1. 幼少期と教育
1.1. 子供時代とサッカーの始まり
安東輝は1995年6月28日に大分県臼杵市で生まれた。小学校1年生の時にサッカーを始め、地元の市浜レッドソックスで初期のサッカー活動を行った。
1.2. JFAアカデミー福島と環境の変化
2008年、JFAが運営するエリート育成機関であるJFAアカデミー福島に3期生として入校した。同期には金子翔太、平岡将豪、小池龍太らがいた。アカデミーでは広野町立広野中学校、その後福島県立富岡高等学校(静岡県立三島長陵高等学校)に通いながらサッカーの技術を磨いた。
しかし、2011年3月に発生した東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故により、アカデミーのトレーニング環境は大きく変化した。事故対応の拠点としてJヴィレッジが使用されることになったため、JFAアカデミー福島は静岡県御殿場市へと拠点を移し、安東もこの環境変化の中でトレーニングを続けた。
2. クラブ経歴
2.1. 湘南ベルマーレへの入団とレンタル移籍
2014年、JFAアカデミー福島を卒業後、Jリーグの湘南ベルマーレに入団し、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた。しかし、湘南ベルマーレ加入後すぐに福島ユナイテッドFCへ期限付き移籍することが決定し、2014年から2015年までの2年間、福島でプレーした。
2016年には、再び期限付き移籍でツエーゲン金沢に加入。翌2017年には湘南ベルマーレに復帰し、プロ入り4年目にして初めて湘南の選手として公式戦に出場する機会を得たが、出場はリーグ戦2試合、天皇杯1試合の合計3試合に留まった。
2.2. 松本山雅FCへの移籍と水戸ホーリーホックへのレンタル
2018年、安東は松本山雅FCへ完全移籍した。松本山雅FCでは、2018年シーズンにJ2リーグ優勝を経験し、チームのJ1昇格に貢献した。
2020年には、水戸ホーリーホックへ期限付き移籍。水戸ではリーグ戦27試合に出場し、レギュラーとして活躍した。シーズン終了後、松本山雅FCに復帰した。
3. 代表歴
3.1. 各年代別代表での活動
安東輝は、日本の各年代別代表に選出され、国際舞台での経験を積んだ。U-16日本代表、U-18日本代表、U-19日本代表として活動した。
特にU-19日本代表では、2014 AFF U-19ユース選手権に出場し、日本の若手選手の一員として国際大会を経験した。
4. プレースタイル
4.1. ポジションと利き足
安東輝は主にミッドフィールダーとしてプレーした。豊富な運動量とボール奪取能力を特徴とし、チームの中盤を支える役割を担った。利き足は右足である。身長は173 cm、体重は70 kg。
5. 個人成績
5.1. クラブ別シーズン成績
クラブ成績 | リーグ | カップ | リーグカップ | 合計 | |||||||
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シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |
日本 | リーグ | 天皇杯 | Jリーグカップ | 合計 | |||||||
2014 | 福島 | J3 | 31 | 2 | 1 | 0 | - | 32 | 2 | ||
2015 | 27 | 1 | 1 | 0 | - | 28 | 1 | ||||
2016 | 金沢 | J2 | 19 | 1 | 2 | 0 | - | 21 | 1 | ||
2017 | 湘南 | J2 | 2 | 0 | 1 | 0 | - | 3 | 0 | ||
2018 | 松本 | J2 | 1 | 0 | 1 | 0 | - | 2 | 0 | ||
2019 | J1 | 8 | 0 | 4 | 0 | 1 | 0 | 13 | 0 | ||
2020 | 水戸 | J2 | 27 | 0 | - | - | 27 | 0 | |||
2021 | 松本 | J2 | 14 | 0 | - | 0 | 0 | 14 | 0 | ||
2022 | J3 | 13 | 0 | - | 0 | 0 | 13 | 0 | |||
2023 | J3 | 10 | 0 | - | - | 10 | 0 | ||||
総通算 | 152 | 4 | 4 | 0 | 7 | 0 | 163 | 4 |
その他の公式戦
- 2016年 J2・J3入れ替え戦 1試合0得点
Jリーグ初出場
- 2014年3月9日 J3第1節 対AC長野パルセイロ(味の素フィールド西が丘)
Jリーグ初得点
- 2014年5月4日 J3第10節 対FC琉球(沖縄市陸上競技場)
5.2. 通算キャリア成績
プロキャリア全体を通じて、安東輝はリーグ戦で152試合に出場し4得点を記録した。カップ戦では天皇杯で4試合、Jリーグカップで7試合に出場している。
6. タイトル・表彰
6.1. クラブタイトル
安東輝は、所属したクラブで以下のタイトルを獲得している。
;JFAアカデミー福島
- U-15福島県サッカーリーグ: 2008年
- 東北U-15みちのくリーグ南東北: 2009年
- 高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグ東北2部: 2011年
- 高円宮杯U-18サッカーリーグ プリンスリーグ東北1部: 2012年
;湘南ベルマーレ
- J2リーグ: 2017年
;松本山雅FC
- J2リーグ: 2018年
6.2. 代表タイトル
;U-19日本代表
- 2014 AFF U-19ユース選手権: 2014年
7. 晩年と引退
7.1. 怪我と回復
安東輝はキャリアの中で怪我にも見舞われた。2021年5月30日のファジアーノ岡山FC戦で負傷し、左腓腹筋肉離れと診断された。この怪我により、全治まで6~8週間を要するとされた。
7.2. 現役引退と引退後の活動
2024年1月16日、安東輝は現役引退を正式に発表した。長年のプロサッカー選手としてのキャリアに幕を下ろした後、彼は新たな道を歩むことを選択した。引退後は、松本市に本社を置く中村漆器産業に就職し、セカンドキャリアをスタートさせている。
8. 外部リンク
- [https://data.j-league.or.jp/SFIX04/?player_id=11991 Jリーグ選手データ]
- [http://www.yamaga-fc.com/club/player/2018-akira-ando-5 松本山雅FC時代のプロフィール]
- [http://www.zweigen-kanazawa.jp/htm/players/2016/2016_06.html ツエーゲン金沢時代のプロフィール]