1. 幼少期と背景
イケル・ロメロ・フェルナンデスは、1980年6月15日にスペインのバスク州アラバ県ビトリア=ガステイスで生まれた。幼い頃からハンドボールに親しみ、その才能を早くから開花させた。
2. 選手としての経歴
イケル・ロメロは、1997年にプロデビューを果たして以来、スペインとドイツのトップクラブで活躍し、数多くのタイトルを獲得した。また、スペイン代表としても長年にわたりチームの中心選手として貢献した。
2.1. クラブキャリア
ロメロは1997年にBMバリャドリッドでプロとしてのキャリアをスタートさせた。
2000年にはCBアデマール・レオンに移籍し、2001年にはリーガASOBALで優勝を経験した。
2001年から2003年までBMシウダー・レアルに所属し、2003年にはコパ・デル・レイで優勝、2002年と2003年にはEHFカップウィナーズカップも獲得した。
2003年にFCバルセロナに移籍し、2011年まで8シーズンにわたって在籍した。この期間に、2005年と2011年のEHFチャンピオンズリーグ、2006年と2007年のリーガASOBAL、2004年、2007年、2009年、2010年のコパ・デル・レイ、2010年のコパASOBAL、2004年、2007年、2009年、2010年のスーペルコパ・デ・エスパーニャ、2004年のEHFチャンピオンズトロフィーなど、数多くの国内タイトルと国際タイトルを獲得した。個人としても、リーガASOBALのベストセブンに2度選出され、2008年には得点王のタイトルも獲得している。

2011年にはドイツ・ブンデスリーガのフュクセ・ベルリンに移籍。2014年にはDHBポカールで、2015年にはEHFカップで優勝した。2014年4月にはシーズン終了をもって引退しスペインに戻ると発表したが、その後1シーズン残留することを決め、2015年に現役を引退した。

2.2. スペイン代表キャリア
ロメロはスペイン代表として、通算200試合に出場し、歴代2位となる753得点を記録した。
国際大会では、2005年にチュニジアで開催された世界男子ハンドボール選手権でチームを優勝に導いた。2006年にスイスで開催された欧州男子ハンドボール選手権では準優勝を果たし、レフトバックのポジションで大会ベストセブンに選出された。2008年に中国の北京で開催された北京オリンピックでは銅メダルを獲得。2011年にスウェーデンで開催された世界男子ハンドボール選手権では3位入賞に貢献した。また、2012年の欧州男子ハンドボール選手権では4位の成績を収めた。
3. 指導者としての経歴
選手引退後、イケル・ロメロは指導者の道に進んだ。2017年にはドイツ・ブンデスリーガのTSV Hannover-Burgdorfのアシスタントコーチに就任した。その後、2021-22シーズンからはSG BBM Bietigheimのヘッドコーチを務めている。
4. 主要な功績と受賞
イケル・ロメロは選手、そして指導者として、キャリアを通じて数多くの栄誉とタイトルを獲得してきた。
4.1. クラブでの主要功績
- CBアデマール・レオン
- リーガASOBAL:2001
- BMシウダー・レアル
- コパ・デル・レイ:2003
- EHFカップウィナーズカップ:2002、2003
- FCバルセロナ
- リーガASOBAL:2006、2011
- コパ・デル・レイ:2004、2007、2009、2010
- コパASOBAL:2010
- スーペルコパ・デ・エスパーニャ:2004、2007、2009、2010
- EHFチャンピオンズリーグ:2005、2011
- EHFチャンピオンズトロフィー:2004
- フュクセ・ベルリン
- DHBポカール:2014
- EHFカップ:2015
4.2. 代表チームでの主要功績
4.3. 個人タイトルと栄誉
- リーガASOBAL最優秀若手選手賞:2000、2001、2002
- リーガASOBALベストセブン:2005、2006
- リーガASOBAL得点王:2008
- ブンデスリーガベストセブン:2013
- 世界ジュニア選手権ベストセブン:2001
- 欧州男子ハンドボール選手権ベストセブン:2006
5. 私生活
イケル・ロメロは、ドイツのハンドボール選手であるラウラ・シュタインバッハと結婚している。彼の身長は197 cm、体重は100 kgである。
6. 遺産と影響
イケル・ロメロ・フェルナンデスは、その長きにわたる輝かしいキャリアを通じて、スペインハンドボール界に多大な貢献をしてきた。彼はスペイン代表として歴代2位の得点記録を持つだけでなく、クラブレベルでも国内外の主要な大会で数多くのタイトルを獲得し、その才能とリーダーシップを証明した。特にEHFチャンピオンズリーグでの2度の優勝や、スペイン代表としての世界選手権優勝とオリンピックメダル獲得は、彼の選手としての偉大さを示すものと言える。
引退後も指導者としてハンドボールに関わり続けることで、彼はその知識と経験を次世代の選手たちに伝え、スポーツの発展に寄与している。ロメロは、スペインハンドボールの黄金時代を築いた選手の一人として、後世にその名を刻む存在である。