1. 概要
本稿では、日本の元プロサッカー選手である兼田亜季重の生涯、サンフレッチェ広島のユース組織での活動、愛媛FC、モンテディオ山形、アビスパ福岡、大分トリニータといったプロクラブでの経歴と出場記録、そしてJ1リーグデビューに至る過程、年代別代表候補としての経験、Jユースカップやナイキプレミアカップジャパンでの受賞歴について解説します。また、引退後に発生した飲酒運転容疑での逮捕事件についても客観的な視点から記述します。
2. 個人情報
2.1. 出生と背景
兼田亜季重は1990年2月26日に広島県福山市で生まれた日本国籍の元プロサッカー選手である。身長は184 cm、体重は71 kgで、現役時代のポジションはゴールキーパーだった。
3. ユースキャリア
3.1. ユースクラブと活動
兼田は広島県福山市の少年チームでサッカーを始め、2002年にサンフレッチェ広島ジュニアユースに入団した。同級生には横竹翔がいた。2003年にはナイキプレミアカップジャパンで優勝に貢献し、決勝のPK戦では1本を止める活躍を見せた。この優勝により出場権を得たマンチェスター・ユナイテッド・プレミアカップでは、順位決定戦の1試合のみに出場した。
2005年にはサンフレッチェ広島ユースに昇格。ユース時代の同級生には、横竹の他に内田健太、篠原聖、中野裕太らがいた。高校2年生であった2006年の途中、1学年上の正GKであった金山隼樹の負傷離脱に伴いレギュラーの座を掴み、Jユースカップ優勝に貢献した。高校3年生の2007年にはキャプテンを務めたものの、正GKの座は1学年下の原裕太郎に奪われる結果となった。
4. プロキャリア
4.1. 愛媛FC
2008年、兼田はJ2リーグの愛媛FCに加入し、プロキャリアをスタートさせた。愛媛FCのGKコーチであった山中亮は、兼田がサンフレッチェ広島ジュニアユース時代の恩師であった。その後、GKコーチは元ゴールキーパーの笹原義巳に交代した。愛媛FCには5年間在籍したが、川北裕介や秋元陽太が正GKを務めていたため、控えGKに甘んじ、公式戦の出場はわずか3試合にとどまった。
4.2. モンテディオ山形
2014年、兼田はモンテディオ山形へ完全移籍した。ここでも再び笹原義巳の指導を受けることになった。清水健太、常澤聡に次ぐ第3GKという序列であったが、清水の負傷離脱後は、浦和レッズから加入した山岸範宏の控えとしてベンチ入りする機会が増えた。モンテディオ山形には2年間在籍し、公式戦3試合に出場した。
4.3. アビスパ福岡
2016年シーズンより、兼田は同年J1リーグに昇格したアビスパ福岡へ完全移籍した。ここでもイ・ボムヨンや神山竜一の控えに回り、ベンチ外の試合がほとんどであった。しかし、J2降格が決定した後に行われたリーグ最終節の柏レイソル戦で移籍後初出場を果たし、プロ9年目にして念願のJ1リーグ戦デビューを飾った。
2017年は前年のアビスパ福岡のJ2降格に伴い、3年ぶりにJ2リーグでのプレーとなった。シーズン中盤には杉山力裕からポジションを奪い、自身のキャリアで最多となる公式戦15試合に出場した。しかし、シーズン終盤には再び控えに回り、シーズン終了後にアビスパ福岡との契約が満了し退団した。
4.4. 大分トリニータ
2018年、兼田は大分トリニータへ移籍した。しかし、このシーズンは大分で公式戦の出場機会はなく、ベンチ入りする機会もなかった。同年オフにはJFAの移籍リストに名前が掲載された。
5. 引退
2018年12月12日、兼田はフクダ電子アリーナで行われたJリーグ合同トライアウトに出場したが、新たな移籍先は見つからなかった。そして、2019年2月15日に大分トリニータより現役引退が正式に発表され、プロサッカー選手としてのキャリアを終えた。
6. 通算記録
6.1. クラブ別出場・得点記録
クラブ成績 | リーグ | カップ | リーグカップ | 通算 | |||||||
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シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | 通算 | |||||||
2008 | 愛媛 | J2 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | ||
2009 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | ||||
2010 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | ||||
2011 | 2 | 0 | 1 | 0 | - | 3 | 0 | ||||
2012 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | ||||
2013 | 1 | 0 | 1 | 0 | - | 2 | 0 | ||||
2014 | 山形 | 3 | 0 | 0 | 0 | - | 3 | 0 | |||
2015 | J1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | ||
2016 | 福岡 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | ||
2017 | J2 | 14 | 0 | 1 | 0 | - | 15 | 0 | |||
2018 | 大分 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | |||
総通算 | 21 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 25 | 0 |
7. 代表チームキャリア
7.1. 年代別代表チーム
兼田は、2005年にU-16日本代表候補に、2007年にはU-18日本代表候補に選出され、年代別代表チームへの招集経験がある。
8. 受賞歴
8.1. クラブでの受賞歴
兼田がユース時代に獲得したチームとしての受賞歴は以下の通りである。
- ナイキプレミアカップジャパン:2003年優勝
- Jユースカップ:2006年優勝
9. 事件・事故
9.1. 飲酒運転容疑での逮捕
兼田はプロサッカー選手引退後の2024年7月10日午前4時30分頃、札幌市豊平区羊ケ丘にあるトンネル内で酒気帯び運転の疑いで逮捕された。
10. 関連情報
10.1. 関連人物・項目
兼田亜季重の出身地や所属クラブ、関連するプロジェクトは以下の通りである。
- 広島県出身の人物一覧
- サンフレッチェ広島F.Cの育成組織#出身者
- 愛媛FCの選手一覧
- モンテディオ山形の選手一覧
- アビスパ福岡の選手一覧
- 大分トリニータの選手一覧