1. 概要

アリレザ・ヘイダリ(علیرضا・حیدریアリーレザ・ヘイダリーペルシア語、1976年3月4日 - )は、イランのテヘラン出身の元フリースタイルレスリング選手である。彼は2004年アテネオリンピックの男子フリースタイル96kg級で銅メダルを獲得し、また世界選手権では金メダル1個、銀メダル3個、銅メダル1個を獲得している。さらに、アジア競技大会で3連覇、アジア選手権で4度の優勝を果たすなど、輝かしい実績を残した選手として知られている。
2. 幼少期と背景
アリレザ・ヘイダリは1976年3月4日にイランの首都テヘランで生まれた。彼の家族構成は、姉妹が1人、兄弟が3人の4人兄弟姉妹である。
3. レスリング経歴
アリレザ・ヘイダリは、フリースタイルレスリング選手として長きにわたり国際大会で活躍し、多くのメダルを獲得した。彼のキャリアは1990年代半ばから2000年代にかけて続き、特にオリンピック、世界レスリング選手権大会、アジア競技大会、アジアレスリング選手権大会で顕著な成績を残した。
3.1. 主要な実績
ヘイダリは、オリンピックや世界選手権といった最高峰の舞台でメダルを獲得したほか、アジア地域では圧倒的な強さを誇った。
3.1.1. オリンピック
ヘイダリは2度のオリンピックに出場した。
- 2000年シドニーオリンピック: 男子フリースタイル97kg級で6位入賞。
- 2004年アテネオリンピック: 男子フリースタイル96kg級で銅メダルを獲得。
3.1.2. 世界選手権
彼は世界レスリング選手権大会において、複数のメダルを獲得している。
3.1.3. アジア競技大会
アジア競技大会では3連覇を達成し、アジアにおける彼の強さを印象付けた。
3.1.4. アジア選手権
アジアレスリング選手権大会でも優れた成績を残し、4度の優勝を飾った。
3.2. 詳細な試合記録
アリレザ・ヘイダリの主要な国際大会における詳細な試合結果を以下に示す。
1997年世界レスリング選手権大会(ロシア・クラスノヤルスク) / 男子フリースタイル85kg級 銅メダル | |||
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結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | ラウンド1 | クリストス・アレクサンドリディス(ギリシャ) | 6-0 |
敗北 | ラウンド2 | レス・ガッチェス(米国) | 0-3 |
勝利 | 敗者復活戦1 | ヤン・ヒョンモ(韓国) | 1-0 |
勝利 | 敗者復活戦2 | アンドレ・バックハウス(ドイツ) | 8-2 |
勝利 | 敗者復活戦3 | ニコラエ・ギーツァ(ルーマニア) | 6-1、フォール |
勝利 | 敗者復活戦4 | ヨエル・ロメロ(キューバ) | 3-1 |
勝利 | 3位決定戦 | ハジムラート・マゴメドフ(ロシア) | 5-1 |
1998年世界レスリング選手権大会(イラン・テヘラン) / 男子フリースタイル85kg級 金メダル | |||
結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | ラウンド1 | ゲイリー・ホームズ(カナダ) | 9-0 |
勝利 | ラウンド2 | 河合達雄(日本) | 4-2 |
勝利 | ラウンド3 | ヤン・ヒョンモ(韓国) | 1-0 |
勝利 | 準決勝 | ヨエル・ロメロ(キューバ) | 2-1 |
勝利 | 決勝 | マゴメド・イブラギモフ(マケドニア) | 4-0 |
1999年世界レスリング選手権大会(トルコ・アンカラ) / 男子フリースタイル97kg級 銀メダル | |||
結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | 予選 | ダン・カラビン(チェコ) | 10-0 |
勝利 | 予選 | キム・キルス(韓国) | 7-0 |
勝利 | ラウンド16 | ヴァディム・タソエフ(ウクライナ) | 2-0 |
勝利 | 準々決勝 | ダヴド・マゴメドフ(アゼルバイジャン) | 5-0 |
勝利 | 準決勝 | マレク・ガルムレヴィッチ(ポーランド) | 3-0 |
敗北 | 決勝 | サギド・ムルタザリエフ(ロシア) | 3-4 |
2000年シドニーオリンピック(オーストラリア・シドニー) / 男子フリースタイル97kg級 6位 | |||
結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | 予選 | ロルフ・シェラー(スイス) | 7-1 |
勝利 | 予選 | アフメット・ドウ(トルコ) | 6-1 |
敗北 | 準々決勝 | エルダリ・クルタニゼ(ジョージア) | 0-1 |
敗北 | 5位決定戦 | アフトンティル・サンソプーロス(ギリシャ) | 不戦敗 |
2001年世界レスリング選手権大会(ブルガリア・ソフィア) / 男子フリースタイル97kg級 16位 | |||
結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | 予選 | ロルフ・シェラー(スイス) | 6-1 |
敗北 | 予選 | ギオルギ・ゴグシェリゼ(ロシア) | 1-4、フォール |
2002年世界レスリング選手権大会(イラン・テヘラン) / 男子フリースタイル96kg級 銀メダル | |||
結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | 予選 | ソフィアン・アブドゥルラティフ(イラク) | 11-0 |
勝利 | 予選 | チェン・ダクアン(中国) | 11-0 |
勝利 | 予選 | ロルフ・シェラー(スイス) | 3-0 |
勝利 | 準決勝 | ヴァディム・タソエフ(ウクライナ) | 3-0 |
敗北 | 決勝 | エルダリ・クルタニゼ(ジョージア) | 1-2 |
2003年世界レスリング選手権大会(アメリカ・ニューヨーク) / 男子フリースタイル96kg級 銀メダル | |||
結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | 予選 | イゴールス・サムショノクス(ラトビア) | 10-0 |
勝利 | 予選 | ジョージ・トルチナバ(オランダ) | 10-0 |
勝利 | ラウンド16 | アレクサンドル・シェマロフ(ベラルーシ) | 6-6 |
勝利 | 準々決勝 | ダニエル・コーミエ(米国) | 6-3 |
勝利 | 準決勝 | クラシミル・コチェフ(ブルガリア) | 3-1 |
敗北 | 決勝 | エルダリ・クルタニゼ(ジョージア) | 0-4 |
2004年アテネオリンピック(ギリシャ・アテネ) / 男子フリースタイル96kg級 銅メダル | |||
結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | 予選 | エルダリ・クルタニゼ(ジョージア) | 3-2 |
勝利 | 予選 | アントワーヌ・ジョード(ブラジル) | 10-0 |
勝利 | 準々決勝 | ルスタム・アガエフ(アゼルバイジャン) | 5-0 |
敗北 | 準決勝 | マゴメド・イブラギモフ(ウズベキスタン) | 4-6 |
勝利 | 3位決定戦 | ダニエル・コーミエ(米国) | 3-2 |
2006年世界レスリング選手権大会(中国・広州) / 男子フリースタイル96kg級 5位 | |||
結果 | ラウンド | 対戦相手 | スコア |
勝利 | ラウンド32 | ダニエル・コーミエ(米国) | 2-1 (2-0, 0-1, 7-0) |
敗北 | ラウンド16 | ギオルギ・ゴグシェリゼ(ジョージア) | 1-2 (0-2, 1-0, 0-1) |
勝利 | 敗者復活戦1 | ノルベルト・ベドル(スロバキア) | 不戦勝 |
勝利 | 敗者復活戦2 | アレクセイ・クルプニャコフ(キルギス) | 2-0 (1-1, 2-1) |
敗北 | 3位決定戦 | ルスラン・シェイハウ(ベラルーシ) | 1-2 (1-0, 0-1, 1-1) |
4. 引退後の生活
レスリング選手としてのキャリアを引退した後、アリレザ・ヘイダリは実業界に進出した。彼は約800人の従業員を抱える鉱山を購入し、その運営を手掛けている。
5. 受賞歴と栄誉
アリレザ・ヘイダリは、その傑出したレスリングの実績により、数々の栄誉に輝いている。
- 1999年: イランの年間最優秀スポーツ選手に選出された。
6. 評価と影響
アリレザ・ヘイダリは、イランのレスリング界における伝説的な存在の一人として高く評価されている。彼の数々のアジア大会での3連覇や世界選手権でのメダル獲得、そしてオリンピックでの銅メダルは、イラン国民にとって大きな誇りとなった。特に、彼は若手レスリング選手たちに大きな影響を与え、彼らが国際舞台で活躍するための目標と模範を示した。彼の粘り強い戦いぶりと卓越した技術は、イランのレスリングの発展に多大な貢献をしたとされている。