1. 概要
アルフレッド・キーワ・イエゴ (Alfred Kirwa Yegoアルフレッド・キルワ・イエゴ英語)は、ケニア出身の陸上競技選手である。専門は中距離走の800mを主とし、時に1500mにも出場する。彼は1986年11月28日にエルドレットで生まれ、身長は1.75 m、体重は56 kgである。
イエゴは、2007年の世界陸上選手権大阪大会で800mの金メダルを獲得したことで最もよく知られている。また、2008年の北京オリンピックでは同種目で銅メダルを、2009年の世界陸上選手権ベルリン大会では銀メダルを獲得するなど、数々の主要な国際大会で実績を残し、そのキャリアを通じて輝かしい成績を収めてきた。
2. 幼少期と背景
2.1. 出生と家族
アルフレッド・キーワ・イエゴは、1986年11月28日にケニアのエルドレットで生まれた。彼のいとこには、2013年世界陸上選手権の女子800mで金メダルを獲得したユニス・ジェプコエチ・サム (Eunice Jepkoech Sum英語) がいる。
2.2. 幼少期と初期の成長
イエゴの幼少期の環境に関する具体的な記述は少ないものの、彼は若い頃からその才能を発揮し、陸上競技選手としての頭角を現した。特に2004年の世界ジュニア選手権での活躍は、彼が将来を嘱望される選手であることを示していた。
3. 競技キャリア
3.1. ジュニア時代とシニア初期
イエゴは、2004年にイタリアのグロッセートで開催された世界ジュニア選手権の男子800mで2位に入り、1分47秒39の記録をマークしてその才能を示した。
しかし、翌年の2005年、フィンランドのヘルシンキで開催された世界陸上選手権の男子800mでは予選を突破できず、30位に終わった(記録は1分48秒72)。同年9月、モナコのモンテカルロで開催されたIAAFワールドアスレチックファイナルでは800mで6位に入賞し、1分47秒39を記録した。
2006年にはモーリシャスのバンブースで開催されたアフリカ陸上選手権の男子800mで3位となり、銅メダルを獲得した(記録は1分46秒85)。同年9月、ドイツのシュトゥットガルトで開催されたIAAFワールドアスレチックファイナルでは800mで8位(1分48秒01)となった。
3.2. 主要な国際大会での成功

2007年、イエゴは自身のキャリアにおいて最も輝かしい瞬間を迎えた。日本の大阪で開催された世界陸上選手権の男子800m決勝で、彼は劇的な勝利を収めた。最終直線でリードしていたカナダのゲーリー・リード (Gary Reed英語) をゴール直前でかわし、わずか100分の1秒差という僅差で勝利し、1分47秒09で金メダルを獲得した。これは彼にとってメジャーな国際大会での初優勝であった。
翌2008年、中国の北京で開催された北京オリンピックの男子800mでも、彼は表彰台に上がった。ケニアのウィルフレッド・ブンゲイ (Wilfred Bungei英語) とスーダンのイスマイル・アハメド・イスマイル (Ismail Ahmed Ismail英語) に次いで銅メダルを獲得し、1分44秒82を記録した。同年9月、ドイツのシュトゥットガルトで開催されたIAAFワールドアスレチックファイナルでは、再び800mで金メダルを獲得し、1分49秒05を記録した。

2009年にはドイツのベルリンで開催された世界陸上選手権の男子800mで、南アフリカ共和国のムブライニ・ムラウジ (Mbulaeni Mulaudzi英語) に次いで銀メダルを獲得した(記録は1分45秒35)。この数週間後、彼はイタリアのリエティで800mの自己ベストを1分42秒67に更新した。このレースではデイヴィッド・ルディシャ (David Rudisha英語) が新たなアフリカ記録を樹立し、イエゴはそれに次ぐ2位でフィニッシュした。同年9月、ギリシャのテッサロニキで開催されたIAAFワールドアスレチックファイナルでは800mで7位(1分46秒66)となった。
3.3. 後期キャリアとその他の大会
2010年、イエゴはケニアのナイロビで開催されたアフリカ陸上選手権の男子800mで銀メダルを獲得し、1分44秒85を記録した。2011年には韓国の大邱で開催された世界陸上選手権の男子800mに出場し、7位に入賞した(記録は1分45秒83)。
4. 主な成績と記録
4.1. 競技結果
年 | 大会 | 開催地 | 種目 | 結果 | 記録 |
---|---|---|---|---|---|
2004 | 世界ジュニア選手権 | イタリア・グロッセート | 800m | 2位 | 1分47秒39 |
2005 | 世界陸上選手権 | フィンランド・ヘルシンキ | 800m | 30位 (予選) | 1分48秒72 |
IAAFワールドアスレチックファイナル | モナコ・モンテカルロ | 800m | 6位 | 1分47秒39 | |
2006 | アフリカ陸上選手権 | モーリシャス・バンブース | 800m | 3位 | 1分46秒85 |
IAAFワールドアスレチックファイナル | ドイツ・シュトゥットガルト | 800m | 8位 | 1分48秒01 | |
2007 | 世界陸上選手権 | 日本・大阪 | 800m | 1位 | 1分47秒09 |
2008 | オリンピック | 中国・北京 | 800m | 3位 | 1分44秒82 |
IAAFワールドアスレチックファイナル | ドイツ・シュトゥットガルト | 800m | 1位 | 1分49秒05 | |
2009 | 世界陸上選手権 | ドイツ・ベルリン | 800m | 2位 | 1分45秒35 |
IAAFワールドアスレチックファイナル | ギリシャ・テッサロニキ | 800m | 7位 | 1分46秒66 | |
2010 | アフリカ陸上選手権 | ケニア・ナイロビ | 800m | 2位 | 1分44秒85 |
2011 | 世界陸上選手権 | 韓国・大邱 | 800m | 7位 | 1分45秒83 |
4.2. 自己ベスト
- 800m - 1分42秒67(2009年)
- 1500m - 3分33秒68(2009年)
5. コーチングとトレーニング
アルフレッド・キーワ・イエゴのコーチは、クラウディオ・ベラデリ (Claudio Berardelli英語) である。ベラデリは、オリンピックメダリストであるジャネト・ジェプコスゲイ (Janeth Jepkosgei英語) やナンシー・ラガット (Nancy Lagat英語) といった著名な選手も指導している。イエゴのトレーニング方法や練習環境に関する具体的な詳細は、現在のところ公開されていない。