パク・ファソン

1.1. 出生と生い立ち

朴和城は1904年5月12日(旧暦4月16日)、大韓帝国全羅南道務安郡(現在の大韓民国全羅南道木浦市)で生まれた。本名は朴景順、本貫は密陽朴氏、号は素影である。

1.2. 学歴

淑明女子高等普通学校を卒業後、日本へ渡り、日本女子大学校英語英文学科に入学したが、学業を中途退学して帰国した。

1.3. 初期活動

1925年、文学雑誌『朝鮮文壇』に短編小説「秋夕前夜」(추석 전야_{チュソク チョニャ}^韓国語)を発表し、文壇にデビューした。この作品は、繊維工場で働く少女を描いた物語である。1926年には日本女子大学校に在籍しながら、槿友会の東京支部にも参加した。日本から帰国後は、学校で教育者として働く傍ら、様々な文学団体でも活動した。

2.1. 執筆活動

朴和城は生涯にわたり数多くの長編小説、短編小説、エッセイを執筆した。彼女の主要作品には以下のものがある。

• 「秋夕前夜」(추석 전야_{チュソク チョニャ}^韓国語、1925年) - 文学雑誌『朝鮮文壇』で発表され、文壇デビュー作となった。
• 『洪水前後』(홍수 전후_{ホンス チョンフ}^韓国語、1932年)
• 『白花』(백화_ペクファ^韓国語、1932年) - 『東亜日報』に連載された。
• 『愛』(사랑_サラン^韓国語) - 長編小説。
• 『燃え上がる星』(타오르는 별_{タオルヌン ピョル}^韓国語) - 長編小説。
• 「故郷なき人々」(고향 없는 사람들_{コヒャン オムヌン サラムドゥル}^韓国語、1936年)
• 『休火山』(휴화산_{ヒュファサン}^韓国語、1977年)
• 『故郷なき人々』(고향 없는 사람들_{コヒャン オムヌン サラムドゥル}^韓国語、1994年) - 同名の作品が1936年にも発表されており、これは再版または作品集の一部と考えられる。
• 『雪嵐の運河』(눈보라의 운하_{ヌンボラエ ウナ}^韓国語)

3.1. 社会的関心と女性テーマ

朴和城は1930年代を代表する韓国の文学者として、女性の主体的な生き方を追求し、女性を抑圧する現実と対峙する女性像を作品の中心に据えた。彼女の作品は、社会的な矛盾を暴き出すことに焦点を当てて執筆され、特に社会的弱者への深い関心を表明した。日本統治時代の朝鮮と朝鮮戦争という激動の時代を経験した作家として、その物語は社会的な懸念と、自らの意思ではどうすることもできない状況に陥った女性たちの特別な状況を前面に押し出した。

3.2. 文体と作品傾向

初期の作品には傾向文学的な色彩が濃く、社会批判や階級意識が強く反映されていた。しかし、後期の作品では、都市における愛の理論を扱った長編作品が多く見られるようになり、文体やテーマの幅が広がった。