1. 幼少期とアマチュアキャリア
立花歩夢選手のプロデビュー前の経歴は、地元のユースクラブから始まり、高校、大学と進む中でサッカー選手としての才能を育んでいった。
1.1. 出生と初期背景
立花歩夢は、1995年11月4日に神奈川県川崎市で生まれた。身長は178 cm、体重は73 kgで、右足を利き足とする。
1.2. ユース・大学時代
立花は、幼少期に南百合丘SCでサッカーを始め、その後FC多摩で研鑽を積んだ。2011年から2013年にかけては、サッカーの強豪として知られる流通経済大学付属柏高校でプレーし、この期間中にチームは著しい成功を収めた。具体的には、2013年には高円宮杯プレミアリーグEASTで優勝し、さらに同年には高円宮杯チャンピオンシップも制覇した。
高校卒業後、2014年から2017年まで流通経済大学に進学。大学4年次には、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)でチームの優勝に大きく貢献した。特に、準決勝と決勝の両方で得点を挙げるなど、チームの快進撃を牽引する活躍を見せた。この大学時代のアマチュアキャリアは、後のプロキャリアへと繋がる重要な基盤となった。
2. プロクラブキャリア
立花歩夢選手のプロとしてのキャリアは、日本国内のクラブでスタートした後、海外リーグへの挑戦、そして再び日本国内リーグへの復帰という多様な経験を辿っている。
2.1. 横浜FC
立花は、流通経済大学での活躍が認められ、2018年にJ2リーグの横浜FCに加入した。同年3月25日に開催されたJ2リーグ第6節の水戸ホーリーホック戦で途中出場し、プロデビューを果たした。横浜FCでは、2018年シーズンにリーグ戦4試合に出場し無得点だったが、天皇杯では2試合に出場し1得点を記録した。2019年シーズンにはリーグ戦、カップ戦ともに試合出場はなかった。
2.2. 海外リーグへの挑戦
横浜FCでのプレー後、立花は海外リーグへの挑戦を決断し、ブラジル、オーストラリア、韓国のクラブで経験を積んだ。
2.2.1. トンベンセFCへの期限付き移籍と復帰
2019年8月3日、立花はブラジルのTombense Futebol ClubeトンベンセFCポルトガル語へ期限付き移籍することが発表された。しかし、移籍直後に右膝外側半月板の損傷が発覚したため、同年8月16日付でトンベンセFCとの契約を解除し、横浜FCに復帰するという異例の経緯を辿った。このため、トンベンセFCでの公式戦出場は記録されていない。
2.2.2. プレストン・ライオンズFC
2020年2月28日(日本のメディアでは3月18日に発表)、立花はオーストラリアのナショナル・プレミアリーグス・ビクトリア3(同国4部相当)に所属するPreston Lions FCプレストン・ライオンズFC英語へ移籍した。プレストン・ライオンズFCでは、FFAカップのハイデルベルク・イーグルスSC戦で4得点を挙げるなど、短い期間ながらもその攻撃力を示した。
2.2.3. 金浦FC
2021年からは、韓国のK3リーグに所属する김포 FC金浦FC韓国語でプレーしている。金浦FCでは、リーグ戦で4試合に出場し無得点という記録を残している。
2.3. 日本国内リーグへの復帰
海外での経験を経て、立花は再び日本国内のクラブでプレーすることとなった。
2020年7月27日、立花はJ3リーグのSC相模原に加入した。SC相模原では、2020年シーズンにリーグ戦6試合に出場したが、得点は記録されなかった。同年12月23日、シーズン終了後にSC相模原との契約満了が発表され、退団した。
3. キャリア統計
立花歩夢選手の公式戦におけるクラブ別、シーズン別の個人成績を以下の表に示す。
シーズン | クラブ | リーグ | リーグ戦出場 | リーグ戦得点 | カップ戦出場 | カップ戦得点 | 合計出場 | 合計得点 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本 | ||||||||||
2015 | 流経大D | JFL | 13 | 3 | - | - | - | - | 13 | 3 |
2015 | 流経大 | (その他) | - | - | 2 | 0 | - | - | 2 | 0 |
2016 | 流経大D | JFL | 0 | 0 | - | - | - | - | 0 | 0 |
2018 | 横浜FC | J2 | 4 | 0 | - | - | 2 | 1 | 6 | 1 |
2019 | 横浜FC | J2 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | 0 | 0 |
ブラジル | ||||||||||
2019 | トンベンセFC | (不明) | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
オーストラリア | ||||||||||
2020 | プレストン・ライオンズFC | NPLV3 | - | - | 1 | 4 | 1 | 4 | ||
日本 | ||||||||||
2020 | SC相模原 | J3 | 6 | 0 | - | - | - | - | 6 | 0 |
韓国 | ||||||||||
2021 | 金浦FC | K3リーグ | 4 | 0 | - | - | - | - | 4 | 0 |
総通算(日本国内) | 23 | 3 | 4 | 1 | 2 | 1 | 27 | 4 | ||
総通算(キャリア全体) | 27 | 3 | 5 | 5 | 2 | 1 | 34 | 9 |
- 「-」は出場記録なし、または詳細不明を示す。
- 総通算(日本国内)の「リーグ戦出場」「リーグ戦得点」にはJFL、J2、J3リーグの成績を含む。
- 総通算(日本国内)の「カップ戦出場」「カップ戦得点」には流通経済大学および横浜FCでの天皇杯出場を含む。
- 総通算(キャリア全体)の「リーグ戦出場」「リーグ戦得点」には金浦FCのK3リーグ成績を含む。
- 総通算(キャリア全体)の「カップ戦出場」「カップ戦得点」にはプレストン・ライオンズFCでのFFAカップ成績を含む。
- トンベンセFCは期限付き移籍期間が短く、公式戦出場はなかった。
4. タイトルと個人賞
立花歩夢選手が獲得した主要なタイトルおよび個人賞を以下に記す。
4.1. クラブタイトル
- 流通経済大学付属柏高校
- 高円宮杯プレミアリーグEAST:1回(2013年)
- 高円宮杯チャンピオンシップ:1回(2013年)
- 流通経済大学
- 第66回全日本大学サッカー選手権大会:1回(2017年)
4.2. 個人賞
- 全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会・得点王:1回(2013年)
- 全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会・優秀選手:1回(2013年)
5. プレースタイルとポジション
立花歩夢の主なポジションはフォワード(FW)である。右足を利き足とし、得点に絡むプレーを得意としている。その攻撃的なプレースタイルは、特に高校や大学時代における重要な局面での得点貢献に表れている。