1. 概要
アレクセイ・ボリソヴィチ・チェレミシノフ(Алексей Борисович Черемисиновアレクセイ・ボリソヴィチ・チェレミシノフロシア語、1985年7月9日生まれ)は、ロシアのフェンシング選手であり、フルーレを専門とする右利きの選手である。彼は2016年リオデジャネイロオリンピックの男子フルーレ団体戦で金メダルを獲得したオリンピックチャンピオンであり、2014年の個人世界選手権で優勝した世界チャンピオンでもある。また、ヨーロッパ選手権では個人戦で2度、団体戦で2度優勝するなど、数々の国際的なタイトルを手にしている。彼は中央スポーツクラブ(CSKA)とMGFSOに所属している。
2. 生い立ちとフェンシングへの道
アレクセイ・チェレミシノフは、7歳の時に自宅の近くにフェンシング場があったことがきっかけでこのスポーツを始めた。彼の最初のコーチはレフ・コレシュコフであった。
3. 主な競技キャリア
アレクセイ・チェレミシノフの競技キャリアは、2007年のロシア代表チーム加入から始まり、数々の国際大会で輝かしい実績を残してきた。特に、オリンピックでの出場経験や金メダル獲得、世界選手権やヨーロッパ選手権での個人・団体タイトル獲得は、彼のキャリアにおける重要な節目となっている。
3.1. ナショナルチームデビューと初期のオリンピック出場
チェレミシノフは2007年にロシア代表チームに加わった。彼は2008年夏季オリンピックへの出場を目指したが、リスボンで開催された予選トーナメントの準々決勝でルーマニアのヴィルジル・サリシカンに敗れ、その希望は打ち砕かれた。
2012年ロンドンオリンピックでは、男子フルーレ個人戦に出場したが、準々決勝でイタリアのアンドレア・バルディーニに敗れた。団体戦では、ロシアは初戦でドイツと対戦し、チェレミシノフは最終リレーを3ヒットリードで迎えたものの、ペーター・ヨッピヒに対してリードを維持できず、ロシアは40対44で敗れた。最終的にロシアチームは5位という成績を収めた。
3.2. 世界選手権・ヨーロッパ選手権での成功
チェレミシノフは、世界選手権とヨーロッパ選手権の両方で輝かしい成功を収めている。2014年、ロシアのカザンで開催された世界選手権では、男子フルーレ個人戦で金メダルを獲得し、世界チャンピオンの栄誉に輝いた。この大会は彼のキャリアにおける大きな転換点となった。彼はまた、2012年にイタリアのレニャーノ、2018年にセルビアのノヴィ・サドで開催されたヨーロッパ選手権で、個人戦の金メダルを2度獲得している。さらに、団体戦でも2016年ポーランドのトルン、2018年ノヴィ・サドで金メダルを獲得するなど、複数回のヨーロッパチャンピオンに輝いている。これらの成功は、彼が個人としてもチームの一員としても、世界のトップレベルで安定した実力を示していることを証明している。
3.3. 2016年リオオリンピック金メダルとその後
アレクセイ・チェレミシノフのキャリアの頂点の一つは、2016年リオデジャネイロオリンピックでの男子フルーレ団体戦での金メダル獲得である。ブラジルのリオデジャネイロで開催されたこの大会で、彼はチームの一員として傑出したパフォーマンスを発揮し、ロシアチームの優勝に大きく貢献した。この勝利は、2012年ロンドンオリンピックでのチームの挫折を乗り越え、彼の献身と努力が実を結んだ瞬間であった。オリンピックでの金メダル獲得後も、彼は国際舞台での活動を継続し、グランプリやワールドカップなど、数多くの主要大会でメダルを獲得し続けている。彼の粘り強い競技活動は、その卓越した技術と精神力の証である。
4. メダル記録
アレクセイ・チェレミシノフがこれまでのキャリアで獲得した主要な国際大会のメダル記録を以下に示す。
4.1. オリンピック
年 | 開催地 | 種目 | 順位 |
---|---|---|---|
2016 | リオデジャネイロ、ブラジル | 男子フルーレ団体 | 1位 |
4.2. 世界選手権
4.3. ヨーロッパ選手権
年 | 開催地 | 種目 | 順位 |
---|---|---|---|
2007 | ヘント、ベルギー | 男子フルーレ団体 | 2位 |
2008 | キーウ、ウクライナ | 男子フルーレ団体 | 2位 |
2010 | ライプツィヒ、ドイツ | 男子フルーレ団体 | 2位 |
2011 | シェフィールド、イギリス | 男子フルーレ個人 | 3位 |
2011 | シェフィールド、イギリス | 男子フルーレ団体 | 3位 |
2012 | レニャーノ、イタリア | 男子フルーレ個人 | 1位 |
2013 | ザグレブ、クロアチア | 男子フルーレ個人 | 2位 |
2014 | ストラスブール、フランス | 男子フルーレ個人 | 2位 |
2014 | ストラスブール、フランス | 男子フルーレ団体 | 3位 |
2015 | モントルー、スイス | 男子フルーレ団体 | 2位 |
2016 | トルン、ポーランド | 男子フルーレ団体 | 1位 |
2017 | トビリシ、ジョージア | 男子フルーレ団体 | 2位 |
2018 | ノヴィ・サド、セルビア | 男子フルーレ個人 | 1位 |
2018 | ノヴィ・サド、セルビア | 男子フルーレ団体 | 1位 |
2019 | デュッセルドルフ、ドイツ | 男子フルーレ個人 | 3位 |
4.4. グランプリおよびワールドカップ
種類 | 年 | 開催地 | 種目 | 順位 |
---|---|---|---|---|
グランプリ | 2011 | ヴェネツィア、イタリア | 男子フルーレ個人 | 3位 |
グランプリ | 2013 | 東京、日本 | 男子フルーレ個人 | 1位 |
グランプリ | 2014 | トリノ、イタリア | 男子フルーレ個人 | 1位 |
ワールドカップ | 2007 | 東京、日本 | 男子フルーレ個人 | 1位 |
ワールドカップ | 2009 | エスピニョ、ポルトガル | 男子フルーレ個人 | 1位 |
ワールドカップ | 2013 | ボン、ドイツ | 男子フルーレ個人 | 3位 |
ワールドカップ | 2014 | ボン、ドイツ | 男子フルーレ個人 | 2位 |
ワールドカップ | 2014 | ハバナ、キューバ | 男子フルーレ個人 | 3位 |
ワールドカップ | 2018 | ボン、ドイツ | 男子フルーレ個人 | 1位 |
ワールドカップ | 2018 | サンクトペテルブルク、ロシア | 男子フルーレ個人 | 3位 |
ワールドカップ | 2019 | 東京、日本 | 男子フルーレ個人 | 3位 |
ワールドカップ | 2020 | パリ、フランス | 男子フルーレ個人 | 3位 |