1. 概要
ト・ギョンドンは、1999年に永川市で生まれた韓国のフェンシング選手である。オソン中学校、オソン高等学校、東義大学校でフェンシングの腕を磨き、ジュニア時代から頭角を現した。2019年にはU-23アジア選手権大会で個人・団体ともに金メダルを獲得。2021年にシニア国家代表に選出され、ワールドカップやユニバーシアードなどの国際大会で好成績を収めた。2023年からは国軍体育部隊に所属し、兵役中も選手活動を継続。特に2024年の2024年パリオリンピック男子サーブル団体戦では、決勝で決定的な活躍を見せ、大韓民国チームの金メダル獲得に大きく貢献した。この功績により、兵役特例の恩恵を受け早期除隊が決定し、オリンピック後も国内大会で個人優勝を飾るなど、その後の活躍も期待されている。
2. 生涯と教育
ト・ギョンドンは、1999年8月19日に大韓民国の永川市で生まれた。身長は188 cm。
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2.1. 学生時代とフェンシングの経歴
ト・ギョンドンは大邱広域市にあるオソン中学校でフェンシングを始め、その後オソン高等学校に進学し、1992年のバルセロナオリンピックに出場経験のあるイ・スンヨンコーチの指導のもと、サーブル競技に打ち込んだ。高校卒業後は釜山広域市の東義大学校に進学し、体育学を専攻した。
3. 初期キャリアと国家代表選出
学生時代からその才能を発揮し、U-23世代で国家代表に選出されるなど、早くから国際舞台での活躍が期待された。
3.1. ジュニア時代の活躍とU-23国家代表
東義大学校2年次だった2019年には、全国大会で学校チームを準優勝に導く活躍を見せた。同年、大韓民国U-23国家代表に選出され、タイ王国バンコクで開催されたアジアU-23フェンシング選手権大会に出場。この大会で個人戦と団体戦の両方で金メダルを獲得し、2冠を達成した。
3.2. シニア国家代表デビュー
2021年には、国内大会である大統領杯全国フェンシング選手権大会でベスト4に進出したことを契機に、シニア国家代表に選出された。同年11月にはフランスオルレアンで開催されたグランプリ大会でシニア国家代表として国際大会デビューを果たし、16位の成績を収めた。2022年11月にはアルジェリアアルジェで開催されたワールドカップに出場し、団体戦で準優勝に貢献した。
4. 兵役と主要国際大会
兵役期間中も選手活動を継続し、主要な国際大会で優れた成績を収めた。
4.1. 入隊と兵役中の選手活動
2023年4月、ト・ギョンドンは国軍体育部隊に入隊し、兵役義務を遂行することになった。兵役期間中もフェンシング選手としての活動を継続し、国内外の大会に出場した。
4.2. 2023年FISU夏季ワールドユニバーシティゲームズ
2023年7月には、中華人民共和国成都市で開催された2023年FISU夏季ワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)に出場した。個人戦では24位に終わったものの、パク・サンウォン、ソン・ヒョンモ、ファン・ヒョンホと共に男子サーブル団体戦に出場し、決勝でイタリアに次ぐ銀メダルを獲得した。
5. 2024年パリオリンピック
ト・ギョンドンのキャリアにおける最大のハイライトは、2024年パリオリンピックでの金メダル獲得である。
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5.1. 代表チーム選出と準備
ト・ギョンドンは、2024年パリオリンピックの男子サーブル代表チームに選出された。彼は、準々決勝と準決勝では控え選手として出場機会がなかったが、常に自身の出番に備え、入念な準備を進めていた。
5.2. 男子サーブル団体戦金メダル
男子サーブル団体戦の決勝戦では、ハンガリーとの対戦中に、大韓民国チームが30対29でリードしている状況で、ト・ギョンドンは交代選手として出場した。彼はこの局面でクリスティアーン・ラッブ選手から失点することなく、連続で5点を獲得するという決定的な活躍を見せた。このト・ギョンドンの貢献により、大韓民国チームは最終的に45対41で勝利し、金メダルを獲得した。
6. オリンピック後の活動と評価
パリオリンピックでの金メダル獲得は、ト・ギョンドンのキャリアに大きな転機をもたらし、その後の活動にも影響を与えた。
6.1. 国家代表選考大会と早期除隊
2024年パリオリンピックでの金メダル獲得により、ト・ギョンドンは兵役特例の対象となり、兵役義務を2ヶ月早く終えることができた。オリンピック後の2024年後半には、国内で開催された大統領杯全国フェンシング選手権大会と国家代表選考大会の個人戦で優勝するなど、その実力を再び証明した。