1. 概要
アラ・イワノヴナ・ヴァジェニナは、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国のシャドリンスクで生まれ、後にカザフスタン代表として活躍したウェイトリフティング選手である。彼女は2008年の北京オリンピックで女子75kg級に出場し、当初は銀メダルを獲得したが、後に他の選手のドーピング違反により金メダルに繰り上げられた。また、同年のアジアウェイトリフティング選手権でも銀メダルを獲得している。
2. 生涯と背景
アラ・イワノヴナ・ヴァジェニナは、1983年5月29日にソビエト連邦のロシア・ソビエト連邦社会主義共和国、クルガン州のシャドリンスクで生まれた。彼女の幼少期に関する詳細な情報は公開されていない。
3. ウェイトリフティング競技歴
ヴァジェニナは、1997年にウェイトリフティング競技に本格的に入門し、そのキャリアをスタートさせた。
3.1. ウェイトリフティングへの入門と初期の活動
1997年にウェイトリフティングの道を歩み始めたヴァジェニナは、初期からその才能を示した。2003年7月にはイタリアのパヴィアで開催された大学ウェイトリフティング・ワールドカップに出場し、女子63kg級で銀メダルを獲得した。この大会ではタイのカセン・チュバンに次ぐ成績を収めた。
3.2. 国籍変更
ヴァジェニナは当初、ロシアの代表チームでの活躍を目指していたが、2007年のロシア国内代表選考で落選したことを機に、国際大会での出場機会を求めてカザフスタンへの国籍変更を決意した。これにより、彼女はカザフスタン代表として国際舞台に立つこととなった。
3.3. 主な大会での成果
カザフスタン代表となったヴァジェニナは、主要な国際大会で目覚ましい成績を収めた。
2008年4月、日本の金沢市で開催された2008年アジアウェイトリフティング選手権にカザフスタン代表として出場した。女子75kg級において、インプレッション(スナッチ)120 kg、クリーン&ジャーク146 kg、合計266 kgを記録し、中国の曹磊に次いで銀メダルを獲得した。
同年8月には、中国の北京市で開催された2008年北京オリンピックに出場した。女子75kg級で、インプレッション(スナッチ)119 kg、クリーン&ジャーク147 kg、合計266 kgの記録を残し、ここでも曹磊に次いで銀メダルを獲得した。
3.4. メダルの繰り上げ
2008年北京オリンピックで獲得したヴァジェニナの銀メダルは、後に金メダルに繰り上げられることとなった。これは、当初金メダルを獲得した中国の曹磊が、2016年10月に実施されたドーピング再検査で陽性反応を示し、メダルを剥奪されたためである。この結果を受け、ヴァジェニナは2017年1月に正式に金メダルを継承した。
4. 受賞歴と表彰
ヴァジェニナは、そのスポーツでの功績が認められ、カザフスタン政府から公式な表彰を受けている。彼女は「パルサト勲章」(Парасат орденіパラサト・オルデニカザフ語)を受章した。この勲章は、カザフスタンの文化、科学、経済、社会、教育、スポーツなどの分野で顕著な功績を挙げた人物に授与される栄誉ある賞である。