1. 概要
堀島行真は、日本のフリースタイルスキー選手であり、モーグル競技の第一人者である。岐阜県出身。幼少期からスキーを始め、卓越した技術と精神力で数々の国際大会で輝かしい成績を収めてきた。2017年のフリースタイルスキー世界選手権ではモーグルとデュアルモーグルの2種目で金メダルを獲得し、日本人選手として史上初の快挙を達成。さらに、2022年北京オリンピックでは、日本勢初のメダルとなる銅メダルを獲得し、フリースタイルスキー界における日本を代表する選手としての地位を確立した。彼の活躍は、日本のウィンタースポーツ、特にフリースタイルスキーの発展に大きく貢献している。
2. 経歴と人物像
堀島行真の生い立ちから現在に至るまでの歩み、そして彼のスポーツ選手としての成長を支えた人柄や特徴について記述する。
2.1. 生い立ちと初期の活動
堀島行真は1997年12月11日に岐阜県揖斐郡池田町で生まれた。生後1年の頃には、スキー愛好家の両親の影響を受けてスキーを始めた。初心者向けのパークからスキーに熱中するようになり、小学校4年次には本格的にモーグル競技に取り組むようになった。小学校5年次で初めて大会に出場したが、この時は完走することができず、その悔しさから「一番を目指す!」と心に誓い、モーグル競技に一層熱中していった。
実姉もモーグル選手であり、堀島が池田町立池田中学校3年次だった2012年夏には、全日本スキー連盟公式競技である全日本ウォータージャンプ選手権のビッグエア部門において、堀島自身が優勝、姉が準優勝という輝かしい成績を収めている。
2.2. 高校・大学時代
岐阜第一高等学校に入学後もスキー競技活動を続けた堀島は、高校2年次には世界ジュニア選手権のデュアルモーグルで7位入賞を果たした。高校3年次の2015-2016シーズンには、国際スキー連盟(FIS)が主催するフリースタイルスキー・ワールドカップ開幕戦(フィンランド・ルカ)のデュアルモーグルで3位に入り、ワールドカップ初の表彰台を経験した。このシーズンにおける彼の活躍はFISにも認められ、「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」にも選出された。
2016年には中京大学スポーツ科学部に入学。大学1年次にあたる2016-2017シーズンでは、2017年アジア冬季競技大会(札幌市)に日本選手団として参加し、モーグル2種目(シングルおよびデュアルモーグル)でそれぞれ金メダルを獲得し、2冠を達成した。
2.3. 主要国際大会の成績
堀島行真が世界選手権、オリンピック、ワールドカップといった主要な国際大会で果たした実績と、その輝かしい軌跡を辿る。
2.3.1. 世界選手権
2016-2017シーズンにおける最大の目標であった2017年フリースタイルスキー&スノーボード世界選手権(スペイン・シエラネバダ)に日本代表として出場した。予選から好調で自己最高の91.08点を記録し、1位で決勝ラウンドへ進出。決勝ラウンド1回目を2位で通過すると、決勝ラウンド2回目(ファイナル6)では5番滑走でスタートし、88.54点をマークした。これにより、この競技の第一人者であるミカエル・キングズベリーらを抑え、世界選手権初出場にして金メダルを獲得した。
さらに翌日に行われたデュアルモーグルでは、トーナメント3回戦でミカエル・キングズベリーとの直接対決を21対14で制した。決勝ではブラットリー・ウィルソンと対戦し、第1エアを飛んだ直後に転倒したものの、相手が第2エアの手前で転倒する幸運にも恵まれ、結果的に20対15で勝利し、再び金メダルを獲得した。この2冠達成は、モーグル競技がシングルとデュアルの2種目になった1999年以降、男子史上初となる快挙であった。日本人選手としても、2009年の上村愛子以来2人目となる歴史的偉業を成し遂げた。
2021年にカザフスタンのアルマトイで開催された世界選手権では、デュアルモーグルで銅メダルを獲得した。
2.3.2. オリンピック競技大会
堀島は、2018年平昌オリンピックのフリースタイルスキー競技男子モーグルに出場したが、転倒により11位に終わった。
しかし、2022年北京オリンピックのフリースタイルスキー競技男子モーグルでは、81.48点を記録し銅メダルを獲得した。このメダルは同大会で日本勢が獲得した初のメダルであり、彼が中学3年次に「必ずメダルを獲る」と心に決めていた有言実行の表れでもあった。
2.3.3. ワールドカップ・ユニバーシアード・アジア競技大会
ワールドカップにおいては、2017-2018シーズンに総合3位、2018-2019シーズンに総合2位、2019-2020シーズンに総合2位と、3シーズン連続で表彰台に上がる安定した成績を残している。
ユニバーシアードでは、2019年冬季ユニバーシアード(ロシア・クラスノヤルスク)において、デュアルモーグルで金メダル、モーグルで銅メダルを獲得した。
アジア競技大会では、2017年アジア冬季競技大会(札幌市)において、モーグルとデュアルモーグルでそれぞれ金メダルを獲得し、2冠を達成している。
3. 私生活と所属
堀島行真は、同じくフリースタイルスキー選手であった住吉輝紗良と結婚している。
中京大学を卒業後、2020年4月からはトヨタ自動車に所属している。彼の身長は170 cm、体重は66 kgである。競技に使用するウェアはオンヨネ製で、堀島専用モデルを着用しており、グローブはトーバート製である。
4. 評価と影響
堀島行真のフリースタイルスキー選手としての多大な功績と、それが競技界および社会に与えた影響、そして今後の展望について考察する。
4.1. 主な実績と貢献
堀島行真は、フリースタイルスキー競技において数々の主要な記録を打ち立て、その功績は日本のウィンタースポーツ界に大きな影響を与えている。特に, 2017年世界選手権でのモーグルとデュアルモーグルの2冠達成は、日本人男子選手として史上初の快挙であり、その名を世界に轟かせた。また、2022年北京オリンピックでの銅メダル獲得は、日本勢の同大会での初のメダルとなり、日本のフリースタイルスキーの存在感を大きく高めた。高校生でワールドカップ初表彰台に上り、ルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出されるなど、若くして頭角を現し、その後の安定した活躍は、後進の選手たちにとっての明確な目標となっている。彼の技術力、精神力、そして競技に対する真摯な姿勢は、日本のフリースタイルスキー全体の競技レベルの向上と普及に多大な貢献をしている。
4.2. 批判と論争
現在のところ、堀島行真の行動や決定、あるいは彼に関連する論争に対して提起された具体的な批判的な内容や論争は確認されていない。
5. 外部リンク
- [http://www.taubert.jp/athlete-horisimaikuma.html 堀島行真] - トーバート
- [https://sports.gazoo.com/t-sports/member/horishima.html 堀島行真] - トヨタ自動車 トップアスリート
- [https://www.fis-ski.com/DB/general/athlete-biography.html?sectorcode=FS&competitorid=174753 堀島行真] - 国際スキー連盟
- [https://www.olympedia.org/athletes/137452 堀島行真] - Olympedia