1. 個人史
アレッサンドラ・ペリッリは1988年4月1日、イタリアのリミニで生まれた。彼女は18歳でサンマリノ国籍を取得し、以降サンマリノ代表として国際大会に出場している。彼女の故郷はボルゴ・マッジョーレである。身長は169 cm、体重は73 kg。彼女には姉のアリアンナ・ペリッリがおり、彼女もまた射撃競技選手として活動している。
2. 選手経歴
アレッサンドラ・ペリッリはプロのトラップ射撃選手として、数々の国際大会で活躍し、サンマリノのスポーツ史に名を刻んだ。彼女のキャリアは、オリンピックでの歴史的なメダル獲得に加えて、世界選手権やヨーロッパ選手権など、多岐にわたる大会での輝かしい成績によって特徴づけられる。
2.1. オリンピック参加
ペリッリはこれまでに3度の夏季オリンピックに出場し、サンマリノ代表として重要な役割を果たしてきた。
2.1.1. 2012年ロンドンオリンピック
2012年ロンドンオリンピックでは、女子トラップ種目に出場した。彼女は2位の選手(フランスとスロバキアの選手)との同点決勝の末、惜しくも4位に入賞した。この時点でメダルには届かなかったものの、その後のオリンピックでの活躍を予感させる結果となった。
2.1.2. 2016年リオデジャネイロオリンピック
2016年リオデジャネイロオリンピックでは、サンマリノ選手団の旗手を務め、開会式の選手入場で自国の旗を掲げた。女子トラップ種目では予選で13位となり、決勝には進出できなかった。
2.1.3. 2020年東京オリンピック
2020年東京オリンピックは、アレッサンドラ・ペリッリのキャリアにおける最大のハイライトとなった。彼女は女子トラップ種目で銅メダルを獲得し、サンマリノ史上初のオリンピックメダリストという歴史的な快挙を成し遂げた。このメダルは、サンマリノ共和国が1960年のローマオリンピックで初参加して以来、61年目にして初めて獲得したメダルであり、国のスポーツ界にとって画期的な出来事であった。
数日後、彼女はジャン・マルコ・ベルティとペアを組み、混合トラップ団体種目に出場。この種目でも銀メダルを獲得し、自身2つ目のメダルを手にした。これらのメダルは、サンマリノの国際的な知名度を飛躍的に高め、国民に大きな感動と誇りを与えた。
2.2. その他の主な国際大会での成績
ペリッリはオリンピック以外にも、数多くの国際大会でメダルを獲得している。
大会名 | 開催年 | 開催地 | 種目 | メダル |
---|---|---|---|---|
ISSF世界射撃選手権 | ||||
2010年ISSF世界射撃選手権 | 2010 | ミュンヘン | トラップ団体 | 銅 |
ヨーロッパ射撃選手権 | ||||
2019年ISSFヨーロッパ選手権 | 2019 | ロナート | トラップ | 銅 |
2024年ヨーロッパ散弾銃選手権 | 2024 | ロナート | 混合トラップ団体 | 銅 |
ヨーロッパ競技大会 | ||||
2015年ヨーロッパ競技大会 | 2015 | バクー | 混合トラップ団体 | 銅 |
地中海競技大会 | ||||
2009年地中海競技大会 | 2009 | ペスカーラ | トラップ | 銅 |
2013年地中海競技大会 | 2013 | メルスィン | トラップ | 銅 |
2018年地中海競技大会 | 2018 | タラゴナ | トラップ | 金 |
欧州小国競技大会 | ||||
2009年欧州小国競技大会 | 2009 | キプロス | トラップ | 銀 |
ヨーロッパジュニア選手権 | ||||
2008 | ニコシア | トラップ | 銅 |
3. 評価と影響
アレッサンドラ・ペリッリが2020年東京オリンピックで獲得した2つのメダルは、サンマリノのスポーツ史において画期的な出来事であり、同国に初のオリンピックメダルをもたらしたという点で計り知れない歴史的意義を持つ。彼女の功績は、サンマリノ国民に大きな誇りと喜びを与え、国内のスポーツ振興に多大な影響を与えた。
彼女の成功は、小規模国家でも国際舞台で輝けることを証明し、若い世代のスポーツ選手にとっての希望の象徴となった。ペリッリは、サンマリノの国際社会における認知度向上にも貢献し、スポーツを通じて国の存在感を高めた人物として高く評価されている。彼女の業績は、サンマリノのスポーツ界における新たな時代の幕開けを告げるものとして記憶されるだろう。