1. 概要

アレクサンドラ・ポップ(Alexandra Poppアレクサンドラ・ポップドイツ語、1991年4月6日生まれ)は、ドイツ・ヴィッテン出身のプロ女子サッカー選手であり、フォワードとしてVfLヴォルフスブルクに所属しています。彼女はまた、長年にわたりドイツ女子代表の主要選手であり、キャプテンも務めました。
ポップ選手は、その多才さと強力なリーダーシップで知られ、クラブと代表チームの両方で数々のタイトルを獲得してきました。特に、2014年、2016年、そして2023年にドイツ年間最優秀女子サッカー選手に3度選出されており、その卓越した能力と影響力は女子サッカー界の象徴的存在と評されています。エリートサッカー学校で唯一の女子生徒として学んだ経験を持つなど、女子サッカーの地位向上と普及に貢献してきた彼女のキャリアは、多くの人々にインスピレーションを与えています。
2. 幼少期と背景
アレクサンドラ・ポップは1991年4月6日にドイツのヴィッテンで生まれました。幼少期からサッカーに親しみ、その才能を開花させていきました。
2.1. 幼少期と教育
ポップ選手は、ドイツサッカー連盟によって「サッカーエリート校」として認定された4校のうちの1つであるゲルゼンキルヒェンの総合学校ベルガー・フェルトに通いました。特筆すべきは、彼女が同校唯一の女子生徒であり、特例措置によってのみ入学が許可されていた点です。彼女は男子のブンデスリーガクラブであるFCシャルケ04のジュニア選手と共に学び、トレーニングを積みました。ポップ選手は12年生を終え、専門上級学校入学資格(Fachabiturファッハアビトゥーアドイツ語)を取得して学校を卒業しました。この経験は、彼女のその後のプロキャリアにおける精神的な強さや多才さに大きな影響を与えたと考えられます。
2.2. 初期キャリアの形成
ポップ選手のサッカーキャリアは、14歳になるまで男女混合チームでプレーしていたFCジルシェーデで始まりました。その後、1. FFCレックリングハウゼンに移籍し、プロデビュー前の3年間を過ごしました。この時期に、彼女は後にプロとなるための基礎を築き、技術と戦術を磨きました。2008年にはブンデスリーガのFCR 2001 デュースブルクからのオファーを受けましたが、当時オリンピック・リヨンからも打診を受けていたものの、デュースブルクを選択し、プロとしての道を歩み始めました。
3. クラブ経歴
アレクサンドラ・ポップ選手は、そのキャリアを通じてドイツの主要な女子クラブに所属し、数々の成功を収めてきました。
3.1. FCR 2001 デュースブルク
ポップ選手は2008年にFCR 2001 デュースブルクに加入し、同年9月にヘルフォルトSV戦でブンデスリーガデビューを果たしました。その3週間後にはTSVクライルスハイムを相手に8対0で勝利した試合で、自身のブンデスリーガ初ゴールを含む2得点を挙げました。
デュースブルクでの最初の年、彼女は2009年のUEFA女子カップと2009年のDFBポカール(ドイツカップ)で優勝し、カップダブルを達成しました。この功績により、彼女は2009年にフリッツ・ヴァルター・メダル女子部門の銀メダルを受賞しました。翌年には再びドイツカップのタイトルを獲得し、2009-10シーズンのブンデスリーガではチームを準優勝に導きました。2010-11シーズンには、チームの深刻な負傷者問題のため、ほとんどの試合で左サイドバックとしてプレーするなど、その多才さを示しました。
3.2. VfLヴォルフスブルク

2012-13シーズン、ポップ選手はチームメイトのルイーザ・ヴェンシングと共にVfLヴォルフスブルクに移籍しました。ヴォルフスブルクでの最初のシーズンで、彼女はブンデスリーガ、DFBポカール、UEFA女子チャンピオンズリーグの3冠(トレブル)を達成し、チームの中心選手としての地位を確立しました。
その1年後、ヴォルフスブルクはUEFA女子チャンピオンズリーグのタイトルを再び獲得し、連覇を達成しました。ブンデスリーガでは、最終節でそれまで無敗だった1.FFCフランクフルトとの直接対決が優勝決定戦となりました。フランクフルトは引き分けでも優勝できる状況でしたが、ヴォルフスブルクは勝利が必要でした。ポップ選手は試合終了間際の89分に決勝ゴールを決め、チームを劇的な逆転優勝に導きました。さらに、このシーズンもDFBポカールで優勝し、二度目の国内ダブルを達成しました。その後も、彼女はチームの攻撃を牽引し、2021-22シーズンまでにブンデスリーガで通算7回、DFBポカールで通算11回もの優勝に貢献しました。
4. 代表経歴
アレクサンドラ・ポップ選手は、ドイツ代表の各年代別チームで活躍し、その輝かしいキャリアはA代表にまで及びました。
4.1. ユース代表
ポップ選手は、2008 FIFA U-17女子ワールドカップに出場し、ドイツ代表の3位入賞に貢献しました。また、同年に行われた2008年のUEFA U-17女子選手権では、決勝でチームの2点目を挙げるなど、優勝に貢献し、自身初の国際タイトルを獲得しました。
2010年2月には、ドイツのA代表デビューを飾りましたが、その直後にはU-20世代の代表として2010 FIFA U-20女子ワールドカップに参戦しました。この大会で彼女は、全試合でゴールを決め、合計10得点を記録してシドニー・ルルー、クリスティン・シンクレアと共に大会の得点記録保持者となりました。また、大会最優秀選手に贈られるゴールデンボールも受賞し、チームを優勝に導く原動力となりました。
4.2. A代表

ポップ選手は2010年2月に行われた北朝鮮との親善試合でA代表デビューを果たしました。その2週間も経たないうちに、2010 アルガルヴェ・カップのフィンランド戦で2ゴールを挙げ、7対0の勝利に貢献しました。
2011 FIFA女子ワールドカップでは全4試合に途中出場しましたが、ドイツは準々決勝で後に優勝する日本に敗れ、大会を去りました。同年後半、彼女はUEFA欧州女子選手権2013予選のカザフスタン戦で、チームメイトのセリア・シャシッチと共に4ゴールを挙げ、ドイツ女子代表史上最多となる17対0の歴史的勝利に貢献しました。この4ゴールは、ドイツ女子選手としては7人目の快挙でした。
2015年5月24日、当時の代表監督ジルフィア・ナイトによって2015 FIFA女子ワールドカップの代表メンバーに選出されました。カナダで開催されたこの大会で、ドイツはスウェーデンやフランスといった強豪国を破ったものの、最終的に優勝国となるアメリカに敗れて4位に終わりました。ポップ選手はチームの7試合中4試合で先発出場し、1ゴールを記録しました。
さらに、ポップ選手は2016年リオデジャネイロオリンピックの代表に選ばれ、ドイツ女子代表は金メダルを獲得しました。彼女は全6試合に出場し、1ゴール2アシストを記録してチームの勝利に貢献しました。この功績により、チーム全体と共にドイツ最高のスポーツ栄誉であるジルバーネス・ロールベアブラットを受章しました。
怪我のため、UEFA欧州女子選手権2017には出場できませんでしたが、彼女のようなキープレーヤーの不在はドイツのパフォーマンスに影響を与え、チームは準々決勝でデンマークに敗れました。
2019 FIFA女子ワールドカップではドイツ代表のキャプテンを務め、グループステージ全試合にフル出場し、南アフリカ戦ではヘディングでゴールを決めました。2019年6月22日に行われたナイジェリアとのラウンド16の試合で代表通算100試合出場を達成し、その試合で先制点を挙げ、チームを勝利に導きました。
UEFA欧州女子選手権2022では、準決勝のフランス戦でドイツの全2ゴールを挙げ、チームを決勝に導きました。2023 FIFA女子ワールドカップの開幕戦となるモロッコ戦では、6対0で勝利した試合でドイツの最初の2ゴールを記録しました。この大会では、コロンビア、韓国とのグループステージ3試合全てでゴールを奪う活躍を見せましたが、チームはドイツ女子代表史上初のグループステージ敗退というまさかの結果に終わり、彼女は試合後「正直、何が起こったのか理解できない」とコメントしました。
2024年9月30日、ポップ選手は代表からの引退を発表し、10月28日の試合が彼女にとって最後の代表戦となりました。
5. 私生活
ポップ選手は、サッカーキャリアと並行して、その多才な一面も持っています。理学療法士としての1年間のインターンシップを終えた後、彼女はレーレにあるエッセホフ動物公園で3年間の飼育員見習いを成功裏に修了しました。この経験は、彼女が動物に対する深い愛情を持っていることを示しています。
私生活では、2021年に長年のパートナーであるパトリック・ヘッペと結婚しました。彼女のインスタグラムチャンネルでは、愛犬の「パッチ」の写真を定期的に投稿しており、その私的な一面を垣間見ることができます。彼女には「Poppi」という愛称があります。
6. キャリア統計
アレクサンドラ・ポップ選手のクラブおよび国家代表としての試合出場記録と得点記録は以下の通りです。
6.1. クラブ統計
| クラブ | 所属期間 | 出場 | 得点 | |
|---|---|---|---|---|
| 1.FFCレックリングハウゼン | 2007-2008 | |||
| FCR 2001 デュースブルク | 2008-2012 | 80 | 31 | |
| VfLヴォルフスブルク | 2012- | 217 | 110 |
6.2. 代表統計
6.2.1. 年代別出場記録
| 代表チーム | 年 | 出場 | 得点 |
|---|---|---|---|
| ドイツ | 2010 | 8 | 4 |
| 2011 | 13 | 10 | |
| 2012 | 10 | 5 | |
| 2013 | 8 | 3 | |
| 2014 | 9 | 2 | |
| 2015 | 14 | 7 | |
| 2016 | 15 | 4 | |
| 2017 | 6 | 5 | |
| 2018 | 10 | 4 | |
| 2019 | 13 | 9 | |
| 2020 | 2 | 0 | |
| 2021 | 3 | 0 | |
| 2022 | 13 | 8 | |
| 2023 | 11 | 6 | |
| 2024 | 9 | 0 | |
| 通算 | 144 | 67 | |
6.2.2. 得点詳細
| # | 開催日 | 開催地 | 対戦国 | スコア | 結果 | 大会 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2010年2月26日 | パルシャル、ポルトガル | フィンランド | 2-0 | 7-0 | アルガルヴェ・カップ2010 |
| 2 | 4-0 | |||||
| 3 | 2010年9月15日 | ドレスデン、ドイツ | カナダ | 3-0 | 5-0 | 親善試合 |
| 4 | 2010年11月25日 | レーバークーゼン、ドイツ | ナイジェリア | 6-0 | 8-0 | |
| 5 | 2011年6月3日 | オスナブリュック、ドイツ | イタリア | 2-0 | 5-0 | |
| 6 | 5-0 | |||||
| 7 | 2011年6月7日 | アーヘン、ドイツ | オランダ | 3-0 | 5-0 | |
| 8 | 2011年6月16日 | マインツ、ドイツ | ノルウェー | 2-0 | 3-0 | |
| 9 | 3-0 | |||||
| 10 | 2011年10月26日 | ハンブルク、ドイツ | スウェーデン | 1-0 | 1-0 | |
| 11 | 2011年11月19日 | ヴィースバーデン、ドイツ | カザフスタン | 2-0 | 17-0 | UEFA欧州女子選手権2013予選 |
| 12 | 4-0 | |||||
| 13 | 8-0 | |||||
| 14 | 12-0 | |||||
| 15 | 2012年3月5日 | パルシャル、ポルトガル | スウェーデン | 4-0 | 4-0 | アルガルヴェ・カップ2012 |
| 16 | 2012年3月31日 | マンハイム、ドイツ | スペイン | 3-0 | 5-0 | UEFA欧州女子選手権2013予選 |
| 17 | 2012年5月31日 | ビーレフェルト、ドイツ | ルーマニア | 2-0 | 5-0 | |
| 18 | 4-0 | |||||
| 19 | 5-0 | |||||
| 20 | 2013年10月26日 | コペル、スロベニア | スロベニア | 13-0 | 13-0 | 2015 FIFA女子ワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
| 21 | 2013年11月23日 | ジリナ、スロバキア | スロバキア | 5-0 | 6-0 | |
| 22 | 2013年11月27日 | オシエク、クロアチア | クロアチア | 6-0 | 8-0 | |
| 23 | 2014年3月5日 | アルブフェイラ、ポルトガル | アイスランド | 5-0 | 5-0 | アルガルヴェ・カップ2014 |
| 24 | 2014年10月29日 | エーレブルー、スウェーデン | スウェーデン | 2-1 | 2-1 | 親善試合 |
| 25 | 2015年3月6日 | ヴィラ・レアル・デ・サント・アントニオ、ポルトガル | 中華人民共和国 | 2-0 | 2-0 | アルガルヴェ・カップ2015 |
| 26 | 2015年3月9日 | パルシャル、ポルトガル | ブラジル | 1-0 | 3-1 | |
| 27 | 2015年3月11日 | スウェーデン | 2-0 | 2-1 | ||
| 28 | 2015年6月7日 | オタワ、カナダ | コートジボワール | 10-0 | 10-0 | 2015 FIFA女子ワールドカップ |
| 29 | 2015年9月18日 | ハレ、ドイツ | ハンガリー | 1-0 | 12-0 | UEFA欧州女子選手権2017・予選 |
| 30 | 9-0 | |||||
| 31 | 2015年9月22日 | ザグレブ、クロアチア | クロアチア | 1-0 | 1-0 | |
| 32 | 2016年4月8日 | イスタンブール、トルコ | トルコ | 4-0 | 6-0 | |
| 33 | 5-0 | |||||
| 34 | 2016年7月22日 | パーダーボルン、ドイツ | ガーナ | 3-0 | 11-0 | 親善試合 |
| 35 | 2016年8月3日 | サンパウロ、ブラジル | ジンバブエ | 2-0 | 6-1 | 2016年リオデジャネイロオリンピック |
| 36 | 2017年10月20日 | ヴィースバーデン、ドイツ | アイスランド | 1-1 | 2-3 | 2019 FIFA女子ワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
| 37 | 2017年10月24日 | アスパッハ、ドイツ | フェロー諸島 | 1-0 | 11-0 | |
| 38 | 6-0 | |||||
| 39 | 2017年11月24日 | ビーレフェルト、ドイツ | フランス | 1-0 | 4-0 | 親善試合 |
| 40 | 3-0 | |||||
| 41 | 2018年4月10日 | ドムジャレ、スロベニア | スロベニア | 3-0 | 4-0 | 2019 FIFA女子ワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
| 42 | 2018年9月4日 | トースハウン、フェロー諸島 | フェロー諸島 | 6-0 | 8-0 | |
| 43 | 8-0 | |||||
| 44 | 2018年10月6日 | エッセン、ドイツ | オーストリア | 1-0 | 3-1 | 親善試合 |
| 45 | 2019年4月9日 | パーダーボルン、ドイツ | 日本 | 1-1 | 2-2 | |
| 46 | 2019年5月30日 | レーゲンスブルク、ドイツ | チリ | 1-0 | 2-0 | |
| 47 | 2019年6月17日 | モンペリエ、フランス | 南アフリカ | 3-0 | 4-0 | 2019 FIFA女子ワールドカップ |
| 48 | 2019年6月22日 | グルノーブル、フランス | ナイジェリア | 1-0 | 3-0 | |
| 49 | 2019年8月31日 | カッセル、ドイツ | モンテネグロ | 2-0 | 10-0 | UEFA欧州女子選手権2022・予選 |
| 50 | 3-0 | |||||
| 51 | 5-0 | |||||
| 52 | 2019年10月8日 | テッサロニキ、ギリシャ | ギリシャ | 1-0 | 5-0 | |
| 53 | 2019年11月9日 | ロンドン、イングランド | イングランド | 1-0 | 2-1 | 親善試合 |
| 54 | 2022年7月8日 | デンマーク | 4-0 | 4-0 | UEFA欧州女子選手権2022 | |
| 55 | 2022年7月12日 | スペイン | 2-0 | 2-0 | ||
| 56 | 2022年7月16日 | ミルトン・キーンズ、イングランド | フィンランド | 2-0 | 3-0 | |
| 57 | 2022年7月21日 | ロンドン、イングランド | オーストリア | 2-0 | 2-0 | |
| 58 | 2022年7月27日 | ミルトン・キーンズ、イングランド | フランス | 1-0 | 2-1 | |
| 59 | 2-1 | |||||
| 60 | 2022年10月7日 | ドレスデン、ドイツ | フランス | 1-0 | 2-1 | 親善試合 |
| 61 | 2-0 | |||||
| 62 | 2023年7月7日 | フュルト、ドイツ | ザンビア | 2-2 | 2-3 | |
| 63 | 2023年7月24日 | メルボルン、オーストラリア | モロッコ | 1-0 | 6-0 | 2023 FIFA女子ワールドカップ |
| 64 | 2-0 | |||||
| 65 | 2023年7月30日 | シドニー、オーストラリア | コロンビア | 1-1 | 1-2 | |
| 66 | 2023年8月3日 | ブリスベン、オーストラリア | 韓国 | 1-1 | 1-1 | |
| 67 | 2023年12月1日 | ロストック、ドイツ | デンマーク | 1-0 | 3-0 | UEFA女子ネーションズリーグ2023-24 |
7. 栄誉
アレクサンドラ・ポップ選手は、クラブおよび代表チームで数多くの栄誉を獲得してきました。
7.1. クラブ栄誉
- UEFA女子カップ
- 優勝: 2008-09 (FCR 2001 デュースブルク)
- 優勝: 2012-13、2013-14 (VfLヴォルフスブルク)
- DFBポカール
- 優勝: 2008-09、2009-10 (FCR 2001 デュースブルク)
- 優勝: 2012-13、2014-15、2015-16、2016-17、2017-18、2018-19、2019-20、2020-21、2021-22、2022-23、2023-24 (VfLヴォルフスブルク)
- ブンデスリーガ
- 優勝: 2012-13、2013-14、2016-17、2017-18、2018-19、2019-20、2021-22 (VfLヴォルフスブルク)
7.2. 代表栄誉
- FIFA U-17女子ワールドカップ
- 3位: 2008 (ドイツU-17)
- UEFA U-17女子選手権
- 優勝: 2008 (ドイツU-17)
- FIFA U-20女子ワールドカップ
- 優勝: 2010 (ドイツU-20)
- 夏季オリンピック
- 金メダル: 2016 リオデジャネイロ
- 銅メダル: 2024 パリ
- UEFA女子選手権
- 準優勝: 2022
- UEFA女子ネーションズリーグ
- 3位: 2023-24
- アルガルヴェ・カップ
- 優勝: 2012、2014
7.3. 個人栄誉
- UEFA U-17女子選手権 ゴールデン・プレーヤー: 2008
- フリッツ・ヴァルター・メダル 銀賞: 2009
- FIFA U-20女子ワールドカップ ゴールデンボール: 2010
- FIFA U-20女子ワールドカップ ゴールデンシュー: 2010
- ドイツ年間最優秀女子サッカー選手賞: 2014、2016、2023
- ジルバーネス・ロールベアブラット: 2016、2024
- IFFHS 女子世界年間ベストチーム: 2020、2022
- UEFA女子選手権 シルバーブーツ: 2022
- UEFA女子選手権 ベストイレブン: 2022
- ブンデスリーガ 得点王: 2022-23
- DFBポカール 得点王: 2022-23
- FIFA女子ワールドカップ ブロンズブーツ: 2023
- ドイツ女子代表 年間最優秀選手: 2022
8. 評価と影響
アレクサンドラ・ポップ選手は、その輝かしいキャリアを通じて、ドイツ国内のみならず世界の女子サッカー界に多大な影響を与えてきました。彼女は単なる得点源にとどまらず、ピッチ上での多才なプレーと、精神的な強さ、そして揺るぎないリーダーシップを発揮することで、女子サッカーの価値と地位向上に貢献しました。
特に、ドイツサッカー連盟公認のエリート学校で唯一の女子生徒として学んだ経験は、当時の女子選手を取り巻く環境の厳しさを物語るとともに、彼女がその障壁を乗り越え、道を切り開いてきたパイオニアとしての側面を強調します。男子選手と共にトレーニングを積むことで培われた技術とフィジカル、そして逆境に立ち向かう精神力は、その後の彼女の成功の礎となりました。
長年にわたりドイツ女子代表のキャプテンを務め、オリンピック金メダルやUEFA女子選手権準優勝といった成果をチームにもたらしたことは、彼女が単なるトッププレーヤーではなく、チームを鼓舞し、団結させる真のリーダーであることを示しています。怪我による長期離脱を乗り越え、何度も復帰してトップパフォーマンスを維持したレジリエンス(困難を乗り越える力)は、多くの若手選手にとって手本となるでしょう。
2023 FIFA女子ワールドカップでのチームのグループステージ敗退という苦い経験の中でも、彼女自身は全試合で得点を挙げるなど、最後まで責任を果たそうとする姿勢は、そのプロ意識の高さと、どんな状況でも諦めない強い意志の表れでした。
このように、アレクサンドラ・ポップ選手は、そのプレーを通じて多くの感動を与え、その生き方を通じて女子サッカー界の発展に大きく貢献した、まさに女子サッカーの歴史における重要な人物の一人として評価されています。彼女の存在は、女子サッカーがさらに大きな舞台へと進化していくための重要な推進力であり、将来の世代にとっての希望の光であり続けています。