1. 概要
本項目では、東京都出身の元プロサッカー選手、近江友介の生涯、主要な経歴、クラブおよび日本代表での実績、個人成績について包括的に紹介する。
2. 初期生い立ちと背景
近江友介の幼少期から学生時代にかけての背景は、彼のサッカーキャリアの基盤を築いた重要な時期である。
2.1. 幼少期と成長過程
近江友介は1946年12月26日に東京都で生まれた。都内の小学校に入学後すぐに群馬県前橋市へ転居し、その後小学4年生の時には埼玉県浦和市(現さいたま市)へと再び転居した。これらの転居は、彼の幼少期の環境に多様性をもたらした。
2.2. 学生時代
近江は浦和市立高等学校に進学し、サッカー部で才能を開花させた。高校3年次には主将を務め、日高憲敬や鈴木保らと共に、1965年度の全国高等学校サッカー選手権大会で優勝に貢献した。この高校時代の経験は、彼にとって大きな成功体験となった。高校卒業後、法政大学に進学し、大学サッカー部でプレーを続けた。
3. クラブ経歴
近江友介は、学生時代からプロキャリアを通じて複数のクラブに所属し、特に日立製作所サッカー部ではチームの主要な成功に貢献した。
3.1. 所属クラブ
近江友介がサッカー選手として所属した主なチームは以下の通りである。
- 浦和市立高等学校
- 法政大学
- 1970年 - 1974年 日立製作所
3.2. クラブでの成績
法政大学を卒業後、近江は1970年に日立製作所に入部し、プロキャリアをスタートさせた。日立製作所では、チームの黄金期を支える重要な選手として活躍した。
1972年には、日立製作所が日本サッカーリーグで優勝を果たし、さらに天皇杯も制覇し、二冠を達成した。翌1973年には、日本サッカーリーグで2位となり、再び天皇杯で優勝を飾った。近江は1974年に現役を引退するまで、日立製作所でプレーを続けた。
日立製作所でのリーグ戦通算成績は、49試合出場8得点である。
4. 日本代表経歴
近江友介は、1970年に日本代表に選出され、国際舞台での経験も積んだ。
4.1. 代表デビューと参加
近江友介は1970年8月4日にタイ代表との試合で日本代表としてデビューを果たした。この試合はムルデカ大会の一環として行われた。
4.2. 主要参加大会
近江は1970年に開催されたアジア競技大会やムルデカ大会など、主要な国際大会に日本代表選手として出場した。この年、彼は日本代表として国際Aマッチ5試合に出場し、1得点を記録している。
出場した主な国際Aマッチは以下の通りである。
4.3. 得点数
日本代表での唯一の得点は、1970年8月10日のムルデカ大会、シンガポール戦で記録された。
5. 個人成績
近江友介のクラブおよび日本代表での詳細な個人成績は以下の通りである。
5.1. クラブ別成績
近江友介の日立製作所におけるリーグ戦のシーズンごとの成績は以下の通りである。
クラブパフォーマンス | リーグ | JSL杯 | 天皇杯 | 期間通算 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シーズン | クラブ | リーグ | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 |
日本 | リーグ | JSL杯 | 天皇杯 | 期間通算 | ||||||
1970 | 日立 | JSL | 14 | 3 | - | |||||
1971 | JSL | 11 | 3 | - | ||||||
1972 | JSL1部 | 5 | 0 | - | ||||||
1973 | JSL1部 | 8 | 0 | |||||||
1974 | JSL1部 | 11 | 2 | - | ||||||
総通算 | 49 | 8 |
5.2. 日本代表成績
近江友介の日本代表チームでの通算出場試合数、得点数、および出場した主要試合の記録は以下の通りである。
日本代表 | ||
---|---|---|
年 | 出場 | ゴール |
1970 | 5 | 1 |
通算 | 5 | 1 |
6. 評価
近江友介は、1965年の全国高等学校サッカー選手権大会での優勝に主将として貢献するなど、学生時代からその才能を発揮した。プロ入り後は日立製作所のフォワードとして、1972年の日本サッカーリーグと天皇杯の二冠達成、そして1973年の天皇杯連覇に大きく貢献した。彼の得点力と献身的なプレーは、当時の日立製作所の攻撃陣にとって不可欠な要素であった。また、1970年には日本代表にも選出され、国際舞台でも活躍を見せた。そのキャリアを通じて、近江友介は日本のサッカー界において、特に1970年代前半の重要な選手の一人として記憶されている。