1. 概要
テア・ドングザシビリ(Теа Донгузашвилиロシア語、თეა დონღუზაშვილიテア・ドンギュザシビリグルジア語)は、グルジア・トビリシ出身のロシアの女子柔道家である。特に2004年アテネオリンピックの女子78kg超級で銅メダルを獲得したことで知られる。彼女は長年にわたり国際舞台で活躍し、世界選手権やヨーロッパ選手権でも数々のメダルを獲得した、ロシア柔道界の重要な選手の一人である。
2. 個人情報
テア・ガヨゾヴナ・ドングザシビリ(Теа Гайозовна Донгузашвилиロシア語)は、1976年6月4日にグルジアのトビリシで生まれた。身長は175 cm。彼女はグルジア出身でありながら、国際大会ではロシア代表として出場し、そのキャリアを通じてロシア柔道界に貢献した。
3. 柔道キャリア
テア・ドングザシビリは、幼少期に柔道を始め、その後サンクトペテルブルクに移住して本格的なトレーニングを積んだ。
3.1. 柔道の開始と初期のトレーニング
ドングザシビリは13歳の時に柔道を始めた。その後、サンクトペテルブルクに移住し、1992年バルセロナオリンピックの女子61kg級で銅メダルを獲得したエレーナ・ペトロワをトレーナーに迎えて指導を受けた。この初期のトレーニングが、彼女のその後の輝かしいキャリアの基礎を築いた。
3.2. オリンピックへの参加
ドングザシビリは2度のオリンピックに出場し、メダルを獲得した。
- 2004年アテネオリンピック
28歳で初めてオリンピックに出場した2004年アテネオリンピックでは、女子78kg超級に出場した。準決勝で日本の塚田真希に敗れたものの、敗者復活戦に回った。敗者復活戦ではチュニジアのインサフ・ヤヒヤウィに技ありから一本勝ちを収め、同じく敗者復活戦を勝ち上がってきた中国の孫福明と共に銅メダルを獲得した。
- 2008年北京オリンピック
続く2008年北京オリンピックでも女子78kg超級に出場したが、1回戦で中国の佟文に敗れ、再び敗者復活戦に回った。敗者復活戦の最初の試合ではウクライナのマリナ・プロコフィエワに勝利したが、次の試合で韓国のキム・ナヨンに敗れ、最終的に9位という結果に終わった。
3.3. 世界選手権大会
ドングザシビリは世界柔道選手権大会において、複数のメダルを獲得している。
3.4. ヨーロッパ選手権大会
彼女はヨーロッパ柔道選手権大会およびヨーロッパオープン選手権大会でも多くのメダルを獲得し、ヨーロッパのトップ選手としての地位を確立した。
- 2000年 ヴロツワフ(ポーランド): 女子無差別級 銅メダル
- 2001年 パリ(フランス): 女子78kg超級 銀メダル
- 2002年 マリボル(スロベニア): 女子無差別級 銀メダル
- 2003年 デュッセルドルフ(ドイツ): 女子78kg超級 銀メダル
- 2004年 ブダペスト(ハンガリー): 女子無差別級 5位 (ヨーロッパ柔道無差別級選手権)
- 2005年 ロッテルダム(オランダ): 女子78kg超級 銀メダル
- 2005年 モスクワ(ロシア): 女子無差別級 銀メダル (ヨーロッパ柔道無差別級選手権)
- 2006年 ノヴィ・サド(セルビア): 女子無差別級 金メダル (ヨーロッパ柔道無差別級選手権)
- 2006年 タンペレ(フィンランド): 女子78kg超級 5位
- 2007年 ベオグラード(セルビア): 女子78kg超級 銅メダル
- 2008年 リスボン(ポルトガル): 女子78kg超級 銀メダル
- 2010年 ウィーン(オーストリア): 女子78kg超級 銀メダル
- 2011年 イスタンブール(トルコ): 女子78kg超級 銅メダル
3.5. その他の主要大会
オリンピックや世界選手権、ヨーロッパ選手権以外にも、ドングザシビリは様々な国際大会で好成績を収めている。
3.6. 所属クラブ
ドングザシビリは、2000年以来、ウラジーミル・プーチン大統領が名誉会長を務めるヤワラ・ネヴァ柔道クラブに所属している。彼女はこのクラブの女子チームのキャプテンを務め、長年にわたりチームを牽引してきた。
4. 主な成績のまとめ
テア・ドングザシビリの主な国際大会での成績は以下の通りである。
年 | 大会 | 場所 | 種目 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2004 | オリンピック | アテネ(ギリシャ) | 女子78kg超級 | 銅メダル |
2008 | オリンピック | 北京(中国) | 女子78kg超級 | 9位 |
2003 | 世界選手権 | 大阪(日本) | 女子78kg超級 | 銅メダル |
2005 | 世界選手権 | カイロ(エジプト) | 女子78kg超級 | 5位 |
2010 | 世界選手権 | 東京(日本) | 女子無差別級 | 銅メダル |
2011 | 世界選手権 | チュメニ(ロシア) | 女子無差別級 | 銀メダル |
2000 | ヨーロッパ選手権 | ヴロツワフ(ポーランド) | 女子無差別級 | 銅メダル |
2001 | ヨーロッパ選手権 | パリ(フランス) | 女子78kg超級 | 銀メダル |
2002 | ヨーロッパ選手権 | マリボル(スロベニア) | 女子無差別級 | 銀メダル |
2003 | ヨーロッパ選手権 | デュッセルドルフ(ドイツ) | 女子78kg超級 | 銀メダル |
2004 | ヨーロッパ柔道無差別級選手権 | ブダペスト(ハンガリー) | 女子無差別級 | 5位 |
2005 | ヨーロッパ選手権 | ロッテルダム(オランダ) | 女子78kg超級 | 銀メダル |
2005 | ヨーロッパ柔道無差別級選手権 | モスクワ(ロシア) | 女子無差別級 | 銀メダル |
2006 | ヨーロッパ柔道無差別級選手権 | ノヴィ・サド(セルビア) | 女子無差別級 | 金メダル |
2006 | ヨーロッパ選手権 | タンペレ(フィンランド) | 女子78kg超級 | 5位 |
2007 | ヨーロッパ選手権 | ベオグラード(セルビア) | 女子78kg超級 | 銅メダル |
2008 | ヨーロッパ選手権 | リスボン(ポルトガル) | 女子78kg超級 | 銀メダル |
2010 | ヨーロッパ選手権 | ウィーン(オーストリア) | 女子78kg超級 | 銀メダル |
2011 | ヨーロッパ選手権 | イスタンブール(トルコ) | 女子78kg超級 | 銅メダル |
1999 | ユニバーシアード | パルマ・デ・マヨルカ(スペイン) | 女子78kg超級 | 銀メダル |
2001 | ユニバーシアード | 北京(中国) | 女子78kg超級 | 銅メダル |
2009 | グランプリ | チュニス(チュニジア) | 女子78kg超級 | 銅メダル |
2011 | ワールドカップ | ソフィア(ブルガリア) | 女子78kg超級 | 優勝 |
2011 | グランプリ | バクー(アゼルバイジャン) | 女子78kg超級 | 金メダル |