金森栄治

1.3.1. 西武ライオンズ時代

プロ1年目の1982年9月9日、対ロッテオリオンズ戦(西武球場)に8番・捕手として先発し、プロ初出場を果たした。リードでは森繁和・高橋直樹とバッテリーを組み、5回裏に深沢恵雄から2点適時打を放ち、プロ初安打・初打点を記録した。同14日の対近鉄バファローズ戦(日生球場)でも先発マスクを被り、井本隆から安打を放った。同年はこの2試合で8番・捕手として先発したが、大石友好・黒田正宏・伊東勤といった捕手の壁を破ることはできなかった。
2年目の1983年に外野手に転向すると、74試合に出場し、打率.293と頭角を現した。5月13日の対近鉄戦(日生)では7回表に柳田豊からソロ本塁打を放ち、プロ初本塁打を記録。巨人との1983年の日本シリーズ|日本シリーズ]]第6戦では延長10回に江川卓からサヨナラ安打を放ち、チームの勝利に貢献した。
1985年には開幕直後から2番に定着し、初めて規定打席に到達、リーグ8位の打率.312を記録した。この年、ベストナインとゴールデングラブ賞に選ばれ、同年から1987年まで3年連続でオールスターゲームに出場した。初出場となった1985年のオールスターゲーム_(日本プロ野球)|同年のオールスター]]には広岡達朗監督の推薦で選出され、全3試合で出場機会を与えられた。その後は負傷もあって出場機会は減少したものの、阪神タイガースとの1985年の日本シリーズ|日本シリーズ]]では全6試合に2番・左翼手として先発出場し、19打数4安打に終わったが、打線の繋ぎ役を務めた。
1984年、1985年と2年連続でリーグ最多死球を記録し、体に近い投球が来ると人目憚らず「あーっ！」と大声を出したため、当時の『プロ野球珍プレー好プレー大賞』においては「生キズ男金森特集」として、大声をあげながら死球を受けるシーンの数々が編集され、放送された。死球の多さから「東の金森、西の達川」「爆笑生傷男」と呼ばれた。1984年には12死球を記録したが、金森が死球を受けた試合ではチームは11勝1敗という驚異的な勝率を誇った。1985年には15個の死球を記録したが、1986年には6個と半分以下に減少した。
1987年には、PL学園の後輩である清原和博や、同じ外野手の秋山幸二・吉竹春樹とともに、1987年のオールスターゲーム (日本プロ野球)|オールスターゲーム]]のファン投票で選出され、チームの連続日本一にも貢献した。

1.3.2. 阪神タイガース時代

1988年シーズン途中に北村照文との交換トレードで阪神タイガースへ移籍した。5月28日の対大洋ホエールズ戦(甲子園)で、石橋貢が放った外野への飛球をグラブに収めようとラッキーゾーンのフェンスによじ登ったが、ボールには届かなかったばかりか、バランスを崩した金森自身もラッキーゾーンの内側に転落してしまった。その瞬間に読売テレビのアナウンサーが「金森も入った！」と絶叫した場面は『珍プレー好プレー』で大きく取り上げられ、語り草となった。1989年にはシーズン後半に5番打者として起用され、打率.306の成績を残したが、1992年限りで自由契約となった。

1.3.3. ヤクルトスワローズ時代

1993年、野村克也監督率いるヤクルトスワローズに移籍した。ここでは代打の切り札として再生し、低打率ながら出塁率.370という高い数字を残し、チームの日本一に貢献した。9月19日の対巨人戦(東京ドーム)では、PL学園の後輩である橋本清のビーンボールに激怒し、マウンド上の橋本に詰め寄ったため、両チームのベンチから関係者が飛び出す大乱闘を招いた。この件については後で関係者に謝罪したが、未遂を含め死球に絡んで激怒したのはこれが唯一の出来事であった。
1995年には代打で打率.324の高打率を記録し、2年ぶりのリーグ優勝に貢献した。9月29日の対巨人戦(神宮球場)で8回裏に加藤博人の代打として起用され、プロ通算1,000試合出場を達成した。野村克也は球団に対し「数字だけで判断しないでほしい。ベンチのムードメイク、練習の態度など若手の見本で貴重な戦力。私が監督をやる限り置いてくれ」と頼み込むなど、その評価は非常に高かったが、1996年限りで現役を引退した。

3.1.1. プロ野球コーチ経歴

引退後は、ヤクルト一軍打撃コーチ補佐(1997年 - 1999年)を務めた。このヤクルト打撃コーチ補佐としての推薦は野村克也監督によるもので、野村は「あいつは選手に何も教えなくていい。ベンチにいてくれるだけでいい」と言わしめたほどであり、1997年のリーグ優勝・日本一に貢献した。
その後、古巣の西武一軍打撃コーチ補佐(2001年)を経て一軍打撃コーチ(2002年)を務め、和田一浩、アレックス・カブレラ、スコット・マクレーンといった選手を開花させ、2002年のリーグ優勝に貢献した。特にカブレラからは深く慕われており、任期満了でコーチを退任した際にはカブレラに「僕も辞める」と言わしめるほどであった。一方で、この時期は他の首脳陣から孤立し、作戦会議などには出席せず、カブレラ専属コーチのようになっていたとも言われる。和田も、金森が独立リーグ石川の監督を務めていた際には「北陸遠征に行った時は食事を一緒にします。弟子はどこまでいっても弟子ですので」と語っていた。
ダイエーホークスおよび福岡ソフトバンクホークスではスコアラー(2003年)、一軍打撃コーチ(2005年 - 2006年)を務めた。スコアラー時代にはフリオ・ズレータを発掘し、スコアラーという肩書きながら、当時の監督である王貞治から打撃補佐的な役割を依頼され、しばしばグラウンドに出ては選手の練習を手伝った。春季キャンプでは城島健司や井口資仁にアドバイスすることも多く、その後2人の打撃開眼に大きな役割を果たした。特に城島とはその後も強い師弟関係で結ばれ、城島が出場した日米野球や佐世保での自主トレなどにも姿を見せていた。
また、阪神タイガース一軍打撃コーチ(2004年)、ロッテ一軍打撃兼野手チーフコーチ(2010年 - 2011年)→二軍打撃コーチ(2012年)→一軍打撃コーチ(2018年)を歴任した。ロッテでの1期目では西岡剛・荻野貴司・清田育宏・岡田幸文らを指導してチームの日本一に貢献したが、2011年はチーム打率、得点ともにリーグ最下位に低迷した。ロッテでは相手投手が代わった時などに、次打者の元へ向かいアドバイスする姿がよく見られた。
さらに、東北楽天ゴールデンイーグルス一軍打撃チーフコーチ(2019年)→一軍打撃コーチ(2020年 - 2021年)→育成打撃コーチ(2022年)として指導に当たった。

3.1.2. アマチュア野球指導者経歴

プロ球団でのコーチ業の傍ら、アマチュア野球の指導にも力を入れた。BCリーグの石川ミリオンスターズでは監督(2007年 - 2009年)を務め、初年度からチームを優勝に導き、内村賢介をプロ野球ドラフト指名選手として送り出した。
2014年3月4日付で日本学生野球協会から学生野球資格の回復を認定され、2014年4月1日付で地元・金沢学院高校の監督に3年の契約期間で就任した。大学生時代に教職課程を履修していたため、2015年春からは同校の教員として保健体育の実技と授業も受け持った。
ノースアジア大学コーチ(2017年)を経て、2023年1月からは早稲田大学野球部コーチ、同年3月からは助監督に就任し、母校の野球部の指導に当たっている。

7.4.1. レギュラーシーズン

7.4.2. ポストシーズン

• ※1 勝敗の太字は勝利したシリーズ
• ※2 富山が前後期優勝のため石川は2戦全勝が条件。富山がBCリーグチャンピオンシップに出場
• ※3 石川が前後期優勝のため富山は3戦全勝が条件。石川がBCリーグチャンピオンシップに出場