1. 幼少期と背景
田中志穂は1992年9月5日に熊本県で生まれた。身長は1.6 m、体重は58 kg、血液型はA型である。利き腕は右。彼女は青森山田高校、法政大学を経て、北都銀行に所属した。
2. 選手経歴
田中志穂は、主に北都銀行に所属し、米元小春を主要なパートナーとして女子ダブルスで活躍した。彼女は日本代表ナショナルAチームにも選出され、そのキャリアを通じて数々の国際大会で顕著な成績を収めた。
キャリアの初期段階では、2011年に市丸美里とペアを組み、大阪インターナショナルチャレンジの女子ダブルスで優勝を飾った。翌2012年には、世界大学バドミントン選手権大会の女子ダブルスでチャイニーズタイペイの戴資穎と白驍馬ペアを破り、優勝を果たしている。
その後、米元小春とのペアリングを本格化させ、2015年にはチャイニーズタイペイマスターズの女子ダブルスで準優勝を記録した。2016年には全米オープンで優勝、ベトナムインターナショナルで準優勝を果たすなど、着実に実力を向上させた。
チーム戦においても、彼女は日本の主要な勝利に貢献している。2017年のアジア混合団体バドミントン選手権大会、2018年のユーバー杯、そして2018年のアジア団体バドミントン選手権大会では、日本チームの一員として金メダルを獲得した。
特に女子ダブルスにおける最高世界ランキングは、米元小春とのペアで2018年6月14日に達成した4位である。また、2016年の全日本総合バドミントン選手権大会では女子ダブルスで準優勝している。

3. 主な成績
田中志穂は選手生活において、数多くの国際大会で優勝や上位入賞を果たしている。以下に主要な大会での成績を詳述する。
3.1. 世界選手権大会
世界バドミントン選手権大会における女子ダブルスの成績は以下の通りである。
年 | 開催地 | パートナー | 対戦相手 | スコア | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
2018 | 中国・南京市 | 米元小春 | 福島由紀 | 19-21, 15-21 | 銅メダル |
3.2. ユニバーシアード
夏季ユニバーシアードにおける女子シングルスの成績は以下の通りである。
年 | 開催地 | 対戦相手 | スコア | 結果 |
---|---|---|---|---|
2015 | 韓国・和順郡 | 成池鉉 | 13-21, 12-21 | 銅メダル |
3.3. BWFワールドツアー
BWFワールドツアーは、バドミントン・ワールド・フェデレーション(BWF)が2018年に新たに導入した、エリートバドミントン大会のシリーズである。このツアーは、ワールドツアーファイナルズ、スーパー1000、スーパー750、スーパー500、スーパー300、BWFツアー スーパー100の各レベルに分かれている。女子ダブルスでの成績は以下の通り。
年 | 大会 | レベル | パートナー | 対戦相手 | スコア | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
2018 | デンマーク・オープン | スーパー750 | 米元小春 | 福島由紀 | 19-21, 16-21 | 準優勝 |
2019 | タイ・オープン | スーパー500 | 米元小春 | 杜玥 | 21-19, 14-21, 21-13 | 優勝 |
3.4. BWFスーパーシリーズ
BWFスーパーシリーズは、2007年から2017年まで開催された、BWFが公認するエリートバドミントン大会のシリーズであった。スーパーシリーズにはスーパーシリーズとスーパーシリーズプレミアの2つのレベルがあった。女子ダブルスでの成績は以下の通り。
年 | 大会 | パートナー | 対戦相手 | スコア | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
2017 | インド・オープン | 米元小春 | 福万尚子 | 16-21, 21-19, 21-10 | 優勝 |
2017 | デンマーク・オープン | 米元小春 | 李昭熙 | 13-21, 16-21 | 準優勝 |
2017 | ドバイ・ワールドスーパーシリーズファイナルズ | 米元小春 | 福島由紀 | 21-16, 21-15 | 優勝 |
3.5. BWFグランプリ
BWFグランプリは、2007年から2017年までBWFが公認して開催されたバドミントン大会シリーズで、グランプリとグランプリゴールドの2つのレベルがあった。女子ダブルスでの成績は以下の通り。
年 | 大会 | パートナー | 対戦相手 | スコア | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
2015 | チャイニーズタイペイマスターズ | 米元小春 | アンギア・シッタ・アワンダ | 19-21, 14-21 | 準優勝 |
2016 | 全米オープン | 米元小春 | 松本麻佑 | 20-22, 21-15, 21-19 | 優勝 |
2016 | チャイニーズタイペイマスターズ | 米元小春 | 福島由紀 | 10-11, 5-11, 7-11 | 準優勝 |
3.6. BWFインターナショナルチャレンジ/シリーズ
BWFインターナショナルチャレンジおよびシリーズにおける女子ダブルスの成績は以下の通りである。
年 | 大会 | パートナー | 対戦相手 | スコア | 結果 |
---|---|---|---|---|---|
2011 | 大阪インターナショナルチャレンジ | 市丸美里 | 三木佑里子 | 19-21, 21-18, 21-14 | 優勝 |
2016 | ベトナムインターナショナル | 米元小春 | 福島由紀 | 26-28, 15-21 | 準優勝 |
4. 引退と指導者としての活動
田中志穂は、2021年1月29日に秋田県庁で記者会見を行い、バドミントン選手としての現役引退を表明した。引退後も彼女はバドミントン界に留まり、所属していた北都銀行でコーチとして活動を続けている。これにより、長年の選手経験を次世代の選手育成に役立てている。