1. 幼少期と背景
カタリナ・メンツは1990年10月8日にドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州にあるバックナングで、ハンス=ユルゲン・メンツとタニア・メンツの娘として生まれた。彼女は6歳の時に、地元のTSGバックナング傘下の柔道クラブに入門し、柔道の道を歩み始めた。
2. 経歴
カタリナ・メンツの柔道キャリアは、ジュニア時代に頭角を現し、その後シニア大会で国際的な成功を収め、複数の主要なメダルを獲得するまでに発展した。
2.1. ジュニア時代
2009年、フランスのパリで開催された世界ジュニア柔道選手権大会の44kg級において、決勝に進出した。決勝では日本の蓬田智佳に惜敗したものの、銀メダルを獲得し、その才能を国際舞台で示した。この活躍が認められ、翌2010年にはドイツのナショナルチームに選出された。同年には、U23ヨーロッパ選手権の48kg級で5位に入賞するなど、着実に経験を積んだ。
2.2. シニアキャリア初期
ジュニア時代を経て、メンツ選手は階級を48kg級に上げ、シニア大会での活動を本格化させた。シニアデビュー当初は目立った実績を残すことができなかったが、2017年のグランプリ・ハーグで3位に入賞し、自身にとって初となるIJFワールド柔道ツアーでのメダルを獲得することになった。この成功を皮切りに、彼女は国際舞台での存在感を高めていった。2018年のグランドスラム・エカテリンブルグ、2019年のグランプリ・マラケシュ、グランプリ・フフホト、グランドスラム・アブダビといった主要大会でいずれも3位を獲得し、安定した成績を収めた。しかし、2017年の世界柔道選手権大会(ハンガリーのブダペスト開催)や2019年のヨーロッパ競技大会(ベラルーシのミンスク開催)では、いずれも48kg級で初戦敗退を喫している。
2.3. 主要国際大会での活躍
2020年、チェコのプラハで開催されたヨーロッパ柔道選手権大会では、女子48kg級で銅メダルを獲得した。2021年にはカタールのドーハで開催された柔道ワールドマスターズの女子48kg級に出場した。
同年7月には、日本の東京で日本武道館を舞台に開催された2020年東京オリンピックの柔道競技に、ドイツ代表として出場した。個人戦の女子48kg級では初戦でチリのマリー・デ・バルガス・レーに技ありで敗れた。しかし、混合団体では、選手として登録されており、実際の試合には出場しなかったものの、チームの一員として銅メダルを獲得した。
2022年には、ウズベキスタンのタシュケントで開催された世界柔道選手権大会の女子48kg級で決勝まで進出した。決勝では日本の世界チャンピオンである角田夏実に合技で敗れたが、見事銀メダルを獲得し、キャリア最大の成果の一つとした。同年にはヨーロッパオープン・マドリードで優勝、ヨーロッパオープン・リッチョーネ(ローマ)で3位となるなど、地域大会でも安定した成績を残している。
2023年にはカタールのドーハで開催された世界柔道選手権大会の女子48kg級に出場し、またオーストラリアのパースで開催されたオセアニアオープン・パースで3位に入賞した。2024年、フランスのパリで開催された2024年パリオリンピックの柔道競技の女子48kg級では、再び初戦敗退となった。
国際柔道連盟(IJF)が発表する世界ランキングでは、2024年6月25日現在、1873ポイントを獲得し、21位に位置している。
3. 主な戦績
カタリナ・メンツの主な戦績を以下に示す。彼女は数々の国際大会でメダルを獲得し、そのキャリアを彩ってきた。
3.1. オリンピック
- 2020年東京オリンピック(2021年開催):混合団体で銅メダルを獲得。
- 2024年パリオリンピック:女子48kg級に出場したが、初戦敗退。
3.2. 世界選手権
- 2009年世界ジュニア柔道選手権大会(パリ):44kg級で銀メダルを獲得。
- 2017年世界柔道選手権大会(ブダペスト):48kg級で初戦敗退。
- 2022年世界柔道選手権大会(タシュケント):48kg級で銀メダルを獲得。
- 2023年世界柔道選手権大会(ドーハ):48kg級に出場。
3.3. ヨーロッパ選手権
- 2010年U23ヨーロッパ選手権:5位。
- 2019年ヨーロッパ競技大会(ミンスク):48kg級で初戦敗退。
- 2020年ヨーロッパ柔道選手権大会(プラハ):48kg級で銅メダルを獲得。
3.4. その他の国際大会
年 | 大会 | 順位 | 階級 |
---|---|---|---|
2017 | グランプリ・ハーグ | 3位 | 48kg級 |
2018 | グランドスラム・エカテリンブルグ | 3位 | 48kg級 |
2019 | グランプリ・マラケシュ | 3位 | 48kg級 |
2019 | グランプリ・フフホト | 3位 | 48kg級 |
2019 | グランドスラム・アブダビ | 3位 | 48kg級 |
2019 | オセアニアオープン・パース | 3位 | 48kg級 |
2021 | 柔道ワールドマスターズ(ドーハ) | 出場 | 48kg級 |
2022 | ヨーロッパオープン・マドリード | 優勝 | 48kg級 |
2022 | ヨーロッパオープン・リッチョーネ | 3位 | 48kg級 |
2023 | オセアニアオープン・パース | 3位 | 48kg級 |