1. Overview
アルビン・エクダル(Albin Ekdalスウェーデン語、1989年7月28日生まれ)は、スウェーデン出身のプロサッカー選手。主なポジションはミッドフィールダーで、現在はアルスヴェンスカンのユールゴーデンIFに所属している。IFブロンマポイカルナのユース出身であるエクダルは、キャリアの大半をイタリアで過ごし、セリエAで300試合以上に出場した。イタリアではカリアリ・カルチョ、ユヴェントスFC、ACシエナ、ボローニャFC、UCサンプドリア、スペツィア・カルチョでプレーし、ドイツのブンデスリーガでもハンブルガーSVに3年間在籍した。2011年から2023年までスウェーデン代表として国際舞台で活躍し、70キャップを獲得。UEFA欧州選手権2016、2018 FIFAワールドカップ、UEFA欧州選手権2020に出場した。
2. プロフィール・私生活
アルビン・エクダルの生い立ち、幼少期からプロキャリアに至る初期の道のり、そして彼の家族構成について詳述する。
2.1. 幼少期と初期キャリア
エクダルは、IFブロンマポイカルナでプロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせた。2007年のアルスヴェンスカンシーズン初めにはプロ契約を結び、主にセントラルミッドフィールダーとしてプレーしたが、攻撃的ミッドフィールダーや右サイドミッドフィールダーとしても起用された。IFブロンマポイカルナでは、ユースチーム時代を含め4シーズンにわたってプレーし、合計24試合に出場したが得点はなかった。
2.2. 家族
彼の父は、受賞歴のあるスウェーデンのジャーナリスト、テレビパーソナリティ、ニュースキャスターであるレナート・エクダル(Lennart Ekdalスウェーデン語)である。レナートは新聞『ダーゲンス・ニーヘテル』(Dagens Nyheterスウェーデン語)や金融雑誌『ヴェッケンズ・アファールムス』(Veckans Affärerスウェーデン語)での仕事に加え、『Kalla faktaスウェーデン語』、『Halvtid för Reinfeldtスウェーデン語』(フレドリック・ラインフェルトと共同)、『Kvällsöppet med Ekdal & Hakeliusスウェーデン語』、『Hetluftスウェーデン語』などのテレビ番組の司会を務めたことで知られている。
エクダルには、弟のヒャルマル・エクダル(Hjalmar Ekdalスウェーデン語)もいる。ヒャルマルもプロサッカー選手であり、プレミアリーグのバーンリーFCとサッカースウェーデン代表でプレーしている。
3. クラブ経歴
アルビン・エクダルのプロクラブでのキャリアは、スウェーデンのIFブロンマポイカルナから始まり、イタリアの複数クラブやドイツのハンブルガーSVを経て、再び母国スウェーデンへと戻った。
3.1. ブロマポイカルナ
アルビン・エクダルは2007年のアルスヴェンスカンシーズン開始時にIFブロンマポイカルナでプロの選手としてのキャリアを始めた。彼は主にセントラルミッドフィールダーとしてプレーしたが、攻撃的ミッドフィールダーや右サイドミッドフィールダーとしても出場した。IFブロンマポイカルナでは、ユースチーム時代を含め4シーズンにわたってプレーし、合計24試合に出場したが得点はなかった。
3.2. ユヴェントス時代と期限付き移籍
2008年5月23日、エクダルはイタリアのセリエAに所属するユヴェントスと4年契約を締結した。同年10月18日に行われたナポリとのアウェイゲームで、75分にクリスティアン・ポウルセンとの交代で途中出場し、セリエAおよびクラブデビューを果たした。この試合はユヴェントスが1-2で敗れた。ユヴェントスでは合計3試合に出場したが、得点は記録しなかった。
2009年7月15日、エクダルは同じイタリアのトップリーグに所属するシエナへシーズン中の期限付き移籍で加入した。シエナでは27試合に出場し、1得点を挙げた。唯一の得点は2010年1月9日に行われた後にトレブルを達成するインテル・ミラノとのアウェイゲームで、4-3で敗れた試合だった。シエナはそのシーズン末に降格した。
2010年6月28日、ユヴェントスはエクダルの所有権の50%をボローニャに売却した。この契約に基づき、両クラブは毎シーズン開始時に彼を選手として保有するかどうかを合意することになっていた。ボローニャでは合計23試合に出場し、1得点を挙げた。この得点は、前回の得点からちょうど1年後の2011年1月9日に行われたバーリとのアウェイゲームで、2-0の勝利の先制点となった。シーズン終了後、ユヴェントスが保有権を買い戻した。
3.3. カリアリ

2011年8月23日、エクダルはセリエAのカリアリに300.00 万 EURで3年契約で売却された。2012年6月には、カリアリが120.00 万 EURで残りの保有権を買い取り、エクダルは完全にカリアリに移籍した。カリアリでは4年間で合計116試合に出場し、8得点を挙げた。
特に2014年9月28日には、インテル・ミラノ戦でキャリア初のハットトリックを達成し、チームは4-1で勝利を収めた。
3.4. ハンブルガーSV
2015年7月18日、ドイツのブンデスリーガに所属するハンブルガーSVは、カリアリからエクダルを450.00 万 EURで4年契約で獲得した。年俸は60.00 万 EURであった。彼は背番号20を与えられた。
ハンブルガーSVでの3年間、チームは毎シーズン降格の危機に瀕し、最終的には2018年に2.ブンデスリーガへの降格という結果に終わった。エクダルはハンブルガーSVで合計57試合に出場し、1得点を挙げた。唯一の得点は2017年3月5日に行われたヘルタ・BSCとのホームゲームで、1-0の勝利を決めるゴールだった。
2017年1月21日には、VfLヴォルフスブルクとの試合で、開始33分でキャリア初のレッドカードを受け、チームは0-1で敗れた。
3.5. サンプドリア
2018年8月14日、ハンブルガーSVのブンデスリーガ降格に伴い、エクダルはセリエAのサンプドリアと契約を結び、再びイタリアの地に戻った。サンプドリアでは合計122試合に出場し、3得点を挙げた。
3.6. スペツィア
2022年7月13日、エクダルはスペツィアと2年契約を締結し、完全移籍した。スペツィアでは31試合に出場したが、得点は記録しなかった。
3.7. ユールゴーデンIF
2023年12月30日、エクダルは16年間の海外生活を終え、故郷スウェーデンのストックホルムに戻った。彼は幼少期から応援していたクラブであるユールゴーデンIFと契約した。
4. 代表経歴
アルビン・エクダルは、各年代別のスウェーデン代表を経験し、2011年にはフル代表に初招集されて以降、長きにわたり中心選手として活躍した。

2011年8月10日、ハルキウで行われたウクライナとの親善試合でスウェーデン代表としてデビューした。この試合で彼は60分にセバスティアン・ラーションと交代で出場し、チームは1-0で勝利した。
2016年6月、エクダルは、ハンブルガーSVのブンデスリーガ残留を祝う際に背中に深い切り傷を負い、出場が危ぶまれていたにもかかわらず、UEFA EURO 2016のフランス大会におけるスウェーデンの23名入りメンバーに選出された。彼はグループステージでチームが最下位に終わる中、全試合に出場した。
2018年6月には、ロシアで開催された2018 FIFAワールドカップのスウェーデン代表23名に選出された。彼はベスト8に進出したチームの全5試合に出場した。
2021年6月には、UEFA EURO 2020のスウェーデン代表26名に選出された。
UEFA欧州選手権2024への予選でスウェーデンが敗退した後、エクダルは代表からの引退を発表した。2023年11月20日、ストックホルムで行われたUEFA EURO 2024予選のエストニア戦が彼の最後の代表戦となった。彼はこの試合でキャプテンを務め、72分間プレーした後、フレンズ・アレーナの観衆からスタンディングオベーションを受けて交代した。この試合では、通常キャプテンを務めるビクトル・リンデロフが彼に腕章を譲った。
5. キャリア統計
アルビン・エクダルのプロキャリアにおけるクラブおよび代表チームでの詳細な出場記録と得点統計を以下に示す。
5.1. クラブ
以下の表は、2023年6月4日時点のクラブ大会におけるエクダル選手の出場記録と得点統計である。
| クラブ | シーズン | リーグ | カップ | ヨーロッパ | その他 | 合計 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ディビジョン | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | ||
| ブロマポイカルナ | 2007 | アルスヴェンスカン | 15 | 0 | - | - | - | 15 | 0 | |||
| 2008 | スーペレッタン | 9 | 0 | - | - | - | 9 | 0 | ||||
| 合計 | 24 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 24 | 0 | ||
| ユヴェントス | 2008-09 | セリエA | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 3 | 0 | |
| 2009-10 | セリエA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | ||
| 2010-11 | セリエA | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | 1 | 0 | ||
| 合計 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | ||
| シエナ (期限付き移籍) | 2009-10 | セリエA | 26 | 1 | 1 | 0 | - | - | 27 | 1 | ||
| ボローニャ | 2010-11 | セリエA | 22 | 1 | 1 | 0 | - | - | 23 | 1 | ||
| カリアリ | 2011-12 | セリエA | 30 | 1 | 1 | 0 | - | - | 31 | 1 | ||
| 2012-13 | セリエA | 31 | 1 | 3 | 0 | - | - | 34 | 1 | |||
| 2013-14 | セリエA | 22 | 1 | 1 | 0 | - | - | 23 | 1 | |||
| 2014-15 | セリエA | 33 | 5 | 1 | 0 | - | - | 34 | 5 | |||
| 合計 | 116 | 8 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 122 | 8 | ||
| ハンブルガーSV | 2015-16 | ブンデスリーガ | 14 | 0 | 1 | 0 | - | - | 15 | 0 | ||
| 2016-17 | ブンデスリーガ | 21 | 1 | 2 | 0 | - | - | 23 | 1 | |||
| 2017-18 | ブンデスリーガ | 19 | 0 | 0 | 0 | - | - | 19 | 0 | |||
| 合計 | 54 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 57 | 1 | ||
| サンプドリア | 2018-19 | セリエA | 32 | 0 | 1 | 0 | - | - | 33 | 0 | ||
| 2019-20 | セリエA | 32 | 0 | 1 | 0 | - | - | 33 | 0 | |||
| 2020-21 | セリエA | 32 | 2 | 1 | 0 | - | - | 33 | 2 | |||
| 2021-22 | セリエA | 26 | 1 | 1 | 0 | - | - | 27 | 1 | |||
| 合計 | 122 | 3 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 126 | 3 | ||
| スペツィア | 2022-23 | セリエA | 31 | 0 | 2 | 1 | - | 0 | 0 | 33 | 1 | |
| キャリア通算 | 398 | 14 | 17 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 416 | 15 | ||
5.2. 代表
以下の表は、各国代表チームでの年ごとの出場記録と得点統計である。
| 代表チーム | 年 | 出場 | 得点 |
|---|---|---|---|
| スウェーデン | 2011 | 1 | 0 |
| 2012 | 1 | 0 | |
| 2013 | 5 | 0 | |
| 2014 | 6 | 0 | |
| 2015 | 7 | 0 | |
| 2016 | 8 | 0 | |
| 2017 | 4 | 0 | |
| 2018 | 10 | 0 | |
| 2019 | 8 | 0 | |
| 2020 | 5 | 0 | |
| 2021 | 10 | 0 | |
| 2022 | 1 | 0 | |
| 2023 | 4 | 0 | |
| 合計 | 70 | 0 | |
6. タイトル・表彰
- スウェーデン年間最優秀ミッドフィールダー : 2013年、2014年、2015年
- ストア・グラブ(スウェーデンサッカー協会の名誉ある賞): 2016年