1. 概要
アンドリュー・バロン(Andrew Barronアンディ・バロン英語、1980年12月24日生まれ)は、ニュージーランド出身の元サッカー選手である。主にミッドフィールダーとして活躍し、特に中央ミッドフィールダーを務めた。彼のキャリアは、投資カウンセラーおよび銀行員としてのフルタイムの職業と、セミプロフェッショナルなサッカー選手としての活動を両立させていた点で非常にユニークである。
バロンは、2010 FIFAワールドカップにニュージーランド代表(愛称「オールホワイツ」)の一員として出場し、その大会でプレーした数少ないアマチュア選手の一人として注目を集めた。これは、彼がプロ契約を結んでいないにもかかわらず、世界最高峰の舞台で活躍したことを意味し、その献身と才能が広く称賛された。現役最後のクラブはサモアのキウィFCであった。
2. 幼少期と背景
2.1. 出生と幼少期
アンドリュー・バロンは1980年12月24日にニュージーランドのインバーカーギルで生まれた。
2.2. 職業的背景
バロンは、サッカー選手としてのキャリアと並行して、投資カウンセラーおよび銀行員としてフルタイムで勤務していた。彼はこの二つの異なる分野での活動を見事に両立させ、プロ選手が多数を占めるサッカー界において、アマチュア選手として国際舞台で活躍するという異例のキャリアを築いた。
3. プレイングキャリア
3.1. クラブキャリア
アンドリュー・バロンが所属したサッカークラブと、各クラブでの活動、主要な試合記録などを年代順に整理する。
3.1.1. ニュージーランド国内クラブ
バロンはニュージーランド国内の複数のクラブでプレーした。
2005年から2006年のシーズン開幕時に、ニュージーランド・フットボールチャンピオンシップのフランチャイズであるカンタベリー・ユナイテッドに加入した。このシーズンでは15試合に出場し1ゴールを記録し、その活躍が評価された。
翌シーズンには、同じくニュージーランド・フットボールチャンピオンシップのクラブであるチーム・ウェリントンにスカウトされ移籍。ここではプレーメーカーとして12試合に出場し、4ゴールを挙げた。
2008年に海外でのプロキャリアを模索し一時離れるが、2008年から2009年のニュージーランド・フットボールチャンピオンシップシーズン途中にチーム・ウェリントンに復帰した。ウェリントンでの2度の在籍期間を通じて、バロンは合計34試合(すべて先発出場)に出場し、12ゴールを記録した。
また、彼のキャリア初期には、1997年から1999年にかけてミラマー・レンジャーズAFCでもプレーしている。
3.1.2. 海外クラブ
バロンはニュージーランド国外のクラブでも選手生活を送った。
2003年から2004年にはアメリカ合衆国のニューオーリンズ・ジェスターズに所属した。
2004年から2005年には北アイルランドのリスバーン・ディスティラリーFCでプレーし、16試合に出場し1ゴールを記録した。
2008年にはUSLファーストディビジョンのミネソタ・サンダーと契約し、海外でのプロキャリアを追求した。しかし、ここでは大きなインパクトを残すことに苦戦し、11試合に出場したがゴールはなかった。その後、ニュージーランドに戻りチーム・ウェリントンに復帰した。
キャリアの終盤には、サモアのキウィFCでプレーしたのが最後のクラブとなった。
3.2. インターナショナルキャリア
ニュージーランド代表チームでのデビュー、主要大会への参加、国際試合の記録などを中心に説明する。
3.2.1. デビューと主要試合
バロンは2006年2月19日、マレーシアとの2試合にわたる親善試合シリーズの初戦で、ニュージーランド代表としてデビューを果たした。
続く2月23日のマレーシアとの第2戦では、試合終了間際の88分にゴールを決め、2対1の勝利を決定づけた。これが彼の代表チームでの初ゴールとなった。
3.2.2. 主要大会への参加
バロンは、2009年に南アフリカ共和国で開催された2009 FIFAコンフェデレーションズカップのニュージーランド代表メンバーに選出された。このチームには、彼と同様に非プロフェッショナル選手であるジェームス・バナタインやアーロン・スコットも含まれていた。
また、2010 FIFAワールドカップ予選の大陸間プレーオフでバーレーンに勝利したオールホワイツの一員でもあった。
そして、2010 FIFAワールドカップ本大会では、前回王者であるイタリア戦に途中出場し、大きな話題となった。彼はこの大会でプレーした史上初の非プロフェッショナル選手となり、そのアマチュア精神と国際舞台での活躍は世界中の注目を集めた。
4. キャリア統計
4.1. クラブ統計
アンドリュー・バロンの各クラブでのシーズン別出場試合数、得点数などの詳細なクラブ経歴統計を以下に示す。
クラブ | シーズン | IFAプレミアシップ | アイリッシュカップ | アイリッシュ・リーグカップ | UEFA大会 | 合計 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | ||
リスバーン・ディスティラリーFC (IFAプレミアシップ) | 2004-05 | 16 | 1 | 16 | 1 | ||||||
クラブ合計 | 16 | 1 | 16 | 1 | |||||||
クラブ | シーズン | NZFC | チャタムカップ | FIFAクラブワールドカップ | オセアニア大会 | 合計 | |||||
出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | ||
カンタベリー・ユナイテッドFC (ニュージーランド・フットボールチャンピオンシップ) | 2005-06 | 15 | 1 | 15 | 1 | ||||||
クラブ合計 | 15 | 1 | 15 | 1 | |||||||
クラブ | シーズン | NZFC | チャタムカップ | FIFAクラブワールドカップ | オセアニア大会 | 合計 | |||||
出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | ||
チーム・ウェリントンFC (ニュージーランド・フットボールチャンピオンシップ) | 2006-07 | 12 | 4 | 12 | 4 | ||||||
クラブ合計 | 12 | 4 | 12 | 4 | |||||||
クラブ | シーズン | USL-1 | 合計 | ||||||||
出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | ||
ミネソタ・サンダー (USLファーストディビジョン) | 2008 | 11 | 0 | 11 | 0 | ||||||
クラブ合計 | 11 | 0 | 11 | 0 | |||||||
クラブ | シーズン | NZFC | チャタムカップ | FIFAクラブワールドカップ | オセアニア大会 | 合計 | |||||
出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | 出場 | ゴール | ||
チーム・ウェリントンFC (ニュージーランド・フットボールチャンピオンシップ) | 2008-09 | 7 | 4 | 7 | 4 | ||||||
2009-10 | 15 | 4 | 15 | 4 | |||||||
クラブ合計 | 22 | 8 | 20 | 6 | |||||||
キャリア通算 | 76 | 14 | 76 | 14 |
4.2. ナショナルチーム統計
アンドリュー・バロンの代表チームでの総出場試合数、総得点数、主要大会別の記録など、代表経歴統計を以下に示す。
# | 日付 | 対戦相手 | 最終スコア | 結果 | 大会 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2006年2月23日 | マレーシア | 2-1 | 勝利 | 親善試合 |
年 | 出場 | ゴール |
---|---|---|
2006 | 3 | 1 |
2007 | 2 | 0 |
2008 | 0 | 0 |
2009 | 5 | 0 |
2010 | 2 | 0 |
通算 | 12 | 1 |
5. 外部リンク
- [https://web.archive.org/web/20100516031219/http://tw.org.nz/index.php?page=player&player=51 チーム・ウェリントン 選手プロフィール]
- [https://web.archive.org/web/20100522082926/http://www.nzfootball.co.nz/index.php?id=301 ニュージーランドサッカー協会 選手プロフィール]
- [https://web.archive.org/web/20190407153629/https://www.fifa.com/worldcup/players/player/289579/index.html FIFA選手プロフィール]