1. 経歴
清水昇の野球選手としての経歴を、プロ入り前とプロ入り後に分けて記述する。
1.1. プロ入り前
プロ野球選手となるまでの学業とアマチュア野球での活動を詳述する。
1.1.1. 生い立ち・アマチュア時代
足立区立江北小学校では少年野球チームのジュニアヤンガースに所属し、野球を始めた。駿台学園中学校では軟式野球部に所属し、3年夏の第33回全国中学校軟式野球大会ではベスト8に進出した。
帝京高等学校では1年秋からエースとして活躍。3年夏の東東京都大会では準々決勝で伊藤優輔を擁する小山台高校に勝利した。続く準決勝では一学年下のオコエ瑠偉らを擁する関東第一高校にも勝利し決勝に進出したが、大江竜聖らを擁する二松学舎大附高に敗れ、惜しくも甲子園出場はならなかった。高校の野球部には1学年先輩に石川亮、同学年に田島洸成、2学年後輩に郡拓也がいた。
國學院大學では1年から東都大学リーグ戦に出場し、2年春からはエースを務めた。東都大学リーグでの通算成績は、43試合登板、13勝7敗、202奪三振、防御率2.83を記録した。大学の野球部には1学年下に横山楓、2学年下に小川龍成がいた。
1.1.2. プロ入り
2018年10月25日に行われたNPBドラフト会議において、東京ヤクルトスワローズから1位指名を受けた。同年11月18日には仮契約を結び、背番号は「17」に決定した。
1.2. プロ時代
東京ヤクルトスワローズでの年度ごとのプロフェッショナルな活動と成績を説明する。
1.2.1. 2019年
プロ入り1年目の2019年は、シーズン中盤に一軍昇格を果たしたが、11試合の登板で0勝3敗、防御率7.27と期待された結果を残すことはできなかった。二軍でも17試合に登板し5勝9敗、防御率4.48と、即戦力の働きが期待されながらも物足りない1年目となった。同年10月にはみやざきフェニックス・リーグの開幕投手を務めた。
1.2.2. 2020年
2020年はオープン戦で4登板、防御率2.84を記録し、開幕を一軍で迎えた。シーズンに入っても好調を維持し、主にセットアッパーとしてチームを支える働きを見せた。最終的にリーグトップの30ホールド、および中日ドラゴンズの祖父江大輔、福敬登と並ぶリーグトップタイの30ホールドポイントを記録し、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。プロで未勝利の投手、かつホールドのみで同タイトルを獲得したのは清水がNPB史上初である。
1.2.3. 2021年
2021年は前年同様にセットアッパーとして登板を続け、7月1日の阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)でプロ入り通算100試合目にしてプロ初勝利を記録した。9月21日の横浜DeNAベイスターズ戦では、近藤一樹が持つ球団記録を更新する36ホールドを達成した。最終的にリーグ最高となる72試合に登板し、3勝6敗1セーブ50ホールドという成績を残した。この50ホールドは、元中日ドラゴンズの浅尾拓也が2010年に記録したシーズンホールド数(47ホールド)のNPB記録を11年ぶりに更新するものであった。シーズン途中からクローザーに転向したスコット・マクガフと共に一度も離脱することなく勝利の方程式を担い、チームの6年ぶりのリーグ優勝、そして20年ぶりの日本一に大きく貢献した。オフには、5200.00 万 JPY増となる推定年俸8800.00 万 JPYで契約を更改した。
1.2.4. 2022年
2022年シーズンは、過去2年間の被本塁打の多さと右打者への投球の改善を目標に掲げて臨んだ。しかし、開幕直後はなかなか状態が上がらず、4月には中日ドラゴンズ戦で石川昂弥に決勝本塁打を打たれ敗戦投手となるなど、投球内容が安定しなかった。さらに、4月17日の横浜DeNAベイスターズ戦で打球を右足に受け、後日登録抹消となり一時離脱した。しかし、戦列復帰後は投球内容が安定し、7月に新型コロナウイルス感染により離脱した後も復帰してから調子を崩すことなく、前年同様に8回を任されるセットアッパーとして活躍した。離脱の影響もあり登板数、ホールドポイント共に大きく減少したため、タイトル獲得はならなかった。一方で、課題となっていた被本塁打は石川に打たれた以降1本も許さず、前年より大きく減少した。また、右打者に対する被打率も大きく下がり、防御率は1点台前半を記録するなど、キャリアハイの投球内容を披露し、リーグ連覇に大きく貢献した。同年12月9日、1200.00 万 JPY増となる推定年俸1.00 億 JPYで契約を更改した。
1.2.5. 2023年
2023年もセットアッパーとしてチームを支え、6月10日の埼玉西武ライオンズ戦(ベルーナドーム)では、1点リードの8回に登板して無失点に抑え、通算128ホールドを記録して球団最多記録を更新した。7月には2年ぶりにオールスターゲームに出場した。チームトップタイの58試合に登板し38ホールドを記録したが、防御率2.98と前年より安定感を欠き8敗を喫した。11月7日には、翌シーズンからヤクルトの選手会長を務めることが決定した。同年12月12日、3000.00 万 JPY増となる推定年俸1.30 億 JPYで契約を更改した。
1.2.6. 2024年
2024年は17試合の登板にとどまり、0勝3敗、防御率7.27を記録した。同年12月3日、4000.00 万 JPY減となる推定年俸9000.00 万 JPYで契約を更改した。
2. 選手としての特徴・人物
選手としての能力、プレースタイル、および個人的な側面について説明する。
2.1. 投球スタイル
直球の最速は151 km/hを記録する。変化球はスライダー、フォーク、ツーシームを投げる。特にスライダーの握りや投げ方は、松坂大輔に教えてもらったものである。2023年までは、投球においてストレートとフォークの割合が約9割を占めていたが、投球に幅を持たせるべく、2024年のシーズン開幕前に新たな球種であるカットボールを習得した。
2.2. 人物・エピソード
彼の愛称は「シミノボ」である。
3. 詳細情報
清水昇のプロ野球キャリアにおける詳細な統計データ、タイトル、表彰、記録についてまとめる。
3.1. 年度別成績
3.1.1. 投手成績
年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ ー ブ | ホ ー ル ド | 勝 率 | 打 者 | イ ニ ン グ | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 故 意 四 球 | 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ< ーク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | WH IP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | ヤクルト | 11 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | .000 | 124 | 26.0 | 33 | 7 | 13 | 0 | 0 | 24 | 0 | 0 | 25 | 21 | 7.27 | 1.77 |
2020 | 52 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 30 | .000 | 221 | 53.1 | 45 | 10 | 16 | 1 | 1 | 58 | 2 | 0 | 23 | 21 | 3.54 | 1.14 | |
2021 | 72 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 6 | 1 | 50 | .333 | 272 | 67.2 | 55 | 12 | 18 | 5 | 2 | 74 | 2 | 1 | 23 | 18 | 2.39 | 1.08 | |
2022 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 4 | 0 | 28 | .556 | 173 | 46.2 | 23 | 1 | 14 | 3 | 1 | 43 | 0 | 0 | 6 | 6 | 1.16 | 0.79 | |
2023 | 56 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 8 | 0 | 38 | .111 | 220 | 54.1 | 50 | 6 | 6 | 2 | 2 | 47 | 1 | 0 | 20 | 18 | 2.98 | 1.03 | |
2024 | 17 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 2 | .000 | 81 | 17.1 | 24 | 1 | 4 | 1 | 0 | 8 | 0 | 0 | 14 | 14 | 7.27 | 1.62 | |
通算:6年 | 258 | 3 | 0 | 0 | 0 | 9 | 28 | 3 | 148 | .243 | 1091 | 265.1 | 230 | 37 | 71 | 12 | 6 | 254 | 5 | 1 | 111 | 98 | 3.32 | 1.13 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高、50はNPBにおける歴代最高
3.1.2. 守備成績
年 度 | 球 団 | 投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2019 | ヤクルト | 11 | 1 | 4 | 0 | 0 | 1.000 |
2020 | 52 | 2 | 12 | 0 | 1 | 1.000 | |
2021 | 72 | 3 | 11 | 0 | 0 | 1.000 | |
2022 | 50 | 0 | 7 | 0 | 1 | 1.000 | |
2023 | 56 | 2 | 8 | 1 | 0 | .909 | |
2024 | 17 | 1 | 4 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 258 | 9 | 46 | 1 | 2 | .982 |
- 2024年度シーズン終了時
3.2. タイトル・表彰
プロ野球における清水昇選手の主なタイトルおよび表彰について詳述する。
3.2.1. タイトル
- 最優秀中継ぎ投手:2回(2020年、2021年)
- 2年連続は岩瀬仁紀、森慎二、久保田智之、攝津正、浅尾拓也、山口鉄也、佐藤達也、福原忍、宮西尚生と同回数で最長タイ記録。
3.2.2. 表彰
- セ・リーグ 連盟特別表彰:1回(リーグ特別賞:2021年)
- シーズン50ホールドというプロ野球新記録を達成した功績による。
- 東鉄工業 presents 燕の下の力持ち賞(2020年10・11月度)
3.3. 記録
3.3.1. 初記録
プロデビュー後に初めて達成した登板、勝利、ホールド、セーブなどの記録を説明する。
- 初登板・初先発登板:2019年6月1日、対横浜DeNAベイスターズ11回戦(横浜スタジアム)、4回5失点で敗戦投手
- 初奪三振:同上、1回裏に宮﨑敏郎から空振り三振
- 初ホールド:2020年6月19日、対中日ドラゴンズ1回戦(明治神宮野球場)、6回表二死から3番手で救援登板、1/3回無失点
- 初セーブ:2021年4月23日、対中日ドラゴンズ3回戦(明治神宮野球場)、9回表に5番手で救援登板・完了、1回無失点
- 初勝利:2021年7月1日、対阪神タイガース12回戦(阪神甲子園球場)、8回裏に2番手で救援登板(プロ入り通算100試合目)、1回無失点
- 初打席:2019年6月1日、対横浜DeNAベイスターズ11回戦(横浜スタジアム)、2回表に上茶谷大河から空振り三振
3.3.2. 節目の記録
キャリアにおける重要な節目となる記録達成の経緯を説明する。
- 100ホールド:2022年8月31日、対読売ジャイアンツ23回戦(京セラドーム大阪)、8回裏に5番手で救援登板、1回無失点
- 史上43人目の達成であり、174試合目での達成は史上最速記録である。
3.3.3. その他の記録
シーズン最多ホールド、初勝利までの登板数、未勝利でのタイトル獲得など、特筆すべき記録や印象的な記録を説明する。
- シーズン50ホールド:2021年 ※NPB記録
- 初登板から初勝利まで10連敗 ※史上8人目
- プロ初勝利までにかかった登板数:100試合 ※100試合以上かかったのは史上8人目
- プロ未勝利でタイトル獲得:2020年、最優秀中継ぎ ※史上初
- オールスターゲーム出場:2回(2021年、2023年)
4. その他の情報
清水昇に関するその他の補足情報について説明する。
4.1. 背番号
プロ野球選手として使用した背番号は「17」である。東京ヤクルトスワローズ入団時の2019年から現在に至るまで、この背番号を着用している。
4.2. 登場曲
試合登板時などに使用された登場曲は以下の通りである。
- 「Rising Sun」EXILE(2019年)
- 「Sandstorm (2020 EDM Remix)」Darule(2020年 - )
5. 外部リンク
- [https://www.yakult-swallows.co.jp/players/detail/1800033 清水昇 - 東京ヤクルトスワローズオフィシャルサイト]
- [https://sp.baseball.findfriends.jp/player/19960095 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE]
- [https://npb.jp/bis/players/51955138.html 個人年度別成績 清水昇 - 日本野球機構]
- [https://www.instagram.com/shimizu.n17 清水昇 公式Instagram]