1. 概要
渡邉将基は、1986年12月2日に京都府長岡京市で生まれた日本の元プロサッカー選手である。主にディフェンダー、特にセンターバックとして活躍した。幼少期にサッカーを始め、京都府立桂高等学校、京都産業大学を経て、2009年にサガン鳥栖でプロキャリアをスタートさせた。その後、横浜FC、ギラヴァンツ北九州、ヴァンフォーレ甲府、FC岐阜と日本国内のJリーグの複数のクラブでプレー。2019年からはマレーシアのリーグに移籍し、プルリスFA、FELDAユナイテッドFC、ケランタンFA、トレンガヌFC IIに所属した。マレーシア時代には給与未払い問題に直面するなどの経験もした。2022年に現役引退を発表し、その約13年間のプロ生活に幕を閉じた。
2. 生い立ちとキャリアの始まり
渡邉将基は1986年12月2日に京都府長岡京市に生まれた。小学1年生の時、当時のJリーグ開幕によるサッカーブームの影響を受け、放課後に友達とサッカーを始める。小学2年生の時に地元の少年サッカークラブである長岡京SSに入団し、本格的にサッカーの道を歩み始めた。この長岡京SSでは、後に日本代表としても活躍する家長昭博が小学校の同級生であり、家長から入団を誘われ共にプレーした経験を持つ。
2.1. ユース・大学時代
長岡京SSでの活動を経て、渡邉は1999年から2001年には京都FC長岡京に所属。その後、2002年に京都府立桂高等学校へ進学し、高校サッカー部で活躍した。高校卒業後の2005年には京都産業大学に進学し、大学のサッカー部でプレーを続けた。高校時代から大学時代にかけては、後にプロサッカー選手となる櫛田一斗と共にチームメイトとしてプレーし、互いに切磋琢磨しながらプロ選手としての基礎を築いた。大学4年次には、Jリーグクラブであるサガン鳥栖への入団が内定し、プロサッカー選手への道を切り開いた。
3. プロキャリア
渡邉将基のプロキャリアは、2009年にJリーグのサガン鳥栖で始まり、日本国内の複数のクラブで経験を積んだ後、マレーシアリーグへ活躍の場を広げた。
3.1. Jリーグ時代
2009年、サガン鳥栖に加入し、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた。同年3月25日のJ2第4節ファジアーノ岡山FC戦(ベアスタ)でJリーグ初出場を果たし、7月19日のJ2第28節ベガルタ仙台戦(ベアスタ)でJリーグ初得点を記録した。サガン鳥栖では、プロ1年目からリーグ戦40試合に出場し、チームの守備を支えた。
2010年、横浜FCへ移籍。2012年までの3年間横浜FCに所属し、主にディフェンダーとしてチームに貢献した。
2013年にはギラヴァンツ北九州へ完全移籍。2014年までの2シーズンにわたり、安定した守備を見せ、リーグ戦で多くの試合に出場した。
2015年からはヴァンフォーレ甲府に完全移籍し、自身初のJ1リーグでのプレーを経験。同年7月からはFC岐阜へ期限付き移籍し、J2リーグで再び出場機会を得た。FC岐阜での期限付き移籍期間を終え、2016年からはヴァンフォーレ甲府へ復帰したが、出場機会は限られた。
2017年には再び横浜FCへ完全移籍し、2018年までの2年間を過ごした。これにより、自身が長く所属したクラブの一つである横浜FCでの2度目のプレーとなった。
3.2. マレーシアリーグへの移籍と晩年
2019年、渡邉将基はJリーグを離れ、活躍の場をマレーシアに移した。同年1月、マレーシア・プレミアリーグのプルリスFAに入団したが、クラブの給与未払い問題に直面。入団からわずか1か月で退団を余儀なくされた。この問題を受け、同年2月にはマレーシア・スーパーリーグのFELDAユナイテッドFCへ移籍し、2019年シーズンを終えた。
2020年には再びマレーシア・プレミアリーグのケランタンFAへ移籍。ここでも主力としてプレーし、2021年には同じくマレーシア・プレミアリーグのトレンガヌFC IIへ移籍した。トレンガヌFC IIが渡邉にとってプロキャリアにおける最後の所属クラブとなった。
4. プレースタイルとポジション
渡邉将基は、主にディフェンダーとしてプレーし、その中でも特にセンターバックを主戦場とした。利き足は右足であり、恵まれた体格を活かした空中戦の強さや、的確なポジショニングによる守備が特徴であった。長年のキャリアを通じて、粘り強い対人守備とチームの最終ラインを統率する能力で、多くのクラブで守備の要として信頼された。
5. クラブ成績
クラブ成績 | リーグ | カップ | リーグカップ | 通算 | ||||||
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シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | ||||||||||
2009 | 鳥栖 | J2 | 40 | 2 | 2 | 1 | - | 42 | 3 | |
2010 | 横浜FC | J2 | 30 | 3 | 2 | 0 | - | 32 | 3 | |
2011 | 7 | 0 | 0 | 0 | - | 7 | 0 | |||
2012 | 6 | 0 | 2 | 1 | - | 8 | 1 | |||
2013 | 北九州 | J2 | 33 | 0 | 2 | 0 | - | 35 | 0 | |
2014 | 40 | 0 | 4 | 1 | - | 44 | 1 | |||
2015 | 甲府 | J1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 7 | 0 |
岐阜 | J2 | 19 | 1 | 0 | 0 | - | 19 | 1 | ||
2016 | 甲府 | J1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 6 | 0 |
2017 | 横浜FC | J2 | 12 | 0 | 1 | 0 | - | 13 | 0 | |
2018 | 9 | 0 | 2 | 0 | - | 11 | 0 | |||
マレーシア | ||||||||||
2019 | プルリスFA | プレミアリーグ | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 |
2019 | FELDAユナイテッドFC | スーパーリーグ | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0 |
2020 | ケランタンFA | プレミアリーグ | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0 |
2021 | トレンガヌFC II | プレミアリーグ | 22 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 22 | 0 |
総通算 | 241 | 6 | 19 | 3 | 9 | 0 | 269 | 9 |
- Jリーグ初出場 - 2009年3月25日 J2第4節 ファジアーノ岡山FC戦(ベアスタ)
- Jリーグ初得点 - 2009年7月19日 J2第28節 ベガルタ仙台戦(ベアスタ)
6. 現役引退
2022年、渡邉将基は自身のSNSを通じて現役引退を公表した。プロサッカー選手としての約13年間のキャリアに終止符を打ち、ピッチを離れることを決断した。引退後の具体的な活動については詳細が明かされていないが、長年にわたるプロ生活で培った経験が、今後の人生に活かされることが期待されている。
7. 関連項目
- サガン鳥栖の選手一覧
- 横浜FCの選手一覧
- ギラヴァンツ北九州の選手一覧
- ヴァンフォーレ甲府の選手一覧
- FC岐阜の選手一覧
- 日本国外のリーグに所属する日本人サッカー選手一覧