1. 概要
和田倫季(わだ ともき)は、日本のプロサッカー選手である。主に攻撃的ミッドフィールダーとしてプレーし、これまでに日本、韓国、オーストラリア、インドネシア、モルディブ、シンガポールの複数のクラブで活躍してきた。サッカー指導者の和田昌裕を父に持ち、サッカー選手の和田篤紀を兄に持つサッカー一家の出身である。
2. 個人情報と背景
和田倫季は1994年に神戸市で生まれ、サッカー一家に育った。身長172 cm、体重57 kgで、主に攻撃的ミッドフィールダーとしてプレーする。
2.1. 出生と家族
和田倫季は1994年10月30日に兵庫県神戸市で生まれた。父はサッカー指導者の和田昌裕であり、兄もサッカー選手の和田篤紀である。兄弟が同じチームでプレーした経験もあるなど、家族とのつながりが深い。
2.2. 身体的特徴とポジション
和田倫季の身長は172 cm、体重は57 kgである。利き足は右足。主なポジションはMF、特に攻撃的ミッドフィールダーとして知られている。
3. 選手経歴
和田倫季はヴィッセル神戸のユースで育ち、プロとして日本、韓国、オーストラリア、インドネシア、モルディブ、シンガポールのクラブを渡り歩いてきた。
3.1. ユース経歴
和田倫季はプロサッカー選手となる以前から、地元のクラブやヴィッセル神戸の育成組織でサッカーの技術を磨いた。
- 2004年 - 2006年: 神戸FCボーイズ(神戸市立鶴甲小学校)
- 2007年 - 2009年: ヴィッセル神戸ジュニアユース(神戸市立長峰中学校)
- 2010年 - 2012年: ヴィッセル神戸U-18(神戸科学技術高等学校)
3.2. プロクラブ経歴
和田倫季は、日本を皮切りにアジアやオーストラリアの様々なプロクラブでプレーし、そのキャリアを築いてきた。
3.2.1. ヴィッセル神戸(日本)
2013年シーズンより、ユース時代を過ごしたヴィッセル神戸のトップチームに昇格し、プロとしてのキャリアをスタートさせた。2013年から2015年までヴィッセル神戸に所属し、2013年にはJリーグカップで1試合に出場した。Jリーグでの出場機会は限られていた。2016年1月に神戸との契約が満了となり退団した。
3.2.2. Jリーグ・アンダー22選抜(日本)
2014年にはJ3の育成選抜チームであるJリーグ・アンダー22選抜のメンバーとして、リーグ戦12試合に出場した。
3.2.3. 仁川ユナイテッドFC(韓国)
2015年7月31日、Kリーグクラシックの仁川ユナイテッドFCへ期限付き移籍した。仁川ユナイテッドでは、釜山アイパーク戦でKリーグデビューを果たし、続く大田シチズンとの試合でKリーグ初ゴールを記録した。2015シーズン終了後、ヴィッセル神戸との契約満了に伴い、仁川ユナイテッドからも退団した。Kリーグでの登録名は「倫季」(토모키Tomoki韓国語)であった。
3.2.4. 光州FC(韓国)
2016年より、韓国の光州FCに完全移籍した。和田は光州FCにとって初のアジア国籍の外国人選手となった。2017年7月まで光州FCに所属した。
3.2.5. ソウルイーランドFC(韓国)
2017年7月27日、兄の和田篤紀が所属する韓国KリーグチャレンジのソウルイーランドFCに移籍した。これにより、兄弟が同じクラブでプレーする経験を得た。7月30日の安山グリナースFCとのホームゲームでクラブデビューを果たした。Kリーグでの登録名は「トモキ」(토모키Tomoki韓国語)に変更された。2017シーズン終了後、契約満了によりソウルイーランドFCを退団した。
3.2.6. レイジェンド滋賀FC(日本)
Kリーグを離れた後、2018年4月に日本の関西リーグ2部に所属するレイジェンド滋賀FCに加入した。ここでは13試合に出場し、2ゴールを記録した。同年12月に退団が発表された。
3.2.7. コリマル・レンジャーズFC(オーストラリア)
2019年にはオーストラリアへ渡り、イラワラプレミアリーグ(オーストラリアの6部リーグに相当)のコリマル・レンジャーズFCに移籍した。
3.2.8. ロックデール・シティ・サンズFC(オーストラリア)
2020年、オーストラリアのセミプロリーグであるロックデール・シティ・サンズFCと3年契約を結んだ。ロックデールでは52試合に出場し、14ゴールを挙げる活躍を見せた。2020年のニューサウスウェールズ・プレミアリーグ決勝進出に貢献したが、決勝ではシドニー・ユナイテッド58FCに敗れた。
3.2.9. TIRA ペルシカボ(インドネシア)
オーストラリアでの成功を経て、2022年7月にインドネシアのリーガ1に所属するTIRA ペルシカボと2年契約を締結した。ここでは12試合に出場し、2ゴールを記録したが、シーズン途中で契約を解除しクラブを離れた。
3.2.10. アボンデールFC(オーストラリア)
2023年には再びオーストラリアへ戻り、ナショナル・プレミアリーグ・ビクトリアのアボンデールFCでプレーした。ここでは2試合に出場した。
3.2.11. マジヤ・スポーツ・アンド・レクリエーション・クラブ(モルディブ)
2023年から2024年にかけて、モルディブのマジヤ・スポーツ・アンド・レクリエーション・クラブに所属した。この期間中、AFCカップのモフン・バガン戦でゴールを記録するなど、6試合に出場し1ゴールを挙げた。
3.2.12. タンジョン・パガー・ユナイテッドFC(シンガポール)
2024年、シンガポール・プレミアリーグのタンジョン・パガー・ユナイテッドFCに加入し、現在も所属している。
3.3. クラブ成績
シーズン | クラブ | リーグ | リーグ出場 | リーグ得点 | カップ出場 | カップ得点 | その他出場 | その他得点 | 通算出場 | 通算得点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2013 | ヴィッセル神戸 | J2 | 0 | 0 | 1 | 0 | - | - | 1 | 0 |
2014 | J1 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | |
2015 | J1 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | |
2014 | Jリーグ・アンダー22選抜 | J3 | 12 | 0 | - | - | - | - | 12 | 0 |
2015 | 仁川ユナイテッドFC | Kリーグ | 3 | 1 | - | - | - | - | 3 | 1 |
2016 | 光州FC | Kリーグ | 5 | 0 | - | - | - | - | 5 | 0 |
2017 | 2 | 0 | - | - | - | - | 2 | 0 | ||
2017 | ソウルイーランドFC | Kチャレンジ | 2 | 0 | - | - | - | - | 2 | 0 |
2018 | レイジェンド滋賀FC | 関西2部 | 13 | 2 | - | - | - | - | 13 | 2 |
2019 | コリマル・レンジャーズFC | イラワラ・プレミアリーグ | - | - | - | - | - | - | - | - |
2020-2022 | ロックデール・シティ・サンズFC | NSWプレミアリーグ | 52 | 14 | - | - | - | - | 52 | 14 |
2022 | TIRA ペルシカボ | リーガ1 | 12 | 2 | - | - | - | - | 12 | 2 |
2023 | アボンデールFC | ナショナル・プレミアリーグ・ビクトリア | 2 | 0 | - | - | - | - | 2 | 0 |
2023-2024 | マジヤ・スポーツ・アンド・レクリエーション・クラブ | ディヴェヒ・プレミアリーグ | 6 | 1 | - | - | 1 | 0 | 7 | 1 |
2024 | タンジョン・パガー・ユナイテッドFC | シンガポール・プレミアリーグ | - | - | - | - | - | - | - | - |
総通算 | 109 | 20 | 1 | 0 | 1 | 0 | 111 | 20 |
4. プレースタイル
和田倫季は主に攻撃的ミッドフィールダーとしてプレーする。そのプレースタイルは、得点に絡む積極的な攻撃参加と、試合を組み立てる能力が特徴である。
5. 受賞歴
和田倫季が個人として受賞した賞、および所属チームが主要大会で達成した成績を以下に列挙する。
5.1. 個人受賞歴
- ニューサウスウェールズ・プレミアリーグ 年間最優秀選手賞: 2020年、2021年
- ナショナル・プレミアリーグNSW ベスト16: 2021年
5.2. チーム受賞歴および準優勝
- J2リーグ 準優勝: 2013年(ヴィッセル神戸)
- Kリーグ1 準優勝: 2015年(仁川ユナイテッドFC)
- ニューサウスウェールズ・プレミアリーグ 準優勝: 2020年(ロックデール・シティ・サンズFC)
6. オーストラリア州代表としての出場歴
オーストラリアのロックデール・シティ・サンズFCでプレーしていた時期に、ニューサウスウェールズ州代表としてクイーンズランド州代表との「ステート・オブ・オリジン」試合のメンバーに選出された経験がある。
7. 関係人物
- 和田昌裕: 父、サッカー指導者。
- 和田篤紀: 兄、サッカー選手。ソウルイーランドFCで共にプレーした経験を持つ。