1. 来歴
プロサッカー選手としての丹羽大輝のキャリアは、幼少期からの育成年代、複数のクラブでの期限付き移籍、そしてガンバ大阪での栄光と、その後の欧州挑戦へと続きました。
1.1. プロ入り前
丹羽大輝は、サッカー選手としてのキャリアを地元のクラブでスタートさせ、ガンバ大阪の育成組織でその才能を磨きました。
1.1.1. 幼少期と初期教育
丹羽大輝は1986年1月16日、大阪府河内長野市で生まれました。幼少期は地元の南花台JSCに在籍し、サッカーの基礎を学びました。格闘家の丹羽圭介は彼の実兄にあたります。
1.1.2. ユースクラブとユース代表での成長
中学生になるとガンバ大阪の下部組織であるガンバ大阪堺ジュニアユースに所属し、2001年にはガンバ大阪ユースチームに昇格しました。高校1年次にはU-15日本代表に選出され、同年中にユースチームでセンターバックのレギュラーポジションを獲得しました。翌2002年にはJユースカップで優勝に貢献し、AFC U-17選手権2002にも出場して大会ベストイレブンに選ばれるなど、守備の要として高い評価を受けました。高校3年次にはユースチームに所属しながらも、トップチームの練習にも帯同し、経験を積みました。
1.2. クラブ経歴
丹羽大輝のプロサッカー選手としてのキャリアは、ガンバ大阪での初期、複数のクラブへの期限付き移籍、そしてガンバ大阪への復帰後の活躍、さらにFC東京を経てのスペイン挑戦と多岐にわたります。

1.2.1. ガンバ大阪 (2004-2006)
2004年に高校を卒業し、正式にガンバ大阪のトップチームに昇格しました。同期には寺田紳一や三木良太がいます。しかし、昇格後の3年間はなかなか出場機会に恵まれませんでした。
1.2.2. 期限付き移籍 (2007-2011)
出場経験を積むため、丹羽大輝は複数のクラブへの期限付き移籍を選択しました。
1.2.3. ガンバ大阪への復帰 (2012-2017)
2012年、6シーズンぶりにガンバ大阪へ復帰しました。この年はチーム事情により本職のセンターバックだけでなく、サイドバックとしても起用されました。ガンバ大阪はこの年、リーグ最多得点を記録しながらも守備面で課題を抱え、クラブ史上初のJ2降格を経験しました。
2013年、シーズン序盤は控えに回ることが多かったものの、レギュラーの岩下敬輔の負傷離脱以降はスタメンに定着し、ガンバのJ1昇格とJ2優勝に貢献しました。J2第38節の徳島戦では、ガンバ復帰後初のリーグ戦得点となるゴールを決めました。
2014年シーズン当初は守備面での不安定さからレギュラーを外れる時期もありましたが、西野貴治の負傷離脱により再びレギュラーに復帰。以降は安定したプレーで、リーグで2位タイの失点数に抑えられた守備陣を支え、ガンバ大阪の国内三冠(J1リーグ、天皇杯、Jリーグカップ)達成に大きく貢献しました。
2015年6月18日には、2018 FIFAワールドカップ・アジア2次予選のシンガポール代表戦に臨むサッカー日本代表メンバーに初選出されました。同年8月9日の東アジアカップ2015での中国代表戦で国際Aマッチデビューを飾りました。この年、ガンバ大阪では他のセンターバック陣が負傷に苦しむ中、丹羽は唯一怪我なく1年間を乗り切り、リーグ戦全試合にフル出場し、日刊スポーツ提供の「黄金の脚賞」を受賞しました。チャンピオンシップ準決勝の浦和レッズ戦では、延長後半に自らが蹴った浮き玉気味のバックパスがオウンゴールになりかけるも、間一髪でこれを免れ、このプレーからつながったボールが藤春廣輝の決勝点に繋がるという珍しい出来事がありました。この一連のプレーは海外メディアにも「カオスの15秒間」「クレイジーな展開」と紹介されました。本人によると、蹴る瞬間にボールが跳ねたため浮き玉になってしまったとのことです。
2017年シーズンは、新加入の三浦弦太やファビオにレギュラーの座を奪われる形となり、海外移籍した塩谷司の代役を探していたサンフレッチェ広島へ移籍することを決意しました。
1.2.4. サンフレッチェ広島 (2017-2018)
2017年6月27日、サンフレッチェ広島への完全移籍が正式に発表されました。この年は主に右サイドバックとして先発出場しましたが、翌2018年は和田拓也の控えに回り、負傷も重なり出場機会は限られました。
1.2.5. FC東京 (2018-2020)
2018年7月18日、FC東京へ完全移籍で加入することが発表されました。加入後はJ1リーグ戦6試合に出場しました。翌2019年は、ルヴァンカップと天皇杯にそれぞれ2試合ずつ出場したものの、リーグ戦での出場機会はありませんでした。
2020年シーズンのリーグ戦出場はわずか3試合に留まりましたが、若手主体で臨んだ第20節の湘南ベルマーレ戦や、AFCチャンピオンズリーグから帰国した直後の第31節サンフレッチェ広島戦で存在感を示し、好パフォーマンスを披露しました。ACLでもグループステージ突破がかかったパース・グローリーFC戦に先発出場し、無失点勝利に貢献しました。
1.2.6. 欧州での経歴 (2021-)
2021年5月6日、スペイン4部(当時)のセスタオ・リーベル・クルブに完全移籍することが発表されました。昇格プレーオフでは2試合にフル出場し、チームの3部リーグ昇格に貢献しました。
2023年7月1日には、アレナス・クルブ・デ・ゲチョに移籍しました。
2. 代表経歴
丹羽大輝は、様々な年代別代表チームで日本を代表し、その後A代表にも選出され国際舞台を経験しました。
2.1. ユース代表
丹羽大輝は、サッカー日本代表の育成年代の各カテゴリーで選出されています。
- U-15日本代表
- U-16日本代表 (2002年 - AFC U-17選手権2002予選および本大会、豊田国際ユースサッカー大会)
- U-17日本代表 (2003年 - サニックス杯国際ユースサッカー大会)
- U-18日本代表
- U-19日本代表
- U-20日本代表
2.2. A代表
2015年6月18日、2018 FIFAワールドカップ・アジア2次予選のシンガポール代表戦を前に、サッカー日本代表に初選出されました。同年8月9日、東アジアカップ2015の中国代表戦で国際Aマッチデビューを果たしました。この試合は武漢体育中心で行われました。
彼の国際Aマッチの出場記録は以下の通りです。
No. | 開催日 | 開催都市 | スタジアム | 対戦国 | 結果 | 監督 | 大会 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1. | 2015年8月9日 | 武漢市武漢中国語 | 武漢体育中心 | 中国 | △1-1 | ハリルホジッチ | EAFF東アジアカップ2015 |
2. | 2015年10月13日 | テヘランテヘランペルシア語 | アザディ・スタジアム | イラン | △1-1 | 国際親善試合 |
3. 所属クラブ
丹羽大輝がプロとして所属したクラブとその期間は以下の通りです。
;ユース経歴
- 1994年 - 1997年 南花台JSC
- 1998年 - 2000年 ガンバ大阪堺ジュニアユース
- 2001年 - 2003年 ガンバ大阪ユース (大阪府立長野高等学校)
;プロ経歴
- 2004年 - 2017年6月 ガンバ大阪
- 2007年 徳島ヴォルティス (期限付き移籍)
- 2008年 - 同年8月 大宮アルディージャ (期限付き移籍)
- 2008年8月 - 2011年 アビスパ福岡 (期限付き移籍)
- 2017年7月 - 2018年7月 サンフレッチェ広島
- 2018年7月 - 2020年 FC東京
- 2021年 - 2023年 セスタオ・リーベル・クルブ
- 2023年 - アレナス・クルブ・デ・ゲチョ
4. 個人成績
丹羽大輝のプロキャリアにおける個人成績は以下の通りです。
4.1. クラブ成績
クラブパフォーマンス | リーグ | 天皇杯 | リーグカップ | 大陸大会 | その他1 | 合計 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | アジア | 合計 | |||||||||
2004 | ガンバ大阪 | J1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | ||
2005 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | ||||
2006 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | |||
2007 | 徳島ヴォルティス | J2 | 45 | 1 | 2 | 0 | - | - | - | 47 | 1 | |||
2008 | 大宮アルディージャ | J1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | - | - | 2 | 0 | ||
2008 | アビスパ福岡 | J2 | 9 | 1 | 1 | 0 | - | - | - | 10 | 1 | |||
2009 | 35 | 1 | 2 | 0 | - | - | - | 37 | 1 | |||||
2010 | 35 | 1 | 4 | 1 | - | - | - | 39 | 2 | |||||
2011 | J1 | 30 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | - | 31 | 0 | |||
2012 | ガンバ大阪 | J1 | 14 | 0 | 3 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | - | 21 | 1 | |
2013 | J2 | 25 | 2 | 2 | 1 | - | - | - | 27 | 3 | ||||
2014 | J1 | 25 | 2 | 5 | 0 | 4 | 0 | - | - | 34 | 2 | |||
2015 | 34 | 0 | 4 | 0 | 1 | 0 | 12 | 0 | 4 | 0 | 55 | 0 | ||
2016 | 28 | 0 | 2 | 0 | 5 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 39 | 1 | ||
2017 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 7 | 0 | |||
2017 | サンフレッチェ広島 | J1 | 13 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | - | 14 | 0 | ||
2018 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | - | - | 6 | 0 | ||||
2018 | FC東京 | J1 | 6 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | - | - | 7 | 0 | ||
2019 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | - | - | 4 | 0 | ||||
2020 | 3 | 0 | - | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 4 | 0 | ||||
日本通算 | 288 | 8 | 27 | 2 | 22 | 2 | 20 | 0 | 5 | 0 | 362 | 12 | ||
スペイン | リーグ | コパ・デル・レイ | リーグカップ | 大陸大会 | その他 | 合計 | ||||||||
2021 | セスタオ・リーベル・クルブ | テルセーラ | 7 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 7 | 0 | ||
2021-22 | セスタオ・リーベル・クルブ | セグンダB | 26 | 0 | - | - | - | 0 | 0 | 26 | 0 | |||
2022-23 | 15 | 1 | - | - | - | 1 | 0 | 16 | 1 | |||||
2023-24 | アレナス・クルブ・デ・ゲチョ | セグンダB | 31 | 2 | - | - | - | - | 31 | 2 | ||||
スペイン通算 | 79 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 1 | 0 | 80 | 3 | |||
キャリア通算 | 367 | 11 | 27 | 2 | 22 | 2 | 20 | 0 | 6 | 0 | 442 | 15 |
1 Jリーグチャンピオンシップおよびスーパーカップ、テルセーラ・ディビシオン昇格プレーオフ出場を含む。
- Jリーグ初出場 - 2007年3月3日 J2第1節 vs愛媛FC(鳴門陸上競技場)
- Jリーグ初得点 - 2007年5月20日 J2第16節 vsベガルタ仙台(ユアテックスタジアム仙台)
4.2. リザーブチーム成績
丹羽大輝はFC東京在籍時に、J3リーグを戦うFC東京U-23でもプレーしました。
クラブパフォーマンス | リーグ | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | 合計 | ||||
2018 | FC東京U-23 | J3 | 1 | 0 | 1 | 0 |
2019 | 17 | 0 | 17 | 0 | ||
キャリア通算 | 18 | 0 | 18 | 0 |
4.3. 代表成績
丹羽大輝の日本代表としての出場記録は以下の通りです。
日本代表 | ||
---|---|---|
年 | 出場 | 得点 |
2015 | 2 | 0 |
合計 | 2 | 0 |
5. タイトル
丹羽大輝はキャリアを通じて数々のタイトルを獲得しています。
5.1. クラブタイトル
;ガンバ大阪ユース
- Jユースカップ: 1回 (2002年)
;ガンバ大阪
- Jリーグ ディビジョン1: 2回 (2005年、2014年)
- Jリーグ ディビジョン2: 1回 (2013年)
- Jリーグカップ: 1回 (2014年)
- 天皇杯: 2回 (2014年、2015年)
- ゼロックススーパーカップ: 1回 (2015年)
;FC東京
- Jリーグカップ: 1回 (2020年)
;セスタオ・リーベル・クルブ
- セグンダ・ディビシオンB: 1回 (2022-23)
5.2. 個人タイトル
- AFC U-17選手権2002ベストイレブン (2002年)
- 日刊スポーツ「黄金の脚賞」 (2015年)
6. 私生活
丹羽大輝は大阪府河内長野市出身です。彼の兄である丹羽圭介は格闘家として知られています。公にされている私生活に関する情報は少ないですが、メディア出演時にはそのポジティブな性格が垣間見られることがありました。
7. メディア出演
丹羽大輝は、現役サッカー選手として様々なメディアに出演しています。
- テレビスポーツ教室 サッカー(4) (2014年5月25日、NHK Eテレ) - 講師として出演し、サッカーの技術や魅力を伝えました。
- ガンバTV (毎日放送) - ガンバ大阪在籍中に随時出演。彼のポジティブな性格が買われ、一時期は視聴者の悩みに対し自身なりの前向きな格言を贈る「丹羽大輝のポジティブ丹羽~ド」というコーナーも担当していました。
8. 外部リンク
- [https://www.national-football-teams.com/player/60061/Daiki_Niwa.html National Football Teams]
- [https://www.jleague.jp/player/daiki_niwa/index.html Jリーグ公式サイト 選手情報]
- [http://niwadaiki.com/ 丹羽大輝公式サイト]
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