1. 幼少期とユース時代
名和田我空のサッカーキャリアは幼少期に始まり、日本のトップレベルの育成機関でその才能を育んだ。
1.1. サッカーとの出会い
名和田我空は宮崎県都城市で2006年7月29日に生まれた。サッカーを始めたのは小学生の頃で、地元の木之川内SC(現在のバッサゾール都城SC)に所属した。小学6年生の時には、宮崎県で開催されたU-12大会でチームを準優勝に導く活躍を見せた。
1.2. 神村学園での活躍
2018年、名和田はサッカーの強豪校として知られる神村学園中等部に進学した。中等部時代には、チームは全国中学校サッカー大会で優勝を飾り、名和田自身もこの大会で得点王を獲得している。この期間に、中等部では以下のタイトルを獲得した。
- 全国中学校サッカー大会:1回(2021年)
- 鹿児島県中学校総合体育大会・鹿児島県中学校サッカー競技大会:2回(2019年、2021年)
- 高円宮杯JFA U-15サッカーリーグ・鹿児島県チェストリーグ1部:2回(2019年、2021年)
- KYFA九州ユースU-15サッカー選手権大会:2回(2019年、2021年)
- 九州中学校サッカー競技大会:1回(2021年)
- KYFA九州中学校U-14サッカー大会:1回(2021年)
- KFA鹿児島県中学校U-14サッカー大会:2回(2019年、2021年)
中等部での活躍が認められ、名和田は学年を飛び級して高等部のサッカー部に入部した。高等部ではチームの「10番」やエースナンバーである「14番」を背負い、特に3年生時にはキャプテンを務めるなど、チームの攻撃を牽引する中心選手として活躍した。高等部在籍中には、以下のタイトル獲得に貢献している。
- 全国高校サッカー選手権鹿児島県大会:2回(2022年、2023年)
- 高円宮杯JFAU-18サッカープリンスリーグ九州:1回(2022年)
- 鹿児島県高等学校総合体育大会:2回(2022年、2023年)
2. クラブ経歴
名和田我空のプロサッカー選手としてのキャリアは、Jリーグの名門クラブからスタートする。
2.1. プロデビューとクラブでの活動
神村学園高等部での目覚ましい活躍を経て、2024年12月15日に、2025年シーズンよりJリーグのガンバ大阪への加入が内定したことが正式に発表された。そして、2025年2月14日には、セレッソ大阪との大阪ダービーとなる開幕戦で先発出場を果たし、プロとしてのJリーグデビューを飾った。
名和田のプロキャリア初期における国内での成績は以下の通りである。
年 | クラブ | 背番号 | リーグ | リーグ | カップ | リーグカップ | その他 | 期間通算 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2025 | G大阪 | 38 | J1 | |||||
総通算 |
- Jリーグ初出場 - 2025年2月14日 J1第1節 vsセレッソ大阪(パナソニックスタジアム吹田)
3. 代表経歴
名和田我空は、日本の各年代別代表チームで重要な役割を担い、国際舞台でその才能を発揮している。
3.1. 年代別日本代表
2022年にU-16日本代表に初招集されて以降、名和田は各年代の日本ユースサッカー代表チームに継続的に選出されている。国際大会での経験を通じて、着実に選手としての幅を広げている。
3.2. 主要国際大会
2023年6月には、U-17日本代表の一員としてタイで開催されたAFC U-17アジアカップ2023に参加した。この大会で名和田は、卓越した得点能力を発揮し、チームの攻撃を牽引。特に決勝の韓国戦では2ゴールを挙げる活躍を見せ、日本を優勝に導いた。U-17日本代表監督の森山佳郎は、名和田の活躍を優勝の要因として挙げている。個人としても、大会最優秀選手(MVP)と5ゴールで大会得点王の二冠に輝き、その存在感を世界に示した。
同年11月には、インドネシアで開催された2023 FIFA U-17ワールドカップのU-17日本代表メンバーに招集された。決勝トーナメント1回戦のスペイン戦では、前半40分に同点ゴールを決めるなど、チームの逆転への望みをつないだ。しかし、後半74分に勝ち越しゴールを許し、1-2で敗れてベスト16で大会を終えることとなった。
2023年10月11日には、イギリスの有力紙である英紙ガーディアンによって「2006年生まれの最高のサッカー選手60人」の一人に選出されるなど、その将来性が国際的に高く評価されている。
4. プレースタイルと特徴
名和田我空は主にフォワードやミッドフィールダーとしてプレーする。特に攻撃的なポジションでのプレーを得意とし、その高い得点能力とリーダーシップが最大の強みである。
中等部時代に得点王を獲得し、AFC U-17アジアカップでは大会得点王に輝いたことからも、ゴールへの嗅覚に優れていることがうかがえる。また、神村学園高等部でキャプテンを務め、チームを牽引した経験は、単なる得点源にとどまらない、精神的な支柱としての役割も果たせることを示している。国際舞台での大舞台での得点経験も豊富であり、プレッシャーのかかる場面での決定力も兼ね備えている。
5. 獲得タイトルと個人表彰
名和田我空が選手としてこれまでに獲得したチームタイトルおよび個人表彰は以下の通りである。
5.1. クラブタイトル
- 神村学園中等部
- 全国中学校サッカー大会:1回(2021年)
- 鹿児島県中学校総合体育大会・鹿児島県中学校サッカー競技大会:2回(2019年、2021年)
- 高円宮杯JFA U-15サッカーリーグ・鹿児島県チェストリーグ1部:2回(2019年、2021年)
- KYFA九州ユースU-15サッカー選手権大会:2回(2019年、2021年)
- 九州中学校サッカー競技大会:1回(2021年)
- KYFA九州中学校U-14サッカー大会:1回(2021年)
- KFA鹿児島県中学校U-14サッカー大会:2回(2019年、2021年)
- 神村学園高等部
- 全国高校サッカー選手権鹿児島県大会:2回(2022年、2023年)
- 高円宮杯JFAU-18サッカープリンスリーグ九州:1回(2022年)
- 鹿児島県高等学校総合体育大会:2回(2022年、2023年)
5.2. 代表タイトル
- U-17日本代表
- AFC U-17アジアカップ:1回(2023年)
5.3. 個人賞と評価
- 全国中学校サッカー大会得点王:2021年
- AFC U-17アジアカップ得点王:2023年(5ゴール)
- AFC U-17アジアカップ最優秀選手:2023年
- 英紙ガーディアン選出「2006年生まれの最高のサッカー選手60人」の一人:2023年10月11日