | 12 | 2 | 26 | 6 | - | 137 | 51 | |||
フェイエノールト | 2016-17 | エールディヴィジ | 32 | 21 | 3 | 2 | 6 | 2 | 1 | 0 | 42 | 25 |
2017-18 | エールディヴィジ | 26 | 10 | 3 | 1 | 4 | 2 | 1 | 0 | 34 | 13 | |
2018-19 | エールディヴィジ | 24 | 7 | 4 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 28 | 10 | |
2019-20 | エールディヴィジ | 13 | 5 | 2 | 0 | 2 | 0 | - | 17 | 5 | ||
2020-21 | エールディヴィジ | 19 | 3 | 1 | 0 | 3 | 0 | - | 23 | 3 | ||
合計 | 114 | 46 | 13 | 6 | 15 | 4 | 2 | 0 | 144 | 56 | ||
カスムパシャSK | 2021-22 | スュペル・リグ | 15 | 2 | 0 | 0 | - | - | 15 | 2 | ||
FCコペンハーゲン | 2021-22 | デンマーク・スーペルリーガ | 9 | 1 | 0 | 0 | - | - | 9 | 1 | ||
キャリア通算 | 283 | 99 | 27 | 9 | 50 | 10 | 2 | 0 | 362 | 118 |
6.2. 代表成績
代表チーム | 年 | 出場 | 得点 |
---|---|---|---|
デンマーク | 2011 | 2 | 0 |
2012 | 1 | 0 | |
2013 | 6 | 0 | |
2014 | 0 | 0 | |
2015 | 7 | 1 | |
2016 | 8 | 5 | |
2017 | 6 | 2 | |
2018 | 8 | 1 | |
2019 | 3 | 0 | |
合計 | 41 | 9 |
国際Aマッチでの得点一覧
No. | 日付 | 会場 | 対戦相手 | スコア | 結果 | 大会 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2015年11月14日 | フレンズ・アレーナ、ストックホルム、スウェーデン | スウェーデン | 1-2 | 1-2 | UEFA EURO 2016予選プレーオフ |
2 | 2016年3月24日 | MCHアレーナ、ヘアニング、デンマーク | アイスランド | 1-0 | 2-1 | 親善試合 |
3 | 2-0 | |||||
4 | 2016年8月31日 | CASAアレーナ、ホーセンス、デンマーク | リヒテンシュタイン | 1-0 | 5-0 | 親善試合 |
5 | 2-0 | |||||
6 | 2016年11月15日 | エデン・アレーナ、プラハ、チェコ | チェコ | 1-1 | 1-1 | 親善試合 |
7 | 2017年6月10日 | アルマトイ・セントラル・スタジアム、アルマトイ、カザフスタン | カザフスタン | 1-0 | 3-1 | 2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
8 | 2017年9月1日 | テリア・パークン、コペンハーゲン、デンマーク | ポーランド | 3-0 | 4-0 | 2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
9 | 2018年11月16日 | カーディフ・シティ・スタジアム、カーディフ、ウェールズ | ウェールズ | 1-0 | 2-1 | UEFAネーションズリーグ2018-19・リーグB |
7. タイトル
7.1. クラブでのタイトル
- FCコペンハーゲン
- デンマーク・スーペルリーガ: 2012-13, 2015-16, 2021-22
- デンマーク・カップ: 2014-15, 2015-16
- フェイエノールト
- エールディヴィジ: 2016-17
- KNVBカップ: 2017-18
- ヨハン・クライフ・スハール: 2017, 2018
7.2. 個人タイトル
- エールディヴィジ得点王: 2016-17